9.[鷲図案 1924-1926]1)1924年発行 従来サイズ(140X90ミリ)市外用5ペニヒ葉書 市外用5ペニヒ往復葉書往信部 市外用5ペニヒ往復葉書返信部 外信用20ペニヒ葉書 外信用20ペニヒ往復葉書往信部 外信用20ペニヒ往復葉書返信部 1924年になると、インフレ時期に切手と異なる図案の印面が使われていた葉書は、再び切手と同じ図案の葉書に戻されました。発行されたのは市外用5ペニヒ葉書と往復葉書、外信用20ペニヒ葉書と往復葉書で、市内用3ペニヒ葉書は発行されませんでした。発行時期ははっきりしませんが、切手の発行時期を考えると、市外用5ペニヒが3月頃、外信用20ペニヒが6月頃と思われます。葉書が発行されるまでの間は、私製葉書に切手を貼って使用していました。 切手と同じ図案の葉書ではありますが、20ペニヒだけ色が大きく異なります。切手の方は濃い青ですが、葉書の方は青みがかった灰色です。これは、UPUの規定では青が書状なので、紛らわしいため変えたと思われます。 外信葉書が発行されて半年後の1925年1月1日(木)から、外信葉書料金が15ペニヒに値下げされました。しかし、20ペニヒ葉書がまだ大量に残っていたので、15ペニヒ葉書は発行されず、20ペニヒの額面の葉書をそのまま15ペニヒで発売するというやり方が取られました。それでは混乱する思ったのか、一部の局で15ペニヒの額面を臨時に手押しで加刷したものが発売されました。しかし郵便局側の勝手な加刷であったため、すぐに発売中止になっています。一時はこの加刷葉書にカタログのメインナンバーを与えていましたが、現在では省かれています。 2)1925年発行 大型サイズ(148X105ミリ)市外用5ペニヒ葉書 市外用5ペニヒ往復葉書返信部 ドイツ統一後50年以上もの間、標準の葉書サイズであった140x90ミリ(横が140ミリ、縦が90ミリ)が、UPUの決定を受けて、一回り大きな148x105ミリに変更されたシリーズです。ただし外信葉書は在庫を抱えていたので、改訂は行われていません。サイズ変更だけではなく、葉書中央の縦罫線が太くなっているなど、若干の変更も行われています。3)1926年発行 差出人住所氏名欄改訂市外用5ペニヒ葉書 葉書左上の差出人住所氏名欄を詳細にしたシリーズです。今までの葉書には、左上に単に「Absender」(差出人)の表示しかありませんでした。ところが、人口が増えて郵便量が増大し、大都市の通りや番地も複雑になってくると、差出人の住所も正確に書いていないと返信の時に困りますし、誤配された郵便を戻すことができません。この形式は、第二次世界大戦後の葉書にも受け継がれていきます。 4)1926年発行 書体変更
市外用5ペニヒ往復葉書のみに存在する変更で、通りを表す「Strasse」のSの書体が異なるものです。上の図で、2行目の一番左を注目してください。なお、この変更は一時的なもので、次の著名人図案シリーズから、また元の書体に戻ってしまいます。 [ワンポイント] 使用例としては、5ペニヒ葉書を外国に宛てた物が種類が多くて面白いです。外国宛は、最初が20ペニヒ、改訂後は15ペニヒ、チェコなどの近隣諸国の特別地域は10ペニヒ、オーストりー宛は国内料金の5ペニヒのまま、という具合に、外国でも4種類あります。また、航空郵便が盛んに使われた時期でもあり、華やかな使用例をいくつも見かけます。 このシリーズに葉書の印刷位置がずれたものをよく見かけますが、多くはシートから作為的に裁断されたものです。ご丁寧に使用済も残されています。このような「遊び」は、次の著名人シリーズでもよく見かけます。 |
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