高津本陣 高津本陣 Web Page 〜創作中心個人サークルの総合案内〜

フンタ(Junta)

人数:2〜7 時間:2〜4時間程度

フンタ発展途上国の権力者階級になって、先進国からの援助金を懐に入れて私腹を肥やす(スイス銀行に貯金する)のが目的という、ブラックユーモアにあふれたゲームです。

プレイヤーはバナナ共和国という架空の国のファミリー(財閥とか利益集団のようなイメージ?)のトップとなり、国の要職の地位を奪い合いながら、その地位に応じて得られる利権を使って援助金を手に入れます。

具体的には、

まず、大統領は各プレイヤーの役職を決めます。大統領以外に6つの役職がありますが、プレイヤーの人数によっては複数の役職を兼務することもあります。

そして、予算配分です。毎ターン、先進国からの援助金がお札で「7枚」得られます。札には1,2,3の金額があり、7枚であっても全部でいくらなのかは大統領以外には分かりません。

大統領は、これを各大臣・将軍に自由に振り分けます。全額割り当てる必要はもちろんなく、残ったお金は大統領のものになります。極端な話、全員0にして全額自分のものにしてしまってもいいのですが、敵を多く作ってはこのゲームでは勝ち残れません。かといって、八方美人で全員に予算を割り当てるほど裕福ではないので、相手を選んで結託して味方に付ける必要があります。

この予算案を議会にかけます。各役職の投票権の他に、ファミリーは自分と癒着している様々な勢力の影響力を借りて票を上積みします。予算が可決すれば大統領の案の通りに配分されます。否決されてしまったら全額大統領のものです。

次に、行動を決めます。各プレイヤーは、自分の居場所をプロットします。銀行、自宅、愛人宅などです。手持ちのお金を銀行に預けるためには当然、銀行に行かねばなりません。

しかし、それはそう簡単にはいきません。このとき、内務大臣の配下にある秘密警察や、他のプレイヤーが雇ったヒットマンが自分を暗殺しようと(特にお金をたくさん手持ちに抱えている人ほど)狙ってきます。暗殺は「どこそこにいる誰それを暗殺する」という宣言で行われます。予めプロットしていた居場所と一致してしまったら見事に暗殺され、手持ちのお金は暗殺者を雇ったプレイヤーに奪われてしまいます。銀行は危険ですね。暗殺されてもファミリーには後継者がきちんといることになっているのでゲームから脱落はしませんのでご安心を。

暗殺やその他イベントの発生により、国内が不穏になるとクーデターが起こる可能性があります。このとき、各役職のプレイヤーは、大統領かクーデター首謀者かのどちらかにつき、自分の利益なるように配下の部隊や(カードで投入できる)自分の影響下の勢力(ストライキ労働者や学生デモ隊など)を操り、混乱を助長します。

クーデターが失敗すれば首謀者は哀れ処刑台の露と消え、大統領がそのまま次も予算決定の権限を握ります。成功すれば大統領は放逐され、新たに議会によって新大統領が選ばれます。どちらに味方してどんな利権を引き出すかという駆け引きも重要になってきます。

こうして援助金が終わるまでゲームを続け、最終的に「銀行に」一番多くの額を蓄財したプレイヤーの勝利です。いかにして世渡りしていくかその腕前が試されるゲームです。他のプレイヤーを上手に味方に付けつつも彼らをいかに出し抜くかが勝利の鍵でしょう。


あまり殺伐としない(でもないかも)、ユーモアあふれるマルチプレイヤーゲームです。

大統領の権力はかなりのものですが、敵も作りやすい。といいますか、全閣僚にいい目を見させることは実際には不可能なのです。

必然的に「味方」を作って美味しい思いをさせて囲い込み、「敵」が頭角を現さないように叩くのです。

海軍大臣などはかなりの官職なので、なかなか大統領に刃向かえないのですが、そこはそれ、「私が政権を握った暁には……」と他の冷遇されているプレイヤーを誘い込んで……クーデターです。

様々な工作活動には「手持ちの」現金が必要ですが、勝利条件はあくまでも「銀行に預けた金」で判定されます。多くの現金を持っている(と思われる)と、銀行に行くのも文字通り命がけです。

カードの内容もブラックユーモアにあふれたもので、どんなカードが用意されているのかを眺めているだけで面白いです。

ただ、広いゲームマップはクーデターの時以外はほとんど意味がなく、そのクーデターがどのくらい起きるかでプレイ時間が大きく変わるのが難点といえば難点でしょうか。

上に戻る | 一覧へ戻る | 次のゲーム紹介へ


(c) 高津本陣・徐 直諒 since 1999.12