白浜鍾乳洞

●交通●
JR内房線「千倉駅]から、 安房白浜行きのバスで「西塩浦」下車。
車 および 徒歩 共通で、「西塩浦」バス停からは、千倉駅方面に150mの地点を左折。「民宿平重郎」の看板よりもバス停側の道です。 左折したら、地図にある鍾乳洞の脇から流れる極細の川との位置関係に注意しながら進みます。 川に突き当たり道が途切れる川の手前あたりに左写真と同じような「入口」の道標が立っていますので、道標に従って幅1mくらいの地図には無い遊歩道を鍾乳洞へと進みます。

 私が知る限りでは、県内で唯一ここだけ。 千葉県の天然記念物にも指定されている大層な鍾乳洞ですが、 奥行き5m,高さ1.6mと 規模はさほど大きくありません。 入り口付近の壁には、鍾乳石,石筍,石柱が形成されているのが見えますが、 危険防止のため二重に柵が張られており、中まで入って探勝することは出来ません。
 洞口のすぐ横には、落差30mの「涼源寺の滝」があり、辺りの雰囲気は抜群。 私が訪ねた4月には、菜の花が咲き乱れ、滝の音に鶯の鳴き声がこだまして、 α波をたっぷりと堪能できました。 近くには、南房パラダイスなどの観光スポットが目白押しですので、それらの帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょう。

付近にある説明板には
千葉県指定天然記念物
  白 浜 の 鍾 乳 洞
昭和二十九年三月三十一日指定

 この鍾乳洞は、中新世千倉貝層の泥岩からできているもので、奥行五メートル、高さ一・六メートルであり、壁には鍾乳石、石荀、石柱が形成されているが、規模はさほど大きくない。
 これらの鍾乳石等は、洞穴周辺の岩石のカルシウム分を溶かしこんだ地下水が、洞穴壁ににじみ出て、水分が蒸発することによりカルシウムが沈澱し、形成されたものと考えられ、石灰岩地帯における鍾乳洞とは異なる。
 また、洞穴の奥には、不動明王像がまつられ、乳の神として効があるといわれて信仰されている。

 平成十五年三月
千葉県教育委員会
白浜町教育委員会

と書かれています。

所   在
  千葉県南房総市白浜町白浜 14039-1 (旧:安房郡白浜町)
見   学   危険防止のため、入口付近に柵が設けられており、中に入ることはできません。
料   金   −
駐 車 場
  なし 2019年10月現在




石灰岩中の割れ目や節理面にそって循環する地下水の溶解作用によって生じる一般の鍾乳洞とは異なり、 新生代中新世の千倉累層という泥岩地帯にできた 海食洞に、 貝化石を多く含む周辺の岩石から カルシウム分を溶かし込んだ地下水がにじみ出て鍾乳石を形成している珍しい鍾乳洞です。
 



付加体

[Brief Note]

 千倉累層は、 地体構造的には四万十帯と呼ばれる地質区分帯に属し、 7000万年前の白亜紀後期にアジア大陸からの土砂の流れ込みで堆積した膨大な量の砂岩や泥岩に、  赤道付近の珊瑚礁の石灰岩や, 深海底の堆積岩(チャート),海底火山の玄武岩などが複雑に混じっています。

 このことは、何千キロも離れた南方の海で作られた、 石灰岩,チャート,玄武岩などの堆積物≠ェ、 太平洋プレートの移動によって運ばれて海溝にたどり着き、 プレートの沈み込みの中で、 上に載っていた堆積物≠煦齒盾ノ海溝に沈み込んでしまうのではなく、 堆積物≠セけが剥ぎ取られるように陸側のプレートに付加されたことを示しています。 このような堆積層を付加体と呼びます。 エスカレーターに例えると、プレートが鉄板で、 終点で鉄板が次々と床の下に入って行くのに対して、 鉄板の上に乗っていたガム≠ヘ、 その入り口に並んでいる鉄の爪に貼り付き(付加され)、 床の下に入ることがないのと同じです。 (決して実験しないで下さいNe。)

 関東平野から九州にかけて連なる秩父帯≠ヘ、 2億年以上前の石灰岩を取り込んだ付加体≠ェ、 ジュラ紀が終わる頃、海から陸へと隆起したものです。 秩父帯≠フ外側に延びる四万十帯≠ヘ、素性の異なる堆積物≠ェ混合して海溝の側面に積み上がった付加体≠ナ、 新生代の中頃にプレートの圧縮力で5〜10キロも隆起して海面に姿を現しました。
泥岩中の鍾乳洞という奇跡は、こうして現実のものとなったのです。


'99.4


  行ってきたよメール
アクアライン&一般道で、白浜鍾乳洞に行って来ました♪ 10年前のカーナビに、白浜鍾乳洞が載っておりましたので、近くまでは、何とか行けましたが、こちらのサイトで紹介されていた、国道の道標は、無くなっており、そこからは、♪迷い道く〜ねくね〜♪(-_-#)

農道を右往左往しているうちに、ようやくわかりましたが、農道の路肩も、しっかり整備されており、路駐スペースは、全くなし! 畑作業をしている方が、大勢いらっしゃったので、怪しまれないように、海水浴場の駐車場まで移動し、再度、徒歩で、向かいました…(/--)/


鍾乳洞は、割と新しいフェンスで、二重に囲われておりました。 特に、奧の緑のフェンスが邪魔で、中がよく見えませんでした。 三脚に、デジカメを付けて、釣り竿状態で、撮影を試みましたが、やはり、洞穴までの距離があり過ぎて…(-_-#)  荒らされたのでしょうか? 鍾乳石らしき物は、何も見えず、洞窟を形成する岩も、苔生した様な色合いで、鍾乳洞らしくありませんでした。 残念です… (>_<)

例によって、私のサイトで、レポートしておりますので、物好きな方は、ご覧下さいませ…(^o^;)
[2010.1.21 せんてんすさんより
白浜鍾乳洞、センテンスさんがおっしゃるように市になった分、扱いが大分変わってしまったようですね。 見つけるのも大変なら、見つけた後も大変では、楽しめません。 それにしても写真のフェンス、大げさですね。 一体何から守ろうとしているのかが見えてこない所が、ちょっと心配かな。



2,3行で構いません。鍾乳洞を訪れた際の皆さんの感想や情報をE-mailでお寄せ下さい。
それぞれの鍾乳洞のページに掲載させて頂きます。
営業日,料金等の変更にお気付きの方の最新データも お待ちしております。

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