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ドイツ旅行記・6日目

6日目になりました。

今日はベルリンを離れて日帰りで出かけることにします。

天候次第では明日のベルリン観光2日目と入れ替える可能性も考えていたのですが、どうやら天気は問題なさそうです。

ベルリンから列車で2時間ほどの都市ドレスデン、その郊外にあるケーニヒスシュタイン要塞が今日の目的です。

最初の予定ではホテルで朝食を取ってから中央駅8時40分発の列車で出発するつもりでしたが、少し思い直して朝食はパスして一つ前の6時40分のに乗ることにしました。

旅行中は、一人旅ですと夜はすることがないので早寝早起き。

駅に着いてみると、まだ列車は入線しておらず、ミラノだかどこからかの寝台列車が着いていました。

その寝台列車が引き上げてから自分の列車がやってきます。この列車はドレスデンから国境を越えてチェコを経由してハンガリーのブダペストまで行きます。

一等車は二両ついており、食堂車に近い方のコンパートメントに腰を落ち着けます。

同室にはビジネスマン風の男性二人組が。

南駅を出てから食堂車に向かうことにしました。

前回、5年前のドイツ旅行ではミュンヘンから寝台列車でベルリンに来て、そのまま乗り換えてドレスデンに行ったのですが、そのときと同じ系統の列車です。車両はどうもハンガリーのもののようです。

朝食メニューのベーコンエッグを注文。席が東側だったので朝日を見ながら気持ちよく食事です。郊外の牧草地に出ると、朝靄がかかっていて何とも幻想的な風景。

ベーコンエッグは目玉焼きなのですが、卵がなんと3つ。パンも十分ついていたのでしっかり満腹になりました。

コンパートメントに戻ると、ビジネスマン二人は資料を取り出して仕事の話を始めました。数字がよく聞こえてくるうえに、「investment」とか「consultant fee」とか言っているので、金融関係の人かもしれません。

列車は数分だけ遅れてドレスデンに到着しました。といっても、ここの乗り換え時間は8分しかないので割と大変です。DBのサイトであらかじめ調べて乗り換え列車のホームが分かっていたので急ぎます。ドレスデン駅は前に来たときとずいぶん変わっているような気がします。

ここから普通列車に乗り換えて、目的の要塞の近くにあるケーニヒスシュタイン駅まで向かいます。

これもあちこちの地方で見かける二階建て客車の4両編成ですが、最後尾の車両に一等の席がありました。座席のグレードが少し違っていて、パソコン用のコンセントまでありました。

市街地を出るとエルベ川沿いに進みます。両側は崖のようになっていて景色がかなりよいところです。途中で先ほどまで乗っていた特急列車に追い抜かれ、やや遅れて駅に到着。

目指す要塞は駅のホームからも山の上にあるのが見えます。

一応、観光地ですが列車で来る人はあまりいないようです。インフォメーションで尋ねたところ、要塞まで歩いて行こうとすると45分くらいかかるそうなので、おとなしくバスで行くことにします。観光地仕様のバスに乗って5分ほどで入口に到着。ここでSLを模した更に観光仕様のバスに乗り換えて要塞の入口までやってきました。

エルベ川が蛇行してU字型になったその奥の山上に築かれた要塞で、岩場に切り立つように建っています。茶色の壁が中世の要塞らしさを感じさせます。

その切り立った崖にエレベーターが設置されていたのには驚きました。

坂道を上って、門をくぐって要塞の内部に入ります。特に順路などは決まっておらず、敷地の中をきままに見て回る感じです。

要塞内の風景ケーニヒスシュタイン要塞はもともとは中世に作られたものですが、改造や増築などを経て第二次大戦期まで使われていたようです。

特に18世紀のアウグスト強王にゆかりがあるようです。強王はドレスデンにある有名な壁画にも登場しています。

またプロイセン時代にはナポレオンの入城もあったとか。大戦中はポーランドやロシアの捕虜兵の収容所にもなっていたそうです。

そのような背景もあってか敷地内の建物のいくつかはそうした各時代の武器などの展示室になっています。その他、馬小屋や教会、ワイン醸造所、井戸の建物などがあります。こういう地形では水の確保がきわめて重要で、この要塞では152メートルも掘った井戸から水を組んでいたようです。

その他に兵舎や貯水場など中を見ることの出来ない建物もあります。また周囲の城壁付近を歩くことが出来ますが、ここからの眺めはまさに絶景です。今回の旅行ではずっと天気がはっきりしませんでしたが、この日はよく晴れてエルベ川沿いの地形やその他周囲の大地を存分に見ることが出来ました。川沿いに線路も通っているので、こんな上から列車の俯瞰写真を撮ることも可能です。

「城」の中川に面した一番眺めのいいところに、お偉いさんが景色を眺めながら接客出来るような「フリードリッヒ城」なるものがあります。他の建物は要塞らしく茶色や白の無骨な壁なのですが、ここだけは薄黄色の少し優雅な色になっています。

こうして展示を見たり、内部を一通り見て回ったところで13時過ぎになりました。ミュージアムショップで英語版のパンフレットを購入して、バスで市街地へ戻ります。

よい眺め 城塞らしい構造

裏手 切り立った城壁

ケーニヒシュタイン葉菜については、こちらにオフィシャルサイトがあります。

のどが渇いたのでビールを飲んで(瓶ビール1本で、1.2ユーロと安い)、列車までの時間は駅構内をうろついたり下から城の写真を撮ったりして過ごしました。

来たルートを戻り、ドレスデン中央駅へ。予定より早い列車で戻ってきたので、このまま乗り継げば2時間早くベルリンへ戻れるのですが、今日は急いで戻る必要もないので、2時間をドレスデン市内を少し歩いて過ごすことにします。

トラムで町の中心部まで移動し、庭園やオペラ劇場、大聖堂などを見ながら写真を撮ります。中を見学する時間もないですし、ここは前回の旅行で来ているので軽く流す感じで十分です。

宮殿 オペラ劇場

ここから駅へ歩いて戻りましたが、やはり前とずいぶん変わっていました。駅が変わっていたのも気のせいではないようです。中央部に行き止まり式のホームが並び、それぞれ両端には一段高くなった島式ホームにドレスデンを貫いて走る列車のホームがあるというちょっと変わった構造です。前回来たときの行動は隣のノイシュタット駅が主でしたがあちらも覗いてみたかったかも。駅で過ごす時間に売店をちょっと覗き「軍隊と歴史」という雑誌を買ってみました。三十年戦争の大きな戦い「リュッツェンの戦い」が特集で、日本でいえば「歴史群像」に似た雑誌です。類似に「クラウゼヴィッツ」という雑誌もありました。

ドレスデンからは来たルートを再びベルリンへ。なんだかんだいってこの区間をドイツの鉄道の中で一番乗っているかもしれません。

昼を食べていないので、乗ったらすぐに食堂車に直行。この列車はオーストリアの車両のようですが、食堂車の内装や質は残念なことにどうも今ひとつでした。席に着いてから20分近くも注文を取りにこなかったですし。

鶏肉のローストと赤ワインで食事を済ませ、空いているコンパートメントに腰を落ち着けます。今度は一部屋を一人で占拠できました。

中に置いてあるIhe Reiseplanによると、この列車、オーストリア南部、イタリアやスロベニアに近いのフィラハというところから出て、ウィーン、プラハを経由して最終的にはハンブルクまで向かいます。朝5時に出て終着が21時、走行距離が1500キロというかなりの強者です。もちろん、全区間乗る人などまずいないのでしょうが。

列車は定刻にベルリンに着きました。中途半端に空腹なので途中の店でチーズとイチゴミルクを仕入れてホテルに戻りました。チーズは珍しい羊のミルクから作ったものでしたが、思ったより量が多くて途中でちょっと飽きてきました。酸味が強いですし。イチゴミルクはやはりというか、甘さがかなりのものでした。

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