GAMES FOR WINDOWS - LIVE

                                     11/08/23


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   Games for Windows - LIVE
                                                Xbox LIVE (Games for Windows - LIVE と共通)
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※11/08/23   初回記事掲載

概   要
 “Games for Windows - LIVE”とはマイクロソフトが提供するPC環境への統合オンラインゲームサービスであり、主にマルチプレイにおける様々な機能を実現する事が出来るツール群(ライブラリ)として提供される。ゲーム開発会社はこのGFWLを使用する事で、マルチプレイ用コンポーネントの制作コスト&期間を大幅に削減する事が可能となる。

 別の言い方をすれば大成功を収めたXbox LIVEのWindowsへの移植版であり、ユーザーへは以下の様なサービスが提供される。(全てのゲームが下記の機能を備えている訳ではない)。

*ゲーマータグ(唯一無二のニックネーム)のサポートにより、LIVE関連の全ての環境で同一の名前を使える
*シングルプレイとマルチプレイ用の実績機能
*ゲーマータグ別にゲーマースコア(全ゲームの実績の合計スコア)が計算されて、細かい内容も他人から参照が出来る
*各種マルチプレイ用コンポーネント(マッチメイキングサービスを含む)
*フレンドリストの作成&管理。最近一緒にプレイしたユーザーの記録機能(最新50人)。
*ゲーマータグによる成績(ランク)管理機能やリーダーボード(成績)閲覧機能
*ゲーマータグにそのユーザーの評判を掲示する機能
*ボイスチャット&テキストチャット機能
*ゲームの修正パッチの自動アップデート
*Xbox 360とのクロスプラットフォーム対戦
*ファミリーセッティング(保護者によるアクセス管理機能)


 ユーザーに対してはこれらの機能はマイクロソフトがリリースするGFWLのクライアントソフトウェアにより提供され、これは無料でインストールして使用出来る。GFWLの機能を実現するプログラムは共通の物なので、各ゲームが自身のフォルダ内にそれぞれGFWLのコンポーネントをインストールするのではなく、GFWLのプログラムが単体で一つだけWindowsにインストールされて、全てのゲームがそれにアクセスするという形を採っている。


 対応OSは開始当時はVistaのみだったが、半年後にWindows XPも追加された。現在ではXP (当初はService Pack 2以上だったが、現在ではSP3以上の物も存在する), Vista, Windows 7に対応している。

 対応ゲームの一覧はList of Games for Windows - Live titlesにまとめられている(海外版ゲームのリスト)。


 なおWindows Liveというマイクロソフトが提供するWebとアプリの総合オンラインサービスが存在するが、この一覧にはGFWLは掲載されていない。ただしアカウントはこれと同じ物がGFWLでも使用出来る。

歴   史
 サービスは2007/05よりスタートしており、Vista専用タイトルとして自社MS Game StudiosからShadowrunHALO 2がまずは発売。2007/11にはXP対応タイトルとしてやはり自社からGears of Warがリリースされている。

 当初はMS以外の対応タイトルが少なかったのだが、その大きな理由としてXbox LIVEと同じくアカウントがシルバーとゴールド会員に分けられており、ゴールド会員になるには有料という設定であったというのが挙げられる。Xbox 360環境ではPCゲーマーとはマルチプレイに対する意識(常識)の違いがあるし、各種機能を提供する代わりに有料化という点が概ね受け入れられていたのだが、PC(FPS)ではマルチプレイは無料という概念が常識だったので、この仕様は猛反発を受けてしまう。シルバーでも限定されたマルチプレイは可能だが、ランクマッチに参加するにはゴールド会員でなければならないので実質意味が無い。

 結果的に2008/07にはシルバーとゴールドの区別を無くして完全無料化されている。PCゲームのオンライン対戦をプレイした事がない人にとっては気になる点だと思うが、現在LIVE対応タイトルをオンラインでプレイするのに料金は発生しない


 最初はゲームのDVDに同梱されているGFWLのプログラムは、ゲームのインストールの課程で自動的にインストールされるだけの物であり、後はゲームが必要とする時にそのGFWLのクライアントソフトウェアが呼び出されて使われるという形だった。例えば物理演算用のライブラリであるPhysXとかと一緒で、ゲームがこれを使用しているのでインストールしておかないと動かないが、インストール後に特にユーザーが意識する様な物では無かった。

 しかし2008/12にリリースのV2.0からはクライアントソフトウェアのインストールと共に、スタートメニューに単体起動が可能なプログラムとしても登録されて、そこからGames for Windows Marketplace(DLC等を購買可能)へのアクセスが可能になった。

 2009/08にはV3.0へとアップデート。この3.0番台が現時点での最新バージョンとなる(2011/08現在ではV3.5.50.0)。現バージョンではスタートメニューに登録されるソフトウェア名の方がLIVEから“Games for Windows Marketplace”へと変更されており、2009/12からはMSの運営するゲームのダウンロード販売であるGames on Demandへのアクセス機能が追加されている。


 V3.0では大きな機能追加が行われているので簡単に解説。コピープロテクトについては別のページに詳しくまとめてある。

*Zero Day Piracy Protection(ZDPP)
 これはSteamでも御馴染みの機能で、ゲームのプレイ前に必ず一度はオンラインに接続して、発売日を経過しているか認証を受ける必要があるというコピープロテクト。発売されたDVDやプリロードのデータ内には起動に必要なファイルが一部含まれていなかったり暗号化されたりしており、ネット接続認証時に必要ファイルのダウンロードや暗号解除が行われて初めて起動が可能になるというシステム。

 ゲームが最も売れるのは発売直後である事が多い。しかしプレス工場に回された原盤自体からのデータ盗難や、パッケージ化され保管中の製品DVDが盗まれて(若しくは入手可能な人間が海賊版販売業者に売り捌いて)、既にゲーム発売前からネット上にコピー版が出回ったり、国によっては店で売られたりするという問題が頻発している。そこで入手しても発売日に解禁されるまではプレイ出来ないようにすると共に、プロテクトの掛かったファイルを直前まで公開しない事でそれを外す方法を発見されるまでの時間を遅らせてやり、海賊版による正規版売り上げへの影響を減らすというやり方である。

 LIVE対応タイトルは「マルチプレイをしないのでオンラインには接続するつもりが無い」、「そもそもオンライン接続環境を持っていないPCでプレイする」という人の為に、原則的にはオンラインに接続しないでプレイが可能だが、このプロテクトを採用しているゲームでは少なくとも一回は接続による認証が必須となるので、該当する方は購入前に注意した方が良い。なおZDPPの採用は販売側任せであり、3.0以後に発売されたゲーム全てが該当する訳ではない。


*Server Side Authentication (SSA)
 これはプロダクトキー(LIVE アクセスコード)をLIVEのアカウントと結び付けて登録する方式で、Steamでは最初からの基本機能。つまり最初にそのコードを登録したアカウント以外では登録不可になるので、プレイ後に転売が出来なくなるという販売側に取っての利点を持つ。プレイヤー側の利点としては、登録後は複数のPCにインストールが可能で、所持しているアカウントでサインインすればどのPCからでもプレイ可能。また認証が終われば起動の度にメディアを入れておいて正規品チェックする必要が無いといった点。

 これもまた採用するのかどうかは販売側次第であり、3.0以後に発売されているゲームにて採用されているのかどうかは個別に確認する必要がある。なおこちらの方は必ず一度はオンラインに接続する必要があるのかどうかはゲームによる(ややこしいので詳しくはコピープロテクトの項にて)。


*In-Game Marketplace
 ゲームのプレイ中にHOMEキー押下でLIVE用のインターフェイス(オーバーレイ)が起動するのだが、そこから直接マーケットプレイスにアクセスして購買が可能になった。

*Anti-Cheat and Anti-Hack
 その名の通りだが詳細やその防御能力は解らない。

[参考] GAMES FOR WINDOWS
 “Games for Windows”とは、2006/09にスタートしたマイクロソフトによるPCゲームにおけるブランド名である。取得してパッケージにロゴを表記するには一定の基準を満たして審査に通る必要があり、以下はその基本条件となる(これで全てかどうかは分からない)。GFWLのロゴを取得するには、そのゲームが“Games for Windows”のロゴ取得基準を同時に達成している必要がある。

*簡単にインストールが可能(マウスクリックだけで行えるインストールオプションを用意)
*ワイドスクリーン対応
*64ビット版OSに対応(Vista , Windows 7)
*ペアレンタル・コントロール(年齢制限設定)に対応(Vista, Windows 7)
*ゲーム エクスプローラーに対応(Vista, Windows 7)


 知っておくべき注意点として、GFW対応タイトル=Xbox 360 コントローラー対応では無い。コントローラーでプレイ出来るタイトルを探している方は気を付ける必要がある。正確には「そのゲームがコントローラーでの操作に対応している場合には、必ずXbox 360コントローラーにも対応していないとならない」であって、コントローラーでの操作に対応しないとならない訳では無い。あるゲームが対応しているのかどうか知るには、コントローラー操作に対応のロゴが用意されているので、これがパッケージに記載されているかどうかが基本的な判断基準となる。パッケージを確認出来ないのならば、公式掲示板等で調べるかどこかで聴いてみるしかない(以前には対応リストのページが存在していたのだが消えてしまっている)。

 中にはパッケージに対応のロゴがプリントされていて、マニュアル内には操作説明の写真が掲載されているにも関わらず非対応というCall of Duty: World at Warの様な物もあるので(ミスプリントという説明)、確実に知りたいのならばプレイ可能なのを確認したという情報を見付けるまで待った方が良い。


 同じくコントローラーの問題として、Windows用のXbox 360コントローラー以外には対応していないゲームも多い。他の物では認識自体しないか、操作キーの割り当てが思うように出来ないといったトラブルが生じたりする。その為にPCゲームをコントローラーでプレイしようと考えるならば、使い勝手に問題があってもMS純正のXbox 360 Controller for Windowsを選択するのが一番無難という状況にある。或いは操作ボタンの設定をカスタマイズ可能なユーティリティーを備えた他社製コントローラーで何とかするかになる。なおPC用では無くXbox 360用の物を使えるのかといった説明はITmediaに詳しい解説が掲載されている。

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