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1日目・ドレスデン

今回の旅行はオーストリアが主な目的地です。

一番始めにヨーロッパに旅行したのはドイツでしたが、その時から気になりつつもなかなか実現できなかった旅行です。ANAの特典航空券がなかなか取れず、直行ではなく行きはフランクフルトからの道中となりました。

そこでせっかくなので鉄道ルート上のドレスデンとプラハに1泊ずつしつつ、再訪になるこれらの町で気になっていた博物館も訪問することにしました。

オーストリアでは前半は地方を観光し、後半でガッツリとウィーンを見ることにしました。見学に行った博物館が一部マニアックだったりしますが、それはそれということで。

為替換算はこの時期、1ユーロ=約140円と考えていただければと思います。

地名については、有名な地名はカタカナ表記で、それ以外はアルファベット表記でいこうかと思います。


羽田発のフランクフルト行きの飛行機は定刻より若干、早めに到着しました。羽田を夜中に出発し、フランクフルトに早朝に着く便です。フランクフルトが6時頃、入国手続きも空いていてスムーズでした。

運がよく、席がプレミアムエコノミーのようだったので、覚悟していたよりは疲れませんでしたが、やはり眠りが浅いのは仕方のないところかもしれません。逆に、時差ぼけはあまり感じられない状況で到着しました。

空港駅でこれからお世話になる鉄道パスをバリデートしてもらい、都市圏電車で中央駅に向かいます。

フランクフルト中央駅幸い、時間に少し余裕があったので駅舎の写真を撮り、本屋を少し覗いて7:15発のICEに乗り込みます。この区間は長いので、満席だと困るということで席を予約しておきました。一等車なので快適です。

市街地を出たくらいのタイミングで食堂車に向かいます。8時前くらいなので朝食なのですが、飛行機で夜中の3時くらいに食事をしているので感覚的には昼食に近いものがあります。

食堂車ハンバーグ(メニューにはミートボールとありましたが)のキノコクリームとビールを注文。牧草地の景色を見ながら日本ではもう楽しめない食堂車を堪能しました。

その後は席に戻り、今後の行程に関する調べ物(復習)をしつつ景色を眺めているうちに、意外に早く道中は過ぎ、11時半ころにドレスデン中央駅に到着しました。


この日の主目的は連邦軍事史博物館なのですが、泊まる宿がそのすぐ近くなので荷物を持ってそのままトラムで移動、チェックイン前に預かってもらうことにしました。Quality Hotel Plaza Dresdenというところです。

ソ連戦勝記念碑身軽になって軍事史博物館を見学します。

旧東ドイツの地域ということもあってか、公園のようになっている入口の敷地にはソ連時代の記念碑が建っています。献花ももされていて今も訪れる人はいるようです。ロシア後なので内容は理解出来ませんが、下部のレリーフには当時の主力戦車だったT34-85の姿も見られます。奥へ進み、白い建物の博物館本館へ向かいます。

展示は主に中世から第一次大戦まで、二つの大戦期、世界大戦から現在までと3つの時代に区分され、それぞれ時系列的に歴史を追うようになっています。

絵画最初の「中世から第一次大戦まで」はさすがに広すぎではないかと思いましたが確かにその通り、展示物も3つの中では一番多かったと思います。この時代の大きな出来事は主にオスマントルコのウィーン包囲、三十年戦争、フランス革命以降ナポレオンの時代、ドイツ統一といったところです。大航海時代にはドイツはあまり関わりがなかったためか、ほとんど触れられておらず、最後の植民地時代にアフリカや南太平洋に進出したことが触れられているくらいでした。

騎士の鎧や兜、剣やハルバードなどの武器、時代が下ると近代軍の軍装などが主に展示されています。さまざまな会戦の大きな絵も見物です。

砲二つの大戦期は、塹壕戦が主だった第一次大戦と、プロパガンダなども含む総力戦であった第二次大戦とをある程度見比べながら見学できるように工夫されていますが、その分動線がわかりにくくなっているのは否めないところです。一次大戦の毒ガス、二次大戦のナチスといった黒い面にもきちんと触れられています。

戦車博物館のように実物が並んで圧巻、ということはないのですが、地図や当時の写真を並べての説明展示は見応えがあります。ほとんどの解説に英語も付いているが助かりました。

最後の時代は、ドレスデンという土地柄から、ほぼ冷戦期、つまり東ドイツ時代の内容になります。ソ連の影響や協力を得ての軍備、ベルリンの分割(壁)、東ドイツ軍の軍隊生活などに触れられています。(おそらく)ベルリンの壁の一部を持ってきたものを見た後は、イラク戦争への参加、911以降の国際社会への協力などが紹介されています。

軍用動物メインは時代を追うこの3つの展示フロアですが、軍事に関する博物館ということで、他にも小さなテーマをいくつか掲げた展示があります。空襲とそこからの防御を再現した区画(吹き抜けの上方にミサイルや爆弾を、その下に防空壕やシェルターを配置している)や、軍事とテクノロジーと称して探照灯やレーダー、その他の精密機器などを展示しているところもありました。こちらも吹き抜けの空間にV2ロケットが展示されています。また、軍事と動物という、軍隊の中で様々な動物がどのように役立てられていたかを説明するコーナーがあります。馬、ラクダ、鳩、犬あたりならばすぐに分かりそうですが、象、ダチョウ、猫、蛇あたりになるとなかなか難しいものがあります。「動物実験に使われる猫」の動画などもあってなかなかシビアです(「子供は見ないように」という注意書きがありました)。

こうした展示をじっくり見ていると、やはり結構時間がたってしまうようで、最後に外に出て冷戦期の戦車を並べてあるコーナーを見終えると3時間以上たっていました。宿のチェックイン時刻より早く見学が終わって暇つぶしが必要、という事態は避けられ、早速部屋に入って一休みします。


一時間ほど小休止した後、食事がてら再び市の中心部に出ることにします。

トラム近くのスーパーで飲み物を調達し、再びトラムに乗って中央駅へ。本屋を覗いた後、旧市街へ向かう歩行者天国を歩きます。

途中でおもちゃ屋を見つけ、NゲージのIC客車の食堂車を購入。その後、本屋で軽めのボードゲームを1つだけ買い、先へ進んでいくと、旧市場(アルトマルクト)付近が賑わっているのが見えてきました。飲み物や食べ物、雑貨を扱うテントがたくさん出ており、ステージまでありました。どうもドレスデン市のお祭りのようです。

せっかくなので、私もビールを一杯飲み、少し悩んでソーセージ(をパンにはさんだもの)を食べました。この後、少し異動したところにあるドイツ料理の店に行こうと思っていたのですが、だいぶ歩き疲れたこともあって、食事はここで済ませて宿に戻ろうかと思ったのです。

ヨハン王像とカトリック宮廷教会この先、有名な「君主の行列」、演劇場、教会、ツヴィンガー宮殿のあたりまで行ってみましたがかなりの人混みで歩くのも困難。というわけで、外観だけ写真に撮り、駅へ戻ってきました。この時間ですと既に各建物の見学は終了しており、これらは以前に来たときに見ているので特に執着することもありません。

20時近くでもまだ夕方という日の長さなので感覚が狂いそうになりますが、トラムで宿に戻り、一日目は無事に終了しました。

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