幽玄洞



夏休みの宿題(自由研究)のテーマに困っている親子に絶対お勧めの鍾乳洞。 洞内には、 フローストーンカーテン鍾乳管つらら石石筍石柱洞穴サンゴノッチノジュールヘリクタイト,地底湖 など 鍾乳洞で見ることのできる殆どの二次生成物(鍾乳石)を見ることができるばかりか、 随所に親切な説明が添えられています。 特に、ウミユリ萼(がく)化石は日本で初めて発見されたものです。


昭和58年の第2次開発で150mの新洞が追加公開されて、 観光洞部分は延長400m,高低差28mとなりました。 この時点ではまだ現在の出口から入って、当時の最深部(地底湖付近)にあるドームの天井を螺旋階段で登った後、 紆余曲折しながら元のコースへと戻り、入った所から出る、UP/DOWNの多い周回コースとなっていました。 平成の時代に入ると、さらに第3次開発が行われ、現在の入口から水輪の廊下までが開通し、 新しい入口から、昔の入口へと通り抜ける総延長500mの観光コースが完成しました。

交   通

東北新幹線「一関」駅より JR大船渡線に乗り換えて30分の 「猊鼻渓」駅下車。(徒歩40分)
駅からは、東磐交通バスの 夏山・松川線「幽玄洞・夏山行き」 または、 前沢線「小沼・前沢駅行き」で6分、「幽玄洞」バス停 下車 徒歩1分。

車の場合、 東北自動車道「一関IC」から、県道19号線(一関〜大東線)を利用して猊鼻渓を目指し、 「猊鼻渓駅」越えたら幽玄洞への案内板に注意しながら、駅の約1km先で県道106号線(前沢〜東山線)へ左折して500m, 一関ICから30分程度で到着です。

CAVE GUIDE
所   在
  岩手県一関市東山町長坂東本町154−1 (旧:東磐井郡東山町)
営   業   4月〜9月 8:30〜18:00, 10月〜11月 8:30〜17:00, 12月〜3月 9:00〜16:00.
  年中無休
料   金
 大人 1,100円, 中学生 600円, 小学生 400円.  JAF割 
駐 車 場
  50台 (無料) 2021年8月現在


洞穴珊瑚 ノッチ(汀線の跡) ノジュール



洞穴珊瑚
[Brief Note]

写真(上)のボツボツは、洞穴珊瑚と呼ばれています(珊瑚の化石ではありません)。 これは、床に近い洞穴の壁に着生している樹枝状の珊瑚に似た結晶で、 天井から滴り落ちた炭酸カルシウムを含んだ地下水が、 床にあたって飛び散った際の水滴で出来るとも言われています。  cf.大滝鍾乳洞の洞穴珊瑚

'90.5

 
浄魂の泉について

[2005年2月18日 東山ケイビングクラブ 菊地さんより

 現地調査を行なった東山ケイビングクラブとして『浄魂の泉』について記します。 『浄魂の泉』は、出口側にある『ひょうたん池』〜出口、道路を経て流れる『猿沢川』への流出は トレーサー調査で流出を確認しています。 『浄魂の泉』〜『ひょうたん池』への流出は確認しておりませんが、 『浄魂の泉』〜『ひょうたん池』〜『猿沢川』と流れ出ていると考えております。

 『浄魂の泉』は、排水調査を行なって地底湖の底を確認しています。 調査によって、現在の水面から1m下までフローストーンの発達が見られ、 その下は、母岩となっており、洞穴全体と地底湖自体が土砂によって埋没した時期を示しており、 その後、再び流れた水流によって空間が現れています。 開発中、土砂が堆積した厚さは最大で4mありました。 現在の水面から9mで底となっていますが、地底湖は、底に行くに従いラッパ状に狭くなっており、 最後は底の仕切り岩?によって地下水が湧き出ている空間と湧き出た地下水が入り込む空間とに分かれています。

 空間は、人が入れる空間ですが、ボンベを持っての通過は難しいと思います。 土砂で覆われた地底湖です。 シルトが、あっと言う間に舞い上がるので潜水は難しいと思います。

多くの鍾乳洞で地下水がどのように流れているのかは今もって謎となっていますが、 幽玄洞ではトレーサー(着色剤?)による追跡調査が行われていたんですね。 地下水系の流れを探り、幽玄洞を胚胎する山の完成と鍾乳洞の発達史が明らかになることは興味深いことですので、 これからも洞窟をいたわりつつ安全重視での活動と成果を期待しています。



行ってきたよメール
 他の方も言ってる様に、曇ったアクリル板があって肝心な所が見づらいです。 ウミユリも肝心な所が曇ってました。 他にもあちこちに化石らしき物を見つけることが出来ますが私の知識では何であるかはわかりません。 鍾乳石はあぶくま洞の様な派手さはないものの色々な種類が見られて良い感じです。 また程よい狭さと長さで、洞窟探検な感じを楽しめました。 地底湖もあって色々な物が少しずつ見られる鍾乳洞でした。
[2018.1.18 斎藤さんより
 鍾乳洞内部の化石のような学術的なことは、洞窟の地質時代を特定したりするのに役立っていますが、難しいことは、先生方にお任せして、単純に鍾乳石の造形を楽し有無だけでよろしいのではないかと思います。 そういった点では、斎藤さんがおっしゃるように幽玄洞は色々なものが少しづつ見れてお得感がありますよね。

 先日、岩手県の鍾乳洞に行って来ました。 幽玄洞は鍾乳石の前にはことこどく、曇ったアクリル板があるのが少し残念。 板の切れ目からのぞき込むと細い鍾乳管もあるので彼らを守るためには致し方ないかも知れませんね。 化石は小さくて分かりずらく、それよりも地底湖の青さが印象的でした。 基本的に足場と頭上に注意の洞で何度か転びそうになったり頭をぶつけたりしてしまいました。
[2016.3.9 松岡さんより
 三葉虫やアンモナイトと違って、ウミユリの化石は私にとっても見つけづらいものです。 特に幽玄洞は日本の鍾乳洞の中では古い部類の地層の中に作られていますので、珍しい化石の宝庫なんですが、最近は老眼が進みますます化石が見つけにくくなってきました。

4月18日から3泊4日で岩手の6洞( 幽玄洞龍泉洞龍泉新洞安家洞滝観洞稲荷穴 )をめぐってきました。

初日大阪の自宅を6時30分に出て新幹線で一関まで行き、岩手県交通のバス(バス外観は所々錆びており、ガムテープで補修?していました。 また、車内放送で乗客減による公的援助金の打ち切り危機を訴えていました。 ガンバレ東北!)で45分の幽玄洞入口で下車し徒歩10分程度歩いた所の幽玄洞に入洞しました。

幽玄洞は「日本最古」「化石の宝庫」がセールスポイントのようですが、私的にはストローの長さが印象的でした。 後から来た夫婦連れに先に行ってもらい、その後は貸し切り状態でした。 出口を出た所に売店があり、そこのお姉さんが親切に帰路の案内をして下さいました。 また、東山観音窟は震災の影響で入れないとの事でした。 時間が余ったので、歩いてげいび渓の船着き場に寄り猊鼻渓駅まで行き、たまたま一関行きの列車が来たので、そのまま宿泊地の盛岡へ向かいました。 (消費税増税後でも入洞料は割引券持参で1000円→800円でした)  
[2014.4.27 ナカオさんより
印象深かったストロー、どの辺でしょう。 化石の記憶ばっかりのじじいとしては、損した気分。 もちろん、まん中に穴があいている銭形平次の投げ銭を、紐で束ねたようになった状態で化石化している「ウミユリの茎」も見事の一言に尽きますが、やっぱ鍾乳洞は、化石より鍾乳石かな。 路線バスの件は、市町村合併の負の影響だと残念です。

朝一で参りました。 8:30前に着くバスは猊鼻渓の駅前を通らないので(バス停まで歩いてもそう遠くはありませんが)、一つ手前(一ノ関寄り)の陸中松川駅で列車からバスに乗り換えました。 東磐交通のバスの時刻表は、一ノ関市のホームページにあります。 古いままですが、現地の時刻表と比較したところ、少なくとも夏松線は変わっていないようです。 8:30より10分ほど早い到着でしたが、快く入れていただきました。 完全に貸し切り状態でした。 大きくはないですが、バラエティ豊かで楽しめました。 
[2010.6.30 Yasさんより
今では鉄道の本数も私が訪ねた昔より減ってたり、バスも廃止代替路線になっていたりで、計画が立てにくくなってしまいましたが、鉄道利用の岩手県の鍾乳洞めぐり、計画を含めて、楽しそうですね。 幽玄洞のバスの時刻表の記事、こちらのHPのものは既にリンク切れで申し訳ありませんでした。 私もざっくりググッてみましたが、Yasさんのメールにある一関市の2006年版の時刻表が、信憑性が高そうですね。

九月の末、やっと近くの幽玄洞に行ってきました。 平成6年の第3次開発に伴って、今までの折り返しコースが延長500メートルの一方通行コースになったそうです。 今までの入り口が出口になり、入り口は新しく作られています。 開発当時は、洞内に粘土が1〜3メートルも詰まっていたそうでした。

入り口からは自動ドア、段差ありの表示は親切です。 道幅は狭いところでは1mあるかないかでしたが、完全に舗装されています。 階段等は滑らないように人工芝がしかれ、照明もほぼ完全で不安はなく、非常用のインターホーンが各所にありました。 照明の多い割には、コケがあまりみられません。

一番の見せ場である豊乳浄土の場所は、5ミリ厚のアクリル板で覆われ、ハガキ大ののぞき窓や縦の切り込みがあります。 この場所は、幽玄洞のメインの見せ場でもあるが、レンズフードがやっと入る大きさで、アクリル板越しには汚くて内部がはっきりとは見えません。 あまりに狭い通路の脇にある鍾乳石なので、手が届くし壊されてしまう。 現場保存のためには仕方ないことでしょう。 アクリル板でのカバーはあちこちにありましたが、どの場所も汚くてほとんどはっきりは見えませんでした。

表示のパネルは多くの場所にあり、ていねいでかなり大きい。しかし、写真にすると中央に入りじゃまになる。 単に観光目的の人には良いのですが、画像撮りにはその位置と大きさに不満が出てきます。 また、水滴がかなり落ちてくるので、気をつけないとカメラが汚れてしまいます。

大人にとっても幽玄洞は興味があり、解説文が丁寧で見ながら歩けます。 3億5千万年前の地球の歴史を知る意味からも、足元を見ながら学習出来る唯一の場所だと思いました。 フローストーンのはがれたところに、当時の化石を含む地層がむき出しになっており、特にウミユリの化石がはっきりと分かる。 ルーペと懐中電灯があれば発見できるので、小中学生に是非とも見てもらいたいと思います。 私も一週間に二回入洞し、懐中電灯で照らし化石を探し、マクロレンズでのぞきながら撮影しました。 化石探しはロマンがありますね。
[2005.10.6 とち郎さんより
洞内の案内板の存在って確かに難しいですね。 私の場合、写真を撮ってる最中や記憶が鮮明な頃は、邪魔だなって感じたりもしますが、 10年以上たって当時のメモも行方不明になったりすると、案内板のおかげで助かったなんてことにもなってます。 とち朗さんの今回の撮影行の様子は、「ウチノメ屋敷 レンズの目>>岩手の鍾乳洞>>幽玄洞」に、 オフィシャルページを凌ぐ繊細な写真がコメントとともにUPされています。 実は、私も舌を巻いてたりする情報量ですので、是非ご参考にしてください。

昨年の夏に行きそびれた幽玄洞にやっと行ってきました。 実は昨年より洞窟潜水許可を得ていたのですが、徐々に秋が深まりスタットレス着用して冬の雪道を走ってきました。 鍾乳洞社員の方々に自家製うどんや餅をご馳走になるなど親切にしてもらい、おまけに東山ケイビングクラブが制作した幽玄洞調査報告書を戴きました。

まずは下見ということで展示館を通り洞口から入り、洞内を進んで行ったがアップダウンする狭い通路を通りながら「この通路を何本ものタンク運ぶの辛いな〜」と思いながら浄魂の泉まで行きました。 浄魂の泉に着いて「タンク降ろすのも大変だな」って思いながら、取り敢えず柵を乗り越えて観光洞足元にある穴から対策を考慮してみました。 一旦、洞窟を出た後に下見用の潜水装備になり今度は出口より入洞してみました。


幽玄洞は観光化される前まで粘土が詰まっていた鍾乳洞ということもあり、浄魂の泉の底は粘土で覆われていました。 水面で潜る準備をしているだけでかなり水が濁り、しばらく静かに水面に浮かびながら待つことにしました。 報告書には水深10mあるとなっており潜ってみたのですが、水中部分は粘土で覆われてる洞窟が続いていて今回の軽装備では奥には進みませんでした。

ひょうたん池と浄魂の泉の地下水位と猿沢川の水位は、同じということで地下水脈で繋がってるのでしょう。 しかし、ひょうたん池には行き辛いという事で見にも行かなかったのを今になって悔やんでいたりします。 2年ほど前に浄魂の泉から水を抜いて調査するという案が出ていたのですが、水圧低下を招き洞窟崩壊の危険性が高くなるなどの理由だと思うのですが調査はまだ行われてません。

話は変わりますが、近くの山中で豆腐屋の山奥には大変珍しいサンショウオがいるそうです。
[2005.1.21 NACD 北澤晃男さんより
幽玄洞の浄魂の泉って小さな池かと思っていたんですが、水面下で色々つながっているとは知りませんでした。 水深10mも、やや?だったんですが、なかなかに立派な地底湖なんですね。

東北道 一関ICから30分位で着きました。 山の中に自動ドアの入口があるのはびっくり。 平日のためか他に入洞者は無く貸切でした。 ひとつ残念だったのが、鍾乳石や売り物の化石がアクリル板で保護されているのは仕方ないにしても、そのアクリル板が汚れているためよく見えませんでした。 また、照明の影響で洞窟サンゴにも大分コケが生えていました。 ただし、洞内は比較的歩きやすく、展示館もあり家族で気軽に楽しめる鍾乳洞ではないでしょうか。
[2004.9.18 銀水洞さんより
幽玄洞のアクリル板や苔の問題、ここだけに限らずどこの鍾乳洞でも、 観光と自然保護の両立って言う難しい問題を抱えているのだと思います。 幽玄洞の場合は、観光開発にもかなり力を入れていますので、 少しずつ問題も解決されていくのではないでしょうか。

2004年5月20日 幽玄洞に行ってきました。 内部の気温は13度で快適な温度でした。 それから出口より近くにある マリア観音にも足を運びました。
[2004.5.22 盛岡市 立柳さんより
5月20日というと、外は寒いくらいの気温だったかと思いますが、 それくらいの方が、長袖着てたりして鍾乳洞の中は快適に感じる のかも知れませんね。

10月19日には 幽玄洞へ 翌20日には 龍泉洞と安家洞に行って参りました。 (新潟市から岩手まで約5時間の距離でした)  幽玄洞は夕方3時半近くに到着して 私たちの前のお客さん御一行がちょうど帰る時で入れ違いに 貸切でした。 ホームページを印刷して1000円の入場料を100円引きの900円でダンナさんと二人で GO!  お土産・お食事処・入り口を兼ね備えたお店を通って屋根の付いた階段で山を少し登り、そこには立派な自動扉の案内館?アリ。 幽玄洞の内部地図や由来説明そこで取れた化石、ウミユリなどの説明が展示されていて外にでて少し行くと自動ドアの入り口が!  中へ入ると結構大きい規模の洞窟だな、と思いました。 照明設備もあって狭すぎず水がたれてくることもなかったかな? アップダウンが少しあってメインは洞窟内の滝? 化石が出た!との事でしたが小さくてピンと来ませんでした。 ちょうど私たちが出たころ次のお客さんのカップルがきたと言う感じでゆっくりしたペースで洞窟探検?が出来ました。 場所はげいび渓(船くだり)から少し入った所でこの行く途中土砂崩れをしている場所が何箇所かあって自然の恐ろしさを感じました。 帰り道は片側ごっそりなかった箇所アリ。。。。
[2002.10.22 おかめさんより
メールから推察すると、私が訪ねた1990年当時とは、 入口付近の様子は大分変わってしまったようです。 それに、 「洞窟内の滝?」!,私の記憶には無かったりしますので、 まさか、「第三次開発」が終わっちゃってんのかな? 100円引き チケットの件も知らなかったので、さっそく調べてみました。
まず、土砂崩れ云々ですが、幽玄洞のある東山町は7月11日の台風6号で被災し、 河川の氾濫,路肩崩落,土砂堆積などライフラインはもとより 観光施設にも大きな被害が出て、復旧活動の真っ只中にあります。 幽玄洞大丈夫だったみたいですね。 「第三次開発」の方は、とっくに竣工しちゃってました。
「幽玄洞の滝?」については 仕上がった写真を見ると「浄魂の泉」でした。 水深10mの地底湖のあるホールです。 滝ではなくて 地底湖でした。 その後の二つの洞窟がまじってしまってすみません。

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