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アメリカ旅行記・4日目〜帰国

4日目。

今日は一日、市内観光である。

市内に点在する歴史的建物をあちこち見て回るということにしていて、どう回るのが効率的かを考えつつ、歩くことにする。

気持ちのよい公園ホテルを出て、だいぶ慣れてきたキングストリートを歩く。途中で折れて海岸の方へ向かい、ウォーターフロント公園へ。

晴れていてまだ暑くなっていないので気持ちよく、対岸には昨日見たヨークタウンも見える。

有名な噴水の写真を撮り、町中をぶらぶらしながらまずは奴隷市場博物館へ向かう。

奴隷市場博物館プランテーションで奴隷を使っていたころの「取引所」跡(建物をそのまま博物館として使っている)で、当時の様子が説明されている。

アフリカから連れてこられた黒人奴隷は1200万人を超え、年齢をベースに値段が付けられて取引されていたという。

売り手、買い手、商人それぞれの立場が説明されている。奴隷を使っていたのは一部の金持ちのプランテーションだけであったと言うが、一番大きいところでは1800人もの奴隷がいたらしい。

単なる人夫としてだけでなく、メイドや執事、馬車の運転手などとしての仕事もあったらしく、「子供の世話をしたことがあるか」「麻袋をどれだけ運べるか」などの質問で能力を判断し、値付けされたらしい。

その次に向かったのはNathaniel Russell Houseである。

豪商の屋敷で、ガイドツアーで見ることになる。

内部は撮影禁止なので外だけレンガ造りの建物は、内部が丸い部屋になっているのが特徴で、この時代の豪商らしく豪華な内装になっている。

南部の屋敷の特徴は、台所が別棟になっていることで、これは火を用いるので暑いということと、防災上の理由であるという。

「本国」イギリスや中国から持ち込まれた家具や食器が使われているが、チャールストンでも家具は特産品であったらしく、「地元産」も多くあるらしい。

庭もなかなか立派なものであった。

これは民家その後は海を見にホワイトポイント公園へ向かう。

海辺に豪邸が並ぶのはなかなか壮観であった。

ハリケーンとか来たら、なかなか大変なことになりそうだという気もしたが、チャールストンは大西洋からみるとやや入り江の奥といったところなのでそれほどでもないのかもしれない。

「ここは観光施設でなく、人が暮らしているのであまり迷惑になるようなことをしないように」といった意味の看板があったりもした。

そして近くにあるHeyward-Washington Houseへ向かう。

こちらも豪商の家だが、初代大統領のワシントンも滞在したことがあるのだそうだ。

先ほどのNathaniel Russell Houseよりは建物が古いように感じられたが、あまり手入れをせずに昔の状態に近いということなのかもしれない。

こちらの白眉は、チャールストンものの家具がたくさんあることで、17世紀や18世紀に作られたものが今も残っているという。書斎の幅3メートル以上はあるかと思われる書棚はなかなか圧巻である。

こちらもガイドツアーでの見学だが、私一人しかいなかったので、易しい英語で解説してくれて助かった。かなりお歳を召した老婦人で、物腰の丁寧な人だった。

教会チャールストンの町中には、いくつも美しい建物があるのだが、町歩きをしていて感じた中で最も美しいのはこの教会だろう。青空と白い塔のコントラストが素晴らしい。もちろん、ヨーロッパにあるもののような「由緒」は足らないのであろうが、そんな細かいことは気にしなくてもいいだろう。

セントマイケル監督派教会というのだそうだ。観光施設ではないようなので、中には入らないことにする。

奥にあるのは郵便局。こちらは現役だが、建物自体は古いもので、郵便関連の博物館を併設しているらしい(休みだったが……)。

結構いいボリュームさて、ここでいったん休んで食事にする。

少し悩んだ結果、またシーフードにした。白身魚(ヒラメ)のフライのサンドイッチがあったので、それとクラブスープを頼む。スープはクリームで濃厚な味。サンドイッチにはマッシュポテトも付いていたが、ボリュームがありすぎてこちらは食べきれなかった。

その次は商品取引所へ向かう。

ここでは当時の衣装の係員が出迎えてくれ、貿易で栄えた時期の展示がされている。大広間は圧巻だった。その他、市長管轄の地下牢などがあり、こちらもガイドツアーで見学できたのだが、説明は残念ながらほとんど聞き取れなかった。

次に向かったのは、Aiken-Rhett Houseで、ここも豪商の屋敷ということらしい。ここはこれまでの2軒よりも更に古めかしい感じで、内装も当時のままにしているようだ。なので、歴史が感じられる反面、壁が剥がれていていたりして少し痛々しくも感じる。

寝室やダイニング、書斎など一通りそろっている屋敷の裏には、台所と洗濯所のある別棟、厩と馬車の小屋、庭などがある。

これで概ね、観光は終えたので、ホテルに戻って休息することにする。

昨日、デジカメの写真データをパソコンに転送している合間に書いた絵はがきがあるのだが、今日、これを出すつもりだった。

ところが、今日は月曜日なのだが祝日であるようで、郵便局が閉まっていて切手が買えなかった。思い出してみると、町中を歩いていたときに国旗を出している家があちこちにあったような気がする。

ホテルのフロントに手紙を出してもらうように頼もうとしたのだが、残念ながら引き受けてくれなかった。

ホテルの周りであちこち、切手を買えそうなところを探してみたが、あちこちのコンビニで買える日本とは違ってそういう便利なところはないようだ。

明日の空港に望みを託すことにして、諦めることにする。切手が手に入ったとしてもポストも町中でほとんど見なかったので、意外に不便だと感じた。

またここで余談だが、アメリカ(特に地方)というのはとことん車社会だと実感する。2日目のモービルもそうだが、バスや鉄道といった公共交通手段がほとんど存在しないので、レンタカーを借りないとなると旅行者はタクシーに頼るしかない。今回の旅行でタクシーに使ったお金を合計すると200ドル近くになりそうだ。

実は余裕があったら北チャールストンにあるボードゲームの店に行こうと思ったのだが、バスも不便で(2時間に1本とか)タクシーを使うと安く買う意味がなくなる(日本で輸入ボードゲーム店で買ってもさして変わらない)のでやめることにした。荷物の問題もあるし。

ホテルのフロント明日は早いので。またタクシーを手配し、荷造りをしておく。

カリフォルニアワインの割といいのをスーパーで買ってきたので、それを飲んで早めに寝ることにする。

チェックアウトもあっさり終わり、空港からシカゴ経由で帰ることになる。

2時間ほどのフライトは、暇つぶしの本を読んでいる間に終わる。

シカゴ空港の様子そのまま乗り換えで日本便のカウンターまで来てしまったので、出国手続きなどはどうするのかと思っていたら、カウンターでしてくれるらしい。ANAの日本人のスタッフがいるので心強かった。

ついでに、絵はがきについて聞いてみたら、切手を貼っていれば代わりに投函してくれるという。切手も空港内の売店で手に入ったのでようやく出すことが出来る。

どう考えても届くのは私が帰国した後になるだろうが。

帰りの便は、マイレージ特典でビジネスクラスにアップグレードしているので、提携のユナイテッドのラウンジで休憩できる。

この旅のまとめや原稿などを書きつつ時間を過ごす。

飛行機はANA運航なので、ここまでくると半分は日本に戻ってきた感覚である。

食事やワイン(フィレステーキは美味かった)を楽しみつつ、対時差ぼけ睡眠調整で適当に眠り、映画(グーニーズなんか見てしまった、なつかしい)を見たりして12時間を過ごし、成田へ戻ってきた。

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