1944年 ・連合軍、ノルマンディー上陸 ・ソビエト軍の夏季攻勢でドイツ中央軍壊滅 ・総統暗殺未遂事件 ・パリでレジスタンス蜂起。パリ解放へ ・ワルシャワ蜂起を鎮圧 ・連合軍、6週間の市街戦の末アーヘンを占領(ドイツ本土で最初の重要都市が占領される) ・ドイツ民族突撃隊結成法可決(16〜60歳の男子をすべて徴集) ・ドイツ軍、アルデンヌ反攻開始 |
昭和 19年 |
・サイパン陥落 ・連合軍の反攻激化 |
※色の表示は目安です。
1944年以降に発行された切手は、「DEUTSCHES REICH」ではなく「GROSS DEUTSCHES REICH」という表示になっています。
1944.1.25 (火曜 Dienstag, Tuesday)
1.コッホ生誕100年 付加金付き
12+38Pfennig | 濃赤 | ローベルト・コッホ(1843-1910) |
現代細菌学の創始者ローベルト・コッホの生誕100年の記念切手です。コッホは、1870年代にネズミの炭疽病は桿状菌が血液中に入ったときのみ発病する、すなわち、伝染病が特定の細菌によって発生することを発見しました。1882年には結核菌の培養に成功。1883にはコレラ菌も発見。1891年にはベルリンの伝染病研究所の所長に就任しています。なお、1908年に北里柴三郎の招きに応じて来日しました。
・有効期限はありませんが、終戦で自動的に使用禁止になりました。以下同じ。
1944.1.29 (土曜 Sonnabend, Saturday)
2.政権獲得11周年 付加金付き
54+96Pfennig | 茶 | 鷲と党の旗と総統 |
総統が内閣を組織した日(1933年1月30日)から11年を記念したものです。なお、54Pfennigは市外用書留書状の料金です。
・有効期限はありません。
1944.2.11 (金曜 Freitag, Friday)
3.航空郵便25周年 付加金付き
6+4Pfennig | 緑 | フォッケウルフ FW 200型「コンドル」 |
12+8Pfennig | 赤 | 長距離飛行機ブローム・ウント・フォス BV139型とルフトハンザのマーク |
42+108Pfennig | 青 | 長距離飛行機ユンカース Ju 90型「デア グロッス デッサウアー」とルフトハンザのマーク |
第一次世界大戦後の1919年、多くの航空機とパイロットを活用するため民間航空の事業が盛んになり、2月にベルリン〜ワイマール間の空路が開かれて郵便も運ばれました。この飛行郵便から25年経ったことを記念した切手です。
・有効期限はありません。
1944.3.2 (木曜 Donnerstag, Thursday)
4.母と子の救済事業10周年 付加金付き
3+2Pfennig | 茶 | 乳児保育所の乳幼児と保母達 |
6+4Pfennig | 緑 | 自治体所属の保健婦の訪問を受ける母と幼児と少女 |
12+8Pfennig | 赤 | 乳児を診察する医師と看護婦 |
15+10Pfennig | 紅 | 専用の保養所でくつろぐ母達 |
母子の保護を目的とした救済事業の記念切手です。絵柄は、戦争の悲惨さが微塵にも感じられないほど明るく写実的に描かれています。
・有効期限はありません。
1944.3.11 (土曜 Sonnabend, Saturday)
5.国防の日および戦没者慰霊祭 第2集 付加金付き
3+2Pfennig | 茶 | 兵士を乗せた上陸用船艇 |
4+3Pfennig | 暗青 | ケッテンクラート(キャタピラ付きのオートバイ)に乗る兵士 |
5+3Pfennig | 緑 | 落下傘で降下する猟兵 |
6+4Pfennig | 紫 | Uボートの潜望鏡を覗く船員 |
8+4Pfennig | 橙 | 擲弾筒で攻撃する親衛隊 |
10+5Pfennig | 濃茶 | 探照灯で上空を照らす兵士 |
12+6Pfennig | 赤 | 機銃掃射する兵士 |
15+10Pfennig | 暗藤 | 自走砲と兵士 |
16+10Pfennig | 灰緑 | 快速艇S26-29 |
20+10Pfennig | 暗青 | 海上を偵察するアラド Ar196 |
24+10Pfennig | 茶 | 攻撃する装甲列車 |
25+15Pfennig | 暗青 | 一斉に発射されたネーベルヴェルファー(ロケット砲) |
30+20Pfennig | オリーブ | 山岳猟兵 |
ドイツ軍の戦闘風景と最新兵器が描かれたシリーズです。1943年に第1集のシリーズがあります。
・有効期限はありません。
1944.3.11 (土曜 Sonnabend, Saturday)
6.フルダ1200年 付加金付き
12+38Pfennig | 茶 | 王宮にあるフローラの像と聖堂とミヒャエリス教会 |
フルダ川沿岸で744年3月にボニファツィウスの弟子であるシュトゥルミウスにより修道院が設立されてから1200年を記念する切手です。フルダの町はこの修道院から発展していきました。
・有効期限はありません。
1944.4.14 (金曜 Freitag, Friday)
7.総統55歳誕生日 付加金付き
54+96Pfennig | 赤 | 総統の肖像 |
恒例の誕生日記念切手です。なお、総統の誕生日は4月20日です。
・有効期限はありません。
1944.5.3 (水曜 Mittwoch, Wednesday)
8.ドイツ帝国郵政の戦友精神 第3集 付加金付き
6+9Pfennig | 紫青 | 手紙を持つ女性の郵便配達員 |
8+12Pfennig | 黒 | 古い郵便馬車 |
12+18Pfennig | 紅 | 軍事郵便を運ぶ局員 |
16+24Pfennig | 暗緑 | 悪路を走る自動車 |
20+30Pfennig | 青 | 武装した職員 |
24+36Pfennig | 紫 | 工場でグライダーを組み立てる職員 |
戦争遂行にドイツ帝国郵政職員も貢献していることをアピールする切手です。第1集のシリーズと第2集のシリーズがあります。
・有効期限はありません。
1944.6.
9.労働奉仕展覧会 付加金付き
6+4Pfennig | 黄緑 | 熊手を持つ女性 |
12+8Pfennig | 赤 | シャベルを持つ男性 |
正式な発行日は不明です。
・有効期限はありません。
1944.7.
10.ケーニヒスベルクのアルベルトゥス大学400年 付加金付き
6+4Pfennig | 緑 | アルベルトゥス大学創設者のアルベルトゥス公爵(1525-1568)の肖像 |
正式な発行日は不明です。
・有効期限はありません。
1944.7.
11.第7回チロル地方射撃大会 付加金付き
6+4Pfennig | 緑 | 中世から伝わる弩を持つチロル地方の人と機関銃を持つ兵士 |
12+8Pfennig | 赤 | 同上 |
正式な発行日は不明です。
・有効期限はありません。
1944.7.23 (日曜 Sonntag, Sunday)
12.第11回ブラウンリボン賞競馬 付加金付き
42+108Pfennig | 茶 | 牝馬と仔馬 |
恒例のミュンヘン市内のリーム(Riem)で開かれる競馬を記念した切手です。これがシリーズ最後の切手となりました。
・有効期限はありません。
1944.8.
13.ウィーン杯競馬 付加金付き
6+4Pfennig | 青緑 | 馬の頭部 |
12+88Pfennig | 紅 | 同上 |
ウィーンの競馬の記念切手です。これが競馬切手の最後となりました。なお、正式な発行日は不明です。
・有効期限はありません。
1944.9.11 (月曜 Montag, Monday)
14.金工芸師組合 付加金付き
6+4Pfennig | 緑 | オウムガイをかたどった杯 |
12+88Pfennig | 赤 | 同上 |
恒例の金工芸師組合の記念切手です。
・有効期限はありません。
1944.10.2 (月曜 Montag, Monday)
15.切手の日 付加金付き
6+24Pfennig | 緑 | ポストホルンと手紙 |
1941年から発行が始まった、切手を通じて世界を知る、という趣旨の切手です。しかし、ドイツで発行される切手は、いずれも国家政策の啓蒙が目的でした。
・有効期限はありません。
1944.11.9 (木曜 Donnerstag, Thursday)
16.ビアホール一揆21年 付加金付き
12+8Pfennig | 赤 | 大蛇と戦う鷲 |
1923年11月8日(木)から9日にかけてミュンヘンのビアホールで起きた一揆をテーマにした切手です。このとき、首謀者(総統)は逮捕され有罪判決が言い渡されました。
なお、この切手が発行される1ヶ月前の10月11日(水)には、物量作戦にものをいわせた連合軍がドイツ本土に進攻して、市街戦で多大な犠牲者を出しながらも、ドイツの歴史的な町であるアーヘンを占領。ドイツ降伏は時間の問題でした。
・有効期限はありません。
1944.
17.総統図案 通常切手 追加発行
42Pfennig | 緑 書留市外用書状 |
物資不足によって紙とインクを節約するため、利用が多く、複数の組み合わせが必要な額面の切手が1枚で済むように、新額面の切手が追加発行されました。正式な発行日は不明です。→総統図案シリーズ
・有効期限はありません。
お断り
1933年11月1日(水)発行の慈善切手から、切手のすかしに当時第一党であった特定の党のシンボルが入れられるようになりました。戦後70年を経過したとはいえ、今も当時を思い出される方々が多数いらっしゃるという事実をふまえ、このシンボルの入った切手の図版を当サイトでは一切公開いたしません。なお、これらの切手の図版を公開しているサイトを何ら否定するものではありません。 |
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