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ポーランド・チェコ旅行記・5日目

今日はプラハ観光の一日目です。

ですがメインのプラハ城とカレル橋の辺りは後に回すことにして、マイナーな場所を訪れました。

博物館、美術館の始まる時間の関係で久しぶりに朝ゆっくりです。

最初に向かったのは空軍博物館。郊外の空港(軍事)に隣接しているところにあるます。あらかじめネットで情報を仕入れておいたので行くのに問題はありませんでした。市内交通の一日券を買って地下鉄のC線で終点のレトニャニへ。ちなみにプラハの地下鉄は3路線あるのですが、名前がA線、B線、C線と身も蓋もありません。ラインカラーがあるのでわかりやすいです。

ここでバスに乗り換えて10分とあったのですが、5分で到着。ほどなく開いた博物館に入ります。

ソ連機?

ドイツのジェット機

ここはその名の通り空軍一通りの飛行機の展示が充実しています。野外展示とハンガー内の展示があり、後者の方は一次大戦期、二次大戦期のように時代別に分かれています。戦後のコーナーが一番広く、展示も充実していました。他の飛行機が入らないように写真を撮るのはほぼ無理です。

チェコ空軍で特徴的なのは、二次大戦中にドイツに占領されてその後「解放」され、戦後は東側に属していたという歴史があるため、保有している飛行機も陣営的なバリエーションが豊富です。米英軍からソ連、ドイツの飛行機もあります。ドイツの飛行機があるのは接収したからなのでしょうか。初のジェット機のMe262や、現存する唯一のBf-109の派生型などもあって驚きました。

戦後はソ連機がメインで、二年前にベルリンのルフトヴァッフェミュージアムを見た時のようにいろいろなミグがありました。

日本?

ミグ

こんな機も

中の展示機は状態もよいのですが、外のは塗装がかすれかかったりと少し残念な機もありました。

写真撮影は自由ですが、隣接する空港施設は絶対に撮らないようにと注意書きがありました。そこにはうち捨てられた飛行機やヘリが雑然と置いてあって確かに撮りたくなるのですが、軍事施設を禁を破って撮影するとどうなるかはご想像の通りですので……。

たっぷり1時間半くらい見学し(しかも無料なんですよね)、バスと地下鉄でプラハ中心部に戻ります。

あの人 次に見学したのは共産主義博物館。ベルリンのDDRミュージアムを見た時のようなB級臭漂う資料館を想像していましたが、意外にも展示が充実していました。共産陣営時代に影響を受けたソ連の様々な制度の紹介(コルホーズとかオリンピック強化選手とか)や対米プロパガンダなど、Twilight Struggleファンならついつい見入ってしまうものです。後半はいろいろボロの出てきた共産主義についても説明があり、最後はプラハの春からビロード革命で締められています。ここも写真撮影可だったのでいろいろ撮っておきました。

プロパガンダポスター 

次は近いところにあるムハ美術館。ムハというとなじみなさそうに見えますが「ミュシャ」といえば分かるのではないでしょうか。

ミュシャはフランス語読みで、主にフランスで活躍したためその読み方が広まっていますが実際はチェコの人でチェコ語で読むと「ムハ」と。

ここでは運良く日本語のパンフレットがあったのでそれを見ながら絵を見ていきます。ルノワールの女性の絵も好きですが、ムハの独特のタッチの女性も綺麗ですね。

有名どころの絵から、原画(下絵)やフランスやアメリカでの「仕事」の絵(博覧会のポスターなど)なども堪能してきました。

ここで雨が降ってきたので、今いる場所が宿の近くなので戻って傘を取ってくることにしました。拠点があるとこういう時に助かりますね。途中で立ち寄ったチケットショップで今夜やるというクラシックのミニコンサートのチケットを購入。予定外の出費だったので、ポーランドで残ったズロティをコルナに両替してもらって補給しました。町中の至る所にある両替屋はレートが今ひとつだそうなので、銀行に行きました。

ピアノさて、宿で傘を取ってきた後はコンサートの場所を確認がてら、その近くにあるスメタナ博物館へ向かいました。後ほどじっくり観光する予定のカレル橋をかすめ、博物館に着いたところ、なんと今日は定休日とのこと。確かにガイドブックを見ると火曜日が休みでした……。

代わりにトラムで移動して少し離れたところにあるドボルザークの博物館へ。ここには本人の使った様々な道具(文具など)やピアノが展示されています。二階はホールになっていてちょっとした演奏会が開けそうでその隣室は年譜が展示してあるほか、ドヴォルザークの曲がいくつか試聴できます。

コンサートまで少し時間があるのですが、概ね今日の観光目標は達成し、雨の中を歩き回るのも嫌なのでホテルに戻って休憩。その後、改めてコンサートに出掛けました。

コンサートのパンフレットコンサートはパンフレットの写真にあるような装飾の豊かな広間で開催されました。ミニコンサートなので、それほど改まった感じではありませんでした。演奏も弦楽器のみの5〜6人くらいによるもの。

バッハのG線上のアリアから始まり、ドボルザークのワルツまで、他にもモーツアルトのアイネ・クライネ・ナハトムジーク、ベートーベンの運命など、なじみの曲がほとんどでした。他にもリストを見て「どんな曲だっけ?」と思ったものも、始まると「あ、これか」とすぐに分かり、かなり楽しめました。

コンサートが終わると雨は上がっており、近くのカレル橋から対岸のライトアップされたプラハ城を眺めてから戻りました。そういえば、超朝方の行程になっていたので、暗くなって出歩くのは初めてでした。夜になると涼しいを通り越してもう寒いのレベル。気温も10度ちょっとくらいしかありません。既にコートを着て歩いている人もいるくらいです。日は日本より長くて7時くらいだとまだ明るいのですが、感覚がずいぶん違っています。

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