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5.[LUITPOLD図案]
LUITPOLD図案は、1911年から1914年まで発行され、細かなバラエティを除いて全部で6種類あります。
6) 1911年3月10日発行
国内用5ペニヒ葉書
外信用10ペニヒ葉書
摂政を務めたLUITPOLD(ルイトポルト)(1821-1912)が90歳になったのを記念して発行された切手と同じ図案の葉書が発行されました。この葉書がドイツ最初の人物図案葉書です。さすがに、発行の意図から考えて、切手と別の図案の印面にできなかったと思われますが、切手と印面のサイズをよく見比べると、葉書の方が一回り大きくなっています。やはり、切手との区別を意識していたのでしょうか。
発行の経緯からすると記念葉書のように思われがちですが、90歳を記念して切手と葉書の図案が変更された、というのが正確です。
このシリーズは、次の2つの点が注目されます。
1. ドイツ人で初めて、しかも故人ではない人物がドイツの葉書の図案に使用されました。
2. 大口利用者のために、バイエルン葉書として初めて切り離し用の目打ちが付いた目打ち付き葉書が発行されました。
目打ち付き葉書とは、葉書が6連になったもので、タイプライターなどによる印刷に向いており、続けて打ち出した後に切り離して使われたと思われます。
管理番号を組み合わせると、このシリーズは合計17種類になります。
通常サイズ |
横幅狭い |
意外に見過ごされがちですが、外信用10ペニヒ葉書に印面のサイズ違いがあります。管理番号13のみに存在するバラエティで、印面の横幅が狭い方(右上の写真の方)が少ないようです。
[ワンポイント]
目打ち入り葉書の使用済がたくさん残っていてもよさそうですが、実際はあまり利用されず、入手するのに苦労します。特に外信葉書の目打ち付きの使用済が難しく、あったとしても収集家が作為的に作った国内使用例くらいです。その他は、さほど難しくはありません。
1910年代から機械印が盛んに使われたので、この葉書にもよく見かけます。ところがこの機械印は、葉書の右から左まで達する、ちょうどローラー印のような繰り返しの消印で、あまり美しいとは言い難いものです。できれば、すっきりした手押し印を優先して手に入れたいところです。
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