音符のライン
「希望の灯り」 全国へ
2001.1.17〜2001.2.17
音符のライン
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 1月17日 神戸を出発 ⇒ 姫路
神戸新聞 2001年1月18日
感謝届け全国へ ぬくもり胸に出発  

人が人を支える。人が人を助ける。その記憶が、被災地の人々の心の底にしっかりとある。声を掛け、手を差し伸べる。それはつながること。出会い、ふれあうこと。17日、7年目へ踏み出す阪神・淡路でひとつの言葉に光が当たった。「感謝」。

神戸・三宮の東遊園地。支援への感謝の気持ちを添えた「希望の灯(あか)り」を、全国へと届ける市民ランナーがこの日、出発した。その先に新しい出会いが待っている。朗読された中学生の詩がランナーの背を押した。「あなたのあたたかい目に何度助けられただろう ひとりじゃないんだ ボクたちは」

神戸から全国へ。午後5時46分、大きな拍手に見送られ、青いスポーツウエアに身を包んだ市民ランナーが一斉にスタートした。鎮魂と復興の願いを込めたガス灯「希望の灯り」。遺族代表の会社員白木利周さん(58)から先頭のランナーへと、灯りが分け与えられた。
白木さんは、神戸市東灘区の自宅で大学生の長男を亡くした。毎月17日、欠かさず東遊園地にあるガス灯の清掃に訪れる。白い息を吐いて走りだしたランナーたち。白木さんは、その姿が見えなくなるまでじっと見送った。そして静かに語った。「この灯りが全国に届くことを心から願っている」

午後6時前、希望の灯りを先頭にした市民ランナーたちは、元町の大丸神戸店前を通過。買い物帰りの主婦らが手を振り、「がんばって」と声をかけた。約1・5キロを走り、約1万人の市民が待つメリケンパークに到着。神戸21世紀・復興記念事業のオープニングイベントの舞台に上がったランナーを前に、5人が激励のメッセージを力強く述べた。  

シドニーパラリンピックに出場した神戸市職員、藤田多佳子さん(42)=須磨区=は「震災で練習場を失い、水泳をやめようと思ったこともありましたが、全国の仲間に励まされてここまできました。本当にありがとう」。 神戸山手女子高の谷田良子さん(16)=明石市=は「小学生だった私の目に、全国から来てくれたボランティアの姿が焼きついています。高校生の今、国境を超えたボランティア活動に取り組もうとしています。みなさんが助け合う心を教えてくれたからです」。 最後に神戸出身のトップアスリートで、市民ランナーと一緒に走った伊東浩司さん(30)が「温かい心が全国に届くように祈っています。体に気を付けて走ってください」とエールを送ると、拍手が沸き起こった。  

会場には、神戸在住の俳優、堀内正美さんの姿があった。復興記念事業協議会の副会長を務める。 ペンライトの光の波に見送られて市民ランナーが神戸・メリケンパークを後にした。その光景を見て涙を流す事務局スタッフに、堀内さんが声を掛けた。「まだ始まったばかりだろ」  

震災直後から、ボランティアとして多くの被災者と接してきた。今回の事業の特徴は市民参画型。「震災の時、だれもがコップ1杯の水に感謝した。市職員も市民もない。両輪で事業を進めなければ」と、計画段階から加わった。  

被災者1人ひとりの傷が深いことも分かっている。「痛みを内に秘めたまま、じっと耐えている。その心の氷を解かすには時間がかかるけど、感謝の気持ちとともに少しでも前向きになってもらえれば」。イベントの余韻が残る会場で、堀内さんは願った。
毎日新聞 2001年1月18日
ありがとう 希望の灯り届けます

あの時はありがとう。神戸は元気になりました――。阪神大震災で寄せられた支援への感謝の気持ちを全国に伝え、被災地の復興ぶりをアピールする「神戸21世紀・復興記念事業」が震災丸6年の17日夕、神戸市中央区の公園「東遊園地」などで始まった。神戸市と市民団体などが推進協議会をつくり、9月末までの257日間、同市内を中心に400を超えるイベントを繰り広げる。

開幕イベントは、「KOBE2001届け!希望の灯り 全国へ」の市民ランナーの出発式。全国から持ち寄った火を集めて昨年1月17日、東遊園地にともされたガス灯「1・17希望の灯り」から採火。山上紗智子さん(21)=神戸市須磨区=ら市民ランナー約50人が感謝のメッセージを携えて出発した。4月下旬までの約90日間、総距離6500キロをリレーして、都道府県所在地や有珠山、雲仙・普賢岳の噴火災害に見舞われた北海道虻田(あぶた)町、長崎県島原市などの被災地計53か所を訪れる。

今後、「第1回世界震災復興ドキュメンタリー映像祭」(神戸市長田区のアスタスクエアなどで1月29日〜2月20日)▽「届け世界へ!神戸、感謝の1万人コンサート」(中央区のポートアイランドで2月4日)などのイベントが催される。
読売新聞 2001年1月18日
阪神大震災6年 絶やすな“希望の灯り” 全国向けランナー

阪神大震災からまる6年を迎えた17日、被災地では暗くなってからも慰霊の灯りがともされ、鎮魂の祈りが続いた。神戸市中央区の東遊園地やメリケンパークでは、震災後に支援の手を差し伸べた全国の人に感謝の気持ちを伝える同市などの事業が始まった。オープニングイベントでは各地の慰霊の“種火”を集めたガス灯「希望の灯り」から採った火が公募のランナー50人により全国へ向け出発した。

東遊園地では午後5時46分、「希望の火」から採られた火が「1・17 KOBE」の形に再びともされ、「慰霊の復興のモニュメント」の前で参加者全員が黙とう。遺族代表の白木利周さん(58)(兵庫県伊丹市)が採火したトーチを手に、山上紗智子さん(21)(神戸市須磨区)ら市民ランナーがメリケンパークに向けて出発。開幕に花を添える形で“市民ランナー”として陸上の伊東浩司、新井初佳(もとか)両選手の姿もあった。

市民ランナーは3、4人ずつ14グループに分かれてリレー形式で47都道府県計6500キロを走り、約60か所を訪れる。
朝日新聞 2001年1月18日
感謝の光 希望の輪

阪神大震災から丸6年を迎えた17日、復興記念事業「KOBE 2001 ひと・まち・みらい」が始まった。元気を取り戻しつつある神戸をアピールし、全国から受けた支援への感謝の気持ちを伝えようと企画された。開幕式典が同市中央区のメリケンパークと東遊園地周辺で催され市民ら約1万4千人が集まった。

午後6時すぎ、全国から集めた種火で東遊園地にともされている「1・17希望の灯り」からトーチに分灯された火がメリケンパークに到着すると、記念事業の開会が宣言され、震災犠牲者の鎮魂と希望を託して白い花火5発が神戸港に一斉に打ち上げられた。その後、希望の灯りを全国47都道府県に届ける市民ランナーが会場を出発。白い風船1万個が放たれ、レーザー光線が夜空に照射された。

同市などが九月30日までの257日間にわたり催す。三宮周辺を花のプランターで飾る「花の回廊」や花火とレーザー光線が夜空を彩る「光のページェント」で新たな神戸をPRするほか、震災で駆けつけてくれた全国のボランティアらに感謝の手紙を出す運動など計約400の事業を予定している。

また、1970年代から80年代初めに活躍したフォークグループ「アリス」が17日夜、同市中央区の神戸国際会館で震災復興チャリティのために19年ぶりに3人でコンサートを開いた。収益で被災地の中学校にギター500本を贈る予定。
 1月19日 姫路 ⇒ 岡山
山陽新聞 2001年1月20日
震災復興「希望の灯り」岡山へ 被災者のランナーとエール交換

阪神大震災からの復興の象徴として昨年1月17日にともされた「1・17希望の灯(あか)り」を全国に届けるリレーが19日、岡山県入り。岡山市内山下の県庁前広場で歓迎セレモニーが開かれ、被災地の市民ランナーと県民が、感謝の思いやエールを交換した。

 関西学院大の阪本充宏さん(22)、岡崎暢さん(20)、竹本幸平さん(20)の3人が、この日朝、姫路市を出発。午後4時ごろ、兵庫県外では初の分灯場所となる県庁前に到着した。

 震災当時、ボランティアとして神戸に出向いた県社会福祉協議会関係者ら約300人に、阪本さんらは「震災は人と人とのきずなの大切さを教えてくれた。優しさと喜びをお返ししたい」と神戸市民のメッセージを朗読し、ポートタワーを模したランタンに分灯した灯りを贈呈。代わりに、岡山県内の小学生や日本絵手紙協会会員らが応援メッセージを記した絵手紙約2000枚を、受け取った。

 リレーは17日、灯りのある神戸市中央区の東遊園地を出発。50人が約3カ月かけて列島を走破、香川(20日)、広島(2月14日)など全国47都道府県の53カ所に届ける。
第一陣帰神はここ
 1月20、21日 岡山 ⇒ 香川
四国新聞 2001年1月21日
「希望の灯り」香川入り

阪神大震災による犠牲者の鎮魂と被災地の復興を願ってともされた「1・17希望の灯(あか)り」を全国に届けるリレーマラソンの市民ランナーが20日、香川に到着。高松市丸亀町の丸亀町レッツで歓迎行事があり、被災地のランナーと県内のボランティアらが復興へ心を一つにした。

 リレーマラソンは、全国から寄せられた支援に感謝しようと神戸市などが開いている「神戸21世紀・復興記念事業」の一環。全国からの支援の火を集めて昨年1月17日、神戸市の東遊園地のモニュメントにともされた希望の灯りを、学生ら約50人が3、4人ずつに分かれ、4月中旬までに全都道府県を訪問する。

 香川入りしたランナーは関西学院大二年の岡崎暢さん(20)、竹本幸平さん(20)、同四年の阪本充宏さん(20)の3人。岡崎さんは「神戸がいただいたやさしさと思いやりをみなさんにお返しできれば」とメッセージを朗読、神戸のシンボル「ポートタワー」を模したランタンを贈呈した。香川からは、小学生らが描いた応援絵手紙などを贈った。

 一行は香川でランナーを交代し、徳島、高知、愛媛を経て、26日に大分に渡る。
第一陣帰神はここ
 1月22日 香川 ⇒ 徳島
徳島新聞 2001年1月23日
「希望の灯」県内入り 神戸震災支援の感謝伝える

阪神大震災の復興支援に対する感謝の気持ちを伝えようと「希望の灯(あか)り」を手に全国をめぐっている神戸市のボランティアランナーが22日、香川県から徳島入りし、県内のボランティアと交流した。「KOBE2001 届け希望の灯り 全国へ」の一環。  

鳴門市北灘町でタスキを受けたボランティアランナー元田貴之さん(29)=神戸市須磨区、消防局職員=ら4人は午後4時、県内在住のボランティアら約100人が出迎える徳島市内の新町川公園に到着。四国大学生約25人による阿波踊りの歓迎を受けた。

とくしまボランティア推進センターの住吉卓夫所長のあいさつに続き、ランナーが1人ずつ「神戸で受けた支援への感謝を伝えながら、あすからも一生懸命に走り続けます」と決意を語った。神戸市民からの「多くの支援に支えられた。人が生きていくには思いやりと支え合う心が大切だと教えられた」などとするメッセージも披露された。

この後、震災記念日の1月17日に神戸市を出発した「希望の灯り」が元田さんから震災当時に淡路島で救援活動をした那賀郡上那賀町府殿の会社員久米玲子さんに手渡されるなどした。犠牲者への鎮魂と復興への願いが込められた灯りを、ボランティアや通行人らが取り囲んで見入っていた。  

23日は徳島市から高知県室戸市まで走る。
 1月23、24日 徳島 ⇒ 室戸 ⇒ 高知
高知新聞 2001年1月22日

神戸から「希望の灯り」 24日に高知市でセレモニー

阪神大震災の記憶を風化させるなと、17日に神戸市を出発した「KOBE2001 届け! 希望の灯(あか)り 全国へ」のボランティアランナーが24日高知市入りする。

主催者の「神戸21世紀・復興記念事業推進協議会」(会長=笹山幸俊神戸市長)は、高知市朝倉戊の県立ふくし交流プラザで行うセレモニーへの参加と、被災者を励ます絵手紙を募っている。  

神戸市民やボランティア約50人が、震災後6年が経過した神戸の復興ぶりや支援への感謝を伝えながら、全国延べ約6500キロを駆け抜ける取り組み。17日に神戸を出発したランナーは3、4人のグループに分かれ、全国から寄せられた慰霊の種火でともされたガス灯「希望の灯り」から採り分けた火を各地に届ける。

ランナーは23日に徳島市から室戸市入りし、24日午後4時に同プラザに到着する予定。神戸市民や笹山市長からのメッセージ伝達や、ボランティアランナーとの交流会などのセレモニーが行われる。交流会参加費は一人1000円で、事前申し込みが必要(県NPOセンター=088・850・9100)。  

これに合わせ、同協議会は被災者を励ます絵手紙を募集している。はがきサイズなら紙質や画材は問わず、絵やメッセージも自由。1人何通でも応募できる。作品は神戸市内で展示した後、「世紀に残る優しい心」として日本絵手紙協会のタイムカプセルに保管される。  

はがきの表に住所、氏名(ふりがな)、学校名・学年を記入。ランナーの伴走車に取り付けたポストに投かんする。当日会場に行けない場合は〒650−0021神戸市中央区三宮町一−九−一、センタープラザ10F「がんばれ神戸! 応援絵手紙」係(078・321・3921)に4月末までに郵送する。  

ホームページ「http://www.kobe2001.or.jp」でコース日程のチェックやランナーへの励ましメッセージの書き込みなどもできる。

高知新聞 2001年1月25日
大震災の鎮魂と復興の灯り 高知市へ 神戸からリレー

阪神大震災の鎮魂と復興を願うガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の火を全国に届けるボランティアランナーが24日、高知市朝倉戊の県立ふくし交流プラザに到着。火のともったランプを県社会福祉協議会の代表に手渡した。

 震災で全国から受けた支援にお礼をと、神戸市などでつくる「神戸21世紀・復興記念事業推進協議会」(会長=笹山幸俊・神戸市長)が主催。神戸市民やボランティア約50人が3、4人のグループに分かれ、神戸の復興ぶりや支援への感謝を伝えながら全国を駆ける取り組み。17日に神戸を出発した。

 高知市入りしたのは神戸国際大学2年、吉川信吾さん(20)ら男女4人。香川県で灯りを引き継いだ4人は、10−15キロずつ交代で走りながら徳島市、室戸市を経て高知市入りした。

 ユニホーム姿の吉川さんが土佐道路に姿を見せると、同プラザ前で迎えた高知市内の小中学生やボランティアグループのメンバーら約100人が大きな拍手。児童らに囲まれる中、神戸市西区の会社員、芝山千賀子さん(30)が「感謝の思いとともに、神戸が頂いた優しさと思いやりをお返しできればと思っています」と神戸市民からのメッセージを読み上げた。

 続いて、ポートタワーをかたどった赤いランプを中沢秀夫・県社会福祉協議会長に贈呈。中沢会長は「ボランティアの奥深さ、心で結んだきずなの大切さを感じた。震災で受けた心の傷を少しでもいやしていく神戸の取り組みにも学んでいきたい」と謝辞を述べた。

 ランナーは25日に松山市に向けて出発。九州、沖縄を経て北海道まで北上した後南下し、4月21日に神戸に戻る予定。

 1月24日 第1陣 神戸に帰る
神戸新聞 2001年1月25日
希望の灯り 全国へ ぬくもり携え第一陣帰神

全国に震災支援の感謝の気持ちを伝える「希望の灯(あか)り」市民ランナーの第一グループが、予定のコースを走り終えた。神戸市役所に戻った24日、訪問先の交流の様子などを報告した。

第一グループは大学生3人で、神戸・三宮の東遊園地の「希望の灯り」を持って18日に同市垂水区のアジュール舞子を出発。岡山市を経由して瀬戸大橋を渡り、香川県高松市に20日到着し、第二グループにバトンタッチした。  

代表で関学大4回生、阪本充宏さん(22)=西宮市上ケ原山手町=が体験を報告した。岡山で出会った女性は、震災当時神戸に住んでいた息子を亡くしていた。にもかかわらず「息子がお世話になった神戸から、私の分も感謝を伝えて」と応援してくれたという。「ありがとうに込められた思いをかみしめた」と振り返る阪本さん。  

ランナーの訪問をきっかけに、各地の子どもたちが地元の過去の災害の勉強会を開いているエピソードも披露。「自然災害の恐ろしさを共有する機会にもなっている」と話した。  

訪問先からは神戸への励ましの絵手紙が約3400通寄せられており、今後は神戸市内の小学校などに飾る予定になっている。  
 1月25日 高知 ⇒ 松山
 1月26日 松山 ⇒(船) 大分、延岡
 1月27日 延岡 ⇒ 宮崎
 1月28、29、30日 宮崎 ⇒(車) 鹿児島 ⇒(船) 那覇
沖縄タイムス 2001年1月30日
沖縄で希望の灯りリレー/震災時の支援に感謝  

震災時の支援に感謝の気持ちを伝えようと、神戸市の四人の市民ランナーが30日、「希望の灯(あか)り」を携えて県内を走る。「神戸21世紀・復興記念事業」の一つで、50人のランナーが1月17日から3カ月かけて、全国約6500キロを走破する。事務局の宮道成彦さんは「震災を風化したくない。全国からもらった優しさ、思いやりを全国へ返したい」と話している。  

「希望の灯り」は、震災後犠牲者を追悼するために全国各地で灯(とも)された火を集めて一つにした。優しさ、思いやりのシンボルとして昨年1月17日から神戸市内の公園で灯り続けている。  

「震災のときは、数カ月の間に百万人を超えるボランティアが訪れた。震災で学んだこと、感謝の気持ち、神戸のいろんな人たちの思いを届けたい」と宮道さん。那覇市出身の石井明美さんは震災直後から「ゆいまーる神戸」を立ち上げ、ボランティア活動を続けてきた。「寒く、(余震で)揺れる中、古里の沖縄からも多くのボランティアが来てくれた。ありがとうの気持ちでいっぱいです」

30日は午前九時に県庁前の県民広場をスタート。国道331号を南下、糸満平和祈念公園を折り返す。ランナーが県民広場に到着する午後2時ごろ、交流会を予定。午後7時から、那覇市NPO活動支援センターで「神戸・淡路団震災とNPO」と題し、宮道、石井さんが講演する。
琉球新報 2001年1月30日
震災救援に感謝/神戸から「希望の灯り」到着

阪神大震災で大きな被害を受けた神戸市民から「希望の灯り」を贈ることで、全国の震災支援者に感謝の心を伝える「KOBE2001 届け!希望の灯り 全国へ」が29日夕、沖縄に到着した。

「希望の灯り」はボランティアランナー四人によって30日午前9時、那覇市の県民広場を出発。糸満市摩文仁まで往復リレーされた後、県に贈られる。

「希望の灯り」は、神戸のシンボル・ポートタワーをかたどった。中には震災から5年目の2000年1月17日に神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」横にともされた「1・17希望の灯り」から取られた火がともされている。  

自らも神戸市で被災し、ボランティア活動を続けながら、「希望の灯り」の沖縄への受け入れ準備を進めてきたボランティア団体「ゆいまーる神戸」の石井明美代表は「震災直後にもかかわらず、『がんばれ神戸』と書かれた沖縄ナンバーのトラックが救援物資を運びながら神戸の街を走っていた姿に感動した」と話している。
琉球新報 2001年1月31日
神戸市民ランナー/県庁前をスタート  

阪神大震災後に全国から集まったボランティアや善意の心に感謝を伝えるため、「KOBE2001 届け!希望の灯り 全国へ」(神戸21世紀・復興記念事業事務局主催)のボランティア市民ランナーが30日、糸満市摩文仁までの往復リレーのため県庁前をスタートした。 

この企画では50人のランナーが14グループに分かれて全国を走る。岡山県から四国、大分県、宮崎県を走った7人のランナーの名前が記された赤いたすきを胸に、4人のランナーがひとり約10キロを走り継ぐ。ランナーのひとり長山宏さん(49)=兵庫県三木市=は、「皆さんに感謝の気持ちで、震災時のお礼を胸に走りたい」と抱負を語った。

約1週間で沖縄から鹿児島、長崎、福岡までを走るのは河合純一さん(51)=神戸市、角康雄さん(45)=大阪府高槻市、能仁(のうにん)義博さん(39)=明石市、と長山さんの4人。福岡までを走り終えたら赤いたすきに4人の名前を書き足し、次のグループにつなぐ。

「希望の灯り」寄贈/神戸市民ランナー

 神戸から感謝の気持ちを携えて沖縄入りしている「KOBE2001 届け!希望の灯り 全国へ(神戸21世紀・復興記念事業)」の市民ランナーの激励、交流会が30日、那覇市の県民広場であり、同日午前中ボランティアランナーによって糸満市摩文仁まで”往復リレー”された「希望の灯り」が沖縄に贈られた。  

交流会では、摩文仁を折り返した一行を沖縄電力のエイサー隊が歓迎。ランナーが会場入りすると温かい拍手が沸いた。市民ランナーの一人、角康雄さんが、震災で全国から受けたやさしさ、思いやりに感謝、そのお返しとして半年間催される神戸の復興記念事業イベントに多くの人をもてなしたい、とメッセージを読み上げた。  

続いて市民ランナーの河合純一さんから、阪神・淡路大震災の際、現地で延べ130人がボランティア活動した那覇青年会議所を代表して安里繁信さんに「希望の灯り」のランタンが手渡された。そのほか一行から、神戸市民の写真パネル、メッセージ集、防災用の笛付きライト、ひまわりの種などが贈られた。  

沖縄からは那覇市立小禄南小、壷屋小など十校からの絵手紙、メッセージを寄せ書きした「ひまわりフラッグ」が市民ランナーらに贈られた。 写真説明:那覇青年会議所の安里繁信さん(右)に「希望の灯り」を手渡す神戸市民ランナーの河合純一さん=那覇市・県民広場
 2月1日 那覇 ⇒(船) 鹿児島 ⇒水俣
南日本新聞 2001年1月18日
「希望の灯り」リレー2月1日鹿児島入り 神戸の復興感謝と応援の絵手紙募集

神戸の復興感謝リレー「届け!希望の灯り全国へ」が17日、神戸市をスタート。神戸21世紀・復興記念事業事務局はランナーや神戸を応援する絵手紙を募集している。リレーは鹿児島市に2月1日到着、交流会場でも作品を手渡しできる。

 震災の記憶を風化させず、優しさと思いやりを伝え残すことが狙い。作品は神戸市のイベント会場や学校などに展示した後、日本絵手紙協会(東京)のタイムカプセルに保存し、2030年に再び展示される予定。

 絵手紙はリレーが各地に到着した当日、伴走車両に設置されたポストに投かんできる。神戸へ郵送する場合は4月末まで受け付ける。

 はがきか同サイズの画用紙などに住所、氏名(ふりがな)、学生は学校名を書いて、〒650−0021、神戸市中央区三宮町1の9の1センタープラザ10階「がんばれ神戸!応援絵手紙」係=078(321)3921。

リレーの問い合わせや、鹿児島県庁内で開かれる交流会で手渡しを希望する場合は、県社会福祉協議会ボランティアセンター=099(253)6922。
南日本新聞 2001年2月2日
神戸震災全国リレー「希望の灯り」鹿児島着−6年前の返礼

6年前の阪神大震災で復興を支えた各地のボランティアへ感謝の気持ちを伝えようと、神戸を出発した全国一周感謝リレーの市民ランナー4人が1日、鹿児島入りした。

神戸21世紀・復興記念事業(神戸市など主催)の一環。ランナーは復興記念のガス灯「希望の灯(あか)り」やひまわりの種を贈り、「優しさと思いやり、人と人とのきずなの大切さを教えてもらった」と神戸市民のメッセージを伝えた。

神戸震災全国リレー・「復興」土産に支援者と交流

「6年前言えなかったありがとうを伝えたい」。1日、鹿児島に到着した神戸震災感謝リレーの市民ランナー4人は、当時神戸に駆けつけたボランティアら約20人との交流会に参加。支援に感謝の気持ちを伝え、復興した街の様子を報告した。

県庁では、沖縄からフェリーで到着後、鹿児島新港から走ってきた市民ランナーを迎えて式典。当時のボランティアのほか、小学生や保育園児ら約120人が参加した。

「希望の灯り」を入れたランタンは神戸市北区の市民ランナー河合純一さん(51)から県社会福祉協議会の岡元杉夫常務理事へ。岡元常務理事は「神戸の復興は私たちに夢と希望を与えてくれた。けがなく全国リレーを成し遂げて」と激励した。

小学生らは応援絵手紙約千通を、神戸側が用意した特製ポストに投かん。鴨池小学校6年、内村理紗さん(12)は「希望いっぱいの意味を込めて女の子が手を広げた絵をかいた」と語った。

交流会では鹿児島のボランティアらが、支援食料のイワシ6万食分をトラックに積んで走ったなど当時のエピソードを披露。被災地への思いを語り合った。

感謝リレーは震災のあった1月17日神戸市を出発。いったん沖縄まで南下した後北海道まで北上、さらに神戸に向かう。総距離は6500キロで、神戸市近郊から選ばれた市民ランナー50人が4カ月かけて走り継ぐという。鹿児島の後は水俣経由で長崎県島原市に入る。
兵庫県によると、震災直後の3カ月間に現地へ集まったボランティアは推計113万人。記念事業は当時名前を聞けなかったボランティアを探し、当時の支援活動を掘り起こす目的もある。
 2月2日 水俣⇒ 島原
長崎新聞 2001年2月3日
2001.2.03神戸から島原へ「希望の灯り」到着

6年前の阪神大震災時に支援を受けた全国に感謝の気持ちを伝えようと、復興のシンボル「希望の灯(あか)り」をリレーで全国に届けている神戸の市民ランナーらが2 日、雲仙・普賢岳噴火災害の被災地、島原市に到着した。同市役所前の歓迎式で吉岡市長は「希望の灯り」のランタンを受け取り、平成新山の火をともしたランプと交換。被災地同士、復興への決意を新たにした。

島原入りしたのは、神戸市北区の公務員、河合純一さん(51)らランナー4人とサポーター3 人の計7人。約200人の市民らに迎えられた。 ランナーの一人で大阪府高槻市の会社員、角康雄さん(45 )が市民からのメッセージを読み上げた。震災被害者約500人が書いたメッセージ集や神戸で収穫されたヒマワリの種と、島原市民の寄せ書きなども交換。児童らは激励の絵手紙をランナーが持ってきた特製ポストに投函した。

ランナーらは式後、島原のボランティアらと被災当時の状況などを語り合った後、同市仁田団地で噴火災害の犠牲者追悼之碑を訪れ手を合わせた。
 2月3日 島原 ⇒ 長崎
 2月4日 長崎 ⇒(車) 福岡
 2月6日 福岡 ⇒ 八女 
 2月7日 八女 ⇒ 熊本
 2月8日 熊本 ⇒ 玉名 
 2月9日 玉名 ⇒ 大牟田
 2月10日大牟田 ⇒ 佐賀 
 2月11日 佐賀 ⇒ (車)下関 
  山口新聞 2001年2月12日
神戸から「希望の灯り」、県内入り

全国をリレーしている神戸の慰霊と復興のシンボル「希望の灯(あか)り」が11日、下関に届いた。南風泊市場のふくの日まつり会場で、神戸の市民ランナー4人から、江島潔市長らにランタンが手渡された。

地元では新水族館に記念碑を建設し、受け継いだ火を点灯する。希望の灯りリレーは1月17日に神戸を出発。被災者ら約50人のランナーが3ヶ月かけて全国を駆け抜ける。
 2月12日 下関 ⇒ 宇部
 2月13日 宇部 ⇒ 山口
 2月14日 山口 ⇒ 広島
 中国新聞 2001年2月15日
神戸の復興シンボル「希望の灯り」広島に
 阪神大震災の復興のシンボルとして神戸市中央区にともる「1・17希望の灯(あか)り」を、市民ランナーがリレーで全国に届ける「KOBE2001 届け!希望の灯り 全国へ」(神戸市21世紀・復興記念事業推進協議会主催)の3人が14日、広島市南区の広島県社会福祉会館に到着した。
 
6年前、広島からボランティアで神戸市を訪れた市民ら約80人が出迎えた。甲南大陸上部の来住宏樹さん(21)=大阪府枚方市=が「皆さんの支援が、人と人のきずなの大切さを教えてくれました」と笹山幸俊神戸市長のメッセージを読み上げ、神戸市のポートタワーをかたどったランタンに「希望の灯り」を点火して贈った。

市民ランナーは、1月17日に神戸市を出発。14グループ約50人が希望の灯りをリレーし、約90日かけて全国の県庁所在地など60都市を訪問する。
 2月15日 広島 ⇒ 頓原
 2月16日 頓原 ⇒ 松江
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