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ドイツ旅行記・4日目

4日目になりました。

今日はベルリンへ移動しつつ、シュヴェーリンというところを観光する予定になっています。

ホテルをチェックアウトして駅へ。シュヴェーリンまでは列車で約1時間ですが、乗る予定の列車には食堂車が付いているので朝食はここで取る予定です。

しかし、ホームに出てみると次の列車の案内に「本日は食堂車の営業はありません」という表示が。

一昨日に続いてまたもや食堂車に見放されてしまいました。

来た列車には確かに食堂車が付いていましたがやはり営業の気配なし。

駅のスタンドで買ったパンとコーヒーを持って乗り込みます。

せっかくなので今回はコンパートメントに乗ります。一等車はすいているので、6人部屋を一人で占拠することになり、こうなると普通の座席車より快適です。

一昨日来たルートを戻る形でシュヴェーリンへ。車窓は北ドイツの牧草地ですが、この地方は湖が多く、大小いくつもの湖を車窓から見ることが出来ます。特にバート・クライネン駅の近くで見えてくる湖はとても大きく、シュヴェーリン市内まで広がっているようです。

列車の中にあったIhr Reiseplanではこの駅にはコインロッカーはないはずだったのですが、ちゃんと駅構内にありました。

大きな荷物は入れて身軽になり、市内観光へ出かけます。ちなみにロッカーの値段は2ユーロでした。

シュヴェーリンはそれほど大きくない町なのですが、市内にはトラムも走っているようです。この町にもロストックカードのような観光用の一日パスがあるのですが、今回は使いこなすほど長居しないので徒歩で町の中心へ向かいます。

曇りがちなのと風がかなり強いのとで、ジャケットを上に着ていても少し寒く感じます。

宮殿市庁舎の隣にあるインフォメーションで市街地の地図を手に入れて、そこから少し行ったところにある宮殿に向かいます。

ちょうど着いた頃に開館時刻の10時になりました。

この宮殿は19世紀くらいの建築で中世のものをいろいろ見てきた身からすれば古い建物といった感じではないのですが、フランス風建築だとかで「城」というよりは確かに「宮殿」といった雰囲気です。

中には順路に従った展示があるのですが、これがかなり充実していました。写真撮影禁止なので撮ることは出来ませんでしたが、文字で紹介していきましょう。

円形の階段を上ったところから展示が始まり、まずは「伝説の間」というところへ。周囲の壁の上方に、騎士物語を題材にしたと思われる絵が描き込んであります。婦人の手を取っているところとか、敵の騎士と戦っているところとかそんな感じです。

続いて居間です。金箔で装飾された内装の部屋で、金の食器などが展示してあります。

ヨーロッパでは珍しいと思ったのですが、この宮殿の内装は基本的に木造です。床も木で出来ていました。なので、金色も字が木の茶色であるためそれほど派手な感じをさせません。

天使の絵が描かれている廊下を過ぎ、壁の赤い部屋に入ります。ここでは家具や肖像画などが展示してありました。

次は対照的に青の間、そして上の階へ進み、両開きの扉のついた立派な書棚の並ぶ図書室があります。現代の図書館のように何列も書棚が並んでいるのではなく、周囲の壁に沿って配置してあるだけなので、部屋は開放的な感じです。

その次が「副官室」という部屋。この先にある玉座の間に隣接するので控え室という感じでしょうか。ここでは1800年代終盤の剣や1800年代中盤の銃剣が展示してありました。

そして次がこの宮殿のクライマックスと思われる玉座の間です。他よりも一回り広い部屋の周囲には騎士だか天使だかの像が囲んでおり、中央壁よりには立派な天蓋付きの玉座があります。玉座に向かった壁の左右には、19世紀のこの地方の領主だったフリードリッヒ・フランツ2世とその最初の王妃の肖像が描かれています。天井には天使の絵が描かれており、さすがに圧倒されます。

その次には12世紀あたりからのこの地方の領主の肖像が並ぶ「肖像の間」や、町や平民の絵が飾られているギャラリーなどがあり、これらを見終えたところで見学ルートが終了です。内装は割と近代的に改装されているようですが、この城はこうしてみてきた博物館エリアの他にビジネスエリアなどもあるようです。

庭園側から外にはちょっとした庭園があり、そこから湖の様子を眺めたり、庭園越しに宮殿の姿を見たりするのもいい感じです。

風は相変わらず強いのですが、運良くこの時間だけは晴れていました。

町から見ると逆側になる方に庭園(城の中のよりずっと大規模)があるので少し歩いてみました。先ほどの領主、フリードリッヒ・フランツ2世の像があり、この像を入れて宮殿をカメラに納めるのも悪くありません。

マルクト広場に戻り、出ている店でチーズを買ってみました。他にも肉とか魚なども売っていますがさすがにそれは買えませんし。果物もキロ単位で売っているのでちょっと厳しい。チーズはカットされたのがあったのでそれを買いました。さすがに固まり一つとかは無理ですし。

そして隣にある大聖堂を見学しました。

ロストックのマリエン教会ほどは圧倒されませんでしたが、あちらで見逃した代わりに青銅の洗礼盤が見られたのはよかったかと。それと2ユーロ払うと塔に上ることが出来るというので行ってみました。

ちょうど正午になったので鐘が鳴り、それを聞きながらひたすらくるくる回る薄暗い階段を上っていきます。さすがにケルンやウルムほどの塔ではないので、ほどなく中程の鐘に到着。鳴っている鐘を直に見ることが出来ました。

大聖堂の塔からの眺め更にその上に上り、「てっぺん」で外に面した回廊に出られます。いうなれば展望台のようなもので、先ほどの宮殿や町の近くに広がる湖などの景色を堪能できます。これで天気がよければもっとすばらしかったのでしょうが……。

ちなみに教会の中に模型が置いてあり、それを確認してみると先ほど景色を見た回廊は塔の「一番上」というわけではないようです。とんがり屋根なのでさすがにその一番上まではいけないようですね。

シュヴェーリン観光はこれでおおむね終了しましたが、今日の行動予定では時間を多めに見てあるためにかなり余ってしまいました。

16時過ぎの列車でシュヴェーリンを出る予定になっていましたが、まだ13時過ぎなので、時刻表を調べて別の乗り継ぎルートを探してみました。

すると、ハンブルクに出てそこからベルリン行きのICEに乗るという方法があると分かりました。やや遠回りというかルートが重複することになりますが、ハンブルク行きのICには食堂車が付いているのでリベンジ出来るかと思いました。

やってきた列車には、今度こそちゃんと営業している食堂車が付いていました。幸い、そんなに混でいることもなく、乗ってすぐに食堂車へ。

白ワインとタマネギの煮込みハンガリー風、ハーブを練り込んだパスタ添えというものを頼みました。

これでようやく念願の食堂車を堪能できました。食事は絶品とは決していえないものの、きちんと調理してしっかりした皿で出されるので、景色を見ながらの食事とワインを味わうことが出来ました。値段はワインと合わせて17ユーロでしたから悪くはありません。

食事中でも容赦なく検札が来たのには苦笑を禁じ得ませんが……。

食堂車 乾杯!

軽く酔ったこともあり上々の気分で席を確保し、残りの20分ほどでハンブルクへ。

ここでベルリン行きのICEに乗り換えです。

ハンブルク・ベルリン間というとドイツの中でもメインの交通路になるわけで、列車はかなり混雑していました。ほとんどの座席が予約済みになっており、一等車でも空席を見つけることが出来ませんでした。やむを得ず二等車に移動し、かろうじて空席を見つけて座ることが出来ました。

この列車、ICEなのに機関車(これまで見た普通の)牽引の編成でした。

ベルリンまでは二時間弱あるので、この旅行記もこの時間に書き進めました。

そうこうしているうちにベルリン中央駅に到着。インフォメーションで市内マップを入手しました。無料じゃないのですね……。その他、市内のいろいろな博物館のパンフレットがありました。日本のガイドブックには出ていないようなものも。「カレーブルストミュージアム」はなんだかネタっぽいのですが。

ベルリンでのホテルは中央駅から2駅西に行ったところにあるツォー駅の近くにあります。ここも駅からすぐで助かります。ツォー駅は西の中心という感じで、昔は長距離列車も止まったような記憶があるのですが最近は違うようです。

駅から繁華街が続いていますが、一番賑やかな通りの一つ隣の通りを少し歩いたところにあります。駅の高架下にはスーパーもあって何かと便利そうです。

ホテルの部屋も広めでいい感じです。

一休みした後、食事に出かけることにしました。近くをうろついて適当に探してもよいのですが、それも面倒なので安パイで「地球の歩き方」に出ている店に行くことにしました。

電車で5駅移動して少し歩いたところにある店です。ツォー駅からフリードリヒシュトラーセで乗り換えてオラニエンブルガー駅で。薄暮になってきた道を歩いてレストランへ。

旧東ドイツ側にあるのですが、気のせいか旧東ドイツ地区は微妙に建物が古くさかったりして何となくそれっぽい感じがします。気のせいかもしれませんが。

余談になりますが、これまで旧東ドイツの土地を通ってきて気がついたのは、とにかく東ドイツには廃墟がたくさんあるということ。

列車で通った駅にある設備(倉庫や機関庫など)が使われないまま放置されていたり、沿線の工場なんかも荒れ果てたままになっていたりします。それはもう降りて行ってみたくなるくらいです。

ただ、ほぼ例外なく落書きがしてあって雰囲気はあまりよくないのですが。まあ、ドイツでは現役の建物にも落書きしてありますし。

それはそうと食事ですが、あのガイドブックで紹介されているだけあって日本人もよく来るのか、日本語のメニューもありました。

今回はビールと大ロールキャベツを頼みました。ベルリン地域の郷土料理なのだとか。あと小さなサラダも頼みましたが、小の割に結構ありました。ロールキャベツも大きいというだけあり、1個だけですが並のハンバーグ以上の大きさです。

付け合わせのジャガイモもまるまる2つ分はあり(半分に切ったのが4つ)、食べきるかどうか微妙でしたが、何とか完食しました。

そしていっぱいなったお腹を引きずるようにしてホテルに帰還。

予定より早めにベルリンに着いたので、夕食に行けたりして少し余裕がありました。

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