1949年に発行されたベルリン(西ベルリン)の切手
1Deutsche Mark(ドイチェ・マルク) = 100Pfennig(ペニヒ)
1949.1.20 (木曜 Donnerstag, Thursday)
アメリカ・イギリス・フランスの西側占領国側は、一時的に西ベルリン地区に二本立ての通貨が流通するのを認めざるをえない状況でしたが、段階的にソビエトの新通貨を排除するため、まず、1948年12月28日(火)から切手を購入する場合は西側が用意した新通貨であるDeutsche Mark(West)のみを使用するようにしました。BERLIN赤加刷シリーズは、その西側の新通貨で購入するための切手です。まず先に4種類が発行されました。BERLIN黒加刷シリーズは、こちらを参照してください。
10Pfennig 市内用葉書(〜5月31日まで)、10Markまでの郵便振替手数料 |
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15Pfennig 10Markを超えて25Markまでの郵便振替手数料 |
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20Pfennig 10Markまでの郵便為替手数料、25Markを超えて100Markまでの郵便振替手数料 |
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60Pfennig 書留料、配達証明料、250gを越え500gまでの印刷物、500gを越え1kgまでの市内用書状 |
・有効期限は、1950年1月31日です。
1949.3.21 (月曜 Montag, Monday)
2.BERLIN赤加刷シリーズ 追加
3月21日(月)から、あらゆる決済に西側が用意した新通貨のみ使用するという通貨改革第2弾が実施されました。これに合わせて、BERLIN赤加刷シリーズの残りの10種類が発行されました。このシリーズの有効期限である1950年3月31日より約2ヶ月前の1月20日(金)から、西ベルリン地区で発行された切手が西ドイツでも使用できるようになったため、BERLIN赤加刷シリーズ以降の切手に西ドイツでの使用例が存在します。
2Pfennig 加貼り用 |
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6Pfennig 20gまでの印刷物 |
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8Pfennig 20gを越え50gまでの印刷物 |
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25Pfennig 100Markを超えて250Markまでの郵便振替手数料 |
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30Pfennig 100gを越え250gまでの印刷物、外信葉書、20gを越えた外信書状の20gごとの追加料 |
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40Pfennig 250gを越え500gまでの市内用書状 |
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50Pfennig 20gまでの外信書状 |
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80Pfennig 速達料、250gを越え500gまでの市外用書状 |
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1Deutsche Mark 小包、他 |
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2Deutsche Mark 小包、他 |
・有効期限は、1950年1月31日です。
1949.3.21 (月曜 Montag, Monday)
3.ベルリンの建物シリーズ 通常切手
BERLIN赤加刷シリーズと同時に、正刷切手が発行されました。一般のカタログでは、図案別・シリーズ別にまとめて採録されているので、このあたりの事情が分かりにくくなっています。ここでは、シリーズでまとめず、あえて五月雨式に発行順に並べます。このBERLINの建物シリーズは、1949年中に19種類、1954年までに24種類発行されます。
ドイツの切手では、通常切手の多くが縦長ですが、このシリーズでは建物の構図を考えたのか、横長になっています。
1Pfennig ブランデンブルク門(東ベルリン側から見た門) 加貼り用 |
・発行枚数は、1億99万枚です。
・切手帳ペーンがあります。
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.4.9 (土曜 Sonnabend, Saturday)
4.UPU設立75年
1874年10月9日(日)に万国郵便連合(UPU、Union Postale Universelle)がハインリヒ・フォン・シュテファン(1831生-1897没)の提唱で設立されましたが、その75年を記念したものです。10月9日に合わせて発行した西ドイツや東ドイツよりも半年も早く発行されている理由は、不明です。
12Pfennig 市外用葉書 |
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16Pfennig 20gまでの市内用書状 |
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24Pfennig 20gまでの市外用書状 |
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50Pfennig 20gまでの外信書状 |
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60Pfennig 書留料、配達証明料、250gを越え500gまでの印刷物、500gを越え1kgまでの市内用書状 |
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1Deutsche Mark 小包、他 |
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2Deutsche Mark 小包、他 |
・有効期限は、1951年6月30日です
1949.5.7 (土曜 Sonnabend, Saturday)
5.ベルリンの建物シリーズ追加 通常切手
ベルリンの建物シリーズの第2弾です。追加と言うよりは、むしろ、これがメインとも言えます。24日後の6月1日(水)から料金が改定されるため、発行当初の適正使用例があることが盲点であり、入手は難関です。
4Pfennig シェーネベルク市庁舎 20gを超えて50gまでの印刷物の一括発送低料金用(6月1日から20gまでの印刷物) |
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5Pfennig テーゲル宮殿 加貼り用(7月7日から50gを超える外信印刷物の50gごとの追加料金) |
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6Pfennig 国会議事堂 20gまでの印刷物(6月1日から20gを超えて50gまでの印刷物) |
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8Pfennig シェーネベルク市庁舎 20gを超えて50gまでの印刷物(6月1日から市内用葉書) |
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10Pfennig クライストパークの柱廊 市内用葉書(6月1日から市外用葉書) |
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25Pfennig テーゲル宮殿 100Markを超えて250Markまでの郵便振替手数料 (6月1日からも同じで、さらに20gごとの欧州宛書状の航空料金、欧州宛葉書の航空料金) |
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40Pfennig シェーネベルク市庁舎 250gを超えて500gまでの市内用書状(6月1日から書留料、20gを超え250gまでの市外用書状、250gを超え500gまでの印刷物) |
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80Pfennig 博物館島の旧ナショナルギャラリー 配達区域内速達料、250gを越え500gまでの市外用書状(6月1日から500gを超えて1kgまでの市内用書状、20gまでの市外用書留書状) |
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80Pfennig 技術工科大学 配達区域内速達料、250gを越え500gまでの市外用書状(6月1日から500gを超えて1kgまでの市内用書状、20gまでの市外用書留書状) |
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90Pfennig 技術工科大学 市内用速達葉書(6月1日から加貼り用) |
・4Pfennig、10Pfennig切手に切手帳ペーンがあります。
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.5.30 (月曜 Montag, Monday)
6.ベルリンの建物シリーズ追加 通常切手
ベルリンの建物シリーズの第3弾です。
15Pfennig テンペルホーフ空港付近を飛ぶダグラスDC-4型機 10Markを超えて25Markまでの郵便振替手数料(6月1日からも同じ) |
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.6.1 郵便料金改訂
1949.6.17 (金曜 Freitag, Friday)
7.ベルリンの建物シリーズ追加 通常切手
ベルリンの建物シリーズの第4弾です。
20Pfennig 技術工科大学 10Markまでの郵便為替手数料、25Markを超えて100Markまでの郵便振替手数料、 20gまでの市外用書状、20gを超えて250gまでの市内用書状(7月7日から外信葉書) |
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1Deutsche Mark テンペルホーフ空港付近を飛ぶダグラスDC-4型機 小包、他 |
・20Pfennig切手に切手帳ペーンがあります。
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.7.2 (土曜 Sonnabend, Saturday)
8.ベルリンの建物シリーズ追加 通常切手
ベルリンの建物シリーズの第5弾です。50Pfennig切手は、5日後に外国宛料金が改定されるため、発行当初の適正使用例があることが盲点であり、入手は難関です。
30Pfennig クライストパークの柱廊 250gを超えて500gまでの市内用書状(7月7日から20gまでの外信書状) |
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50Pfennig 国会議事堂 20gまでの外信書状、市外用書留葉書(7月7日から20gを超えて40gまでの外信書状) |
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.7.7 外国宛郵便料金改訂
1949.7.22 (金曜 Freitag, Friday)
9.ベルリンの建物シリーズ追加 通常切手
ベルリンの建物シリーズの第6弾です。
2Deutsche Mark 憲兵広場 小包、他 |
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
1949.7.29 (金曜 Freitag, Friday)
ドイツを代表する小説家、詩人、劇作家のヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749生-1832没)の生誕200年を記念して、3種類の切手が発行されました。アメリカ・イギリス占領地区とソビエト占領地区でも発行されています。なお。実際のゲーテの誕生日は、8月28日です。
10Pfennig ゲオルグ・オズヴァルト・マイ(1738-1816)画「ゲーテの肖像」(1779年7月作)と、ゲーテの戯曲「タウリス島のイフィゲーニエ」の一場面 |
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20Pfennig ヨハン・ハインリヒ・リープス(1758-1817)画「ゲーテの肖像」と、ゲーテの詩集「ライネケ狐」の一場面 |
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30Pfennig ヨーゼフ・カール・シュティーラー(1781-1858)画「ゲーテの肖像」(1828年作)と、ゲーテの戯曲「ファウスト」の一場面 |
・有効期限は、1950年9月30日です
1949.7.22 (金曜 Freitag, Friday)
ベルリンの建物シリーズの第7弾です。最後まで残っていた高額面の発行で、いったんこのシリーズが一通り揃いました。この後、1953年から1954年にかけて改訂と追加で5種類の切手が発行されます。
3Deutsche Mark ブランデンブルク門(東ベルリン側から見た門) 小包、他 |
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3Deutsche Mark テーゲル宮殿 小包、他 |
・版欠点が知られています。
・有効期限は、1958年12月31日です
ベルリンの建物シリーズ19種類揃い(1949年分) |
1949.8.1 (月曜 Montag, Monday)
12.BERLIN緑加刷シリーズ
不足した額面の切手を補充するため、すでに使われなくなって保管されていた数字図案と労働者図案シリーズの切手に、臨時にBERLINの文字と額面を加刷したシリーズです。4種類あります。緑加刷と呼ばれますが、暗い緑色の加刷です。
5Pfennig | |
10Pfennig | |
20Pfennig | |
1Deutsche Mark |
・有効期限は、1951年6月30日です
1949.12.1 (木曜 Donnerstag, Thursday)
13.通貨改革による困窮者救済募金 付加金付き
通貨改革で財産を失った人たちを救済するための付加金付き切手が発行されました。通貨改革は、価値が1/10になっただけではなく、預金の引き出しにも制限があり、多くの市民が生活に困るなどの打撃を受けました。
10+5Pfennig ベルリンのシンボルである熊と寄付を求める手 |
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20+5Pfennig 同上 |
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30+5Pfennig 同上 |
・有効期限は、1951年6月30日です
1949.12.17 (土曜 Sonnabend, Saturday)
14.通貨改革による困窮者救済募金 付加金付き小型シート
通貨改革で財産を失った人たちを救済するための付加金付き切手3種類を横に並べた小型シートが発行されました。売価は1Deutsche Markです。発行枚数は10万1892枚で、西ベルリン地区で発行された切手の中でも最難関の一つです。最難関ではありますが、オークションカタログでは必ずと言ってよいほど見かけるものなので、高価な割に流通量は多い方です。
・有効期限は、1951年6月30日です
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