目 次
ドイツ・ステーツ
ドイツ 1872
ドイツ 1873-1932
 概説
  鷲図案 1873
  数字図案 PFENNIGE 1875-1876
  数字・鷲図案 PFENNIG 1878-1887
  数字・鷲図案 UPU色 1889-1900
  数字・鷲図案 UPU色 1889-1900(続き)
  REICHSPOST 1900-1901
  DEUTSCHES REICH 1902-1920
  バイエルン葉書加刷 1920
  郵便配達夫図案 1921-1922
  鷲図案 1924-1926
  著名人図案 1926-1927
  大統領図案 1928-1932
  絵入り・記念特殊 1899-1932
  航空 1912-1926
  気送管 1876-1929
  印刷物 1902-1910
  額面追加加刷 1916-1920
  公用 1920-1922
ドイツ 1933-1944
ドイツ在外局
ドイツ植民地
ドイツ海軍艦船郵便
第一次世界大戦占領地区
ベルギー軍占領地区
ドイツ住民投票地区
ダンチヒ
メーメル
ザール
第二次世界大戦占領地区
地方発行
連合軍占領地区
西ドイツ
ベルリン
東ドイツ
統一後のドイツ

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4.[数字・鷲図案 UPU色 1889-1900]

・市外用5ペニヒ葉書

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1)1889年10月発行

市外用5ペニヒ葉書

 1889年10月から、図案を一新して、さらに5ペニヒを紫色から緑色に改めたシリーズの切手と葉書が発行されました。改色の理由は、5ペニヒが外信印刷物料金に相当したので、UPU会議で定められた緑色を採用したためです。日本のU小判切手(1銭、2銭、5銭)をご存知の方は、それがドイツでは5ペニヒ、10ペニヒ、20ペニヒになっているとお考えください。この5ペニヒの緑色は、以後1916年6月まで、27年間も使用されました。なお、1924年から再び5ペニヒ緑色葉書が復活し、第二次世界大戦後も一部の例外を除いて5ペニヒ葉書には一貫してこの緑系統の色が使われています。

 上の写真は、最初の5ペニヒ葉書の使用例です。今までのシリーズとの違いは、図案だけではありません。ご覧のように、色は1色刷りで、書体も大きく変わっています。


2)1890年8月発行 製造年月英小文字付き

英小文字あり(新) 英小文字なし(旧)

 1890年8月から、葉書の右下にある製造年月の右側に英小文字が入れられるようになりました。これは、葉書の一番下にある点線(住所欄)の中から1個の点を抜いたいわゆる「点線欠け」の位置と文字とを対応させたものです。詳細は専門的になりますので省略します。これによって、点線欠けの位置を調べるのに、いちいち右あるいは左から1つ1つ点を数える手間が省けて(収集家も)楽になります。なお、往復葉書には、この文字は「f」しかありません。


3)1891年3月発行 横線間隔幅広

幅広(新) 幅狭(旧)

 1891年3月から葉書に宛名や住所を書くためのガイドラインである横線(点線)の上下の間隔が広げられ、書きやすくなりました。次のシリーズとは、Anの文字の位置で区別します。


4)1891年5月発行 An左寄り

市外用5ペニヒ葉書

市外用5ペニヒ往復葉書返信部

 1891年5月から、宛名の「・・・宛」を意味するAn(英語のToに相当)の文字が葉書の左端に近い位置に移動され、長い宛名が書きやすくなりました。上の写真で左端にある文字が、Anに当たるドイツ語の印刷体文字です。なお、現代の感覚では不要と思われるこのAnの文字が取り除かれるのは、1908年からです。


5)1894年発行 製造年月なし

 1894年7月から、製造管理に関するやり方を変更したため、試行的な改訂がいくつか始まりました。まず最初は、1882年1月以来入れられていた、葉書の右下にある(印刷の版の)製造年月が取り外されました。ただし、現場の混乱か、外されずに印刷されたものがあります。(次のシリーズがそうです。)点線欠けは残されていて、その位置には、これまた現場の混乱か、一番下の横線、一番上の横線、上の2つの横線の3パターンがあります。

 なお、往復葉書は製造年月が入れられたままですので、注意してください。


6)1894年7月発行 製造年月あり

 1894年7月から8月にかけて印刷された葉書の一部に、製造年月がまだ入れられたものが知られています。次のシリーズとは、すかしの有無で区別します。


7)1894年8月発行 製造年月あり・すかしあり

 1894年の8月から、往復葉書以外の葉書にすかしが入れられるようになりました。ほとんどが次のシリーズに使われたのですが、ごく一部、製造年月ありのものにこの用紙が使われました。この5ペニヒ葉書は、UPU色シリーズ全体を通じて最も難しい葉書です。


8)1894年発行 製造年月なし・すかしあり

 製造年月のない版にすかし入りの用紙が使われたシリーズです。このシリーズは1900年まで発行され、しかも、すかしの種類と点線欠けの組み合わせが膨大にあることで有名です。完集はほとんど不可能です。


9)1898年発行 製造年月あり・英小文字なし(往復葉書のみ)

 往復葉書のみにあるシリーズです。それまで「f」しかなかったので、省いても同じ、と考えたのかも知れません。なお、製造年月のない往復葉書が知られていますが、これは植民地の加刷葉書に使われただけで、本国では発行されませんでした。しかし、一部が市場に出回っています。

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[ワンポイント]
 8番目のシリーズは、点線欠けとすかしのバラエティが膨大な量ですので、個人の力では完集はまず無理と思われます。経験的に言うと、最初はいろいろな種類が集まって楽しいのですが、途中からは持っているものばかりになって、しまいには飽きてしまいます。むしろ、まだ使われていた古い時代(ステーツの時代)の消印が押されたものとか、植民地の局の消印とか、使用例をいろいろ集める方が長続きします。

 すかしは、光りにかざさなくてもはっきりと分かるものから、紙のむらか何か分からないものまであります。もやもやしてよく分からないものを、「すかしなし」と称して売られることがありますので、購入に当たっては十分注意してください。

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