「孫子」は春秋時代の呉の兵法家、孫武が著したとされる十三篇からなる書です。これに関しては学者などの間で様々な説や議論が交わされていますが、とりあえずここではこの説に準拠して話を進めます。
兵法書である孫子は当然、戦争について述べられていますが、戦争とは社会の中のあらゆる事柄の比喩ともなり得る要素を持っています。そのためか、ビジネスや日常生活においてもその述べられていることは有用な指針となり、平和な現在の日本においてもしばしばその引用等でわれわれの耳に入る機会があります。
「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」「始めは処女の如く、後には脱兎の如し」「動かざること山の如し」などはそのよい例でしょう。
このコーナーでは、最も入手しやすく、且つ安価である岩波文庫の「孫子(金谷 治訳注)」を用い、内容について私独自の解釈の仕方も含めて述べていきます。尚、原文、書き下し文、逐語的な訳については同著を参照すればすみますので改めてこちらに記述はしません。手元に文庫本をおかれて読み比べていただけるといいかも知れません。
本文中には、一般的でない解釈や誤った解釈もあるかも知れませんが、それはご承知下さい。ご意見ご指摘等があればメールなど頂けるとうれしいです。
それでは、以下をどうぞ。内容をふまえて、また細分化されすぎないようにまとめてみました。