初日は、海外旅行の基本である成田ではなく、羽田空港に向かうことにしました。
最寄り駅から京浜急行で蒲田まで出て、そこから乗り換え。
各駅か止まらない駅なので、距離の割に時間がかかってしまうのが難点ですが、家を出て1時間ほどで空港に到着。
飛び石連休の中日という微妙な時期なので、さほど混雑もしていませんでした。
今回の沖縄までの航空券も、運良く「超割」を入手したので、1万3千円で那覇まで行くことが出来ます。
今年の関東は記録的な猛暑でしたが、昨日あたりからようやく暑さも緩むようになり、今日は比較的涼しいといえる日になりましたが、やっとの涼しさをよそに暑いところへ出かけようというのですから酔狂なものです。
出発待ちのロビーの隣は札幌行きの便なのですが、あちらの現地気温は18度だそうです。沖縄は30度ということですから、日本も実は広大な国だなと言う気もしてきます。
飛行機は言わずとしれたB747です。折角なので、2階の席をゲットしました。
乗り込むと同時にお隣さんもやってきたので、意外に乗っているんだと思いましたが、後ろの方に余裕があったみたいで、離陸寸前にスッチーのお姉さんが空いている席へ回してくれました。
羽田から那覇までは2時間と少し。地図を見れば分かるのですが、実は沖縄本島まで来てしまうと台湾までの距離の三分の二くらいまで到達してしまっているんですね‥‥。
台風が南太平洋に出現し、南西方角へちょうど台湾と八重山列島の方へ向かっているので心配していたのですが、少なくとも現時点では影響はないようです。
快適に那覇までのフライトを堪能しました。いえ、半分くらいは寝ていたんですが‥‥。
久しぶりに沖縄空港に到着して、空腹で中の「沖縄そば」スタンドに誘惑されながらも、何とか振り払ってモノレール乗り場へ。前に来たときにはまだありませんで、バスで市内に向かいましたが、このモノレールを使えば渋滞とも無縁で、中心街の国際通りまで楽に行けます。
新しいだけあって、乗り心地もよく、改札には私の琴線に触れる「二千円札普及キャンペーン」のポスターが。
発車メロディが沖縄の曲で駅ごとに変えられているようで、そのCDなども売っていました。
そんな感じでまずは国際通り駅へ。
空港の中でもらってきた案内図を頼りに、食事をするための店を探します。
と思いきや、すぐに「山猫屋」という沖縄料理の店を見つけましたので、そこに入ることにしました。
お腹が減っていたので定食にしようかとも思ったのですが、夕食に当てがあるのでここは耐えてソーキそばにしました。
あっさり味の沖縄そばですが、ソーキ(豚の骨付き肉の煮込み)のこってりした味がよくマッチするのです。
思ったより早く食事が終わったので、そのままバスターミナルへ向かいました。
大きな荷物をコインロッカーへ預けたあと、日帰り観光の候補地としておいた玉泉洞へ行こうと、バス乗り場へ向かったのですが、運の悪いことにバスは出たばかりで、次は40分近く後までありません‥‥。
今が14時過ぎで、船の乗り場には18時過ぎには着いていたかったので、時間を逆算した結果、玉泉洞へは行かずにおとなしく市内で過ごすことにしました。
あの首里城に行ってもよかったのですが、こちらは既に行ったことがあるので、国際通りを適当にぶらつきながら謎ドリンクでもないかと探してみることにしました。
旭橋から再びモノレールで牧志まで行き、そこからちんたら歩いて土産物屋を見ていくことに。
幸か不幸か、最近は都内でも沖縄もののドリンクが買えてしまうので、新鮮なものはなかったりするのですが、いくつか購入して、あとで船の中で試すことにしました。
泡盛もいろいろあって、かなり心が惹かれたのですが、あまり強いお酒は飲まない方がよいと思い、石垣島のパイナップルワインを1本だけ買いました。
あとは怪しげなゴーヤーマンのキーホルダーと、Tシャツを一着。
今回の旅行は、荷物の軽量化を図るため、着替えは必要最低限にしてあります。下着は日数分持ってきていないので、現地調達、現地破棄の方針でいくことになっています。家から持ってくる下着はそろそろ捨てようと思っている古いものにして、足りなくなった分は現地で購入です。Tシャツもまあ下着代わりということで「南国の風」とプリントしてあるのを買いました。
さて、そんな感じで国際通りを突っ切り、バスターミナルまで戻って荷物を回収した後は、辻町というところまで移動です。それにしても暑い‥‥。
20分ほど歩いて、辻町のステーキハウスに到着しました。今回の旅の密かなテーマに「異文化交流」があるのですが、微妙なことにここ沖縄といえば米軍基地。アメリカチックなステーキハウスがあるというのでここで夕食することにしました。
17時過ぎとまだ食事には早い時間だったので店はすいていました。なんでも米兵のお気に入り店承認というところらしいのですが。
今はアメリカの牛肉輸入がストップしているためか、ニュージーランド産を使っていると激しく主張していました。
200グラムのテンダーロインステーキを食べました。なかなかのボリュームで、満足です。
ついでにクーポン券でビールも1杯。暑い中を歩いて汗をかいていたところだったので極楽です。
食事が終わった後は、うまいこと店の近くでタクシーを拾うことが出来たので、それに乗ってフェリーの出発する那覇新港へと向かいました。コンテナが積み上がっている港らしい景色が黄昏ていく中、港へ到着。
沖縄のタクシーは安いので(初乗り450円)、800円ほどで到着しました。
国際航路が出ている割にはずいぶんと小さな乗り場だと思いましたが、乗船手続きをして船の時間まで待機です。時間に余裕を見過ぎましたので、1時間以上、待合室でまったりしておりました。
暇潰し用に持ってきた「英語の勉強セット」を広げ、おもむろに訳し始めます。
やがて、乗船時刻になり、マイクロバスで港の奥に停泊しているフェリーへ向かいます。
この船は最終目的地は台湾の高雄ですが、途中、宮古島と石垣島に寄るので、沖縄旅行の人たちもかなりいます。というか、台湾まで行く人が少数派ですね。船の中で何人かの人と話をしましたが、「どちらまで?」と聞かれて「台湾まで行きます」というと、皆さん、びっくりしていました。
船は一番安い2等船室だったので、内側(窓のない方)の6人部屋です。二段ベッド3つにトイレとシャワーという極めてシンプルな作りです。
当然、誰かと相部屋になるのですが、やってきたのは宮古島まで行くという男3人女1人の若者でした。話を聞いていると、あちこち島巡りをしながら海を楽しんでいるようです。私の旅とはかなり趣向が違っているのですが、それはそれでうらやましいですね。
船の中をぶらついた後、ベッドに戻ると携帯電話も圏外になり、ワインを飲みながら英語の勉強をしているうちに眠くなってきたので、22時半頃に就寝することにしました。
台風が来ていて心配でしたが、危ういところで回避できそうだということです。海も、今は至極穏やかです。雲が多いので残念ながら星は見えませんでしたが‥‥。
宮古島へは朝の4時頃に寄港するので、私が寝ている間に同室の4人組は降りていきました。
その後も私は寝ていて、9時頃にのんきに起き出すことにしました。
自分が疲れているのかそうでないのか実はよくわからなかったりします。
天気もそんなに悪くなく、雲は多いですが良い天気です。海の上は涼しいのですが、やはり日が差すと暑いですね。
少し遅れて、10時半に石垣島に到着しました。ほとんどの人はここが目的地なので降りてしまいます。
出航は15時なので、一度船を下りて港に出ることにしました。
昔、竹富島に行ったときに石垣の港を利用しましたが、そこからは少し離れたところに到着するようで、港の近くにある市街地へは500メートルほど歩くことに。
適当に歩きながら、沖縄料理の店を見つけて、食事にしました。
海鮮丼と地ビールで、値段は少々高いような気もしましたが、折角ここまできたのですから、魚も味わっておくことにしましょうということで。台湾では生ものは控えておこうと思いますし。
近くの郵便局で補給を受けた後、のんびり歩いて船に戻りました。
出国手続きの時間まで中でまったりしておりました。手続きは簡単に終了し、台湾の入国書類に記入しておきます。あとは明日の高雄での行動計画を考えることにしました。
市内の代表的なスポットの他、郊外の岡山というところが山羊肉で有名だというので出来れば食指を伸ばしてみたいところで‥‥。現地での移動は鉄道メインになるので、まず最初に時刻表を手に入れる予定です。
それはともかくとして、船は定刻通り石垣島を出発しました。
こうして徐々に進んでいくと、なんだかまだ海外旅行という実感がしないのですが‥‥。
出航してからしばらくは、携帯電話の電波も届くので時々メールが入ったり(返したり)していたのですが、それも圏外になると、いよいよ日本脱出の雰囲気に。
空は相変わらず曇り気味ですが、台風はなんとか食らわずに済みそうで、昨日よりも多少揺れが大きいくらいで、船も順調に進んでいきます。
一度、甲板に出てのんびりしようかとも思いましたが、やはり蒸し暑いので5分くらいで退却。
かなり沖合なのに、カモメのつがいが舞っていたので、それをしばらく眺めていました。鯨や鮫なんかが登場すれば面白かったのでしょうがそんな偶然もそうそうあろうはずもなく‥‥。
船の乗客は、10人にも満たないくらいのようです。船内放送でクルーが23名と言っていたので、客よりも乗組員の方が多い感じです。でもまあ、この船の役割は半分くらい貨物運送らしいのでそれはそれでよいのでしょう。
実はまだ飲んでいなかったオリオンビールを飲んで、英語の勉強をしながら一休み。疲れますがいい暇潰しにはなります。
16時を過ぎると、客が少なくてやる気がないのか、食堂の食券販売の放送が。曰く、食券を買っておかないと食事できないとのこと。まあ、予め用意する人数でもないので仕方のないところでしょう。
この船でまだ食事をしていないことに気が付いたので、折角だから一食。ソーキ汁の定食にしました。
部屋に戻って続きをやっていると、17時を過ぎて食堂の営業開始。といっても他に客がいないので一人寂しくボソボソと食べていましたが‥‥。でもまあ、食事はそれなりに美味しかったのでよしとしましょう。
六人部屋を一人で占拠しているので、シャワーやトイレは気兼ねなく使えますが、隣の船室には4人組の台湾のおばちゃんがいて、賑やかに話しています。一人で内側の部屋に引きこもっていると独房みたいなので、その話し声もさほど苦痛にはなりません。
試しにテレビを付けてみると、さすがにまともに電波が入らないので映りません。でも、辛うじて音声だけ聞こえてきます。
「弟がどうなってもいいのか?賢者の石が活性化している側で錬成など行ったら‥‥」
どうやら「鋼の錬金術師」らしいです。おそらく、番組を見ている中で最も西にいるのが私でしょう。
日が暮れた後、もう一度甲板に出てみましたが、やはり曇りがちで星空は見えないのですぐに戻ってきました。
明日の下船時の案内放送を聞いた後、残りのパイナップルワインを飲んで寝ました。
おっと、時計を1時間、遅らせておかねばなりませんね。