●2000/04/30〜2000/05/03 九州漫遊記

◆2000/04/29
 暦通りの休みになるはずが、直前になって9連休に。予定も何もあったもんじゃない(^_^;)
このままではどうしようもないので、久々に泊りがけの旅に出ることに。でもGW真っ只中なのでもろもろの予約がとれそうな平日をメインに動く事にした。
 北に行こうかな・・・と思いつつ天気予報を見る。が、かなり天気が悪そう。そこで天気のよさそうな九州方面に決定。直前に旅の予定を決める時は天気予報をチェックしておくべし。
 どうせ九州に行くならオフ会にしてしまおう、ということで当ページに来られる方で唯一九州に住んでいる水瓶シンジさんに会いに行くように予定を組んでみる。彼は大分市なので、どうせ会うならおもしろそうな由布院でオフ会にすることに。
 とりあえず予定を組んだルートで切符をJR網干駅に買いに行く。駅の窓口は23時30分まで開いているので便利がイイ。ここでだいたい思い通りの予定で予約がとれた。よしよし。
 そのあとで自宅から宿の予約をする。この時期ではまともな旅館は予約不可能なのでとりあえずビジネスホテルを選択。これは仕方ないか。
 これで最終日を除いてほぼ予定が固まった。

 では今回の目的地を。
 4/30に「あかつき」で姫路を発ち一夜を過ごし、明けて5/1朝に長崎到着。
 長崎で洋館探索をしたのち、「かもめ」で博多へ折り返して一泊。
 5/2は「ゆふいんの森」で博多を出て由布院へ。由布院でシンジさんとオフ会。そのまま大分まで一緒に帰り、大分で一泊。
 5/3は「ソニック」で大分を出て小倉へ。小倉から10分ちょっとで門司港へ。そのまま洋館探索をしたのち、関門海峡を渡って下関へ。付近の探索の後、同じルートで小倉まで折り返し、小倉から一気に新幹線で姫路へ戻る。
 ほぼ特急三昧ですね、はい(笑)


◆2000/04/30
 急いで予定を決めてしまったが、夜行で行くので時間が余る事余る事(笑)
 ただし探索先の情報だけは念入りにチェック。
 
 ようやく予定時刻になり、遅いスタートを切る。

 
 
 姫路22:09→(あかつき)→5/1 8:54長崎。

 旅に出るときはやはり夜行がいい。

姫路駅に入る「彗星・あかつき」。
2000年3月のダイヤ改正から、南宮崎行きの「彗星」と長崎行きの「あかつき」が小倉まで併結して走る事に。
この時点で佐世保行きの「あかつき」が廃止され、佐世保行きの夜行列車は全てなくなった。

次第に夜行の本数が減っていくのは、ファンとしては悲しい事です(T_T)

列車横の方向幕。まぎれもなく長崎行きです。

車内(B寝台)の様子。夜も遅いせいか、ちょっとうらぶれた雰囲気が漂います。

暗闇で物憂げな管理人(笑)
そういえば、管理人本人の写真を出すのは初めてだ(爆)

一夜明けて九州上陸。「あかつき」はもうすぐ佐賀に到着。車内から佐賀市内を望む。

佐賀に到着。JR九州は駅名標にワンポイントマークを付けていて、旅する者の心をなごませてくれます。

佐賀のマークは「かささぎ」。日本ではこの一帯にだけ生息する鳥で、天然記念物に指定されています。

しばらくすると、静かな有明海の光景が展開されます。

端午の節句の季節なのでこういう風景も展開されます。
が、よく見ると、鯉のぼりの横にのぼりが立っていて、家紋が入っていて、なおかつ子供の名前まで入っている(汗)
なんてぜいたくな(笑)

あとで大分在住のシンジさんに聞いてみると、そういうものはわりとよく見るとのこと(汗)

「あかつき」は無事に定刻通り長崎に到着。
おつかれさまでした〜。

長崎のマークは「長崎くんち」で使われる龍です。



◆2000/05/01
 今回はめずらしく明確な目的がある。「洋館探索」。(笑)
 今までに長崎に来た時はわりと漫然と観光していたような気がするので、あらためて新鮮な気持ちで探索できます。
 というわけで目的地は東山手洋風住宅群やグラバー園が中心ですね。余裕があれば近くをいろいろ見て回ろう。

長崎は路面電車の街でもあります。ここも市電ではなく、長崎電気軌道が経営する私鉄です。
しかも全線100円均一の激安ぶりです。
1日乗車券は500円。ちょっと観光地回りをすればすぐに元が取れる安さです♪

で、最初はなぜか眼鏡橋を見てみたりします(笑)
眼鏡をかけてるがゆえ、近親感がありますし(爆)

1634年に架けられた日本最古の石造アーチ橋で、水害で何度か壊滅的な被害を受けましたが、そのたびに修復され、現在にに姿をとどめています。

眼鏡橋近くの賑橋(にぎわいばし)電停から東山手洋風住宅群へ。終点の石橋電停まで乗ります。

これが住宅群への入口ですが、ものすごい坂道です(^_^;)
そう、長崎は坂道の街でもあります(笑)

この道はそのままいくといわゆる「オランダ坂」につながります。

東山手洋風住宅群にて。
この付近には7軒の洋館がひしめきあいます。
「ひみつの研究会」で発表済みです。
興味のある方はこちらへどうぞ。

道なりに行くと東山手十二番館へ。1868(明治元)年の建築。元はロシア領事館。

そのすぐ隣りに活水女子短大があります。
ここの校舎もかなり古く(1925年)貴重なのですが、あいにく聖域がゆえ、外観の写真もまともに撮れず(涙)

オランダ坂。活水女子短大への通り道にあります。

続いてグラバー園へ。
グラバー園についても「ひみつの研究会」で発表済みです。詳しくはこちらから。

旧三菱第2ドックハウスより。長崎が一望できます。

グラバー園の主、グラバー邸。
1863年につくられた長崎最古の建物です。
正面の六芒星をかたどった花壇が印象的です(^^)

少し時間があったので孔子廟にも足を運びました。
中国の国外にある唯一の孔子廟で、1893(明治26)年の創建。

やはり中国、色彩感覚がスゴイです(笑)

そろそろお腹が減ってきた・・・
というわけで新地中華街へ。店の前で豚まんを売っていた「蘇州林」でフラフラと。
神戸の南京町の雰囲気に似てたのでつい・・・(笑)

名物ちゃんぽんとライチゼリーをいただきました。
めちゃめちゃおいしゅうございました(^O^)

市内を歩いてみると、こんなものもありました。
石造りの洋館ですが、なんと中はゲーム屋になってました(笑) 長崎らしい、いい店です♪

1階がゲーム屋、2階が古本屋、3階がCD&DVD屋です。

このあとおみやげモードに入ります(爆)
ここから西へ50mの「茂木 一○香(いちまるこう)本家」で念願のびわゼリーをゲット。ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズの長崎の物件の1つ「びわゼリー屋」でおなじみですが、本当においしいので一度はお試しあれ。

そろそろ今日の宿の博多へ向かいます。
博多へは新型車両「白いかもめ」で向かいます。


長崎16:30→(かもめ34)→18:18博多。

新型車両「白いかもめ」こと885系の勇姿。
JR九州はいつも独創的なデザインの列車を提案してきましたが、今回もスゴイ列車をつくってくれました。
詳しくは「鉄の道」で紹介しています。詳細はこちらから。

博多へ到着後、早速食事へ。
というわけで九州最大の飲み屋街、中州です。とはいうものの、わたしは飲めないので関係ありませんが(爆)

博多で見つけたこんなもん。
あの「まんだらけ」だけでビルができてます(笑)

このあと「まんだらけ」には入らず(爆)、ホテルの近くの「BOOK OFF」でコミックファンタジーNo.4を発見、即ゲットしました。これで残りはNo.1、2、10。もちろんもう在庫がないものばかり。コンプリートへの道は遠い・・・



◆2000/05/02
 今日は由布院へ。さらにオフ会(笑) さてさてどうなることやら。


博多 9:27→(ゆふいんの森1)→11:41由布院。ここでシンジさんとオフ会。
で、由布院16:15→16:19南由布17:08→18:00大分。
南由布では洋館探索の予定だが、地図がないので果たしてどうなるか(^_^;)

朝の博多駅。
鯉のぼりの波が印象的。

博多の駅名標の中には全国でも珍しい行灯式吊り下げタイプのものもあります。
博多のマークはどんたくの時の祭り姿。ちなみに「博多どんたく」は毎年5月3、4日。

やってきました「ゆふいんの森」。
緑にゴールドの帯を巻いた姿が印象的。
「ゆふいんの森」としては3代目の車両で、車内では「新ゆふいんの森」と紹介されます。形式はキハ72形。
「鉄の道」でも紹介しています。詳細はこちらから。

途中の豊後森駅。鯉のぼりが出迎えてくれます。

ほどなく由布院に到着。
由布院のマークは名物の観光幌馬車。

ちなみに由布院の表記に「湯布院」というのもありますが、これは行政上の町名で、由布院町と湯平町が合併して湯布院町となったもの。元の地名は由布岳という山からとられているので、「由布院」が正しい地名です。

由布院駅。何度目の紹介でしょうか(笑)
1990(平成2)年に建てられたこの駅舎はオープンラッチ(改札口なし)、駅内ギャラリーなど今までにない試みがちりばめられています。
大分県出身の建築家、磯崎新氏の設計。

駅内ギャラリー。今回も現代美術展でした(^_^;)
通常は10:00〜17:00まで、もちろん無料です。
なお、このギャラリーは誰でも出展可能なので、自信のある方はチャレンジしてみませんか?

由布岳。いい眺めだ〜(^^)
シンジさんと昼食ののち、フラフラと由布院めぐり。
何度来ても由布院は道がよくわかりません(^_^;)
道のつながり方が直感的じゃないというか・・・

末田美術館やギャラリーもちまるなどを回る。
末田美術館は彫刻家の末田龍介・栞夫妻のアトリエがそのまま美術館になっているちょっと変わった空間。なんといっても「栞」ですからね〜(笑)

ギャラリーもちまるは持丸房子氏の個人ギャラリー。

由布院の定番の風景の1つ、金鱗湖(きんりんこ)。
この時期は緑がとても美しいです。

旅館「玉の湯」の喫茶室「Nicol」で休憩。
紅茶をお願いするが、なかなかおいしかったです。紅茶に気を使っている数少ないところです。

続いて今度は洋館探索。というわけで一駅先の南由布駅へ。

たった4分で南由布駅到着。
南由布駅のマークは藤の花。今が盛りですね。

南由布駅。
ここから「旧日野病院」をめざす訳ですが、甘かった(汗)
駅舎の中にはその写真はあるが、地図はなし。辺りを見ても店はないし、その場所を知っていそうな人の気配もなし(滝汗) 仕方ないので野生の勘で(笑)周辺を歩き回る。程なくすると郵便局を発見。
いちかばちかで郵便局の人に場所を聞いてみると、おばちゃんが丁寧に地図まで書いてくれて説明してくれました。ありがとう、おばちゃん!

おばちゃんの情報によると「歩いて10分もかからない」はずが、15分かかってやっと見つけたのが、ここ「旧日野病院」。この片田舎にこんな病院があったなんて、驚きです。
中は公開されていますが、火曜日が休み。今日は火曜日。本日休館。うわぁん(涙) いつかリベンジしてやる・・・
詳しくは「ひみつの研究会」で紹介してます。
こちらからどうぞ。

大分に到着後、カキコをしようと市内を歩き回るができそうなところは見つからず。インターネットカフェはもう存在しないのか(汗)
シンジさんと別れて、見つけた変な名前の店を発見。
そのまんまです(笑)



◆2000/05/03
 いよいよ最終日。この日だけは具体的に固まってなかったのでかえっておもしろそう。
最終的には下のようになりました。


大分 7:40→(ソニック6)→9:14小倉9:19→9:33門司港。
門司港から関門汽船で対岸の下関・唐戸地区を往復。
で、門司港15:41→15:55小倉16:52→(のぞみ26)→18:11岡山18:23→(ひかり172)→18:48姫路。

早朝の大分駅。

大分のマークは高崎山の猿。

小倉に到着した「ソニック」。
遊び心あふれる車両です。

何せ座席がこんなんですからね〜(笑)

門司港(もじこう)駅に到着。
これは0哩(マイル)標といい、九州の鉄道の起点であった証の1つです。

門司は古くから九州の玄関口として栄え、関門トンネルが開通する(1942)まで機能しました。門司港駅もそれまでは門司駅として、九州の玄関口として大いに賑わいました。

現在は北九州市門司区として名前をとどめています。

門司港駅改札口。
古色蒼然とした雰囲気です。

門司港駅駅舎。1914(大正3)年に建てられた木造ルネッサンス様式の貴重な駅舎で、駅舎として唯一の国の重要文化財に指定されています。

門司港駅の周辺には明治・大正期の建造物が多く残されていましたが、1980年代のふるさと創生事業から門司港レトロ事業として付近の再開発が始められ、現在では多くの建造物の再利用、あるいは復元などが行われ、神戸や函館、小樽などにも劣らない観光地になりました。


門司港レトロの代表的な建物がこの「旧門司三井倶楽部」。三井物産の社交倶楽部として1921(大正10)年に建てられました。
翌年にはドイツからアインシュタイン博士夫妻が来日、ここにも宿泊。2階には博士夫妻の宿泊した当時の調度品が残されています。

もういっちょ「旧大阪商船門司支店」。1917(大正6)年に建てられました。化粧レンガの鮮やかさとヨーロッパ風の塔屋を持つ門司港の象徴的な建物です。
現在1階はフリースペース、2階は海事資料室として商船の模型や門司港の歴史資料が展示されています。

ホームリンガー商会。この建物は現役で活躍中です。長崎でグラバー社の社員であったE.ホームとF.リンガーが設立した英国・スコットランド系の会社です。
1952(昭和27)年に下関から移転してきました。建物自体は比較的新しいです。なお、ここの取締役はスウェーデンの名誉領事を務めており、スウェーデンの国旗が玄関前に掲げられています。

鉄な方はここにも足を運びましょう。というわけで「旧九州鉄道本社」。1891(明治24)年に建てられました。門司港に現存する近代建築としては最古の建物で、現在はJR九州第二庁舎として使用されています。
赤レンガの風格が印象的。

旧門司税関。貿易港には欠かせない施設です。1912(明治45)年建築。赤レンガの風格のある建物です。現在はギャラリー、喫茶室、門司税関の紹介など多目的に使用されています。

門司税関・・・公的機関のWebサイトとしてはかなりおもしろいと思いますのでぜひご一読を。

いよいよ関門海峡を渡って下関へ。

下関にも古い洋館があります。
これは旧英国領事館。1906年(明治39)年建築。日本に現存する最古の領事館建築です。
1941(昭和16)年まで領事館として使用されていました。
現在は領事館当時の資料展示やギャラリー、喫茶室となっています。

こちらは下関南部町(なべちょう)郵便局。1900(明治33)年の建築で、なんと今も郵便局として使用されています。もちろん現役の郵便局舎としては最古の建物です。

もういっちょ旧秋田商会ビルです。1915(大正4)年に建築。地上3階、地下1階、塔屋付き、おまけに屋上に日本庭園と茶室があるかなり変わった建物です。

インパクトは今回訪れた建物の中では一番ですね。

現在は1階部分が観光案内所で2階、3階が無料で公開されています。

「ひみつの研究会」で詳しく紹介しています。こちらからどうぞ。

旅の終わりは新装なった小倉駅。
これだけの規模の駅でモノレールの駅が中に入る構造になってるのは全国でもほとんどないでしょう。

最終ランナーはひかりRailStarにするつもりでしたが、旅に出る前に既に満席だったので500系のぞみに。時速300kmの世界を堪能して、岡山乗り継ぎで姫路に無事到着。