洋風?和風?

九州や東アジアへの窓口として栄えた下関。英国領事館など洋風建築もいろいろ残ってます。
そんな下関で最も個性的な洋風建築を紹介しましょう。「旧秋田商会ビル」です。

独特の風貌を見せる旧秋田商会ビル。現在は下関市の観光案内所になっています。
1914(大正3)年に着工して翌年に竣工した西日本初の鉄筋コンクリート事務所建築で、現存する同種の建築としては最古級のものです。
地上3階、地下1階、塔屋付きと大きな建物ですが、なんと屋上には日本庭園と茶室があります。

ちなみに秋田商会は1905(明治38)年に創立し、木材取引や海運業を営み、港湾都市下関の代表的企業でした。


1階事務所部分。白が基調の内装で清楚な印象です。
現在は下関市の観光案内所として開放されています。


ここから上の階も無料で公開されていますが、さすがに老朽化が進んでいるため人数制限がかかります。階段の前で記帳して見学者の人数調整がされます。

階段の柱をよく見ると見覚えのある紋章が・・・
そう、かつての長州藩の紋ですね。確かにここは長州(長門の国)なんですが・・・謎です(^^;


2階部分。
1階とはうって変わって純和風の書院造です。3階も同じです。


塔屋と屋上への階段。かなり急ならせん階段です。


屋上の日本庭園と茶室。普段はここに入れないので塔屋からの撮影です。
しかし、鉄筋コンクリートのビルに日本庭園というのはかなりミスマッチですね(^^;
ただ、現代にも似たような発想で庭園があるビルもあるので、人間の想いは当時も今もあまり変わらないのかもしれませんね。