3.[建物2次]建物2次図案葉書には、大きく分けて3つのシリーズがあり、全部で13種類あります。 1)郵便番号枠丸枠市内用8ペニヒ葉書(ノイケルン市庁舎) 市外用10ペニヒ葉書(カイザー・ヴィルヘルム記念堂の廃墟) 外信用20ペニヒ葉書(ベルリン自由大学のヘンリーフォード会館) 1956年からベルリンの著名な建物の図案を改訂した葉書が発行されました。単なる図案の改訂だけではなく、それまで印面にDEUTSCHE POST(ドイツ郵政)と入れられていたのが、DEUTSCHE BUNDESPOST(ドイツ連邦郵政)と西ドイツと同じ表記になっている点が注目されます。 市内用8ペニヒ葉書の刷色は、西ドイツの市内用葉書と同じく、灰色に合わせられました。 上の写真で、8ペニヒ葉書は同じシリーズの7ペニヒ切手を貼った国内航空葉書(15ペニヒ料金)の使用例です。20ペニヒ葉書は15ペニヒ切手を貼った外信航空葉書(35ペニヒ料金)の使用例です。消印は西ドイツのフランクフルト局の1958年5月5日で、オーストリー航空のフランクフルト−ウィーン間初飛行便で運ばれたものです。 2)郵便番号枠丸括弧、Postkarte改訂市内用8ペニヒ葉書 市外用10ペニヒ葉書 市外用10ペニヒ葉書往復葉書返信部
戦前に郵便番号制度が始まって以来、基本的に丸枠ないし四角などの閉じた図形であった郵便番号枠が、1957年から丸括弧に変更されたシリーズが発行されました。この改訂は、西ドイツと同じ時期に行われています。このシリーズは、郵便番号枠の改訂だけではなく、「Postkarte」の文字の位置も下に移動しています。前のシリーズと比較してください。 なお、1910年以後戦後も続いて発行されていた目打ち入り葉書が、このシリーズを最後に発行が中止となりました。 3) 改色市内用8ペニヒ葉書(ノイケルン市庁舎) セーム革色紙 同 白紙(上と比較して相対的に白い、という意味) 市内用8ペニヒ往復葉書返信部 1959年に、市内用の8ペニヒの色が灰色から橙色に改色されたシリーズが発行されました。この改訂は、西ドイツでは行われていません。もともと、ベルリンでは8ペニヒ葉書が橙色でしたので、元に戻った形になります。一度灰色にした理由は、赤系統の外信用20ペニヒ葉書と紛らわしいからか、西ドイツの配色に合わせたからと思われますが、それをまた元に戻したのは、ベルリン市内に流通する葉書が灰色では・・・という意見でもあったのでしょうか。 この葉書には、2種類の用紙があります。初期は、セーム革色紙(暗く、やや赤茶色がかった紙)、後期が白紙と呼ばれる用紙です。見た感じでは、初期が日に焼けたような色、後者はそれより明るい色です。白紙という表現はカタログによるものですが、初期と比べて相対的に白いというだけで、現代人が持つ白紙という感覚からは、ほど遠い色をしています。発売された当時は、もう少し白くて、経年劣化で上のような色になったとも考えられますが、現在市場にある白紙は、みな同じ色をしています。 4)文字改訂シリーズ
1961年から差出人住所欄と宛先住所欄にあった「私書箱」の表示であるPostschließfachnummerがPostfachnummerに変更されました。1行目の一番右を見てください。この改訂は西ドイツの葉書にもあり、同じ時期に改訂が行われています。 [ワンポイント] |
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