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ドイツの葉書に見られる変わった消印

 1870年7月1日(日)から発行されたドイツの葉書に使われた消印は、現在に至るまで、基本的には日付印です。すなわち、局名と日付が入った消印で、形こそ丸や楕円や四角や半月といったいろいろな形をしていますが、日付印には変わりありません。

 ところが、稀に、日付のない消印で抹消された使用例を見かけることがあります。

 上の写真は、第一次世界大戦のさなかに発行されたPostkarte中央寄りシリーズの外信用10ペニヒ葉書の使用例です。この消印、日本の小判切手の使用例をご存じの方にはおなじみの形と思いますが、日本の白抜き十字印にそっくりです。これは何の消印でしょう? ヒントは左側の紫色の文字「Aus dem Felde」にあります。この文字を直訳すると「戦地から」、つまり、この葉書の消印は、野戦局の消印なのです。

 当時のドイツでは軍事郵便の場合でも専用の日付印が使用されていましたが、稀に、このような形の消印(無声印)が使用されました。

 残念ながら、葉書には日付も差立地も書き込まれていませんので、いつ頃どこで使われた消印なのかは分かりません。この葉書は1916年以降に発行されたシリーズなので、それ以降の使用例としか分かりません。

 当時は、兵士が戦地から故郷に宛てた葉書には、切手を貼っていない軍事郵便葉書が使われていました。ドイツ最初の軍事郵便葉書はこちらをご覧ください。しかし、上の写真の葉書は中立国スイスに宛てたもので、さすがに外国宛までは無料というわけにもいかず、外信用葉書を使用したようです。ところが、何らかの都合で消印が使えない(配給されていない?または紛失?)という状況になって、やむなく臨時の印顆を使ったのでしょう。印顆の材質は、実際の印影を見た感じでは、木片かコルクと思われます。

 このような形の消印は、他には小包郵便にも見られます。その使用例は葉書とは関係ありませんので紹介しませんが、アメリカに見られるようにニワトリやハンマー等の愉快な形の消印にはほど遠く、まじめすぎてウィットに乏しいものばかりです。せめて下の写真で紹介する日本の葉書の消印、いわゆる大型ボタ印のように、それぞれの局で工夫を凝らしてくれれば、もっと人気の出るテーマになったのではないでしょうか? まあ、実直なところがドイツらしいのですが。
(参考:日本の例)
初めてこの消印をご覧になる方は、どこの局のものか、お分かりになるでしょうか? 横を向いていますが「川」に読めますね。もちろん、名前に「川」がつく局です。川越?川崎?さあ、どこでしょう? 答えはその下の二重丸印の中にあります。これまた横を向いていますが、神奈川と読めます。つまり、これは神奈川局の大型ボタ印なのです。さすがに神の一字は使えなかったのでしょう。奈にすると奈良と間違えますし。で、川になったと思います。このように素朴でユーモラスな形の消印は、残念ながらドイツの葉書には見られません。

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