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在トルコ局 Deutsche Post in der Türkei German Post Offices in Turkey1870年3月1日(木)、北ドイツ連邦はトルコのコンスタンチノープル(現イスタンブール)にドイツとしては切手発行後、海外における最初の郵便局を開設しました。同年7月に北ドイツ連邦で葉書が発行されましたが、在トルコ局ではこの葉書は発行されず、1872年以降に切手を貼った私製葉書の使用例を見かける程度です。その後1878年10月から本国で外信用葉書が発行されたのに伴い、在トルコ局でもその葉書を扱うようになりました。本国と同じ葉書を使用していたため、消印以外は区別が付きません。 [郵便局の開設] トルコでは、以下の郵便局が開設されました。
1)無加刷葉書 ドイツ・外信用10ペニヒ葉書(1878年〜) ドイツ・外信用10ペニヒ葉書(1886年〜) 無加刷葉書は、外信用10ペニヒ葉書のみ存在し、1878年発行のシリーズと、1886年発行のシリーズの両方があります。ドイツ国内で発行されていた5ペニヒ葉書は、該当する料金がなく、発行されませんでした。 上の写真で、1886年発行の葉書の使用例は、コンスタンチノープル局の1888年2月29日のものです。余談ですが、在外局と植民地の使用例を通じて、閏年の2月29日の日付印はなかなか見つかりません。 2)数字・鷲図案PARA加刷葉書ドイツ・外信用20パラ加刷葉書数字・鷲図案PARA(パラ)加刷葉書は、1889年から発行され、6種類あります。専門的には台葉書の違いから7種類に分けます。 3)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(1次)ドイツ・外信用20パラ加刷葉書 ドイツ・外信用20パラ加刷往復葉書往信部 ドイツ・外信用20パラ加刷往復葉書返信部 ゲルマニア図案PARA加刷(1次)葉書は、1900年から発行され、2種類あります。PARAの文字がやや上に位置しているのは、前シリーズと同じにすると、ちょうどその位置に「REICHSPOST」(帝国郵政)の文字が隠れてしまうためです。なお、このシリーズの往復葉書の台葉書は、ドイツ本国では発行されなかったもので、無加刷葉書は存在しません。 4)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(2次)ドイツ・外信用20パラ加刷葉書 1903年から、PARAの文字のAの上に横棒が入った加刷が使用されました。
5)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(3次)、枠ありドイツ・外信用20パラ加刷葉書 ゲルマニア図案PARA加刷(3次)葉書は、書体をドイツ印刷体に変更して1905年から発行されたもので、枠ありタイプはこの1種類のみです。すぐに、次の枠なしタイプに切り替えられました。 6)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(3次)、枠なしドイツ・外信用20パラ加刷葉書、すかしなし 同往復葉書往信部 同往復葉書返信部 1905年に発行された枠なしタイプは、すかしありなしを入れて3種類あります。このシリーズのすかしは、5とBの文字が入ったものです。往復葉書には、すかしがありません。 7)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(3次)、菱形すかし入りドイツ・外信用20パラ加刷葉書 1907年から発行された菱形すかし入りは、1種類あります。上の写真で、左側にぼんやりと見える斜め線が、菱形すかしです。 8)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(3次)、フランス語表記なしドイツ・外信用20パラ加刷葉書 1907年から発行されたフランス語表記なしは、2種類あります。この加刷葉書の中で1908年頃発行された往復葉書は使用済で現存1点、未使用も数点しか知られていない希少品で、ドイツ在外局・ドイツ植民地を通じて最難関の葉書として知られています。 9)ゲルマニア図案PARA加刷葉書(3次)、縦罫線入りドイツ・外信用20パラ加刷葉書 1908年から発行された縦罫線入りは、1種類あります。 10)ゲルマニア図案Centimes加刷葉書ドイツ・外信用10サンチーム加刷葉書 1908年から通貨単位がCentimes(サンチーム)のものも発行されました。これは、トルコの通貨であるPARA(パラ)単位がフランス通貨に変わったからではなく、トルコ在住のドイツ商人がフランス通貨を使って差益を得ることへの対応策でした。 上の写真は、10サンチーム加刷葉書の使用例で、消印はヤフォ局のものです。 [ワンポイント] ゲルマニア図案の各種加刷葉書は、最難関の往復葉書を除けば、それほど難しくはありません。在トルコ局は郵便量が多かったので使用例も多く残っており、(カタログのメインナンバーになってしまっている、はた迷惑な)現存数点の難関の葉書を除いて、完集も可能です。 |
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