ということで(謎)、RBRに関するPageは、一応、前Pageをもって終わったのですが(たまに追記とかしていますが)、ここからはオマケ編ということで、PS2版リチャード・バーンズ ラリーについて書きたいと思います。 PC版を持っているのに、わざわざPS2版を買う必要はあるのか?、というか無駄遣いなんでわ?、という気がしないでもないですが、PS2版とPC版のRBRの比較について、あまりWeb上に情報がないようなので、それをリポートするためだけでも、買う意義があるようなないような…。 パッケージについては、PC版(廉価版)と同じ様なデザインですね。発売はキッズステーションで(キッズステーション内のPS2版RBRのオフィシャルWebサイト)で、セガのWebにも情報があるように、セガの関連会社なのでしょう(パートナーズというアイコンがあるし)。しかしなぜこの硬派なタイトルがキッズステーションなるところから発売されたのでしょうね〜。セガラリーシリーズとの絡みがあって、セガから出すわけには行かない!となったのでしょうか…?。 |
・アーケードモード さてPS2版RBRですが、日本に移植されるにあたり、オリジナルな要素として、アーケードモードなるものが新設されました。 "アーケードモードでは 「ラリースクール」 での訓練なしで 「ラリーシーズン」 を開始することが可能。車の挙動からハンドルコントロールに至るまでイージーな設定になっており初心者の方でも手軽に遊ぶことができます!" …とはセガのWebの文言だったりするのですが、要は日本の温ゲーマーに、RBRの難易度は厳しいので、お手軽モードを新設しましょ♪という意味合いなのでしょうね〜。 RBRを起動し、各会社のロゴ、オープニングムービーが流れた後、こんな感じの選択画面が表示されます。ここでアーケードモードかシミュレーションモード(通常のRBR)を選択するのですが、一旦、選択した後は、ゲーム中にはモードの変更が出来ません(モードの変更するには、リセットなどするしかない)。またセーブデータなども、それぞれ別の扱いになるので、全てのコースや車を使うためには、それぞれのモードでラリーシーズンを制覇しないといけなかったりもします。私は面倒だったので、アーケードモードの方はチートなプロフィール名を使ってしまいました("CAJUN"と入れてみたところ、ちゃんと全車&全コース使用可能になりました♪)。 アーケードモードでは、通常のRBRと比べ、以下のような点が異なっています。
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ということでタイトル画面。こちらはシミュレーションモード、つまり普通のRBRと同じモードの方になりますね。メニューが日本語化された以外は、別段、変わりありませんが、このまましばらく放置しておくと、PS2版ではデモ走行のリプレイが流れるようになっています。 おっと書き忘れましたが、現在、私のPCにはビデオキャプチャの環境がありません。なので、このPageでの画像やYouTubeの動画については、PS2→DVD録画機→焼いたディスクをPCに取り込んで加工、という形態で作業を行っています。このため画像、動画とも、あんまり綺麗じゃありません。ご了承下さいませ〜 |
・日本語化について PS2版RBRでは、メニューはもちろんのこと、ラリースクールの課題や評価の画面、ローディング中のアドバイスなども、きちんと日本語化されています。メニューなどの文字に関していえば、やはり日本語の方が分かりやすくて良いなぁ〜と思います。 特にラリーシーズンのサービスパークで表示されるニュースのところ、『○○は××秒のタイムロス。木に当たったのが原因です。報告によると○○がひどく動揺しているとのことです』等々、この辺、英語が堪能な方は、PC版でも楽しめたと思うのですが、ダメな私はPS2版を遊んでみて、これは良いなぁ〜と思ってしまったデス。PC版でも日本語字幕が出せれば面白そうなんですけどね〜(2バイト文字非対応でしょうから、望みはないでしょう)。 日本へのローカライズといっても、国産Gameと同程度まできっちり行う場合もあれば、手抜きというか、ある程度で見切ってしまう場合もある分けですが、PS2版RBRに関しては、かなり徹底された日本語化がなされています。セーブとかロードなんて単語まで、日本語で書いてあるくらいですから、ある意味、国産ソフトより日本語化が徹底さていると言えるかも…。 ということで、文字部分の日本語化に関しては、私的にとても好感を持ったのですが、頂けないのが音声の方です。RBRの音声というと、ラリースクールの教習中に流れるバーンズ先生の声と、ラリーゲーには欠かせないコ・ドライバーのペースノート読み上げの声がありますが、移植にあたり、どちらも音声が吹き替えられています。 まずラリースクールのバーンズ先生の声ですが、これは爽やか系お兄さんによる日本語の声に吹き替えとなっています。ラリースクールでは課題の実行中にも、バーンズ先生の声による説明や指示が入るため、字幕で日本語対応という分けにはいかないんですよね。なのでここを日本語化するには、日本語の声による吹き替えにするしかない、というのは理解できるのですが、せっかくのバーンズ先生の肉声が聞けないというのは、それはそれで寂しいところ。あちらを立てれば、こちらが立たず、痛し痒しといったところでしょうか。ブレーキテストの動画をYouTubeにアップしましたので、興味のある方はどうぞ〜。 さて問題なのがペースノートの音声の方です。この点は方々のレビューなどでも指摘されまくっていますので、ご存じの方も多いと思いますが、日本人的カタカナ英語とでも言えば良いのでしょうか、非ネイティブな英語に吹き替えられてしまっています。オリジナルのネイティブな発音の英語だと日本人には聞き取りづらいと判断したのだと思うのですが、このカタカナ英語が聞き取りやすいかと言えば…(苦笑)。単に雰囲気が出ないとかだけならともかく、"ダーズ"、"セブン"等、カタカタ英語にも関わらず、何を言っているのかよく分からない単語があるというのは大問題だと思う。こちらも動画をYouTubeにアップしています。 オプションで言語の音声切り替えが可能であれば、問題にならないであろうポイントなだけに惜しい点ですね(PC版は英語、フランス語、ドイツ語だったかな?に切り替え可能ですから)。ちゃんと手抜きをせず作られている故に余計に惜しいと思う。惜しいと思うんだけど、同時に、このコ・ドライバーの吹き替えにOKを出したディレクターは、いったい何をチェックしていたのだろうか?という疑問を強く感じます。カタカナ英語なのに聞き取れないなんて、全く意味がないというか、むしろ改悪としか良いようなないです。 |
・操作感について PC版はXboxコントローラで遊んでいますが、今回はPS2ということでDUALSHOCK2でプレイしています。Dreamcastの頃まではハンドルコントローラも買っていたのですが、ハンコンでのプレイにこだわっていると、設置と撤収が面倒になってしまって、結局、プレイする機会が減ってしまうことに気が付いたというのが1つ。あとワンコを飼うようになったことが、もう1つの理由だったりします(室内飼いなのでワンコのスペース分、荷物を処分しないといけなかったのと、ワンコ自体がプレイの支障になる場合があったりなかったりなので(^^;)。 さて私的にPS2版RBRを遊んでいて、最も苦労したのが操作に関するところでした。まずはボタン設定ですが、PS2版RBRでは、3種類の中から選択するようになっています。大雑把に分けると、アクセル&ブレーキを、右スティックをに割り当てるか、L2・R2に割り当てるか、という違いになるのですが、右スティックのアクセル&ブレーキは、微調整は行いやすいものの、ボタンの配置的に左足ブレーキは諦めないといけない感じ。かといってL2・R2にブレーキとアクセルを割り振る場合、微妙な調整が難しく、あちらを立てればこちらが立たずという感じです。 私は旧セガ派なので、LRをブレーキ&アクセルに割り振るのが好みです。なのでL2R2をブレーキ&アクセルに割り振る設定でプレイしたのですが、ボタンのクリック感(一定の力が掛かると、カクッと押し込まれる感じ)のため、微妙な制御が超やりづらく、特にブレーキがかっくんブレーキになってしまい大変でした。Xboxコントローラ→PS2の変換器も試しましたが、キャリブレーションの設定がないため、ほんのわずかなストロークで、アクセル&ブレーキが全開になってしまうという…。 またシフトアップ・ダウンについても、好みのボタン配置が選べなかったことも残念です(このためミッションはATでプレイしました)。 そしてもう1つ気になったのが、ステアリングの操作について。普段、遊んでいるPC版RBRと同じ要領でプレイしようとすると、アナログスティック入力から動き始めるまで、何かワンテンポ遅れる感じが気になりました。停車状態でスティックを高速に動かした場面についての、PS2版RBRとPC版RBRの動画をアップしました。ご覧の通り、PS2版RBRでは、入力に対しての前輪の動きがちょっとゆっくりな感じです。ただし、PC版のFilter SettingsのRise RateとFall Rateを、PS2版RBRに近い状態に調整してプレイした場合も、PS2版RBRよりもずっとドライブしやすいのですね。PS2版RBRはセンター付近がルーズで、途中から急に切り込まれる印象があるので、恐らく他の設定も関わってきているのだと思います。 このテキストを書くに当たり、概ね4日くらい、時間にして数10時間、PS2版RBRをプレイし直したのですが、最後までかっくんブレーキと、もっさりステアリングに慣れることが出来ませんでした。コーナーが迫る→必殺かっくんブレーキ→タイヤがロック→慌ててリリースし何とか減速完了→ステアリングを切る→思ったより曲がらないので切り足す→車が急に曲がり出す→慌ててカウンター→タコ踊り完了、という具合(涙)。リプレイを見ても上手く制御出来ていないことが、ありありと分かりますね(^^; ただしこれは私がPC版RBRにて、自分好みに設定したFilter Settingsに慣れきっているからというのはあると思います。初めからPS2版RBRのみをプレイし続けた方の場合、上手く制御できるのかもしれません。またPS2版RBRがどうしても上手くドライブできないという方は、PC版RBRであれば大丈夫かもしれません。またハンドルタイプのコントローラであれば、この辺のことは一切関係なく楽しめると思います(Webで情報を見る限り、ハンコンで問題になるのは、サイドブレーキが使いづらいという点くらいらしい)。 ハンコンの話が出たついでに書いてしまいますが、世の中にはハンコン至上主義というか、ゲームパッドでのプレイによるレビューは無視するなど、豪語される方もいらっしゃるようですね。って、まあどうぞ無視しててくださいな(笑)。車ゲーを遊ぶ際に重要なのは、ゲームでの各種表現からフィードバックを受けつつ、ステアリング、アクセル、ブレーキの各入力をきちんとコントロール出来るか?、に尽きるわけで、Gameと入力デバイスの組み合わせにより、それが確保出来るのであれば、どんなコントローラであっても充分楽しめるはず…というのが私的持論です。 目の前にハンドルがあった方が雰囲気が出る、フォースフィードバックによるインフォメーションがある、高速時の微細なコントロールがしやすい等々、現時点でハンコンがベストなのは当然だと思います。でもね、シム系車ゲーを一括りにして、"ハンコン必須"とか、"ゲームパッドでは楽しめない"とか語っちゃう人を見ると、何と偏狭な考えなんだろう?と思うのですね。良くできたGameの場合、操作感に慣れてくれば、例えアナログスティックであったとしても、今、ステアリングがどれくらい切れているか?、疑似体感が出来ますし、的確に操作出来るようになります。 ハンコン至上主義の方は固定概念に囚われすぎているのではないでしょうか。繰り返しますが、車ゲー操作の肝は、主な入力装置である、ステアリング、アクセル、ブレーキの操作感を、プレイヤーがきちんと疑似体感でき、かつ的確にコントロール出来るかに尽きます。そもそも実車でのドライブだって、車によって大きく操作感は違ってくるわけで、体感し経験を積み慣れることによって、コントロールする術を身につけていくものです。 Gameが変われば、アナログスティックと車の舵角の係数が異なってくる、従ってゲームパッドではリアルを語る基準となり得ない云々とか言う向きもあるみたいですが…。だからそれぞれのGameに慣れ、入力とその結果についてを自分のモノにした上で、Gameを語る分けなんですけどね。 例えば完全にドライブ・バイ・ワイヤ化された実際の自動車を、ゲームパッドでスポーツドライブできるか?。私はちゃんとチューニングがなされたシステムであれば可能だと思う。そしてその時のドライビングの基本は、現在の自動車のそれとほとんど同じになるはず。なぜならドライブ・バイ・ワイヤといっても、結局、車というものは、アクセル・ブレーキ・ステアリングを操作して制御するものに変わりはありませんから。 ちと熱く語ってしまいましたが、パッドプレイヤー側からの反論というのを余り見掛けない気がしたので、ちょこっと書いてしまいました。まあハンコン至上主義というのは、宗教のようなものらしいので、何を言っても無駄かもしれません。ということでパッドプレイヤーの皆さん、どうぞ外野の声など気になさらず、存分に車ゲーを楽しんでくださいね。そしてシビアな車ゲーについては、PC版RBRのFilter Settingsのようなチューニング設定が可能になるよう、メーカーさんにはお願いしたいデス。 おっと、1つ書き忘れてました。PS2版RBRがDUALSHOCK2の振動対応というのは、PC版と比較した際の数少ないアドバンテージといえるかも(PC版RBRはゲームパッドの振動非対応だと思う。他でも聞いたことがあるので、うちのPCの環境依存の問題ではないと思うんだけど…)。 |
・映像的な違い PS2版RBRの映像・画像ですが、解像度の違いにより、PC版より遠方が見辛い感じがします。フレームレートは恐らく1/30秒ですが、概ね安定しているので、私的には慣れれば気になりませんでした。 ステージ内のオブジェクトは、概ねPC版RBRのGraphic QualityのHighに近く、鳥も飛べばカメラマンもいます。ただし風で草がそよぐ描写はありません。またリプレイ時、カメラアングルが多少異なっていたり(車内視点があったりとか)、ステージの一部、壊れるものが壊れなかったり(例えばラリースクールのコースの0.7km付近、向かって右手にある民家の木の柵が壊れない)、太陽の日差しが差し込むような描写があったり等々、細かな差はありますが、基本的にPC版RBRと同じです。派手さはないものの自然で美しいコースだと思います。あと、日向と陰のコントラストがやや弱いという印象もあります(この点に関しては、PS2版RBRの方が見やすいと思うデス)。 |
車に関しては、登場車種、カラーリングともPC版RBRと同じです。ただしPS2版RBRは反射が強い感じで、好みの問題もあると思いますが、私的にはやや浮いている印象があったりなかったり。PS2はVRAMの使い回しが厳しいという話なので、車のテクスチャをケチった分、リフレクションを強めにして誤魔化したのかな?とか、邪推してみたりして…。 RBRは画質がイマイチという向きがあるようですが、車の見栄えが足を引っ張っているのだと思います。で、PS2版RBRに関しては、この強調されたボディの反射が、車のモデリング自体の問題や、パッとしないカラーリングなども相まって、更にイマイチな印象を強めている気がしてなりません。 |
あとPC版RBRとの大きな違いとしては、ドライバー視点(車内の運転席側からの視点)がないことがあげられます。私はダッシュボード視点(車内中心からの視点。Cam_bonnet2)が好みなので、特に問題ないのですが、ドライバー視点を好まれるプレイヤーの方にとっては大問題ですね。 他に気になった点としては、Impreza 2003の車内視点で、フロントウィンドへのダッシュボードの映り込みが激しすぎることがあげられます。フロントウィンドへの映り込みは、PC版RBRにもありますし、PS2版RBRでも他の車は支障のないレベルなのですが、なぜかImpreza 2003だけが映り込みが激しく、これではドライブに支障が出る場合もあると思う。教習の際、必ず乗ることになる車だけに困ったものデス。何でこんなことになっちゃったんだろう?。 |
他に気になった点としては、ディスクローディングの仕様でしょうか。ロード時間自体は、さほど長くはないと思うのですが、再スタート(リトライ)時もローディングからやり直す仕様のため、課題をクリヤーするために繰り返しリトライすることが多いラリースクールのモードでは、この仕様はちょっとイライラするかも。 PS2版RBRの価格は、Amazonのマーケットプレイスでは、現時点で中古が1,500円程。送料込みで2,000円未満ですが、IFeelGroovy.netでPC版RBRの新品が2,480円で買えることを思うと、やはりPC版の方が魅力的に思えます。無論、PCの性能によっては、動かない場合もありますので、PS2版しか選択肢がないという方には朗報だったとも言えるかも?なのですが…。ですが、コ・ドライバーのペースノート読み上げが、どうしてこんな仕様になってしまったのでしょう。ここで解説したとおり、手を抜かずちゃんとした移植がなされているだけに、不可解であり残念でもあります。 私的に気になって仕方なかった操作感については、私がPC版RBRに慣れきっていることを加味して考える必要があると思いますので、出来ればPS2版RBRに慣れたユーザーさんの見解を伺いたいところですね(PS2版からPC版に乗り換えた方がいれば理想的)。 2008/05/06:作成 |