あっかどう
安 家 洞
日本洞穴探検協会
1:所在地:岩手県下閉伊郡岩泉町大字安家
2:文化財種別:文部科学省文化庁指定天然記念物 指定日 昭和55年2月7日
3:総延長:23.7km
4:概要
安家洞は安家石灰岩層(南北50km最大幅4km)のほぼ中央の東端に位置している。 我々は河川法に準拠し、本洞を地下水の上流から奥本洞、山内新洞、東本洞、西本洞に分類した。
・奥本洞は迷路状に発達し、雪解けや大雨時には最奥部の「洗身の池」から水流が流出し、西本洞に流入する形跡が認められる。
・西本洞は洞内では最も低い位置にあり、増水時水没することが確認されている。
・山内新洞は安家洞の中央部、上に向かって階段状に伸びる165mの煙突状縦穴である。 登りの起点となる場所は、「希望の池」と称するプールがあり通過が困難である。 最奥部第5ホールでは、空気が人間の通過できない縦穴を山上に向かって流れ、外界への通気口があることを示している。 山上までの未解明部分の高さ140m。
・東本洞は洞口から約550mが観光化され、一般公開されている。(4月中旬から11月下旬まで) 東本洞は安家洞で高い位置にあり、二次生成物が良く発達している。
今後は南と西に点在する地底湖の探検が課題である。
5:探検経過
1951年岩手県山岳協会が安家村(当時)からの依頼で訪れたのが、外部から初めての探検である。 しかし、洞穴の客観的評価はできなかったため「大きな鍾乳洞」にとどまった。 数年後、京大の生物学者が祝井沢の穴(安家洞)を訪れたが、一の関が水没していたため引き返し「小さな洞穴」と評価した。
1959年龍泉洞調査に訪れていた日本洞窟地下水研究会が、安家選出の町会議員から強い要請を受け入洞し、歩測により4700m以上という数値が得られ、日本最長洞穴と推定した。
2年後の1961年長谷川善和がプロデュースし、同会と日本ケイビング協会が安家洞探検隊を編成(L吉井良三)。 探検測量の結果7650mとの長さが発表された。 このとき地元からの依頼で洞穴名が吉井良三氏により「安家洞」と命名された。
1962年日本ケイビング協会(L山内浩)が地質、生物、地下水生物調査、補正測量を行い8000m+αとした。 以後、国内では安家洞を超える洞穴は発見されていない。
1972年、元管理者が石灰岩採掘問題と借地権をめぐる裁判を理由に、1991年まで観光客以外文化庁の調査を含め一切の調査を拒否した。
1991年、元管理者が裁判に敗訴し排除され、安家洞開発有限会社(工藤勇吉代表)の管理となって、1992年9月からJapan Cavers ClubU(現、日本洞穴探検協会) により探検が再開された。 その結果2006年3月総延長23.7kmと発表した。
(文中敬称略)