高津本陣 高津本陣 Web Page 〜創作中心個人サークルの総合案内〜

ポーランド・チェコ旅行記・7日目

今日は再びプラハ観光です。

ようやく、メインのプラハ城観光へ行ってきました。

最初はあえて橋を渡るルートではなく、地下鉄で最寄りの駅まで向かい、そこから旧登城道を行きました。

案内標識を見落としていて道を一度間違えてしまいましたが……。

結構急な坂を登ると、徐々に市街地を見下ろすようになりながら城の入口に到着。ネイビーブルーの制服を着て直立不動の衛兵がいる間を、若干緊張しながら中に入ります。

大聖堂中はすぐに城の敷地のようになっていると思っていたのですが、どちらかというと「町並み」の感じがします。時間が早いのと、所謂表ルートでないのとで人は疎らです。プラハ城は丘の上にある東西に長い城で、東から入る形になったので西の方へ歩いて行くと大聖堂の尖塔が見えてきます。このあたりから観光客の姿がずいぶん見えるようになり大聖堂の表までくるとすっかり人で一杯です。その向かいにチケット売り場があるのでそこでAコース(フル見学)のチケットと写真許可証を買いました。チェコやポーランドでは入場料の他にこうした「撮影権」をオプションで付けることが出来ます。今回の撮影料は50コルネなのでそんなに高くありません。というかその程度をけちるのはもったいないです。

早速、見学に移ります。チケットには城内各所の見学施設の番号が振られており、チケットに記載のある施設に入ることが出来るという仕組みです。券にバーコードが着いていて、各施設の入口に自動改札のようなものがあり、ここのバーコードをかざすと入場できるというわけです。

まず最初に、向かいの大聖堂へ。ご多分に漏れず、建設開始から完成までには膨大な時間がかかり、14世紀頃から現在の大聖堂が作られ始め、出来上がったのは20世紀になってからだそうです。

ステンドグラス 聖櫃ステンドグラスの中にはミュシャが絵をデザインしたものもあります。その他、一番奥にある聖ヤン・ネポムツキーの銀の棺は素晴らしいものでした。

フラッシュ禁止なのに焚いている人がちらほらいましたね。さすがにこれだけ人がいると注意しきれないようです。

どうも「素晴らしい」としか言いようのないものばかりですね……。

次に入ったのは旧王宮です。中の大ホールは当時はヨーロッパ最大のものだったそうです。

紋章いろいろ二階には各時代の紋章が壁に描かれた部屋があり、その数に驚きです。色もよい具合なのですがこういうのはやはり補修(塗り直し)などしているのでしょうか。

また、ここの二階テラスから南方を見る形の市街の景色も上々です。天気は今日も曇りで、晴れていたらもっと映えるだろうと思えるのが惜しいところです。

王冠と杓などを見てここの見学は終了。次は城の歴史についての展示に向かいます。

ここは写真撮影不可(撮影権があっても)で、明かりを落とした薄暗い館内を、古い時代から順に見ていきます。マンモスの化石に始まり、10世紀頃の威勢のよかったボヘミア王国、中世を経て近隣を含む多くの支配者が代わり、現代まで。部屋ごとに時代が変わり、その時代の城の姿を再現した模型があるのでどのような感じで規模が大きくなっていったのかが分かります。

三十年戦争の時期も経ていますがその展示はそれほど詳細ではありませんでした。それでもフェルディナント1世の法衣などというものがありました。

王冠主な展示品は中世らしく王冠、聖書、法衣、銀杯などキリスト教的な文物が多くなっています。変わったところでは女性(たぶん身分は高い)のコルセットや靴、ヘアネットなどの服飾品などでしょうか。

その他、10世紀頃の埋葬された兵士の骨なども展示されていました。こういうものも発掘されたということでしょう。

最後は中世から最近までにかけての陶磁器やガラス器などがありました。さすがにルネッサンス期のガラス器はところどころ欠けていたりしますし、透明度も低いのですがやむを得ないところでしょう。

それからイジー教会、黄金小路と見ていきます。黄金小路は別に建物が金や黄色に塗られているというわけではなく昔、錬金術師がその一帯に住んでいたことが揺らいだそうです。

武器と防具小さな長屋のような家が集まり、現在は一部は土産物屋などの店舗になっていますが、当時の様子を再現してある部屋(家)もあります。いろいろな職業の人が住んでいたようで、内装も様々です。正直、ここはさっと流すつもりでしたが、この長屋的建物の2階が武器展示ゾーンになっており、ずらっと鎧や兜などが並んでいます。それはもうたくさんあって個々の特徴をいちいち覚えていられないほどです。銃剣ならぬ銃斧などという武器を初めて見ました。それと、拷問道具がいろいろ展示しててあるところがありました。塔のような建物でやはりというか、元は牢獄だったそうです。

次に火薬庫だったという火薬塔を見ます。現在は近世のチェコ軍の軍服などを展示しています。

そして最後に肖像画始め様々な絵画を展示している王宮美術館を見学。西洋画はまた日本や他の文化圏の絵とは違った趣がありますね。ここも写真禁止なので軽く流します。

一通りの見学を終えたところで時間は13時少し前くらいと、概ね予想通りです。

一日目を含めて、これで必ず見たいと思っていたところは見終わりました。午後はどこを観光するかというといろいろ検討した結果、ガイドツアーに参加してみることにしました。

ホテルのロビーにあったパンフレットで「第二次大戦下のプラハ」というツアーがあり、これが面白そうだったので参加してみることにしました。

城から下に降りて、今度こそカレル橋を渡ります。この橋、私の中ではとても綺麗なイメージだったのですが、観光客が多くて雑然とした感じになってしまい、札幌の時計台に通じるようながっかりスポットになってしまいました。一部の彫像が修復中で外されていたのも残念なところです。仕方ないとは思いますけれど。

地下鉄を利用して移動し、途中で郵便局に寄って切手を購入(両親に絵はがきでも送ろうと思って)。それから火薬塔近くのツアーの集合場所に向かいます。

ツアーの事務所みたいなものがあると思ったらそうではなく、パンフレットにある通りに黒い傘を持った係員らしき人を見つけて話しかけると、同じパンフレットを持っていてここでよいと判明。念のため、ツアーは英語で行われるのかを聞きました。チェコ語だったら全く分かりませんので。

十五分ほどの待ち時間の間に他の参加客もやってきました。

最終的には私を含めて8人の参加者。アメリカ人の3人組、オーストラリア人の夫婦、スコットランド人の夫婦でした。皆さん年配で私だけが一人かつ若手(?)かつ旧敵国。

ツアーの内容は、旧市街の各所を巡りながら、その場所でナチス占領時代の話を聞くというもの。いきなりこの場所(スタート地)がナチスのパレードが行われたところというので、当時の写真を見せてもらいましたが確かに背景の建物が同じです。

ツアー引率のお兄さんはかなり聞き取りやすい英語で話してくれるのですが、私の英語力のなさで全部は理解出来ません。それでもそれなりに分かるので助かります。この調子なら何とかなりそうです。

解説旧市街広場に移り、同じような説明を受けます。比較写真も面白いのですが、占領時の軍票なども見せてくれたりしてなかなか興味深いものがあります。

ドイツはチェコを「保護する」という名目で軍を差し向けましたが、1942年以降、チェコ人によるレジスタンスが組織され、ツアーの内容はそちらへも触れていきます。ユダヤ人地域を通りつつそうした解説を受け、途中からトラムで移動して最後は聖キリル・メトディウス教会というところにやってきました。ここの地下にレジスタンスの隠れ家があったのですが、SS将校(要確認)のハイドリッヒを暗殺した活動家がここに籠もっていた隠れていたために全員処刑されたそうです。教会の地下にある隠れ家跡に入ることが出来、また占領から解放までの展示もありました。

隠れ家これでツアーは終了。お兄さんと握手してめいめい解散ということになりました。ここで終了するのは予想していなかったのですが、地図で確認して近くから地下鉄に乗ることにしました。

時間は16時過ぎとやや中途半端で、これ以上他を見学するのも厳しそうなので、一度ホテルに戻って休憩し、町歩きと夕食に出掛けることにしました。トイレに行きたいというのもあったのですが。ちなみに、トイレは博物館内などの有料施設を除いて基本的にチップ制で、地下鉄の駅などだと5コルナくらいです。大した額ではないのですが、どうもトイレに入るのにお金を取られるというのに違和感を感じてしまいまして……。

ホテルの部屋で一休みして外に出ると、降り始めていた雨が本降りになってしまいました。ですが観光を終えてからでよかったです。絵はがきをポストに投函し(念のためこの切手でよいか郵便局で確認してもらったら「Perfect!」と言われた)、トラムで移動してショッピングセンターへ向かいました。

系統を確認して乗ったのですが、ガイドブックのミスプリなのか、変更があったのか途中で違う方向に向かい始めて慌てて降りました。

ショッピングセンターでは特にめぼしいものもありませんでしたが(言葉もあまり分からないし)、まあ適当に一回りしてから先ほどツアーで歩いた王家の道を通って目標のレストランに向かいます。

ところが、地図にある位置に目的の店がなく、ひょっとするとなくなって別の店になってしまったのかもしれません(その場所にはイタリア料理屋がありました……)。別の店にしようと思いつつ付近をさまよっていると、写真入りのメニューがあってわかりやすい店があったのでそこに入りました。

食事写真で見たチェコ料理の盛り合わせプレートのようなものがあったのでそれを注文しようとしたら「これは大皿で取り分けるものだから」と言われてしまいました。代わりにチキンのグリルとビールを注文。出てくるまでの間にタブレットを開いていたらお店のお姉さんが「wifi使えるよ、パスワード知りたい?」と聞いてきたので頼みました。確かにwifiの一覧に「restaurase」というのがありました。

それほど待たされることもなく料理が出てきましたが、これが美味しかった。旅行中、どうしても観光を優先し、時間に余裕をみて行動するので昼を食べ損ねることが多かったのですが、昨日に続いてきちんとしたレストランで食べることにしたので味も上々でした。盛り合わせも綺麗でした。

支払いの時に、「サービス料は込みじゃないので」と言われて、「じゃあ、結局はいくらなの?」と思ったのですが、うまく伝わらず、少ししてようやく意図が分かりました。サービスがgoodだと思うなら10%を、Excellentだと思うなら15%を上乗せしてくれということでした。結局サービス料抜きが420コルネだったので少し上乗せして600コルネ札のおつりをそのまま渡してきました。

そしてホテルに戻り、この日の行程は終了。雨は上がっていました。

上に戻る |  目次に戻る |  8日目へ


(c) 高津本陣・徐 直諒 since 1999.12