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3.[四角形枠、数字図案、PFENNIG単位 1875-1901]この四角形枠、数字図案、PFENNIG(ペニヒ)単位の葉書は、合計23種類の葉書があります。ここでは一部を省略して9つのシリーズに分けます。1) 1875年7月発行 2色刷灰色紙シリーズ 上の図は、新しい統一通貨PFENNIG(ペニヒ)導入に合わせて、図案を変更したシリーズです。このときの用紙は、まだ旧通貨であるクロイツェル時代の灰色紙を使用していました。3番目と4番目の点線の長さに3タイプが知られています。 2) 1876年発行 2色刷クリーム紙シリーズ 用紙の色をドイツ帝国のものと同じに合わせたシリーズです。クリーム紙といっても、濃淡の幅は大きく、黄色味の強いものが普通です。上の写真で、左下に見える文字(An)の違いに2種類あります。また、中央上の紋章にライプチヒ型とシュトゥッツガルト型が知られていて、Anの文字違いを組み合わせると3種類あります。 3) 1878年発行 外信用シリーズ ドイツ帝国でも外信用葉書が発行されたのに伴い、ヴュルテンベルク王国でも同じ形式の外信用葉書を発行しました。同じ形式ではありますが、3段目にWURTTEMBERGの文字が入っている点が異なります。上の写真で、左下に見える文字(An)の違いに2種類あります。これは明らかに違う書体ですので、初めて見ても簡単に区別ができます。 4) 1882年発行 1色刷シリーズ ドイツ帝国は1889年、バイエルン王国は1900年から葉書の1色刷に切り替えましたが、ヴュルテンベルク王国はそれより早く切り替えています。ちなみに、最初に1色刷を出したのは、1878年のヘルゴラントです。 5) 1887年発行 改訂外信用シリーズ ドイツ帝国が1886年から外信用葉書の様式と書体を変更したのにあわせて発行されたシリーズです。ドイツ帝国のものとよく似ていますが、書体はいろいろ違うところがあります。中央上に、下にはみ出したようにWurttembergの文字が入れられている点も違います。 6) 1890年発行 改色シリーズ ドイツ帝国が1889年から、国内の葉書を緑色に変更して発行したことにあわせて発行したものです。色以外でも細かい点で形式が変えられたのですが、詳細は省略します。 7) 1893年発行 紋章なしシリーズ 紋章がなくなり、中央下のPostkarteの最後にピリオドがなくなり、さらには葉書左下に版の製造年月日が入るなど、いろいろ改訂されたシリーズです。1894年からは市内料金が復活し、3ペニヒという低料金の葉書が用意されました。上の写真がその葉書です。 左の図は、3ペニヒ葉書の製造年月日の例です。これは1893年12月15日を意味していて、3ペニヒ葉書の最も早い版の日付として知られているものです。8) 1898年発行 改訂往復葉書シリーズ 往復葉書の返信部に「(返信)」を表す文字「(Antwort)」が太い書体で大きく入れられたものです。このような例は、後にも先にもこの葉書のみです。 9) 1900−1901年発行 市内用料金改定シリーズ ドイツ帝国が1900年4月から市内用が2ペニヒになったのにあわせて発行されたものです。このとき、ドイツ帝国の葉書は青みがかった灰色の用紙を使用していましたが、ヴュルテンベルク王国の方は、従来の用紙を使用していました。最も早い版の製造年月日が1900年3月8日であることから、急遽作られたのでしょう。ちなみに、ドイツ帝国の方は1899年5月です。 ドイツ帝国の市内用葉書との用紙の不統一を改めたものが1901年に発行されました。こちらは、最も早い版が1901年7月27日です。 [ワンポイント] |
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