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7日目・再びウィーン散策

今日と明日はしっかりウィーン観光です。

計画を立てている時にどこを見るのか厳選した結果、ごく一般的なところばかりとなってしまいました。まあ、やむを得ないところですね。

今日の主目的はシェーンブルン宮殿と美術史博物館、時間が余れば加えてどこかといったところです。

中央駅で市内の48時間券を買って活動開始。シェーンブルン宮殿は朝8時からやっており、早い時間の方が混雑しないで済むというので最優先にしました。

地下鉄を乗り継いでシェーンブルン駅へそこから徒歩5分ほどで入口に到着します。シシチケットを持っているのでここで購入する必要はなく、左手奥にある宮殿の入口へ向かいます。

庭園から宮殿オーディオガイドで説明を聞きながら部屋を順に回っていく形です。写真は禁止なので、後で買った図録とスマホで取ったメモが頼りですが、気をつけないと昨日のエッゲンベルク宮殿と記憶がごちゃ混ぜになりそうです。

衛兵部屋とその隣の謁見控室より始まり、前半部メインの謁見の間、そのほかは皇帝の執務室(相当なワーカーホリックだったそうです)、寝室などが続きます。部屋の色の基調も様々で、赤、青、黄色などそれぞれ落ち着いてまとまった感じです。

モーツァルトも演奏したという鏡の間などを経て、最大のみどころである大広間にやってきます。天井のフレスコ画と、70本のろうそくを灯すという二基の大シャンデリアなどが目を引きます。

また、皇妃エリザベートは東洋の文物を好んでいたそうで、中国の漆器を並べた黒基調の部屋もあります。

その他、時代を下ってナポレオンがウィーンを占領したときに使ったという「ナポレオンの間」、赤いビロードに金銀の糸で刺繍を施した寝具を使う、世界一豪華といわれるベッドなども見ることが出来ます。

庭園散策40あるという部屋をこうして見終えて、宮殿の見学は完了。ガイドツアーではないのでそれほど時間がかからず、一時間ほどで終了しました。

その後は庭をざっと歩いて写真を撮ったりし、午前中まるまる使うと見込んでいたシェーンブルク宮殿を10時少し前に離れます。帰るときはチケット売り場にだいぶ人だかりが出来ていたので、事前の情報収集で見たコメントの通り、ここは朝一番に来るのがいいかもしれません。


次は中心部にある美術史博物館へ向かうのですが、少し時間に余裕が出来たこともあり行きと同じ地下鉄利用では面白くなかろうと、別ルートで行ってみました。

地図を見て宮殿の正面少しのところからトラム60番でウィーン西駅へ、少し歩いた別の電停から49番で中心部へ向かうと近くまで行けます。

美術史博物館美術史博物館は有名な絵画や彫刻などの有数のコレクションを擁し、こちらもその気になれば1日でも見切れないほどと聞いています。向かいにはやはり豪華な建物である自然史博物館が控えていますが、今回は美術史の方に絞りました(次回があるかはわかりませんが)。

明日は宝物庫を見るつもりなので、翌日でも使えることを確認してセットになったコンビチケット20ユーロを購入します。

中でオーディオガイドを借り、写真はやはり禁止かなと思いながら確認すると、フラッシュを使わなければいいということです。しかし、撮るのに夢中になってせっかくの本物を見る機会をおろそかにしないように気をつけなければいけません。

入口の正面から見て1階2階それぞれ両翼にギャラリーが並んでいるという感じで一つずつU字型に見ていく形です。

>絵の説明は個々にはしませんが(さほど美術史に詳しいわけでもないので、よほどの絵でないと「これが!」となったりしないのですが)、市民の生活や神話を題材にしたもの、風景画、肖像画などどれもしっかり見たくなってしまうものです。女性が男性に襲われたり襲ったりしている絵が多いのは何故でしょう。裸婦の絵もかなりあるのが印象に残りました。

クリムトそうそう、ギャラリーへ向かう階段の正面に置いてあるヘラクレスの彫刻も圧巻です。また、今年はクリムト没後100年ということで、天井画のうちクリムトによるものについて、特別な階段(足場)が設けられて間近で見られるようになっていました。エジプトに題材を撮った壁画が印象的です。動線がいまひとつはっきりしていないので難儀でしたが……。

聖杯?二階は絵でしたが、一階は文物が中心です。日用品から装飾品、彫刻まで様々なものが展示されています。比較的地味なものから、使う場面も限定させるであろう大物までいろいろあります。(自分の今回の順路として)終盤はギリシャローマ時代や古代エジプトまでさかのぼり、アンクを手にした髪の像や、人の形をした棺などの品物も展示されています。

また、三階にも少しですが展示物があります。オスマン帝国との戦いを再現したタペストリーの原画というものが特に貴重な品物だそうです。実物大で色も付いているため、これはこれで一枚の絵として価値があるのではないかと思われます。

カフェ二階はカフェになっており、吹き抜けのここからは天井画や360度に広がる壁画をそのまま背景にしているので圧巻です。世界一美しいカフェは確かに過大評価ではないかもしれません。

博物館の展示物を見るのは、ゆっくりした速度で何時間も歩き続けることでもあり、終盤になってくるとさすがに足が疲れてきました。内部は多くのところに椅子が置いてあり、随時休憩出来ますし、気に入った作品の前で座って気が済むまで眺めることも出来るのですが、時間も無限にあるわけでもないので難しいところです。実際、美術に疎い私が一通りの展示物を見ただけでも3時間ほどかかりました。

ともあれ、美術史博物館を後にします。


次に行ってみようと思ったのは、当初の計画になかった「タイムトラベル・ウィーン」というところです。1時間程度のガイドツアーでウィーンの歴史の基本的なことが分かるというので行ってみることにしました。

食事美術史博物館から歩けない距離でもないのですが、前述の通り結構、疲れてきたのと、食事をまだしていないことを思い出したため、トラムとバスで少し遠回りになる移動をします。トラムの1番でchottentorへ向かい、近くのレストランで遅めの昼食とし、バスの1Aに乗り換えて聖ペーター教会やペスト記念柱の近くにあるタイムトラベルへ向かいました。

この辺りは昔からのウィーンの中心部で、左右に店の並ぶ歩行者天国の銀座のような雰囲気です。教会やペスト記念柱も写真に収めておきました。

タイムトラベルはオーディオガイド付きといえど入館料が19.5ユーロと結構いい値段で、そこまでの価値があるかといわれると評価が分かれそうですが、値段のことをひとまず置いておくと、ツアーの内容はなかなか工夫が凝らされて面白いものでした。

アトラクション的な立体映像による軽いイントロダクションから始まり、ハプスブルクの各時代の統治者(人形)による帝国の説明、ペスト禍、オスマン帝国によるウィーン包囲、モーツァルトとハイドンによる音楽の都としてのウィーンの紹介、そして2回の世界大戦(防空壕避難の体験)などで、最後に観光施設をさりげなくアピールしたバーチャル空中馬車ツアーの映像を見て終わります。多少物足りないところもありますがコンパクトにウィーンの歴史を知ることが出来ると思います。あまり前提知識なしに観光に来た人は最初に行くといいかもしれません。敷地自体も、昔の修道院のワイン倉、戦時中の防空壕を使っているそうです。

大聖堂次は近くにあるシュテファン大聖堂へ向かいます。どうも私の旅行は天気には恵まれるのですがこの手の施設を見に行く時は改修工事中のことが多く、ここも一部、足場が組まれていました。外観を見て内部も少し見学してさっと流します。

この時点で16時過ぎ。半端な時間ということと、やはり足が疲れてきているので、ドナウ川とオペラハウスを見るだけ見に行き。一度宿に戻ることにしました。オペラハウスもまた修復中でしたね……。ドナウ川はまあ、普通のヨーロッパの大きな川でした。

宿の部屋で少し休憩し、西駅の近くにあるショッピングモールへ出かけてみました。

なにか土産物になりそうなものが買えるか、本屋があるというので見てみようか、空腹具合によっては食事も出来るかとそのような心づもりで行ったのですが、どれも外してしまったようです。まあ、観光地でない町の雰囲気は味わえましたし、モールの中の喫茶店でザッハトルテを食べられたのでよしとしましょう。あの色から想像される重厚さはなく、意外にあっさり食べられるケーキでした。

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