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コミックマーケット99 新刊の紹介

2年ぶりの開催となりました今回のコミックマーケットでは、満を持して新刊を用意しました。

詳細下記ですが、タイトルは「二人の歩む道」、220ページで頒布価格600円です。

一方、コミケが開催されない間に、昨年GWの本を始めとして何冊か作成した本をコミケ初出として持ち込む予定です。

うち、メイド小説「時を超えた出会い」についてはこちらで内容を紹介しています。ページ数は176、頒布価格は600円です。

コミケ初出の既刊(準新刊)もあります。

また、コミケが中止、延期になっている間、コミティアでは旅行記のサークルとして参加し、台湾に関する本を2冊出しました。こちらもジャンル違いではありますが紹介します。

一冊が2020年1月作成の「台湾の神社跡を歩く」で、タイトルの通り台湾各地に残る日本統治時代の神社の遺構を紹介した写真集に近い本です。オールカラーの98ページ、頒布価格は1,500円で、付録として取り上げている神社の情報を記載した小冊子を付けています。

台湾神社本

もう一冊は2021年6月作成の「『そうだ台湾、行こう。』の続き」です。既刊として、約15年間での20回の台湾訪問をまとめた旅行記「『そうだ台湾、行こう。』の20回」を出していますが、その続編の位置づけで、コロナで台湾に行けなくなるまでの21回目から30回目までの旅行記です。巻頭カラー口絵ありで本文108ページ、頒布価格は700円です。

台湾30回本

ようやく本題、新刊のご紹介

前置きが長くなりましたが、今回の純粋な新刊はこれまでと同様の一冊完結の創作メイド小説「二人の歩む道」です。

東京都心の豊かそうな住宅地にある「家」を舞台に、そこに住む少し謎な仕事をしているご主人様と、彼の生活の面倒を見るために雇われた住み込みのメイドさんの暮らしを描いていきます。

ページ数は直近2冊よりやや多めの220ですが、頒布価格はいつも通り600円としています。

冬コミ新刊メイド

ご主人様とメイドさんの日常生活から始まる、心の移り変わりとその先の幸福をお楽しみいただければと思います。

表紙カバー中、あらすじ紹介より

都内に住む「団体職員」森重孝典は久しぶりの休暇を利用して旅に出ていた。

歴史を巡るきまぐれな一人旅であったが、同じガイドツアーに参加していた女性と帰り際の駅で思いがけず再会する。

その後はまた仕事の日常に戻った孝典であったが、彼女とは妙なきっかけで再び邂逅を果たすことになる。それにより重なる二人の生活を通じて、お互いへの気持ちも少しずつ変わることになっていく。

王道に回帰した高津本陣のメイド小説。

本文の一部ご紹介

作中のメイドさんとの食事のシーンをサンプルとしてご紹介します。

「簡単で申し訳ないのですが、パスタにしました。ナポリタンです」

「うん、いいんじゃない。麻希子さんはどんな味のを作ってくれるんだろう」

そう言って孝典はダイニングの席に向かっていく。麻希子もそれを追いかけてリビングの方へ向かい、その手前でキッチンに入る。

ウインナー、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームといった具材を炒めてケチャップなどで味付けたベースは既に出来ている。ステンレス製のざるに既に上げてあり、湯気を立てているパスタをそこに投入して絡めればすぐ出来上がりである。

先に用意して並べてあるサラダの隣に盛り付けたそれを運んでいき、孝典の前に置いた。

「お召し上がりください、ご主人様。飲み物は何か言いつけてくださいね」

「おお、美味しそうだ。いただきます。飲み物はそうだね、麦茶はあったかな?」

「はい、すぐにお持ちします」

食べ始めた孝典をちらっと見てからキッチンの奥の冷蔵庫を開けて麦茶を取り出す。スーパーで一リットルの紙パックで売っているものだ。孝典が麦茶を好きであるなら、これからは水出しのパックを買ってきてここで作ればいいと麻希子は思っていた。

「お待たせしました」

「ありがとう、麻希子さん」

「いえ……」

自分に顔を向けられそう言われると麻希子は気恥ずかしさとうれしさを同時に感じてしまう。自分の作ったものをご主人様が美味しそうに食べてくれていることもそれを助長する。

「なんというか、懐かしいというか王道の味だね」

「ありがとうございます。何の変哲もないメニューで恐縮ですが」

「実はこういうシンプルな料理こそ奥が深かったり……」

「は、しないです。本当に普通の料理ですよ。それとも、ご主人様はあちこち食べ歩いてナポリタンの違いを舌で見極めることが出来るとか」

「あはは、僕はそんなグルメじゃないよ。安心して」

「ほっとしました」

割と自然にこうした冗談交じりの会話をご主人様と交わすことが出来た。やはり最初は緊張していたが、この家での住み込みの仕事は比較的気分的にも楽になるのではないか、麻希子は早くもそうした期待を持つようになった。

その他、既刊本も持ち込みまして、みなさまのお越しをお待ちしております。

→既刊・頒布中の本についてはこちら

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