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ドイツ旅行記・3日目

3日目はロストック市内観光という、きわめて普通の行程です。

ここのホテルには朝食がついていないので、さくっと身支度を整えて出発し、駅のインフォメーションセンターで、市内交通が1日乗り放題+施設の入場料割引の「ロストックカード」を購入しました。また市街地の地図と交通の路線図を入手。

このカードは、記入した時間から24時間有効になるのですが、係員が9時と書いてしまった(今は8時半)のですぐに使うことが出来ず、どうせ時間もあるからと中心部まで歩いて行くことにしました。

のんびり町並みを眺めながら歩いていると、通りがかりに食べるスペースもあるパン屋さんを発見。朝は抜きでもいいかと思ったのですが、せっかくだからと立ち寄り、サンドイッチとコーヒーで朝食にしました。

シュタイン門そのまま進み、シュタイン門にたどり着きます。

そこから少し行ったところに市庁舎があり、その向かいが広場になっています。ノイ・マルクト、すなわち新市場で、今の中心部です。野菜や花などの店がいくつも出ていました。

市庁舎もなかなか立派な建物で、ちょっと入ってみると昔の道具や像などの展示がありました。

時間が少しあるのでシュタイン門に戻り、東側に城壁が残っているので、それを眺めながら市街地の二つの教会を見に行くことにしました。

中には入れない(基本的に施設は10時にならないと始まらない)ので見るだけですが、結構な建物です。このあたりは旧市街でも特に昔の中心部だったようで、教会の他にもいくつか古そうな建物が残っています。道も石畳ですし。

そのまま港を見に行くことにしました。

今日は風が強くて波止場を歩くのはなかなか難儀だったりもするのですが、港はやはり気持ちいいですね。まあ特に何をするというわけでもないのですが。

マリエン教会港から中心部に戻ってくると、ちょうど10時になりました。すぐ近くにマリエン教会があるのでまずはここから見学することにします。

外観もそれは立派なものなのですが、中もすばらしく、こういった宗教建築はやはり本場でしか見られないということでしょう。


中にいる天使大きなパイプオルガンやタペストリー、天文時計、洗礼盤といった貴重品があるのですが、洗礼盤だけは補修中のようでシートがかかっていて見られませんでした。しかし、天文時計は精巧な彫刻の施されたかなりのものでした。建物自体も12世紀からのものらしく(それ以降の増築改築で年代を下った部分もあるらしい)重厚さに圧倒されます。

教会を見た後はクレペリナー通りというメインストリートを歩きます。私のような観光客だけでなく、普通の地元民もいる生活スペースでもありますね。不思議なのは平日の昼間というのに普通に男性とか学生の姿もあることなのですが……。

大学時折店(本屋とか)を覗きながら進んでいくと、再び少し開けたところがあり、噴水があります。その向かいには大学校舎がそびえているのですが、残念ながら改修工事中らしく見学出来ず、外観も半分くらいが足場などで隠れてしまっています。

しかし、その裏手にある文化歴史博物館はやっているのでここを見ることにします。

聖十字修道院の建物を使っているようで、入場料は無料なのですが変わっているのは「写真料」として2ユーロを取られたところ。もちろん、写真撮らない人は必要ないのですがせっかくなので。

敷地は回廊のようになっており、決められた順路などがないようで戸惑いましたが、一応、すべての展示を見て回りました。礼拝堂を見た後、回廊の展示を見ていきます。ハンザ都市として発展したロストックの説明から始まり、それに関連して風景画や人物画などの絵画、陶磁器やガラス器、彫刻や時計などの品物、子供のおもちゃなどというものも展示してあり、まさに「文化」博物館でもあるといえるでしょう。一角の特別展ではコンピュータの歴史のようなテーマになっているようで旧東ドイツ時代のパソコンなどおもしろいものが置いてありました。

城壁博物館の見学を終えた後、城壁沿いに町の西にあるクレペリナー門まで歩き、そこからトラムに乗りました。町の中心部をトラムが割と頻繁に走っていて便利です。歩こうと思えば歩けない距離ではないですが、やはり楽ですね。このトラムでシュタイン門まで戻ります。

シュタイン門のそばには海事博物館があるので、次はここを見学です。

白壁の立派な建物ですが、中は割と古くて一時代前の博物館といった趣です。

館内は主に模型を使っての船の歴史の展示といったところでしょうか。もちろん、メインはハンザ都市として盛況だった時代の帆船になるわけですが、ハンザ同盟の最盛期が過ぎてからもロストックは港町として発展し続けてきたので、それに関する資料もいろいろ置いてありました。

模型は帆船の他にも時代が下った外輪船、客船、漁船などもあり、タイタニック号の模型や、漁の方法を説明した模型(網を引いている?)などもありました。また、20世紀初め頃には北ドイツから世界各地に盛んに移民が出ていたこともあるようで、それに関する写真なども展示してありました。

ここの博物館のことをネットで調べているときに、「いまいちだった」と感想を書いてあるブログを見つけましたが、個人的には悪くなかった気がします。後で調べて見るとロストック市街からヴァルネミュンデの間に造船航海博物館というのもあったそうなので、そちらにも行けばよかったかも。

地下にもおまけのような展示があり、潜水服がありました。もう一つの部屋はロストックと関係の深い(のだと思う)航空機メーカー、ハインケルについての展示になっていました。He111の車輪と思われるものが無造作に置いてあったりしましたが……。

車輪説明文を全部読むことは出来ませんでしたが、ざっと見た感じでは、ロストック・ヴェルネミュンデに研究施設か工場のようなものが置かれていて創業者のハインケル氏とも強い縁があったようです。戦時中、主に製造された飛行機がこの爆撃機He111ということのようです。

戦争中は空襲を受けて悲惨なことになりましたが、現在でも施設の建物が一部残っているようです。戦跡ファンとしては行ってみたいところですがさすがにちょっと難しそうですね。

再びシュタイン門からトラムに乗って、港の方に向かうことにしました。ランゲ通りというところから歩いてくるっと市場まで戻ってくる感じで。昔のクレーンや貨物列車(線路が通っていたらしい)が保存してあるのを見て、流す感じで戻りました。風が強くて難儀です。

市場からは昼食取る場所を探しがてら、また店を覗いて歩きました。

お昼は結局、あまりしっかりは食べずに、通りかかったカフェの「コーヒーとお好きなケーキのセットで2.95ユーロ」というのに惹かれてそこで済ませてしまいました。チーズケーキを選んだのですが、結構大きくて意外にお腹がふくれたなと。

それからよせばいいのに本を買ってしまいました。中世騎士の本で、ハードカバーで立派なものなのですが10ユーロと格安でしたので。本当はもう1冊、第二次大戦の主な戦いの本も欲しかったのですが、これは大きくて荷物になりそうなのでさんざん悩んだあげくあきらめました。第二次大戦ものにはまた出会う可能性もありますし……。

ところで、今は円高のせいでドイツでの買い物が総じて安く感じます。前回、5年前に来たときは1ユーロ=150円くらいだったはずで、今のレートが1ユーロ=107円くらいですからそれを考えると当時と比べて全品25%オフになっているのと同じということになります。一等車用の鉄道パスも3万円ちょっとでしたし。

それはともかく、あと、小さなカードゲームを1つ買い、深みにはまらないうちに離脱して次の目的地に向かうことにしました。

市街地の観光は一通り終わったので、少し離れたところにあるヴァルネミュンデという港町に向かうことにします。

ロストックももちろん港町なのですが、水路で少し内陸に入ったところにあります。一方、ヴァルネミュンデはその水路の出口、すなわち本当に海に面したところにある、そういう位置関係です。

トラムから郊外のマリエンエーエというところでSバーンに乗り継ぎ、40分ほどで到着しました。途中にトラムの車両基地あんんかもありましたね。

ヴァルネミュンデは昔は小さな漁港だったそうですが、今はちょっとしたリゾートになっているようです。さすがにこの時期になると海水浴は出来ませんが、夏はもっと賑わうそうです。

町中を一回りする感じで散策していきます。

砂浜も歩けるので、初のバルト海の景色を味わってみます。といっても、相変わらず風が強いので目に砂が入って大変なのですが……。空も曇りでいまひとつはっきりしませんし。

バルト海の海岸 灯台付近

砂浜から灯台まで一通り歩いた後、駅に戻ります。

水路沿いにレストランなどもあるのですが、さすがに夕食には少し早いので素通りして、駅から列車に乗ってロストックに戻ります。帰りはそのまま中央駅まで戻り、一度ホテルで荷物整理としばし休憩。歩数計は2万5千となっていましたので、ずいぶん歩いたことになります。

一休みした後、食事に出かけます。トラム乗り放題なので、再び旧市街へ。

途中のデパートでおもちゃコーナーのゲームスペースを覗いてみます。日本では(特にこの規模の都市では)考えられないほど充実していたりします。ロストック版のモノポリーなんかもありました。少し前にドイツアマゾンから買ったドイツ版カタンもありましたね。さすがに大物を買うことは出来ないのですが、お手軽そうなゲームを1つ買いました。スシゾックとかいう寿司好きがどうのこうのというものらしいのですが、海苔巻きに魚が一匹まるまる串刺しになっているイラストが描いてあってなんだかうさんくさいです。コミカルといえばコミカルですが。

それから夜に部屋で飲むためのワインを探しにディスカウントスーパーに立ち寄ってみました。中級のドイツワインがフルボトルで3ユーロとか格安なのですが……。日本でもよく見かけるリープフラウミルヒなどは2ユーロでした。

そして、食事をするところをぶらぶら探します。店の前にはメニューが出ていることが多いので、どんなものか調べてみます。博物館に続いて、持ってきた電子辞書が役に立ちます。

教会風の内装が売りだという(たぶん)店を見つけてよさそうなメニューがあったので入ってみます。煉瓦造りのアーチがある半地下のなかなか雰囲気のよい店でした。まあ、こちらは一人で食事するのであまり関係ありませんが。こちらのレストランは、店頭に店の中と同じメニューを掲示してあるので値段とも相談しつつ検討することが出来ます。

頼んだのは鮭と鱈のクリームソース仕立てで、味は上々でした。やはり港町まで来たのだから今回は魚を食べないと。珍しく塩味もきつくなかったですし。お約束のビールも忘れずに。

そしてトラムで中央駅まで戻り、ホテルに入ります。荷物整理をしましたが、まだ大丈夫そう。この旅行では可能な限り荷物を減らし、小さめのカートで旅しているので油断禁物です。旅行の知恵として、着替えの下着はわざと古いのを持ってきて、着終わるごとに捨てています。なので出発時と比べてプラスマイナスゼロくらいですね。後半はどうなるか……。

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