目 次
ドイツ・ステーツ
ドイツ 1872
ドイツ 1873-1932
ドイツ 1933-1944
ドイツ在外局
ドイツ植民地
ドイツ海軍艦船郵便
第一次世界大戦占領地区
ベルギー軍占領地区
ドイツ住民投票地区
ダンチヒ(グダニスク)
 概説
  ゲルマニア加刷 1920
  八角形紋章図案 1921-1922
  楕円形紋章図案 1924-1937
  記念・絵入り葉書 1925-1939
メーメル
ザール
第二次世界大戦占領地区
地方発行
連合軍占領地区
西ドイツ
ベルリン
東ドイツ
統一後のドイツ

[概説] [ワンポイント]

ゲルマニア加刷 1920

1)第1次加刷(ベルリン加刷)

 1920年6月14日(月)に発行された第1次加刷葉書は、全部で4種類あります。

10ペニヒ葉書(適応料金なし)

15ペニヒ葉書(適応料金なし)

 この葉書の加刷は、最初に発行されたドイツ切手への加刷と同じタイプのもので、ベルリンで印刷されました。加刷の文字は、印面一番下のDEUTSCHES REICH(ドイツ帝国)の文字を抹消するように、意図的に、印面下ぎりぎりの位置に入れられています。
 10ペニヒ葉書と15ペニヒ葉書が発行されましたが、すでに5月6日(木)から郵便料金が値上げされていたため、いずれも発行当初は葉書の適正料金ではなく、切手を貼り足しているものが普通です。8月10日(火)からダンチヒの市内便が15ペニヒに値下がりしたので、15ペニヒ葉書は市内用葉書として使われるようになり、切手を貼っていない適正使用例はこの日から存在します。なお、10ペニヒがちょうど印刷物料金に相当したので、10ペニヒ葉書は印刷物として使用された例があります。


2)第2次加刷(ダンチヒ加刷)

 1920年9月に発行された第2次加刷葉書は、全部で4種類あります。

市外用30ペニヒ加刷葉書

市外用30ペニヒ加刷葉書

 第2次加刷は、ダンチヒで行われた加刷です。葉書が発行された6月14日から30ペニヒ葉書が発行されていなかったので、切手を貼り足して何とか しのいでいたものの、限界に達していたのでしょう。使い道がなく残っていた低料金の7 1/2ペニヒ葉書(写真上)と、10ペニヒ葉書(写真下)を総動員して加刷が行われたようです。このとき、戦前、戦中の古いシリーズの葉書がごくわずか使われています。全部で8種類知られていますが、現存数点という希少品ばかりで、大変高価です。


3)第3次加刷(ダンチヒ加刷、書体変更)

 1920年10月に発行された第3次加刷葉書は、1種類のみあります。

市内用15ペニヒ加刷葉書

 第3次加刷もダンチヒで行われた加刷です。ベルリン加刷と異なり、色も暗い紫色と、特殊なタイプです。この加刷は、切手にはありません。

 上記の第2次加刷と第3次加刷は、カタログでは逆になっています。これは、額面の低いものから順に並べた従来の番号の振り方によるものですが、こちらでは、あえて発行月順に並べ替えています。


[ワンポイント]
 次の八角形紋章図案葉書もそうですが、このゲルマニア加刷のシリーズは、インフレ時期に当たっていたため、料金の変遷に注目して集めると良いでしょう。発行当初適正料金ではなかった第1次加刷の15ペニヒ加刷葉書も、途中の値下げで適正時期があることは盲点です。
 10ペニヒ加刷葉書を印刷物として使用された例はあまり多くはないので、意外に入手が難しいです。中には、何も印刷されていないのに印刷物扱い(?)と書かれたものまでありますので、注意が必要です。

 第2次加刷葉書は加刷ずれが多く、上の写真のように、きっちり収まっていないものが普通です。もちろん、この手のものはエラーとしては扱いません。往復葉書の返信部に加刷が漏れたものなどエラーがいくつか知られています。ただ、こいういう加刷漏れは、展示の時にどう見せるか悩みます。コピーを貼っても説得力に欠けますし、まさか途中で折り曲げるわけにもいきません。

このページの先頭に戻ります。

ダンチヒの先頭のページに戻ります。

トップページに戻ります。

Copyright © S.Stein 1997-2022