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8日目・旅の最終日もウィーンで

明日は帰国日で完全に移動だけなので、この日が今回の旅の最終日になります。

最初に向かうホーフブルク宮殿は朝9時からなので昨日よりはゆっくり目です。駅でパンを買って朝食を済ませ、ちょうど始まる頃にやってきました。

ホーフブルク宮殿の展示は、銀器コレクション、皇帝の住まい、シシ博物館の3つから成っており、まとめて1枚のチケットです。シシチケットの最後の出番でさくっと入場します。

銀器銀器コレクションは、ハプスブルク王宮で日常や来客との晩餐などで使われた銀器を展示しているのですが。銀器に収まらず実際は様々なものが展示されています。最初は調理器具で、銀以外の金メッキの食器や陶磁器、食事のテーブルに置くセンターポールなどが並びます。当時のヨーロッパでは東洋ブームがあったそうで、コレクションの中には日本の有田焼などもありました。

その先は皇帝の住まいで、ヨーゼフ1世と妃のエリザベート(この人が「シシ」ですね)の居室、寝室、執務室などがあります。エリザベート妃は先進的な人だったそうで、これまでの宮廷マナーに逆らって自由奔放に生きたそうですが、マナー自体が相当なストレスになったというので、単純に奔放呼ばわり出来ないかもしれません。体型を保つために毎日の運動を欠かさなかったそうで、肋木や鉄棒、吊り輪のある貴族の部屋というのは初めて見たと思います。

その先はそのエリザベート妃の生涯を追う博物館で、皇帝ヨーゼフに見初められて結婚したところから、暗殺されるその最期まで様々な過程を経てきた皇后様の人生をたどることが出来ます。

このエリアは写真撮影禁止なので残念ながらそれらを紹介することは出来ないのですが……。


ホーフブルク宮殿の次は隣にある宝物庫へ向かいます。

法衣こちらの展示もまた絢爛豪華で古くは中世の儀式用の衣装や宝石の王冠から、十字架の類いまでいろいろなものが並んでいます。主に教会の儀式で使用されたものでしょうか。儀式用といえば衣装だけでなく宝剣や錫杖の類いまであります。きらびやかで精巧な作りはさすが西洋の品だと思います。こちらは写真撮影も可能なので、実物を見るのをおろそかにしない範囲で撮っていきます。


今日のメインとなるこの2つの博物館を見終えたところで11時を少し過ぎたところ。次は近くのモーツァルトハウスに行ってもいいのですが、一度中心部を離れ地下鉄で市電博物館へ向かいます。

博物館の様子ここは市電の車庫を利用した博物館で、ルーツになる馬車鉄道(レール上の客車を二頭立ての馬が引く)から歴史を追って紹介されています。勿論、車庫の中には歴代の様々な市電車両が保存されており、最初の頃は電車でなく汽車が車両を引いていたことが分かります。そのほか、作業用の車両や、ジャガイモのなどを運んだ貨車もあり、意外にバラエティに富んでいます。時代を下ったところでは地下鉄についても触れており、シミュレーターなどもありました。

ラッピングトレイン?また、ウィーン(市電)の歴史を振り返る中にはナチスによる併合時代もあり、こんな車両の写真が展示されていたりもしました。客層も鉄道好きだけでなく老夫婦や子供連れ、若いカップルなど意外に様々だったのが印象に残っています。最後にミュージアムショップでUNOに似たルールのウィーン交通網をテーマにしたカードゲームがあったので購入しました。

地下鉄は「Uバーン」といい、青地に大きく「U」とかかれたポールが目印ですが、このデザインを使って「I live U」というグッズも面白かったです。

この市電博物館の近くが市電18番の始発停留所なのでここからそれに乗り、昨日も通った西駅の近くへ向かいます。次に行くのは「ハイドンの家」という、ハイドンが晩年を過ごしたという家です。

少し歩きますが迷うことなく到着。ここはどちらかというと地味な博物館で、コンピュータを使ったディスプレイなどはなく、素朴にハイドンとその業績の紹介、使用した楽器や楽譜などが展示されています。英語の説明もあったのは助かりました。

ハイドンのピアノ西駅から再び地下鉄に乗り、中心部へ戻ってきます。次に先ほど触れたモーツァルトハウスへ行くのですが、その前にさすがに空腹になってきたので食事をします。旅の終盤になりようやく、名物のウィーナーシュニッツェルを食しました。勿論、お供にはビール。そして、グラーツで食べたフィリターテンズッペがあったので食べ比べてみることにしました。こちらの方が少し味が濃いようです。ウィーナーシュニッツェルの方は大皿いっぱいに広がり食べ応え充分。別の更にサラダも付いていたので、これにだいぶ助けられました。


すっかり満腹になった後、シュテファン大聖堂の近くにあるモーツァルトハウスに行きます。ここは先ほどのハイドンと同様に実際にこの人が住んでいた建物で、様々な作曲もここでされたということです。お察しの通り、一等地ですので、宮廷に召し抱えられていたモーツァルトはこの時期、裕福な暮らしをしていたそうです。一方で多趣味で浪費家だったそうで、そのあたりのエピソードもなかなか面白いものでした。

コーラス大聖堂の広場ではちょっとしたイベントをやっているようで、民族衣装を着た子供のコーラスやダンスなどをみることができました。

これで今回の旅行の目的地は巡り終えました。最後に若干、歩く余力があったのでホーフブルクを通って昨日の美術史博物館の近くまで。市電でダメ元で市庁舎に行ってみましたがやはりお祭りのためその姿は拝めず。地下鉄でミッテ地区へ移動し、本屋を覗いてみました。世界各地、年代のステレオタイプを集めたという面白い本があったので購入。0番のトラムで中央駅まで戻り、行動終了です。

毎日、宿に戻る前に駅の中にあるSPARというスーパー(オーストリアでは割とどこにでもこれがあって各地でお世話になりました)でワインを購入するのですが、最後の夜ということで少し高めの11ユーロのものを購入しました。これまでは安いのですと2ユーロ台のものを買っていて、それでもすっきり美味しい白ワインでしたのですが。最終日は荷造りが大変ですね。古くなった下着を道中捨てて空いたスペースに本など買ったものをはめ込むイメージです。最近はネットで情報に接することが出来るようになったため、あまり本を買い込まなくなりました。


最終日はウィーン空港からオーストリア航空の直行便で帰国です。羽田ではなく成田に着くところが少し残念ですが。それでも、日本からのウィーンへの直行便は一度運航が中止になって最近復活したというので欲張りをいいすぎてはいけないのかもしれません。

ラストビールウィーン中央駅からは、レイルジェットの列車で空港駅まで20分ほどです。ザルツブルクやプラハ方面から空港へ直通する特急列車なのですが、ウィーンから空港駅間だけを比較的安価で乗ることができます。宿がウィーン中央駅前だったのでこれは便利でした。最後にビールの飲み納めを。

荷物が機内持ち込みの制限をオーバーしてしまったため、預けさせることに。カウンターには行かずにオンラインチェックインで済ませればよかったとちょっと後悔です。

時間には余裕があったので、日本で見られない航空会社の機体を眺めたりしながら時間を過ごしました。

赤基調の内装の飛行機で、時差の関係もあって無理矢理ワインを飲んで寝たりしながら無事に日本に戻ってきました。

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