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4.[数字図案]数字図案は、1883年から1910年まで発行され、細かなバラエティを除いて全部で60種類あります。 1) 1883/1884年発行 市内用3ペニヒ葉書 市外用5ペニヒ葉書 バイエルン王国としては初めて、切手にない全く新しい図案を採用したシリーズです。この図案は国内用の葉書のみに使われ、外信葉書はしばらく紋章図案のまま残りましたが、最終的にはそれも1900年から数字図案に切り替わりました。図案を切り替えた理由は、葉書のような厚手の用紙にエンボス加工を施すことが大量生産に不向きであったから、と思われます。ちなみに、バイエルン王国以外でエンボス加工の葉書を発行していたのはドイツ帝国で、それも1878年から1889年まで発行された外信葉書のみです。 市内用3ペニヒ葉書(注意書き入り) なお、5ペニヒ葉書のみ、すかしの向きの違い(縦と横)があります。 2) 1884/1888年発行 すかしは波のような形状と、鋸の歯のようなジグザグした形があります。縦横の向きも含めると4種類になります。 管理番号は最初はAの文字が、1887年から西暦の下2桁が使用されました。過渡的に文字と数字が混合した番号もあります。印刷された位置もバラエティがあります。左の図に、3つの代表例を示します。 次のシリーズとの違いは、紋章の形であることに注意してください。 市内用3ペニヒ葉書 市外用5ペニヒ葉書 紋章の形が向き合う獅子から互いに逆を向いた獅子になり、紋章全体のサイズも小さくなりました。 次のシリーズとの違いは、印面の色であることに注意してください。 4) 1890/1895年発行 市内用3ペニヒ葉書 市外用5ペニヒ葉書 UPUの規定に合わせるため切手の刷色が変更され、同時に葉書の印面の色もそれに合わせて発行されたものです。3ペニヒ葉書は黄緑から茶へ、5ペニヒ葉書は薄紫から濃い緑になりました。 市内用3ペニヒ往復葉書往信部 同 用紙改訂 1892年からは、それまで国内用往復葉書の用紙の色は灰色、と決められていたのを、すべて普通葉書と同じ用紙が使われるようになりました。これで、外信葉書も含めてすべての葉書の用紙が統一されたことになります。 次のシリーズとの違いは、印面の一部分であることに注意してください。 5) 1895/1896年発行 従来のシリーズとの違いは、印面の数字の背景にある菱形の文様です。これは、よく見ると短い横線の組み合わせで表現されていますが、このシリーズはその横線同士の間隔が広くなっています。肉眼では、この変更はなかなか区別しにくく、結局1896年以降の管理番号がある葉書と見比べて覚えるしかありません。 次のシリーズからは、一色刷になります。
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