第1講:「文字放送を使いこなそう!」
平成12年9月2日(土)17:30〜21:00 聴言センター研修室 参加者:25名
講師:(株)西日本文字放送 隈川聖五氏、東山なおみ氏
まず、現在の文字放送の仕組み、問題点をざっとお話されましたが、一番印象に残ったのが、1時間番組に字幕を付けるのに、5日はかかるということです。リアルタイム字幕などの新技術だけが一人歩きしている感がありますが、実はこのリアルタイム字幕にしても未だほとんどのパートで手作業でしているそうです。音声が自動的に字幕になっていると信じていた方はどうもごめんなさいね。世の中そんなに甘くはありませんでした。
それと、著作権法は改善されましたが、放送局としては当然報道ミスは許されませんので、私はこのあたりに字幕関連の問題点があるのではと思いました。話し手の話したいことの真意を曲げずに、要約して字幕を表示する。こう書いてみるとなんとかできそうな感じがしますが、これが難しい。
そして次に、表示方法も問題になります。若者と老人では読むスピードが違いますし、人によって読める漢字、読めない漢字もあるだろうし、画面のシーンにも合わせなければ、字幕による理解度も半滅するでしょう。こうして、列挙すると一言に字幕といってもとても大変な作業であることがよくわかりました。
これから、デジタル放送時代になり、データ放送を利用したりして、字幕付き番組が一段と充実されていくことを夢見るよしぼんでした。
第2講:「エンジョイ!ダンス!」
平成12年9月17日(日)13:00〜16:00 聴言センター研修室 参加者:17名
講師:マリコダンスシアター 今井 雅左氏
ダンスの基本レッスンの体験講座でした。内容は、いたって簡単。音楽に合わせて踊るだけ。でも、実際は、音楽が聞こえない人もいるので、講師を真似て踊っていた人がほとんどではないでしょうか。司会者だったN氏はめちゃくちゃダンスにはまっていて、進行がおろそかになっていたのでは、という苦情が彼のもとに届いたかどうかは、未確認。
≪参加者の感想≫
・当日教室に入るとすでにテンポの速い音楽がガンガンと鳴っています。ジャズダンスといえばやはりこんな音楽といった感じ。そしてもう一つ感じたことは、この講座に男性の方も含み興味・関心がある方が多くおられることでした。先生の大きな声と手話を交えての指導、音楽に合わせて体を動かしステップを踏むが何度教えて頂いてもなかなか覚えられません。でも何度となく繰り返して踊っていると頭じやなくて体が覚えるみたい。そうすると楽しく、おもしろくなってきます。音楽に合わせて心は軽く、身も軽くステップを踏んでいたと書きたいところですが、最後まで音楽に追い掛けられながら踊っていたような感じでした。
第3講:「体験してみよう!もしも地震が起こったら?」
平成12年10月1日(日)13:00〜16:00 中京消防署 参加者:23名
講師:中京消防署員
まず、火災について。火災は、人間の燃えないだろうとか、大丈夫だろうという甘い考えと、あれもこれも同時にしようとするせっかちな性格が原因になることが多いので、ニュートンの七色駒(色があるのに、回すと色が消える不思議な駒)、ベンハムの駒(白黒の模様の駒だが、回すと色が出る不思議な駒)で、甘い考えを取り除き、心理テストで人間は同時に二つのことはできないことを確認しました。
火災での、死亡比率が高いのは、ダントツの72%で逃げ遅れです。難聴青年はこれに当てはまってしまうケースが多いと考えられます。そこで、事前に災害知識を持つことは大きな意味を持ちます。
災害の卵は4つあります。
1.場所は危険ではないか?(燃えやすいものが近くにないか)
2.使用器具は安全か?(耐久年数など)
3.使い方は正しいか?(タコ足配線など)
4.後始末は正しいか?(たばこの消し忘れなど)
皆さんも一度自分の家を点検してみてはいかがでしょうか。
その他、消防署内のトレーニングジムを見学したり(ここではK氏が力任せにサンドバックを叩いていて、見かけによらず熱い男と思った)、天ぷら火災実験では、火柱が4メートルは立ちのぼり、茫然とした。起震車の体験では震度7でもなぜか、みんな笑っていた。
来年も引き続き災害に備えようパート2を開催予定です。
≪参加者の感想≫
・起震車、初めての経験でした。震度7になると、ちょっと気分悪くなっちゃった・・・・車酔いと違うじゃない???
・起震車に乗ってちょっと話し聞いて終わりかと思っていたら、ビデオあり、実験あり、クイズあり、見学ありの充実した内容に驚きました。なにより中京消防署のあたたかい人柄にふれられて良かったです。この人たちになら京の町を任せられる!
・見学と訓練では、消防車の高価な機材が印象に残っています。あとすべり棒がなくなっているのは意外。また、起震車で地震を体験したのですが、その数日後の本当の地震にはなかなか気付きませんでした。
第4講:「要約筆記者の生の声を聞いてみよう!」
平成12年10月21日(土)13:00〜17:00 聴言センター研修室 参加者:27名
「かたつむりのうた」って、ビデオ知っていますか?青年部の中には、この「かたつむりのうた」は、でーんでーんむしむし、かーたつむり。。。の歌のことだと思っていた愚か者、数名。(笑)このビデオは、京都市要約筆記サークル「かたつむり」が中心になって、要約筆記の啓発ビデオとして、作成されたものでござる。まず、街頭インタビューから始まるこのビデオ、「要約筆記って知っていますか?」の質問に「しらーん」連発の街の人々。。。最近、広辞苑とか現代用語の基礎知識に要約筆記が掲載されましたが、僕たちから見れば、”漸く。。。”って感じだね。もし、今ビデオと同じ、四条河原町でインタビューしてみると、どんな結果になるのか、おもしろそうだなー。
ところで、みなさん、『要約筆記の普及活動の一番の目的、一番の理想は何でしょう?』 早くて、よくわかるOHP要約筆記とか、PC要約筆記とか、個人派遣ができるとか、優秀な要約筆記者がたくさんほしいとか。。。はっきりいって、そんなことに目が奪われているようでは、要約筆記の発展はないのではないでしょうか。ビデオの中で、若かりし、西原泰子さんがおっしゃっていたのは、上のいずれとも違います。『気軽に筆談できる街づくり』これが、本当に我々が目指すものでは、ないでしょうか?
別のコミュニケーション手段として、手話もあります。あなたは、優秀な手話通訳者が全国に10万人いるが、どこへ行っても、例え、片言でもみんなが笑顔で手話を使ってくれるのとでは、どちらがいいですか?要約筆記も同じことです。世の中の人たち、みんなが、聞こえなかったとき、笑顔で筆談してくれるような街があれば、とてもハッピーと思いませんか?
さて、皆さん。要約筆記がぼくらにとって社会参加の手段であるためには、つまり、難聴者と健聴者との橋渡し役であるためには、いくつか気をつけないといけないこともあります。
1)話し手がごもごも言う
2)話し手が早口で言う
3)話し手の話がまとまりがない
4)話し手の話の区切りが必要
5)ざわざわと騒がしい環境
これらのことは、利用者として、今後気をつけましょうね。
第5講:「Let's
トーク!(難聴中高生との懇談会)」
平成12年11月19日(日)13:00〜16:00 聴言センター研修室 参加者:31名
まず、8年前の青年部制作ビデオ「東京都ラブストーリー」が上映されました。我々青年部の先輩方の頑張りが8年のときを越えて、今の難聴中学高校生に届いたのでは、と司会のよしぼんはたかをくくっていましたが、今の中学高校生は自分の気持ちにほんと、ストレート!
主人公の男(かんち)を指して、「私はうじうじした人は嫌いですっ!」と言った女子中学生ありけり。ほんとは、うじうじした人でなくて、ビデオだから演じてるだけなんだけど。。。
司会としての狙いはビデオの中に出てくる、「かんち!」「なに?」「かんち!」「なに!」「かんち、好き!」というセリフ。私には、こんなセリフは言えません。とか、このセリフが印象に残ったとか。。。そういう意見がほしかったのだが、思い通りにはいかないものだねー。自信消失気味のよしぼんです。
もし、うまいこといってれば、何で、言えないのか。ただ単に恥ずかしいからなのか、聞こえないから恥ずかしいのか、青年部の皆さんの体験は?というように進めるつもりだったのですが。。。
でもって、途中で企画変更。学校の悩み相談会にしました。膝がつかえるほど、みんなで輪になって、いろんな悩みを打ち明けたり、青年部がアドバイスしたり、最初からこんな企画にしとけばよかったカモ。みんな、いろいろ悩んでいるんだね。よしぼんも悩みは星の数くらいあるよ。(ほんまか−笑)中学高校生の悩みに相談、アドバイスしてあげる。青年部が存在してて、本当によかったと再確認した一日でした。青年部の存在意義は自分たちの幸せを求めていくと同時に中学高校生といった方たちにも夢と希望を与えるものだとほんま実感しました。
第6講:「クリスマスのつどい’00」
平成12年12月17日(日)13:00〜16:00 聴言センター研修室 参加者:115名
20世紀最後のクリスマスの集いが開催されました。まず、ぐっちくんの手話コーラスや、おーしたくん・たっくんによる二人羽織り、そして、現役難聴女子高校生のあゆみちゃんによるパラシュートつくりと今年もとても充実した内容で大人はぐったり、子供は大はしゃぎでした。よしぼんは、生まれて初めて、サンタの正体を知り、ショックでした。(笑) 別の部屋で、もぞもぞとサンタの衣装に着替えるKくん。サンタは絶対いると信じていたよしぼんはガックリ。。。どうりで、枕元のくつしたには、なんにも入ってないんだわ。。。
さて、ひとつ気になったのが、ゲームボーイに夢中になって、司会の話を聞かなかったり、また、同じ子供同士で会話をしようとしなかったりする子供が多いこと。難聴という障害は、コミュニケーションの障害だといわれています。せっかくこの障害を軽減できるような機会(仲間とコミュニケーションできる場)を用意しているんだから、もっと活用してほしいというのが、よしぼんの願いです。
第7講:「難聴青年にとってのバリアフリーとは?」
平成13年1月13日(土)19:00〜21:00 聴言センター研修室 参加者:24名
講演の内容は、難聴者にとってのバリア(障壁)とは何か?という問題提起から始まりました。中川氏は、精神的バリア、物理的バリア、社会的バリアというように、わかりやすく整理されていました。今回は、時間の関係上、主に社会的バリアに重点を置いた内容になりましたが、時間さえあれば、もっと中身の濃い討論ができたのではないかという点だけが心残りではありました。社会バリアでは、例えば、聞こえないという理由だけで、会社の会議や研修に参加できないとか、自分の難聴という障害を説明しても、なかなか理解が頂けず、バリアフリーのための行動が、逆に自分で勝手にバリアを作っていると誤解されてしまうという意見とかもありました。
米国では、ADA法が1990年に成立して、様々な面で、障害者に対するバリアフリーが進んでいます。国民性の違いという言い方が一般的ですが、米国ではチャレンジドというそうです。日本の場合は、何らかの障害を持っているために社会参加が困難な人達という認識が多数ですが、米国ではこの困難に立ち向かう挑戦者という認識である意味では敬意の念も含まれているのではないかと私は思いました。
(文責:文化部長 よしぼん)
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