2.[建物1次]建物1次図案葉書には、大きく分けて3つのシリーズがあり、全部で14種類あります。 1)郵便番号枠右寄り市内用8ペニヒ葉書(シェーネベルク市庁舎) 市内用8ペニヒ往復葉書返信部 市外用10ペニヒ葉書(クライストパーク) 外信用20ペニヒ葉書(ベルリン工科大学) 1949年5月から6月にかけてベルリンの著名な建物の図案を使用した葉書が発行されました。まず、5月に10ペニヒ葉書が市内用として、残りは6月に発行されました。6月1日から市外用葉書料金が10ペニヒに値下げされたため、市内用10ペニヒ葉書は市外用に用途が変更されます。 BERLIN加刷シリーズの台葉書の様式が踏襲されたため、中央やや下に位置する宛名人の住所の郵便番号枠が、中央の罫線に対して右寄りになっています。なお、外信葉書は宛先がドイツではないので、当然この郵便番号枠がないのですが、便宜上この郵便番号枠寄りシリーズに入れられています。 この葉書には、紙の厚さにバラエティがあって、額面によっては評価が変わります。 上の写真で、10ペニヒ葉書の消印に見られる広告は、第2回ベルリン国際映画祭(1952年6月12日から25日まで開催)の予告です。 2)郵便番号枠中央
1952年に、それまで右寄りにあった宛名人の住所の郵便番号枠が、罫線に対して中央になるように移動したシリーズが発行されました。中央といっても、実際は微妙に右に寄っていますので、注意してください。完全に中央に位置するものはありません。 戦後しばらく途絶えていた目打ち入り葉書がこのシリーズから復活しています。西ドイツではこのような目打ち入り葉書は発行されませんでした。 3)差出人氏名欄改訂
1955年に、左上の差出人氏名を書く欄に「姓と名前」の両方を書くように追記したシリーズが発行されました。 [ワンポイント] 市外用10ペニヒ葉書が、5月の発行当初は市内用だったことが盲点です。まだ前のシリーズであるBERLIN赤加刷シリーズが残っていたので、市内用葉書として通用した例は極端に少なく、珍品として扱われます。 郵便番号枠右寄りシリーズと中央シリーズを間違えて売られるケースがあります。上記のように、中央といっても微妙に右に寄っているので、こうした誤解を生むようですが、安価な物を高価な物に間違えて売る業者には閉口します。(連続3回、同一業者でそういう経験をしています。意図的行為でしょう。)購入に当たっては十分な確認が必要です。 |
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