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ポーランド・チェコ旅行記・3〜4日目

この日は朝からクラクフへ移動です。

7時過ぎにホテルをチェックアウトして外に出ると涼しいです。涼しいという感覚を久しぶりに味わったような気がします。気温は11度だそう。これまでずっと邪魔だと思っていたジャケットが役に立っています。

中央駅までは少し距離があるのですが歩きます。交通手段に乗り慣れていないと、なんだかんだと徒歩が一番確実な移動手段になるのですね。

高速列車ワルシャワからは昨日予約した列車で移動します。6人一室のコンパートメントのヨーロッパらしい車両です。コーヒーの無料サービス(インスタントでしたが)などもあって割と快適です。クラクフ、カトヴィツェ方面の高速線を走るため走りも快調です。とはいえ、また何も案内なく10分遅れていましたが。

相変わらずの単調な景色を眺めつつ暇つぶしに冬の原稿を書いたりして3時間ほどでクラクフ本駅に到着。

明日乗る列車の発車番線をチェックし、すぐに見つかったコインロッカーに大きな荷物を預けて市内観光へ向かいます。

旧市街は駅からも遠くなく規模も広くないので歩きで十分です。

バルバカンまずは最初おバルバカンという円形の城塞を見ます。ヨーロッパでも数カ所しか残っておらず、ここクラクフのが一番規模が大きいのだとか。

そこに隣接する門をくぐって内部に。このあたり、何故か犬を連れた人がたくさん集まっていましたが何かのイベントがあったのでしょうか?

日曜日ということもあってか観光客も多く、両側の店を眺めながら中央広場へ向かいます。ドイツでいえばマリエン・プラッツでしょうか。隣に聖マリア教会があるのですが、一部補修のためか覆いに隠されているのが残念。この教会の塔には、13世紀にモンゴルが攻めてきたときに急を知らせるラッパ手が射貫かれたという言い伝えが残っているのだとか。

広場では仮装をしたパフォーマンスの人、観光馬車の列など観光地らしい明るい雰囲気に包まれています。ちなみにこの日も天気は快晴。ただワルシャワよりは暑くなく、歩いていても汗をかくまでにはなりません。

そのまま先まで市街を歩き、旧城域の南端まで来るとワルシャワ遷都前までポーランド王国の首都だったヴァヴェル城にたどり着きます。

今日の観光のメインはここです。

城内人気があるとは聞いていましたがチケットを買うのに行列まで出来ているほど。城内は中庭を囲うように様々な建物がありそこが各種の資料館、展示室になっています。これらのうち見たい物を組み合わせる形でチケットを購入します。

私が選んだのは宝物武具展示館、オリエンタルアート、旧王室、旧時代の城の以降でした。それと別料金で大聖堂を見学しました。

展示室の中は写真禁止なので説明が難しいのですが、宝物武具展示館には彫像や聖杯、法衣など、武具としては中世の剣や鎧からマスケット銃、クロスボウなど。時代が下るに従って武器の柄などに精巧な彫刻が施されて美術品のようになっていく変遷がよく分かります。

城から町の風景オリエンタルアートは実は一度パスしようかとも思ったのですが見てよかったです。ヨーロッパのこの手の展示としては珍しくトルコの武器が展示されています。その他ペルシャ絨毯や遙か東、日本や中国の焼き物も展示してあります。紀元前10世紀の西周王朝時代の青銅器なんていうのは本物なんでしょうか。

旧王室は王家の人物をはじめとする肖像画や家具の類、大広間の玉座などが展示されています。タペストリーや歴史上の出来事を書いた大きな絵なども見物です。

遺構は10世紀くらいの古い時代の発掘された状態をそのまま残してあるそうです。いわば城の土台に当たるのでしょうか。外壁を彩る彫像なども見つかったのか、それらも一部(欠けていて完全ではない)が展示されています。

最後に大聖堂を見学。礼拝堂の精巧さも圧巻でしたが、各時代の王の墓所です。棺に精巧な彫刻や細工が施されていてある種美術品のよう。また中央にある聖遺物は銀製でこれまた素晴らしいものでした。

塔を登ったところにある鐘などを見て、最後に大聖堂美術館を見ようとしたところ、ここは何と日曜祝日が休み。

これで一通りの見学を終えて、城を最後にもう一周して出ました。

聖なる彫刻旧市街の聖マリア教会に戻りここを見学します。城の大聖堂の中も素晴らしかったのですが、ここの祭壇はキリスト教に縁のない自分でも思わず嘆息してしまうほど。タイミング的に一時間に一度という、モンゴル襲来由来のラッパが聞けなかったのが少し残念でした。

駅に戻って荷物を取り出してから宿にチェックイン。ここは無料でwifiが使えるので助かります。タブレットに近隣の地図を読み込ませたり、軽くネットをチェックしたりしておきます。

そして一休みしたところで早めの夕食と買い出しと、昨日と似たようなことをしてきました。夕食のメインは牛肉の煮たのに西洋わさびのクリームソースというもので、考えてみると前のドイツ旅行でも似たものを食べたような気がします。

ホテルには19時には戻り、この旅行記を書いたりしつつ22時前には寝てしまうという健康的な旅行を続けています。明日も早いですし。


この日は移動日なので軽く済ませましょう。

朝食を取ってからホテルを出発して、まずはカトヴィツェ行きの列車に乗車します。

機関車に1等車1両、2等車4両というシンプルな編成です。ポーランドでは中長距離列車では予約が必要なので指定席を確保しましたが、ローカル急行といった雰囲気です。

クラクフを出てすぐ快調に走るものの、途中でペースが落ち、それからは時速40km/h程度の低速走行が続きます。

車窓の風景珍しく駅を定刻に出たのにこれでは先が思いやられるといったところです。途中で駅でないところで止まったりしますし。

カトヴィツェまでの路線は途中でいくつかのローカル線が合流したり、大きな貨物駅があったりとそれなりに車窓に変化はあるのですが、相変わらずの鈍足ぶりです。

このままでは、カトヴィツェで乗り換え時間が40分ほどあるのですが間に合うのかどうか心配になってきました。

ところが、トーマスクックの時刻表を見てみるとクラクフからカトヴィツェまでは約60キロなのにこの列車では2時間半もかかります。ということは、これでも定刻通りの運転なのかもしれません。

途中、架線柱が倒れていて工事をやっている区間などがあり、ひょっとしたらこの影響でこういうダイヤになっているのかもしれません。

かなりやきもきしましたが、結局、このペースはほとんど変わらず、カトヴィツェには定刻の10時半につきました。

カトヴィツェ駅はなかなか近代的な綺麗な駅で、若干の待ち時間もスターバックスのwifiサービスなどで有意義に過ごせました。

ここからはプラハ行きのその名も「プラハ」号に乗るのですが、駅の表示では何も出ていなかったのにホームに上がると15分遅れという案内が。まあだいぶ慣れてきましたけれど。

ポーランド北部は牧草地と森林ばかりの完調な景色でしたが、この先は森の方が多くなってきます。

列車に乗った後は早速、食堂車へ。メニューを見ながら何にしようか迷っているとウエイターの初老の男の人がお勧めを教えてくれたのでそれにすることにしました。

食事牛肉のボイルのブラウンクリームソース、それと蒸しパンでどちらもチェコ風ということのよう。加えてせっかくだからとチェコの白ワインも頼みました。

日本ではほぼ絶滅してしまった食堂車、窓の外の景色を眺めながらの温かい食事はいいですね。

メニューには値段がユーロとチェココルナの両建てで書いてありましたが、ポーランドズロティでも払えるというのでこれで払いました。もうポーランドのお金は使わないので。50ズロティとポーランドの食事の値段を考えると高めでしたが、日本円で1700円強。まあこんなものでしょう。

食事を終えると曇りがちな空からは少しずつ雨が降ってきました。国境を過ぎてチェコに入り、Bohuminという大きい駅で30分ほどの停車。一番後ろの車両に乗っているので分からないのですが機関車の交換が行われたのかもしれません。

遅れはここで回復して定刻に発車。チェコ国内に入ると乗務員も変わったらしく再度検札を受けましたが、無料サービスのコーヒーなどももらえます。

チェコに入ると景色が起伏のあるものに変わりました。スピードも快調ですが、曇り空で薄暗いのが少し残念。

プラハ到着丘の多い地形の中を走り、いつの間にか雨も上がっていて定刻より5分ほどの遅れでプラハ本駅へ到着。今日から4泊するホテルは駅のすぐ側なので便利です。チェックインもすんなり済み、wifiのパスワードももらいました。ガイドツアーのパンフレットが置いてあり、ナチスドイツ占領下のゆかりの地を巡るツアーなどもあるらしいのですが説明が聞けない(理解出来ない)から諦めるしかないかと。

もう夕方なので観光するつもりはなかったのですが、食事がてら近くを少し出歩くと、時計塔や火薬塔などそれなりのところを見てしまいました。明後日に改めてしっかり観光するつもりですが。Sex machines museumなるものが通りがかりにあって、パンフレットだけもらってみましたが、まあそういうものを展示してあるところのようです。あと、明日見学する予定なのですが場所がわかりにくいという共産主義博物館の場所も確認しておきました。

夕食は軽めにしたので駅の中にあるスーパーでビールとチーズ(両方チェコ産)を買って部屋で軽く晩酌ということにしました。

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