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現在見えている富士山(新富士火山)の下には、70万年前から噴火活動を始めた小御岳(こみたけ)火山と、10万年前に噴火が始まった古富士火山が埋まっています。
小御岳火山の溶岩は、安山岩質で粘性が強く、およそ60万年をかけて高さ約2400m前後の火山を形成、10万年前には死火山となり活動を止めています。 その後、小御岳の中腹・南斜面から活動を始めた古富士火山は、大量の火山弾・火山灰や溶岩を噴出する爆発的な噴火を繰り返して、小御岳を覆い、標高3000mに達する大きな山体を形成していきました。 約1万1000年前、古富士火山の山頂で始まった噴火を境に、富士山の噴火のパターンは爆発的な噴火から大量の溶岩を流下する活動に変わり、現在の新富士火山の活動期が始まりました。 新富士火山では、噴火の度に流動性に富んだ黒色の玄武岩の溶岩が四方に流出して、富士山麓一帯に幾重にも重なって流れ、このページで紹介する溶岩洞窟≠竍溶岩樹型≠形作っています。 ・溶岩洞窟は、溶岩流の外部が冷えて固まった際に、
内部の灼熱の溶岩やガスが圧力で外部に噴き出した後に残った空洞で、
溶岩棚や溶岩鍾乳石などを見ることができます。
・溶岩樹型は溶岩洞窟とは成因が異なり、灼熱の溶岩流が樹木を巻き込んで流下し、
大木の幹を取り込んだ形のまま固まったもので、中の木は焼き尽くされて樹型のみが残ったものです。
中には人が通れる程の空洞となったものもあり、往古の大森林を慕ばせます。
・溶岩樹型が、その内部を高温のガスが吹き抜けたり、溶岩が通り抜けたりすることで、
再び溶けたものは、
天井には溶岩鍾乳石,洞側は垂れ下がった溶岩が肋骨状に、更に洞底には溶岩石笥がのび、
あたかも人体の中を見るような様相をしていることから「胎内樹型」と呼ばれています。
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ここでは、成り立ちの古いものから順に、溶岩洞窟=C溶岩樹型=C胎内樹型≠紹介しています。 |
駒門風穴 (こまかどかざあな) |
約1万年前の 三島溶岩流によってできた 291mの本穴と 110mの枝穴からなる富士山では最大級で最古の溶岩洞窟です。 肋骨状溶岩や、天井から垂れ下がる無数の熔岩鍾乳石を見ることができます。 |
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人穴 (ひとあな) | 世界文化遺産「富士山」構成資産 |
約7000年前、富士山の西側に位置する側火山 犬涼み(いぬすずみ)山の噴火によって流れ出た犬涼み山溶岩流の下流部に生成した溶岩洞穴。 主洞は高さ1.5m,幅3m,奥行き83.8m。 富士山溶岩中でも粘性が小さく流動性に富んだ玄武岩質の溶岩流は下流部の平坦部において選択性を失い、人穴洞穴は中央部でくの字型に曲がっていて、 屈曲部手前中央には直径約5mの溶岩柱があります。 |
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印野胎内 (いんのたいない) |
約1500年前に噴出し御殿場方面に流れ出した 印野丸尾溶岩流によって生じたの複合溶岩樹型で、開口部が2ヶ所ある溶岩隧道となっています。 トンネルの全長は155m、内部は高さ0.5mから2mと狭いですが、乳房状の溶岩鍾乳や,ひだを成して固まった肋骨状の溶岩等を見ることができます。(照明無し) |
鳴沢氷穴 (なるさわひょうけつ) |
1140年前(864年)の大爆発で流れ出した青木ヶ原溶岩流でできた溶岩洞穴。 左右に分かれた本洞と、本洞の真上を通る支洞からなる竪穴環状形で総延長は153m。 洞窟内の平均気温が−2℃と低く、清水は絶えず結氷し、氷の池や氷柱を見ることができます。 |
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富岳風穴 (ふがくふうけつ) |
1140年前(864年)、富士山の側火山長尾山の大爆発で流れ出した青木ヶ原溶岩流でできた溶岩洞穴。 南北に走る110mの主洞と東西に走る80m以上の大規模な支洞からなる横穴式洞窟で、 溶岩棚や縄状態溶岩を観察できる他、平均気温3℃の洞窟内では冬に結氷した氷を夏でも見ることができます。 |
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西湖コウモリ穴 (さいこコウモリあな) |
1140年前、西湖と精進湖を分断した貞観噴火で流れ出した青木ヶ原溶岩流でできた 総延長386mの富士山麓中最大規模の溶岩洞窟。 入口付近に広いドームを持つ横穴式の洞窟で、溶岩ドームや溶岩棚,縄状溶岩床などを見ることができます。 氷穴・風穴と異なり一年中温暖な洞内には多数のコウモリが棲息しています。 |
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吉田胎内 (よしだたいない) | 世界文化遺産「富士山」構成資産 |
1140年前(864年)の貞観の大噴火の際に 牛ヶ窪割れ目火口列から噴出した長尾山溶岩グループ (剣丸尾第二溶岩流)で生じた、横臥樹型が噴気孔(竪穴)で連結された全長61mの複合溶岩樹型です。 入口から横臥樹型を14m進むと深さ6mの丸い竪穴があり、 その底部から2つ横穴となって、1つは北東へ8m、他の1つは北に向かって20m延び、 その先端はそれぞれ6〜7mの竪穴になって地上に開口しています。 入口の横臥樹型には樹木の木肌が明瞭に保存されている他、 溶岩樹型が出来た後を高温のガスが通り抜けたため 表面が再溶融して、天井には溶岩鍾乳石, 洞側は垂れ下がった溶岩が肋骨状に、更に洞底には溶岩石笥がのびています。 |
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船津胎内 (ふなつたいない) | 世界文化遺産「富士山」構成資産 |
1070年前(932年)に剣丸尾火口から流れ出した剣丸尾第一溶岩流で生じた8本の溶岩樹型が連結してできた総延長70mの複合溶岩樹型です。 20mクラスの巨木が横たわり、あるものは平行に,またあるものは交差して連結した洞内は、父の胎内,母の胎内に分かれ、 胸の部分の肋骨を内部から見ているような形態や鉄分を帯びて赤色に変色した景観に驚かされます。 |
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2,3行で構いません。
富士山の溶岩洞窟に関する今昔の情報や写真, 訪れた際の皆さんの感想を E-mailでお寄せ下さい。 このページに掲載させて頂きます。 じじいが出かける際の参考にもさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。 |
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