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ポーランド・チェコ旅行記・出発〜2日目

特に決めているわけではないのですが、これまでドイツに行くのは計ったように五年おきでした。

前回は一昨年に行ったのですが、このたび、中1年で再びドイツの地を踏むことになりました。

といっても、今回の旅行の主目的地はドイツではなくポーランドとチェコです。

飛行機の関係でフランクフルトを経由することになったので、いったん、ドイツへということです。


成田から十二時間でフランクフルト空港へ。ここまでは割と慣れた旅路です。

市内電車で中央駅に行き、今夜乗る列車の発着番線と編成をチェックしました。

その後、列車の出発まで時間があるのでハウプトヴァッヘへ移動して食事がてらぶらぶらすることにします。

大きなショッピングモールの中にボードゲームのショップがあると聞いていたので行ってみたのですが改装中かそれとも閉店になってしまったのかで見つからず、隣のデパートのゲーム売り場を見るにとどめました。食指の動くようなタイトルはなく、ただせっかくだからと特価品の軽ゲーを一つ買ってみました。

その後は歩行者天国のようになっている大通りのオープンレストランで食事。

といっても飛行機の到着前に食事しているので軽く済ませまして。

Curry Burstというカレー味のソーセージで、フライドポテトが付け合わせについていますが、このポテトの量が多くてかなり満腹に。ソーセージ自体にはカレーの味は付いておらず、付属のケチャップがカレー味というものでしたが、これはこれで悪くなかったです。あとは定番のビール。

出発前のネットの天気予報ではフランクフルトは涼しいようでしたが、着いてみると気温が30度。この時期の日本ほどではないですが動き回ると汗ばむのでビールが美味しいです。

中央駅に戻り、本屋を除いてみました。手軽な値段で買える雑誌を眺め、「クラウゼヴィッツ」という歴史ミリタリー雑誌を購入。前回来たときに買った「歴史と戦略」のような、日本で居る「歴史群像」のような感じです。

一時間弱ほどを待合所でつぶし、入ってきた列車に乗ります。

列車の表示旅程ではここから一晩でまずポーランドのワルシャワに入るのですが、この列車はスイスのバーゼル発でワルシャワを経由して遙かモスクワまでの列車と、デンマークのコペンハーゲン行きの併結です。しかし、モスクワ行きは編成表ではたった2両、さらに実際来た列車は減車されているのか1両だけでした。

チケットを見せて列車に乗り込みます。3段寝台で区画ごとに個室になっています。

寝台もセットされておらず、他の客もいなかったのでこのまま一室占領かと思ったのですが、発車前に車掌がやってきて寝台を組み立てていきました。

ちなみにこの列車、かなり複雑な運行になっています。正確にはよく分かりませんが、途中(たぶんハノーファー)でコペンハーゲン行きから切り離される一方、アムステルダム発の列車と併結して東へ向かいます。

ハノーファーが深夜2時くらいだったのに、コンパートメントに同室の乗客が乗ってきました。

次に目が覚めると早朝のベルリン。ここでももう一人乗ってきました。ベルリンは4時半くらいのはずなのに時計は既に6時。どうも遅れているようです。

列車自体は割と順調に進み、牧草地と森ばかりの単調な景色の中を走って、いつの間にやらポーランドに入ったという感じです。シェンゲン協定によって国境審査が省略されているので、初めて陸路で国境を越える経験をしたのに拍子抜けするほどあっさりでした。

ポーランドに入ってからは地名になじみがないのですが、いくつかの駅に停車しながらひたすら東に進みます。ポーランドの語源は「平らな土地というだけあって、景色はまったく単調です。

この時間になるとコンパートメントの人も起き出してきていますが、暇なのは同じようで下の人はパソコンで映画を見ているようでした。

ワルシャワが近くなると車掌がパスを返しに来てくれて、結局何も案内がないまま一時間遅れでワルシャワ中央駅に到着しました。

ホームに人が倒れていて警官が出動していたりしてちょっとびっくりしました。

降りた列車は6両で、何故か自分の乗った車両の前にも後ろにも別の車両がついていました。

まずは窓口に行って明日と明後日の列車の指定席を確保。パスを持っているので追加料金は必要ないのですが、全席指定なので指定券だけは持っておく必要があるのです。

荷物をコインロッカーに預けようかと悩んだのですが小銭を持っていないので最初の目的地の軍事博物館まで持って行くことにしました。

博物館へは駅を出て大通りを一キロ弱ほど。博物館から今日のホテルが近いので見学し終わった後そのままチェックインしてしまえばいいという考えです。

今日のワルシャワは昨日のフランクフルトよりは過ごしやすいですがそれでも少し熱い感じです。雲一つない快晴です。

戦車 軍事博物館に着くと、まずは野外に展示してある近代兵器を一通り見て回ります。ポーランドの沿革の影響で特に戦後世代のものはソ連製がメインです。戦車や戦闘機、野砲など一通り。どれも保存状態は良好で、英語の説明を見るとこの中のいくつかは動かせる状態にしてあるらしいです。少し驚いたのは、小さな子供(を連れた家族づれ)が結構多かったことですね。

砲見終わった後は中の展示へ。中はがらりと変わって中世からのポーランドの歴史を豊富な武具や絵画によって追っていくものです。1300年くらいから始まり、最後は近代まで。ポーランドの歴史を詳しく知っていればもっと理解も深まったのでしょうがあまり詳しくないので残念。それでも、フル装備で馬に乗った騎士とか、剣、盾、兜、ハンマーやメイスといった武器が多数展示されており圧巻です。あまりに悪しすぎて個々の武器に価値をあまり感じなくなってしまうほどです。

後半になると軍制も代わり、砲や銃といったものが出てきます。展示される軍装も板金鎧ではなく軍服や外套などになってきます。あとは勲章とか。

これが終わると次は特別展示らしきものが。「兵の携行品」というお題で一般兵が持っていた武器以外の様々なものが展示してあります。薬品や食料に始まり、たばこ、楽器やトランプ、敵国語の辞書など実に様々で、戦場の兵士にも「生活」があったとうなずかせるものでした。日本のコーナーにはとっくりや「武運長久」の日の丸の旗などがありました。

2階は主に近代の展示で、いつ頃かは分かりませんがポーランドの近代国家が成立してから最近までの展示です。ナチスドイツやソ連の影響を受けたものもあり、この国の歴史について思い出さざるをえません。

さて、展示を見終わったところで時間を見るとチェックインにはまだ早い感じ。荷物があって億劫ではあるのですが、もう一カ所行く予定である鉄道博物館へ向かいます。

市内電車軍事博物館の近くにある国鉄の駅から2駅なので移動自体は楽でした。

鉄道博物館は旧ワルシャワ中央駅の跡地を利用していて駅舎を利用して展示を、駅構内後の一部に車両を置いています。目玉はドイツの残していった装甲車両だったのですが、最近リニューアルされた結果なのか装甲車両の展示はなくがっかりでした。

駅舎内の展示は歴代の各種車両の模型、制服をはじめとした鉄道関係の物品の展示でまあありきたりといえばありきたりです。

野外展示のSL外の展示は蒸気機関車を中心にひたすら車両が並べられており、マイナーな貨車や古い客車、貴賓車にラッセル車などもあって悪くはなかったのですが、一部保存状態のあまりよくないものがあるのが残念です。あとやはり装甲列車がないのが……。

線路3本を使っての展示ですが、その他のエリアは荒れるがままになって廃墟のようになっています。立ち入り禁止なので行きませんでしたが寧ろこっちの方を見たかったかも。

これで時間もほどよくなったのでホテルにチェックイン。12時間のフライトの後に夜行列車というハードなスタートだったので今夜は奮発してシェラトンにしました。まあ日本円で1万円しないくらいなのですが。

一休みした後、食事も兼ねて予定には入れていなかった旧市街を見に行こうと出掛けました。

パレード?道に面してレストランが並ぶ通りを歩いて行き、途中の一軒でポーランド風餃子とビールで食事にしました。店のお姉さんの制服がちょっと民族衣装っぽくて可愛かった。食べている間に道を喜平の行列が歩いて行くイベントに遭遇しました。

道なりに北に歩いて行き、教会や大統領官邸、大学などの歴史的建物を眺めていきます。このあたり、繊細で一度は破壊されてしまったのですが被災前を忠実に再現して復建したそうです。なんでも煉瓦の壊れていたところまで再現したとか。

女の子今昔途中「ナチス占領下のワルシャワ」ミニ野外写真展や「2つのとき」と称した同じ人物を同じ場所で時間を変えて撮影した比較写真……などおもしろい催しをやっていました。旧王宮広場では野外ステージでショパンのピアノ演奏をやっており、おもわず立ち止まって聞いてしまいました。奏者の服装もかっこよく決まっていましたし、いい演奏だったのです。

城壁一番北のバルバカンまで行き、城壁を見た後はトラムで中央駅まで戻り、飲み物を仕入れて戻ってきました。ホテルの部屋に戻って浴びたシャワーが気持ちいいですね。

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