2.[数字図案 PFENNIGE 1875-1876]数字図案 PFENNIGEは、1875年1月から発行され、全部で3種類あります。 1)1875年1月発行市外用5ペニヒ葉書 上の葉書が、ドイツ帝国最初の統一通貨の葉書です。しかも、ドイツ帝国として初めて、葉書と切手とが同一図案の葉書です。以後、原則として、切手と同じ図案の印面を葉書に使うことになりました。ただし、インフレや戦後の混乱期は除きます。用紙はその前のシリーズよりは茶色の度合いが薄くなりましたが、表面の質も荒く、まだまだ粗末な感じがします。 この葉書は、1874年12月には各郵便局に配布されていました。12月中に誤って使用された例が知られています。 1876年以後、このシリーズにいわゆる「点線欠け」がみられるようになります。ただし、往復葉書は除きます。これは、住所を書く欄の一番下もしくはその上の点線の一部を意図的に抜いたもので、製造管理上の目的があったようです。この抜く位置については種類が多く、また大変専門的になりますので、ここでは省略します。この点線欠けは、1900年頃まで続きます。以下に、点線欠けの実例を示します。この例では、左から2番目の点が抜かれています。 左から2番目の点が抜けている 2)1876年発行往復葉書だけ、「返信」のドイツ語表示を変更したものです。ちょうど点線欠けの過渡的な時期に製造されたので、点線欠けのあるものとないものがあります。 下の行で「返信」が「Rüchantwort」(1875年発行) 下の行で「返信」が「Antwort」(1876年発行) [ワンポイント] この葉書は、何と言っても、点線欠けのバラエティに注目して集めるのが一番です。ただし、これ以後のシリーズもそうですが、この点線欠けの種類は非常に多く、全部集めることはまず不可能と思います。葉書の大きなロットを購入してみても、あまりに同じものが多いのでうんざりするでしょう。<経験上 それ以外の楽しみ方としては、消印があります。ドイツ統一以前の古い時代のものがまだこの頃も使われていたので、消印の種類によって評価が大きく変わります。さまざまな形式の消印がありますので、これだけでも十分楽しめます。 なお、消印の押し方は、それまでの捨て印方式から、ちゃんと印面に押すように変更されました。切手と全く同じ図案ですから、当然といえば当然の変更だったのでしょう。ドイツの場合、印面をきちんと抹消することが徹底されていたので、一番上の図のようにばっちり押されるのが普通です。少しでもずれると、2度も3度も押すことがありますので、徹底ぶりが伺えます。しかし、あまり見栄えは美しくないので、収集家としては敬遠したいものです。 |
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