標高300mから600m、岡山県の中央部を占める吉備高原には、
阿哲台,大賀台,上房台などの古生代
石炭紀から
ペルム紀にかけての
石灰岩台地が点在しています。
また、西部芳井町には、大賀台南部の石灰岩の異地性岩体と考えられている
東西800m,南北2000mのレンズ状の岩体が、日南(ひな)から 蛇の穴(じゃのあな)に渡って露頭していて、
日南石灰岩層と呼ばれています。
石灰岩体中には、ほぼ例外なく鍾乳洞が形成され、
磐窟洞,穴小屋,御神窟をはじめ各地に鍾乳洞群が分布していますが、
一部の鍾乳洞を除いて、照明がなく観光洞でもありませんので、
おきらくごくらく気分での 入洞はお勧めできません。
大賀(おおが)台南部や日南石灰岩層は、吉備高原が隆起する前、まだ平野だった
中生代白亜紀の終わり頃の
激しい構造運動(断層や褶曲などを引き起こす原因となる地殻変動)により、
川上町大賀や芳井町日南で衝上断層が形成され、
中生代三畳紀の地層の上に古生代石炭紀からペルム紀の石灰岩がのし上がるような大変動が起こりました。
日南の南側を流れる鴫(しぎ)川の河原は、中生代の地層ですが、
河原から見上げた日南から蛇の穴にかけての山腹は、古生代の石灰岩で、
地層の上下が逆転しています。
蛇の穴(じゃのあな)は、
日南石灰岩層の中に誕生した高低差26m,総延長は1100mの鍾乳洞です。
色々な情報を総合すると、始めの200mは雷地小屋,宮地小屋,石草小屋と呼ばれるホールを
持つ迷路状の洞穴で、その先900mは、素人を寄せ付けない狭洞となっているようです。
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