目 次
ドイツ・ステーツ
概説
 ヴュルテンベルク
 概説
 A. 民間用
  1.八角形数字図案 KREUZER 1870-1872
  2.四角形数字図案 KREUZER 1872-1875
  3.四角形数字図案 PFENNIG 1875-1901
 B. 公用
  4.官庁用 1881-1920
  5.特定官庁用 1884-1919
  6.市町村用 1894-1919
 C. 印刷物専用
  7.加刷 1875
  8.正刷 1875-1895
 バイエルン
 北ドイツ連邦
 バーデン
 ヘルゴラント
ドイツ 1872
ドイツ 1873-1932
ドイツ 1933-1944
ドイツ在外局
ドイツ植民地
ドイツ海軍艦船郵便
第一次世界大戦占領地区
ベルギー軍占領地区
ドイツ住民投票地区
ダンチヒ
メーメル
ザール
第二次世界大戦占領地区
地方発行
連合軍占領地区
西ドイツ
ベルリン
東ドイツ
統一後のドイツ

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3.[四角形枠、数字図案、PFENNIG単位 1875-1901]

 この四角形枠、数字図案、PFENNIG(ペニヒ)単位の葉書は、合計23種類の葉書があります。ここでは一部を省略して9つのシリーズに分けます。

 1) 1875年7月発行 2色刷灰色紙シリーズ

 上の図は、新しい統一通貨PFENNIG(ペニヒ)導入に合わせて、図案を変更したシリーズです。このときの用紙は、まだ旧通貨であるクロイツェル時代の灰色紙を使用していました。3番目と4番目の点線の長さに3タイプが知られています。
 ところで、ヴュルテンベルク王国では、それまで市内用、市外用と料金が分かれていましたが、このシリーズから初めて市外用の1種類のみの発行となりました。これはドイツ帝国の場合と同じです。(5ペニヒのみで、しかもその5ペニヒの色が薄紫色であるところまで一緒です。)


 2) 1876年発行 2色刷クリーム紙シリーズ

 用紙の色をドイツ帝国のものと同じに合わせたシリーズです。クリーム紙といっても、濃淡の幅は大きく、黄色味の強いものが普通です。上の写真で、左下に見える文字(An)の違いに2種類あります。また、中央上の紋章にライプチヒ型とシュトゥッツガルト型が知られていて、Anの文字違いを組み合わせると3種類あります。


 3) 1878年発行 外信用シリーズ

 ドイツ帝国でも外信用葉書が発行されたのに伴い、ヴュルテンベルク王国でも同じ形式の外信用葉書を発行しました。同じ形式ではありますが、3段目にWURTTEMBERGの文字が入っている点が異なります。上の写真で、左下に見える文字(An)の違いに2種類あります。これは明らかに違う書体ですので、初めて見ても簡単に区別ができます。


 4) 1882年発行 1色刷シリーズ

 ドイツ帝国は1889年、バイエルン王国は1900年から葉書の1色刷に切り替えましたが、ヴュルテンベルク王国はそれより早く切り替えています。ちなみに、最初に1色刷を出したのは、1878年のヘルゴラントです。
 このシリーズでは、紫色の違いに2種類あって、評価に差があります。上の写真は、少ない色調の方の葉書です。


 5) 1887年発行 改訂外信用シリーズ

 ドイツ帝国が1886年から外信用葉書の様式と書体を変更したのにあわせて発行されたシリーズです。ドイツ帝国のものとよく似ていますが、書体はいろいろ違うところがあります。中央上に、下にはみ出したようにWurttembergの文字が入れられている点も違います。
 なお、ドイツ帝国は1889年から外信用葉書も1色刷に切り替えましたが、ヴュルテンベルク王国の場合は、最後までこの2色刷外信葉書を発行しました。


 6) 1890年発行 改色シリーズ

 ドイツ帝国が1889年から、国内の葉書を緑色に変更して発行したことにあわせて発行したものです。色以外でも細かい点で形式が変えられたのですが、詳細は省略します。


 7) 1893年発行 紋章なしシリーズ

 紋章がなくなり、中央下のPostkarteの最後にピリオドがなくなり、さらには葉書左下に版の製造年月日が入るなど、いろいろ改訂されたシリーズです。1894年からは市内料金が復活し、3ペニヒという低料金の葉書が用意されました。上の写真がその葉書です。

左の図は、3ペニヒ葉書の製造年月日の例です。これは1893年12月15日を意味していて、3ペニヒ葉書の最も早い版の日付として知られているものです。

 8) 1898年発行 改訂往復葉書シリーズ

 往復葉書の返信部に「(返信)」を表す文字「(Antwort)」が太い書体で大きく入れられたものです。このような例は、後にも先にもこの葉書のみです。


 9) 1900−1901年発行 市内用料金改定シリーズ

 ドイツ帝国が1900年4月から市内用が2ペニヒになったのにあわせて発行されたものです。このとき、ドイツ帝国の葉書は青みがかった灰色の用紙を使用していましたが、ヴュルテンベルク王国の方は、従来の用紙を使用していました。最も早い版の製造年月日が1900年3月8日であることから、急遽作られたのでしょう。ちなみに、ドイツ帝国の方は1899年5月です。

 ドイツ帝国の市内用葉書との用紙の不統一を改めたものが1901年に発行されました。こちらは、最も早い版が1901年7月27日です。
 1902年3月末を持って、ヴュルテンベルク王国の民間向けの郵便事業はドイツ帝国郵政に引き継がれることになりましたので、このシリーズが最後のシリーズです。以後は、ヴュルテンベルク王国では公用葉書のみとなります。


[ワンポイント]
 一部の葉書をのぞいて、どれも入手しやすいシリーズです。一つ一つは安価でも、1893年以降の版の年月日をすべて集めようとすると、この種類は相当ありますので、完集は難しいと思います。ヴュルテンベルク王国では、古い郵便印を使っている局がいくつか残っていたので、これらの郵便印で楽しむ方法もあります。代表的なのは、3重丸印、円を半分にしたような半月印などです。小局では、時刻表示のないものも見かけます。(上にもその例があります。)

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