エピソード4 

3つのfirst

 私の会社ではビジネスクラスで海外出張できるのは原則として課長以上と決められています。昔はみな、ビジネスクラスに乗れたそうですが、不幸にも私がはじめての海外出張に出発する1ヶ月前に、この規則が出来ました。でもうわさだと、エコノミー正規料金(格安のPEX運賃よりはるかに高くビジネスクラスの料金に近い)で予約して、旅行社の方でビジネスクラスにアップグレードしてもらっている人などいるそうです。

「そんなに快適なんですか?」と上司に聞いたら、「そりゃあ全然違うよ。一度知ったら二度とエコノミーには乗れない」と言ってました。それを聞いて「偉くなるまでは下手にビジネスクラスの良さを知るもんじゃない」と自分に言い聞かせ我慢していました。

 (このほかにも、エコノミークラスにまつわるエピソードはいろいろ…。

 ・スチュワーデスの間ではエコノミークラスは"cargo(荷物室)"と呼ばれているという話がある。

 ・そもそも西洋文化の中で生まれた産業なので階級分けの意識が反映された結果。等々)

 

 ・First experience

 しかし、このたび、初めてビジネスクラスに乗ることになりました。といっても、偉くなったわけではなくて、エコノミーが満席でビジネスクラスしか取れなかった、という理由でですが…(役員の許可つきですが、うわさは中途半端にしか伝わらないものなので会社の関係ない人には秘密にしています)。理由は何であれ、初めての経験に期待感は膨らむばかり…。

 

・First number すいているビジネスクラス用のチェックインカウンターで手続きを済ませてびっくり。なんと座席番号は「01A」ではありませんか。まさしく最前列、最も若い番号です。この席が最初に到着するんですよね(違うでしょーっ!)。目の前が壁って言うのも殺風景ですが、これはこれでいい記念でした。

 ・First entertainment エコノミークラスは人口密度が高いため、出発直前まで雑然としているし、荷物を収納してしまい出来ることといえば新聞か本を読むか、イヤホンで音楽を聴くくらい。その上、中途半端に空いているときなんか、早々と一列ゲットするための静かなバトルが繰り広げられていたりして…。でもその頃、ビジネスクラスではウェルカムシャンペン(もしくはジュース)が配られていたのです。飛び立つ前から最初のおもてなしが…。ううむ、恐るべし。ならばこの先、サービスは受けられるだけ受けてやろうじゃないの、と意気込んだのでした。(ちなみに、周りは「いつものシャンペンなんかいらないよ」モードで寝ちゃってる人や、マイペースながら読んでる本は難しそう…ってな人など、筆者とは正反対の人々ばっかり…。)

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