■■鍵盤がわかる人のためのを2倍楽しむ法■■
PART4
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●●ドミナント・モーションについて
不安定な響きのドミナントから、安定した響きのトニックへの移動を「ドミナント・モーション」と呼びます。
特にメジャー・スケールでは4和音にした場合、ドミナントにあたるコードが他のダイアトニック・コードにない、”セブンス”というコードになるため、さらに不安定な音程の要素が含まれる、ということです。
Cメジャー・スケールの場合はG7になります。U章の画像で、メジャーセブンス・コード(赤)、マイナーセブンス・コード(青)と別の色のピンクにしたのはそのためです。
(ちなみにBm7(♭5)も、メジャーセブンスでもマイナーセブンスでもセブンスでもない構成のコードなので、オレンジ色を使ってみました;。)
◇basic points◇
G7の場合、構成音はソ・シ・レ・ファとなりますが、「この第3音(シ)と第7音(ファ)は、トライトーンという全音3つ分のすごく不安定な音程」ということをおっしゃっていました。
全音、半音とは何か、全音3つ分というのは? 以下のように考えます。
左の音階はCメジャースケールです。 (トライトーンの前後の音程の関係を はっきりさせるために、2オクターブで 表記しています。) シからファ・・・というのは5度音程 (音符5個分)ですが、間に入っている 音は「半音+全音+全音+半音」 これが全音3つ分ということになるんだ と思います。ちなみに他をみると、 例えば、ドからソ「全+全+半+全」 レからラ「全+半+全+全」・・・ というように、他はすべて全音3つ半分 ここに、より不安定に聴こえるなカラクリが!! |
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メモ::: 全音→ピアノで考えると、間に鍵盤が一個はいります。 (ex.. ドとレの間には黒鍵が…) 半音→ピアノで考えると、隣りあった鍵盤 (ex.. ドとド♯のような隣りあった白鍵と黒鍵、ミとファようにの間に黒鍵なしも半音 ) ※何長調(メジャー)でも全・全・半・全・全・全・半という音程の並び方は一緒になります。 ※短調(マイナー)は、全・半・全・全・半・全・全 |
CメジャーのドミナントであるG7の構成音は以下、このセブンスコードの第3音と第7音が、トニックであるC△7の主音と第3音に移行して落ち着く。不協和音から、協和音に進行する。
これを、「<トライトーンの解決>と呼び、ドミナント・モーションをさらに強く演出する」とのことでした。
ナチュラル・マイナー・スケール上(Aマイナーなら、ラシドレミファソ)では、ドミナントにトライトーン(三全音)が含まれていないということでした。
例えば、AのスケールではE(ミ)を主音としたコードがドミナントになりますが、ナチュラル・マイナー・スケールでは、Em7がドミナントにあたり、E7というセブンスのコードではないため、
前節のような(メジャー・スケールのときのような)強いドミナント・モーションが感じられない。さて、どうしましょう・・・というお話です。
結論としては、ときには「Em7ではなく、E7にしちゃぇ〜。」ということのようです。ダイアトニック・コードにない音がはいりますが、むしろ「人間の感情としてごく自然で、皆さん経験的によくご存知であたりまえの手法」ということでした。
「響きが違うけれど、どちらもドミナントコードで、どちらもあり。」ということ。響きの違いはACEさんの演奏でご確認ください。
◇step up◇
なぜ、E7なのか・・・。Em7の第3音を半音あげたものは、E7の構成音と一緒。第3音が半音あがると、第7音との幅が狭まって、全音3つ半分ではなく、全音3つ分になる。
つまり、ソ♯とレでトライトーン(三全音)ができて、トニックであるAm7のラとドにトライトーンの解決をする、ということになります。
●●パワー・コードにおけるダイアトニック・コード
「パワー・コード」というものの理解が弱いのですが;、ギターのディストーション・サウンドなど音を歪ませた音色では、「6本の弦をならすと、音数を減らさないと、音が汚くなる。」
そのような場合などに、1度と5度だけで弾く奏法(?)をいうのかと・・・。
キーボードでいえば、倍音の多い、ハードロックオルガン等で使いますかね。今頭に浮かんだのは、SMOKE ON THE WATERのイントロとか、CHILD IN TIMEもかな?そんな弾き方しますよね。
長調、短調を決定する3度がないので「メジャーとかマイナーとか関係なく、弾きとおせる。」ということです。
が、そこで問題になるのは、第2音を主音としたコード、IIm7(♭5)ということでした。聴いてみるとなんか臭い。
Aマイナーであれば、Bm7(♭5)になりますが、1度と5度をつかうパワー・コードには、この(♭5) が曲者のようです。(あ、ACEさんが曲者とおっしゃったわけではないです。)
どう曲者か・・・というのは、ちょっと乱暴な言い方ですが、ひとまず、このコードだけについてる”(♭5)”、1度と5度を使うのに、このコードだけ、肝心かなめの5度の音が♭する(半音さがる)から、他となにか違う。・・・ぐらい思っておけばよいのではないでしょうか(^^;。
どう違うのかの響きについては、DVDでお確かめください。
その代替案(他の選択肢)として、
(1)オン・コードで別なコードをつかう (G/B というコードですが、ベースは元をいかして、B、そこに元と構成音の似ているGのコードを重ねる・・・イメージでいかがでしょう;)
(2)♭5させない音で弾いてしまう。これによって、ダイアトニックコード上にない音が発生するけれど、「その時ぶつかる音がなければ、ロックっぽくて僕は好き」と。
いずれも、音の響きはDVDでお確かめください。
◇step up◇
”♭5”についてもう少し・・・。
例えば、根音を主音としたAm7(=ラドミソ)の1度と5度は、一番上の譜面でみるところの、ラからミまで、全音3つ半分(これを完全5度というのですが)、
Bm7(♭5)(=シレファラ)では、シとファ。・・・つまり、さきほどから散々でてきた、全音3つ分(減5度)になってしまいます。なので、1度5度で弾きとおしたとき、この響きがでてくると、そこだけ異質な感じがすると思ったらよいのではないでしょうか。
なので、全部完全5度で弾いてしまおうというのが↑(2)の話になります。
オン・コードについては、Bm7(♭5)の替わりのG/B、(またはGonB)というのは覚えてしまったほうが、よさそうです。
(2004.3.6)
続きはコチラ・・・山場は終わったかなぁ(笑)、次回、最終回。