大正洞



 5層の横穴を竪穴が結んだ独特の構造を持つ立体洞穴です。 入口のある中層が、古くから知られた「牛隠しの洞」で奥には迷路状に洞窟が広がっています。 「極楽広場」から「高天原(たかまがはら)」にかけての上層は、大正洞誕生の初期に 地下水面が安定した状態のエピフレアティック環境で拡大した洞窟で、扁平した石筍やケイブパール(チケット写真)をはじめ、沢山の鍾乳石,石筍が 発達しています。 一方、 「地獄」,「奈落」と呼ばれる下層は、上層より後の時期に フレアティック溶蝕により誕生した 洞窟で二次生成物の発達はこれからのようです。 このように色々な表情を持つ大正洞は閑散期に訪れると、観光洞でありながら洞窟探検の醍醐味を充分に堪能できます。


交   通

山陽新幹線,山陽本線 「新山口駅」(旧・小郡駅)から、 防長バス「秋芳洞」行きで43分、終点下車。ここから、 防長バス「東萩駅」行きに乗り換えて31分、「大正洞」下車、徒歩2分。 逆ルートなら、JR「東萩駅」から 防長バス「秋芳洞」行きで49分。
美祢市観光協会のHP 「TOP > アクセス」に、 各バス会社の時刻表が大変見やすくまとめられています。

車の場合、 中国自動車道「美祢東JCT」から 小郡萩道路へ入り「絵堂IC」から5分。

CAVE GUIDE
所   在
  山口県美祢市美東町赤 2666-1 (旧:美祢みね郡美東町大字赤)
営   業   8:30〜17:15 ...受付は16:30まで。 (年中無休)
料   金   大人(中学生以上) 1,100円, 小人(小学生) 600円.
※景清洞との共通券はなくなりましたが、当日中に両方の鍾乳洞を見学する場合はレシート持参で割引(大人1650円,小人900円)になります。
駐 車 場
 乗用車 160台 (無料)
2021年8月現在



 

カルスト地形
[Brief Note]

 カルスト地形は石灰岩地帯が、雨や風などで溶食されてできた地形のことで、 スロベニア南西部のカルスト地方にその典型が見られることからこの言葉が生まれました。 秋吉台の羊の群れのような景観は、カレンフェルトと呼ばれ石灰岩の比較的硬い部分が溶け残ったものです。 また集中的に溶食が起こり、凹地となってしまったところがドリーネ。 ドリーネを大規模にしたものがウバーレで、鍾乳洞の入り口あたりはほとんどがこの地形です。 台地上を溶食させた水が、 ドリーネの底やポリエの末端の吸い込み穴 (ポノール)から 地下にもぐって穴をあけ続けると鍾乳洞の誕生となります。  c.f. 山岳カルスト隆起珊瑚礁カルスト

'88.8


行ってきたよメール
 5月23日に大正洞へ行ってきました。料金は1100円でした。 時間がなかったので、景清洞には行けませんでしたが、パンフレットを見ると大正洞よりも面白そうでした。



 大正洞の写真です。 懐中電灯を無料で貸してくれました。 駐車場から入口まで離れています。 2,3分は歩きます。


[2022.6.1 かずちゃんより
 かずちゃんの2枚目の写真にあるように、大正洞,景清洞は、昔、赤郷村と呼ばれていた地域に開口しています。 大正洞という名前は、発見当時(1921年=大正10年)の村長さんがつけられたそうです。 現在の住所「美東町赤」の「赤」も、この辺に由来しているんですね。

 次に大正洞に行ってきました。 入口でレシバーを借り案内を聞きながら入洞しました。 感度はまあまあ良かったです。

 入口から洞口間の路がいい雰囲気で良かったですね。洞内の天井に百匹以上の蝙蝠のかたまりがぶらさがっていました。 また、時折飛び回っているのが見れました。 秋芳洞の団体客で人が多かった後だけに、落ち着いた良い環境でした。  
[2015.11.23 ナカオさんより
 団体さんのせいばかりでなく鍾乳洞の特徴もダイナミックな景観の秋芳洞と、成長期のかわいい鍾乳石が出迎えてくれる大正洞とでは違っていますので、 雰囲気の違いとして感じられるのかも知れません。 同じ地域で、色々な特徴の鍾乳洞に出会えるのも秋吉台の醍醐味ですね。

2015年6月中旬訪れました。 洞の入口手前で突然冷たい空気に包まれた時の感覚が忘れられません。 霧も出ていて雰囲気最高でした。 平日の午後3時過ぎとあって前のお客さんもすでに洞を出られた後で、洞内では誰にも出会わず本当に探検気分を味わえヨカッタです。

洞内もさる事ながら、入口や出口周辺の山林に埋もれた石灰岩が苔生した景観は、さながら「もののけ姫」の世界を彷彿とさせ素晴らしかったです。 明るい緑の草原に代表される秋吉台カルストのもう一つ別の神秘的な顔を見た気がしました。 カルスト台地の半分は山林に覆われているのですね。 機会があればまたゆっくり見学に訪れたいと思いました。
[2015.6.29 iPad2 BAYOさんより
苔に限らず、洞口周辺が濃い緑で覆われている景観っていいですよね。 原始というか、太古というか、何か計り知れない世界への入口を想像させるようで私も大好きです。 洞窟の内部は、天然記念物とかの縛りで保護されてますけれども、洞内だけでなく入口周辺も現在の景観が守られていくといいですね。(秋吉台は心配ないかな)

8月8日に行ってきました。 洞内に入ってすぐ、コウモリが元気に飛んでいて、思わずヒャーっと声をあげてしまいました。 鍾乳洞にコウモリは普通ですが、ここまで低空飛行で飛び回っているところは初めてで鍾乳洞よりもコウモリが印象的です。 お借りしたレシーバー?ですが、私の体と と周波数が合わなかったのか(笑)頭が痛くなってしまいました。 頭痛になりやすい方は少し注意が必要かも!?
[2014.8.14 yuさんより
大正洞に限らず、私の場合も美術展のレシーバーなど装着感が合わないと、妙に肩が凝ってしまうことがあります。便利機能も、使い勝手が悪いとつらいですよね。 大正洞でのマグシーバーの導入は昭和62年で、25年も前からあったんですね。 最近のサファリパークではGPSの位置情報で案内を変えたりしているようですが、GPSが受信できない鍾乳洞の中では、四半世紀が過ぎた古い技術が健在といったところで、電波の質(?)も昔のままなのかな。

秋芳洞から、カレンフェルトやドリーネを見ながら、大正洞へ回りました。 こちらに来ると、観光客の数は激減し、普通の(?)鍾乳洞らしくなってきます。 秋芳洞に比べると、規模が小さいのですが、また違った趣があって良かったです。 ここのコウモリは、なぜバタバタ飛ばずに、スーイスイと飛ぶのでしょうか。 出口から料金所までの道の横に、浸食された石灰岩の造形がたくさんあり、こちらのほうも興味津々でした。 貸し出してくれるレシーバも、受信状態がやや悪かったことはともかく、大正洞の意気込みが感じられ、良かったです。
[2009.9.12 兵庫県 森脇さんより
大正洞は、入口すぐの込み入った「地獄」〜「奈落」は高低差もある迷宮を歩かされ、 後半に広がる「極楽」と呼ばれる空間には、扁平した石筍やケイブパールのある蓮池をはじめ、控えめな鍾乳石が点在していて、秋芳洞とは全く違った趣を体感できますよね。 秋吉台という同じ台地上で、なんでこんなに違う鍾乳洞になってしまうのか不思議でなりません。

大阪から実家の鹿児島まで,家族5人と犬1匹は交通費の都合で車で帰省するので,いつも寄り道しながら3日ほどかけて帰ります。 今年は往路秋吉台と平尾台,復路で大分の鍾乳洞を回ってきました。

途中通り越した秋芳洞前の大混雑とは裏腹に,広い駐車場に車はほとんどありません。 当日は晴れでしたが,朝方降った雨の影響か,切符売り場から入洞口へかけての森の中は真っ白く霧がかかっており,まさに神秘的,幻想的といっても過言ではない雰囲気です。 セミの鳴き声が蒸し暑さを更にかき立てる中,ある地点を境に突如周囲の空気が嘘のように冷え,前方から鳥肌が立つほどの冷気が流れて来ると間もなく入洞口が見えてきました。


最上部へ行き着くまでの迷路のような通路も,ここ最近訪問した井倉洞や龍河洞に比べるとさほどの窮屈さもなくゆったりと見物することができ,屈んだり体をねじったり頭をぶつける心配をしなくても歩ける久しぶりの鍾乳洞でした。 最上部から出口にかけては,地味ながらもいろいろな鍾乳石が目を楽しませてくれました。 ただ,金網のため見辛いものもいくつかあったのが少し残念でした。


ちなみにここは犬も入れました。 うちの犬は10kg程度の中型ですが,大きさにより対応が変わるかもしれませんので,行く先々で確認してくださいね。 たとえOKだとしても,限られた空間の中で他のお客さんに対する配慮も必要でしょうし,何といっても貴重な自然の産物ですから,粗相には普段の散歩以上に気を使いましょう。  (2009.8.12訪洞)
[2009.9.11 いつじろう さんより
大正洞は鬱蒼とした森に囲まれたドリーネの底に入り口があり、洞内から噴出す冷気がすり鉢状のドリーネに溜まっていて、 鍾乳洞に入る前から突然涼しさを感じられるんですが、湿度が高いと霧まで発生して雰囲気を盛り上げてくれるとは知りませんでした。 この冷気のおかげで、大正洞の「牛隠し」より奥が発見されたといいますから、冷気に感謝するとともに、発見者の探究心にも感服しちゃいますね。

 山口市内での仕事を終えた翌日の6月8日、タクシーの運転手さんのご案内をいただき、大正洞を訪れました。 きっかけは「自然が長い長い時間掛けて創り上げた見事な光景・景観はそれはそれで楽しませてくれますが、人の生活史との関わりのあったことを示しているような洞窟は無いものでしょうか。」という私の問いでした。 「牛隠しという名で語り伝えられた鍾乳洞をご案内しましょう。」

 運転手さんのお薦めは私を満足させてくれました。

 大正洞への途中の小さな祠「犬薮社」はこの草むすところを人々が行き交ったことを示す証であり嬉しくありました。 また、まさに「牛隠し」の名にふさわしい洞窟入口付近。 歴史が今に語りかけているというのは大げさな表現になりますでしょうか。

 その奥に広がる鍾乳洞では、天然自然が織りなす地下光景の数々に感嘆の声を挙げ続けました。 シコクヨコエビの説明には、生物学に興味を抱いていた青春時代に読んだ『洞穴学ことはじめ』という書物を思い出しました。 残念なことに、「エビさん」がいる水域は向こうの方なのでのぞき見ることが出来ませんでしたけれど。

 たった一人で「洞窟探検」を楽しんでいる老人を歓迎してくれるが如く、一頭のコウモリが私の周りを何往復かしてくれました。 頭上、両脇。これほど近くでコウモリと遭遇したのは初めてのことで、これまたとても胸のときめきを覚えた経験でありました。

 また、訪問したいところであります。 ちなみに、私は音声ガイドを利用いたしませんでした。 利用のお薦めをいただいたのですが、自身の感性でストーリーを創り上げていくことも、また、楽しいのではないかと思った次第です。

なお、私自身「鶴野禿爺ジャーナル」というブログを作成しており、「大正洞」訪問について綴っております。 「山口紀行3」というタイトル(6月11日付)が該当文章です。 ご笑覧いただけたら幸甚と存じます。
[2007.6.10 千葉県柏市在住 川口幸宏さんより
洞窟へのアプローチにも色々あるんだなって感心させられました。 そして、旅先で良い運転手さんに出会われたようですね。 牛隠しの伝承については、「昔」ということしか知らないんですが、 各地にある古くから存在が知られている鍾乳洞にも、きっと色々な人との係わり合いの記憶があるのかなって考えると、 次回からは、そういう視点でも鍾乳洞と向き合ってみたくなりました。

秋芳台から北東に下がった景清洞の近くにある、立体迷路状鍾乳洞。 立派な駐車場でヘッドフォン式のガイド受信機(マグシーバー)を貸し出してくれる。

実際の洞穴付近は鬱蒼とした樹林の中にあり、他の観光客が殆んど居なかったので秘境探検のような雰囲気が味わえました。 森林内のカルスト地形であちこちに深い吸込み穴があり、ちょっと不気味。 入り口の洞口は鬱蒼とした森のがけ下に降りてゆく形で、雰囲気抜群である。

昔、「牛隠しの穴」と呼ばれたという、立体迷路型の鍾乳洞で、全体が約5層の階層構造となっているそうだが、観光ルートは上半分の「極楽」と称する部分を中心としています。 洞口一帯の迷路状ルートを抜けると、「よろめき通路」などの幅の狭い縦割れ状の通路を登り、上層の「極楽」へ。 「極楽」がほぼ水平に広がる広く多彩なスペースで各種フローストーンや石筍、ケイブパールなどが見られます。 ヨコエビの住む洞内淵や地上に抜けているという竪穴もあり、ゆっくり見て回ればなかなか見所満載です。 ちなみに、極楽の一部にある水流は、映画「八つ墓村」の音声ロケに使われたようです。

この鍾乳洞はあまり2次生成物の美しいのはありませんし、地上からの泥の流れ込みで鍾乳石も茶色ですが、人の少ないときに行けば、入り口までのロケーションといい、なかなか雰囲気のある洞窟なのでオススメですね。
[2007.6.8 猫仙人さんより
鬱蒼としたジャングルに、パックリと口を開けた洞窟の入口。 血沸き、肉踊るフレーズですね。 洞内も昇って、降りて、曲がってと 秋芳洞や景清洞を見たあとだと、いつもの洞窟に抱かれてる安心感みたいなものを感じてしまいませんか。 閉所,暗所恐怖症の方にはお勧めできない絶妙な雰囲気を醸した、私もお気に入りの鍾乳洞です。

マグシーバーの案内が面白い。 洞自体は景清洞の後では、
インパクトには欠けるけど、いろんな形の鍾乳石をそばで見れて楽しい。
近くの博物館だったか、自然観察館だったか。見応えがありました。
町がつくってるようです。
[2001.8.1ときのかなた≠ウんより
洞内では、博物館や美術展でおなじみのマグシーバー(イヤフォンで聞くラジオみたいなもの)を使って、 効果音とBGM付きの総合的な案内が行われており、入洞の際に無料で貸してくれます。 スポット,スポットで、それぞれの説明が繰り返し流されていますが、 スポットへ入るタイミングが悪いと、案内も途中からになってしまいます。 鍾乳洞大好きのじじいは、最初から説明を聞くために結構待たされたりもして、 たっぷりと大正洞を楽しんで来ました。
大正洞近くの博物館は、 「秋吉台エコ・ミュージアム」と言い、 秋吉台や鍾乳洞の発達の歴史やそこに生きる動植物の生態を見ることが出来ます。

夏休みに秋芳洞に行くことになりました。 地図を見るとその間に、景清洞と大正洞がありますよね。 見学時間とかは決まってないのでしょうか?  ガイドブックなど調べても載ってないんです。 あと見学するのにどのくらいの時間がかかるのでしょうか?  ご存じでしたら教えて下さい。
[2000.8.9 ymasutaさんより
営業時間は、景清洞,大正洞どちらも 8:30〜16:30で、 見学にかかる所用時間は、両洞とも40分程度です。 景清洞の探険コースまで見学される場合は、さらに1時間が必要となります。 この時期は、天然のクーラーが効いて、快適な探勝が楽しめることと思います。 どうか気を付けてお出かけください。 そして、お帰りになりましたら是非「感想」等をお寄せ下さい。
大正洞はせまくて、いろんなものがありましたが、 ちょっとにおい(多分コウモリの糞?)が気になってしまいました。 こじまんりとして、一般的な鍾乳洞かなと思いました。 最初、移動は公共の交通機関を考えていたんですが、 小郡でレンタカーを借りることができ、 自由に行動することができました。
[2000.8.22 ymasutaさんより

秋芳、景清ときたので、洞窟は意外と巨大なんだと思い初めていたのですが、 大正洞は狭いくねくねしたところを進んだり、段差を超えていくところがあるので、 最初に私が先入観として持っていた洞窟らしい洞窟だと思いました。 洞内の空間に地獄、極楽の名前がありますが、 立体的な洞内の入り口部分が狭くうねり、段差があり、そこを越えると鍾乳石の並んだ空間が開けるので、 確かに異世界へと入り込んでいくような印象を受けます。 地獄の入り口の側に階段がありそこから極楽へと向かうのですが、 階段には思案坂という名前がついています。 上る途中が見返り坂で、見返るとくねくねとした通路が見下ろせます。 地獄の入り口には、深い穴に水が溜まっており、それが奥へと続いてるそうです。 洞窟の奥にも洞内淵という池がありますが、そういう光景は深遠なものを感じさせて恐いくらいです。
[2000.5.13 高藤さんより
五月の連休明けに、山口,岡山の鍾乳洞巡りをしてこられた高藤さんのHP Tの日誌 と相互リンクを張りました。 「ホームページも持っていますので、こちらにもおいおい載せたいと思っています。 よければたまに覗いて見て下さい。 デジカメで写真をずいぶんと撮ってきました。 コンパクトカメラのストロボなので、近いものしか撮れていないようですが、 雰囲気だけでもと思い、ホームページに載せてみようと思っています。」 と、おっしゃる高藤さんの「山陽、ニークラッシャーの旅」は、旅日記≠フコーナーにあります。

2,3行で構いません。鍾乳洞を訪れた際の皆さんの感想や情報を E-mailでお寄せ下さい。
それぞれの鍾乳洞のページに掲載させて頂きます。
営業日,料金等の変更にお気付きの方の最新データも お待ちしております。

  - 1997.12