目 次
ドイツ・ステーツ
概説
 ヴュルテンベルク
 バイエルン
 概説
 A. 民間用
  1.印面なし1870-1872
  2.紋章図案 KREUZER 1873-1875
  3.紋章図案 PFENNIG 1876-1886
  4.数字図案 1883-1910
  5.LUITPOLD図案 1911-1914
  6.紋章図案 1914-1918
  7.加刷 1919
  8.改正図案 1920
 B. 公用
  9.孤児保護団体用 1902-1919
  10.一般用 1916-1920
 C. 印刷物専用
  11.加刷 1906
 D. 記念・特殊・航空葉書
  12.記念・特殊葉書 1882-1914
  13.航空葉書 1912
 北ドイツ連邦
 バーデン
 ヘルゴラント
ドイツ 1872
ドイツ 1873-1932
ドイツ 1933-1944
ドイツ在外局
ドイツ植民地
ドイツ海軍艦船郵便
第一次世界大戦占領地区
ベルギー軍占領地区
ドイツ住民投票地区
ダンチヒ
メーメル
ザール
第二次世界大戦占領地区
地方発行
連合軍占領地区
西ドイツ
ベルリン
東ドイツ
統一後のドイツ

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3.[紋章図案 PFENNIG単位](続き)

 紋章図案PFENNIG単位は、1876年から1900年まで発行され、細かなバラエティを除いて全部で20種類あります。

 4) 1878/1879年発行

外信用10ペニヒ葉書

 上の写真は、バイエルン王国初の外信葉書です。上から「万国郵便連合」に相当するWELTPOSTVEREINとそのフランス語の表記(UNION POSTALE UNIVERSELLE)、「ドイツからの葉書」に相当するPOSTKARTE AUS DEUTSCHLAND、王国名BAYERN、最後の行は「ドイツ−ババリア」に相当するフランス語の(ALLEMAGNE-BAVIÈRE)が書かれています。国内用の葉書の中央上に必ず入れられていた紋章は、諸外国を意識してか入れられていません。
 この葉書にすかしが入ったものがありますので注意してください。

外信葉書の往信部外信葉書の返信部

 左上の写真は、外信往復葉書の往信部から左下コーナーを拡大したものです。往信部と通常の外信葉書との違いはこの部分しかありません。ここには単に、つながっている葉書は返信用に使うこと、と書いてあるだけです。
 右上の写真は、外信往復葉書の返信分の一部を拡大したものです。これも単に、BAYERNの文字の両脇に「返信」に相当するドイツ語とフランス語を左右に配しただけのシンプルな構成です。
 なお、用紙の色は、国内用の往復葉書の灰色とは違って、普通葉書と同じです。


 5) 1878年発行

市外用5ペニヒ葉書

 1875年以降、通貨単位はドイツ諸国で次々とPFENNIG(ペニヒ)に統一されましたが、5ペニヒ切手と葉書の色だけは、バイエルン王国のみ、他はすべて薄紫というように分かれていました。これをすべて薄紫に統一することになり、切手の変更に合わせて葉書の方も変更して発行されたのがこのシリーズです。
 ただ、UPU加盟国の間で「印刷物料金の切手は緑色」と決まり、ドイツではそれが国内料金と同じであることから、1889年以後国内用葉書を緑色に切り替えることになったため、バイエルン王国は結局元の色に戻すことになります。


 6) 1879年発行

  [トピック] この往復葉書は、未使用/使用済ともに、ドイツの葉書の中で、最難関の1つ

 往復葉書のRückantwortの文字を切りつめてAntwortに変更したものです。どちらも意味的には「返信」です。
 この往復葉書は、発行後すぐに紋章のデザインが変更されたものが発行されたため、残存数が大変少なく、きわめて高価です。おまけにタイプが2つもあります
 この往復葉書は、次のシリーズの往復葉書によく似ています。違いは紋章の部分だけですので、入手に当たっては十分注意してください。


 7) 1879年発行

市内用3ペニヒ葉書

市外用5ペニヒ葉書

(新) (旧)

 従来の葉書は、上に印刷された紋章の中央部分が、一見楕円形のように見えますが、実は盾の形をしていて真の楕円形ではありませんでした。印面の方は一足早く1876年から(エンボスの紋章が)楕円形になっていたのですが、1879年シリーズになってようやく両者が統一されたものが発行されました。


 8) 1883/1884年発行

 1883年は国内葉書が数字図案に変更になりました。これについては次のグループを参考にしてください。このため、紋章図案は外信葉書のみとなりました。これと同時に、葉書にすかしが入れられるようになりました。すかしの形状は波形、鋸の歯のようなジグザグ型の2種類があり、これに向きの組み合わせがあります。詳細は専門的になりますので、省略します。
 紋章図案のすかし入り外信葉書は、この後1900年まで続きます。


 9) 1886年発行

外信用10ペニヒ

 しばらく使われなかった印刷体文字がドイツ語の部分に使われた外信葉書が発行されました。

管理番号 1887年から管理番号として、印刷した年の下2桁を葉書の左隅に印刷しています。この番号の位置は最初はもう少し葉書の中央寄りだったのですが、途中から左下の角に近い位置に変更されました。左の図の右側が初期の位置(葉書の中央寄り)、左側が後期の位置(左下の角寄り)です。
 1886年の管理番号なしを含めて1887年から1900年まで毎年分の番号があり、これにすかしのバラエティを組み合わせると、全体で28種類あります。(ところで、1900年の管理番号は00です。これを見て、私は2000年問題を連想してしまいました。)

外信用10ペニヒ往復葉書のタイプ違い
(タイプ1)
(タイプ2)

 上の写真は、改訂版の外信往復葉書の違いを示したものです。葉書の上に印刷されている国名(赤色の文字)の位置が違うことに注意してください。
 管理番号とすかしの違いを組み合わせると、全部で19種類あります。

返信部

 上の写真は、改訂版外信往復葉書の返信部の使用例です。1912年(明治45年)7月13日に四日市からバイエルンのニュルンベルクへ宛てたものです。返信部と往信部との違いは、「mit Antwort」か「− Antwort」か程度の違いしかありません。文字のわずかな違いですので注意してください。


[ワンポイント]
 外信葉書は、宛先の国によって値段が極端に変わる場合があります。宛先にこだわらなければ、値段はそれほど高くはありませんので、管理番号の組み合わせを全種類揃えることも夢ではありません。ただし、経験的に言って、揃えやすいのは未使用です。
 繰り返しになりますが、紋章の形状に注意してください。間違えて売られている場合が意外に多く、特に高価な物は要注意です。ドイツ本国の信頼のおける店から買う場合でも、あらかじめ実物なりコピーなりを見て確認した方がよいでしょう。

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