去る7月27日、福島県田村市にある入水(いりみず)鍾乳洞へ小学生の息子と探検しに行きました。
行ったときの様子を弊ブログに
前編
後編
に分けて載せていますが、この内容が入水鍾乳洞への入洞を計画されているかたのお役にたてれば幸いです。
装備(服装)から語ってみたいと思います。
・フリース素材の帽子 「頭をぶつけることがある」とのことで、柔らか素材にしましたが、そのとおりでした。 私も息子も2回ずつくらいぶつけました。 厚手の柔らか素材が重宝します。
・ヘッドライト 「両手が自由に使えるようにするため、ヘッドライトが便利」と書いてありましたが、これもその通りでした。 今回のために、ホーマックで1個約1000円で息子の分と合わせ2個購入したのですが、2000円以下で「安全、安心」を手に入れられると思えば安いものです。
・上着(トレーナー) 「中は気温が低いし、足元が冷たい水に触れているので体温を奪う」とのことで上着を着用しましたがこれも正解でした。
・ハーフパンツ 「足元に水が流れているのでロングのズボンだと足にまとわりつく」とのことでしたので、この助言に従いました。
ここからは今回の体験で得た教訓ですが、四つんばいになったり、しゃがんだりでハーフパンツでも水濡れします。
私のパンツは膝に掛かる長さだったので、ズボンが膝にまとわりつき、膝の屈曲に支障をきたしました。
短パンに近いくらいの長さが良かったのでは、もしくはコットン素材とかではなく、伸縮性のある素材にしたほうが良かったと思いました。
・靴下 特に必要とは書かれていませんいませんでしたが、サンダルを履いていったので、足先の保護と言う観点で正解だったと思います。
・かかとが固定できるタイプのサンダル 「スリッパタイプだと水に流される」とのコメントに従いました。 これも正解でした。
底はもちろん、のっぺりしたものではなく、しっかりとギザギザが入ったものが必要だと、実感しました。
足元はサンダルでも運動靴でも良いとは思いますが、「しっかりしているけれど脱ぎやすい」タイプがいいと思います。
途中、小石を踏みしめていく箇所があり、小石が靴の中に入ります。
靴の中に小石を入れたまま歩く人はいないでしょうから、小石を取り除くために「脱ぎやすい」が必要となってきます。
これ以外に持っていったもの
・予備の懐中電灯 小型のLEDタイプのものですが、万が一に備えて持って行きました。 備えあれば憂い無し、です。
・ウエストポーチ 懐中電灯とデジカメを持ち込むために利用しました。 かなり小ぶりのウエストポーチだったので、身に着けることに問題ありませんでしたが、大ぶりのタイプだと狭い場所で邪魔になります。
・デジカメ 「水没させて、使えなくなってもいい」という気持ちで持ち込みました。
サイトに「ビニール袋に乾燥剤を入れて持ち込んだ」かたのコメントがありましたので、私も乾燥剤は無いものの、ビニール袋へは入れていきました。
ビニール袋は厚手のものを用意しました。 例えて言うと、ユニクロで服を買ったときに貰えるくらいの厚手のものです。 この「厚手」が非常に役に立ちました)
朝9時15分くらいに入水鍾乳洞の駐車場へ到着。 車は1台も停まっていませんでした。 9時半くらいに、いざ鍾乳洞へ出発となったわけですが、ひとつ失敗をしてしまいました。
更衣室のロッカーへ貴重品を入れるべきところをズボンのポケットに愛車の鍵、電子ロックを入れっぱなしにしてしまいました。
電子ロックが水に浸かって動かなくなったら・・・と頭に浮かびましたが、まあ、手動でもドアは開けられるし、と考えてそのまま行くことにしました。 (気が急いていて、電子ロックごときで時間をとられたくない、という思っていたのかもしれません)
Aコースの様子については割愛します。
いよいよ、Bコースです。 Bコースは私たちが今日初めてでした。 Bコースへの入り口にある鉄柵を通り抜けると足元にはいきなり水が流れています。
「かなり冷たい」と、「おきらく・ごきらくケービング」に投稿された先人のコメントには書かれていましたが、本当に冷たかったです。 小学3年生の息子はあまりの冷たさに大騒ぎです。
本当に冷たそうにしていて、これから先が思いやられるので「ダメだったら、いつでも早めにギブアップしていいんだぞ。 無理するなよ」と言い聞かせてから先に進んで行きました。
Bコースについて、先人のコメントを読んで予備知識は入れていたつもりなのですが、完全に読み違えていた部分がありました。
「足元が水に浸かる」というのが「足元が水につかる箇所がある」と読んでしまっていました。 正しくは「Bコースは最初から最後まで水に浸かりっぱなし」ということでした。
くるぶし位から膝下くらいまで、深さに違いはあるものの、常に水に浸かりっぱなしでした。 水は先方から流れてきて、往路は川上に向かって歩いている感じになります。
水の中をバシャバシャ進んで行ったのですが、水が澄んでいたので、足元はそれほど危険ではありませんでした。 (実はこの足元が澄んでいる、というのにはある事情があることに帰路に気づきました)
Bコースも最初のうちは横幅が狭かったり、石筍があるため、天井が低かったりするものの、少ししゃがんだりすれば通れ、しばらくの間は足元の水の冷たさを除けば快適でした。
快適ではあるものの、明かりが一切無く、自分のヘッドライトのみが頼りというのは探検気分を盛り上げてくれます。 途中、まだ、読めない漢字がいっぱいあり、言葉の意味も判らない息子に対し「この石にはこんな名前がついているよ」「凄いねぇ」「狭いねえ」「ここは天井が高いねえ」なんて喋りながら進みました。
そして、ついに難関、「胎内くぐり」に到着しました。 その場で立ちすくみ「?????」「せ、狭い!」「ここ、通れるの?」と思ってしまいました。 受付のおじさんの言っていた「頭から入ってください」の意味が判りました。 先人のコメントにあった「体を横にする」の意味も理解しました。 そうです。
ここを通るには頭を先に入れて、頭の高さと足の高さを近づける(体を地面と平行に持ってくる)体勢にしないと通過できないのです。 もちろん、ウエストポーチにデジカメなんか入れたままではメタボ腹と相まって、すり抜けられません。
デジカメを入れたビニール袋をポーチから取り出し、片手に持ち、そのビニール袋もデジカメを保護するためにデジカメ全体を握った状態ではなく、袋の口を握るようにして持ちました。 何故なら、ビニール袋を握っている手も手の甲を使って、両手を支えに使える状態にしないとこの場所を通れないからです。
そして、次の難関「第二胎内くぐり」に到着しました。 ここは難関といっても通れないことはありません。 太めの人でも通れます。ただ30cmくらいの水位の中を四つんばいになって通らなくてはならないだけです。
私は左手にビニール袋を握り締めてしたので、四つんばいではなく、左手を上に出しての三つんばい?でしたが。 ここで、ハーフ丈であったが故に濡れなかったズボンがしっかりと濡れて、パンツまで水を含むことになります。
パンツの中に冷たい水が進入してくるのですが、足元の冷たさで慣れてしまったのか、股間に冷たさを感じることはありませんでした。 逆に探検なんだから、これくらいのことが無くっちゃね、という思いでした。
パンツが濡れるのを恐れると、逆に頭や背中をその超低い天井にぶつけることになります。 その意味からも、しっかりパンツを濡らしちゃったほうが正解だと思います。
それから、しばらくいくとアップダウンにも慣れたころにBコースの終点「カボチャ岩」に到着しました。 「カボチャ岩」の手前は少しだけ深みになっていました。 そこに泥がたまっていて、私たちがその深みに入ると泥が来た道のほうへ流れていきました。
私たちはBコース踏破の記念に、しっかりとデジカメで撮影をして帰路につきました。
帰りは足元の水が最後までずっ〜と濁っていました。 私たちが足を踏み入れた「カボチャ岩」前の深みに溜まっていた泥が流れてきていたのだと思います。 ということは、誰かが先に「カボチャ岩」まで到達していたら、その時点で足元の澄んだ水が泥水に代わってしまうことになります。
本日一番にBコースに入った私たちは往路に澄んだ水の中を歩いていけたわけで、とてもラッキーだったことになります。
帰りの途中、息子と私の両方のヘッドライトを消してみました。 そこには『天空の城ラピュタ』のように飛行石の輝きが・・・・というようなことは無く、やっぱり、ただの暗闇が広がっただけでした。
それから帰路では往路に比べ距離が長く感じられ「道を間違えたのでは?」という錯覚に一瞬陥ってしまいました。
これはおそらく、往路は何が出てくるか判らないため気が張っていたのですが、帰路は安心していること、それと、難度の低い箇所の様子を覚えていないためだと思われます。
難度が高い箇所はそれほど多くなく、低い箇所が多いのでその部分の距離が長いのが当たり前なのですが、記憶が無いので不安になってしまいます。 とは言うものの、こうして、Bコースの入り口までたどり着くことが出来て、探検は無事終了しました。
もっとも、我が息子はAコースの階段で足を踏み外して3段分くらい落ちて、軽く打撲していました。 Aコースもまだ、鍾乳洞の中です。 外界に出るまで油断は禁物ということですね。 9時半くらいに入り、11時に出てきたので、パンフレットどおりの1時間半の行程でした。
さて、楽しい探検が終わったわけですが、水に濡れた愛車の電子ロックはしっかりと動作してくれました。 ありがたや〜〜。 車中にて、汚れたトレーナーを脱ぎ、水で濡れたパンツとズボンを着替えたのですが、着替えたあと、車の中で息子は30分ほど毛布(愛車に常備してあります)に包まって「寒い、寒い」と言っていました。
外気温度は28度超えで車中もエアコン無しではいられない、夏真っ盛りにも関わらずです。 何故、息子の体は冷えたのか? 私と息子の服装は基本的には同じです。 強いてあげれば、私は厚手のトレーナー、息子は薄手のものでした。 この違いが二人の体温の差になったのかも知れません。 夏場でも防寒をしっかり行わないと、こうなるということです。
最後に気づいたこと。
・軍手は要らないと思います。 軍手で指先を抜いたものなら、擦り傷防止として、いいかもしれません。 (ただし水を含むのでデジカメを持ち込んだ場合、その操作の時にデジカメに水が掛かる可能性が大ですが)
・デジカメは厚手のビニール袋に入れれば持ち込んでも大丈夫です。
転倒等で水没させる危険性はありますのでリスクは付き物とご理解ください。
三脚は持ち込んでも意味がありません。 セットできる場所がほとんどありません。
自分を撮りたい場合は・・・友人とご一緒に入洞してください。
ただし・・・探検に興味の無い人を無理に誘うのはやめたほうがいいと思います。
今回は妻には留守番をしてもらって、息子と二人での探検でしたが、妻を連れてきていたら「カボチャ岩」を見ることは出来なかっただろうと思います。
興味の無い人はたぶん途中でくじけます。
[2009.7.30 つくほびと さんより]
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