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アーケード版Dead or Alive(タイトル)

触って分かったのは発明…

●1996年暮れのことでした

 DEAD OR ALIVE(DOA)がゲーセンに出回り始めたのは、確かバーチャファイター3(VF3)と同じ頃だったかと思います。今回、調べてみたところ、VF3は1996年9月、DOAは1996年11月とのことで、2ヶ月ほどの差がありますが、ほど同時期ではありますね。コンシューマ(家庭用ゲーム機)の方では、サターンのファイティングバイバーズ(FV)が同年8月末、ファイターズメガミックス(FMM)が同年12月末、が発売されていて、アーケード(ゲーセン)でもコンシューマでも、格闘ゲーム大流行という感じでした(ただ、ピークは越えた感はあったかも)。

 特に空前の大ヒットとなったバーチャファイター2(VF2)の続編となるVF3には、様々な方面から熱い視線が注がれていたと思います。VF3は当時、セガの最新&最強基板であるMODEL3を使用しており、強力なグラフィック、避けによる駆け引き、高低差を再現したステージなどなど、前評判はかなり高かったです。公開されてたスクリーンショットに写るキャラクターが、蝋人形のようでちょっと怖かったのは気がかりでしたが…

 私は、元々、器用な方でも動体視力があるタイプでもないので、格闘ゲームは苦手な分野だったのですが、それでも疑似空間が感じられる元祖バーチャファイター(VF)に感動して以来、VF2やその他の主にセガ製格闘ゲームを下手なりに楽しんでいました(元祖VFだけは完全にのめり込んでしまいました(^^; ハンドルネーム、サラ、マニアッス00のイメージはあくまでVF1のサラだったりする)。ちなみに対戦にはまったきっかけがVFだったので、未だにレバーガードのゲームは上手く出来ません。不器用なんですよね、基本的に。

 ということで、バーチャの最新作、VF3には期待していたのですが、いざリリースとなり、実際に触ってみると…馴染めない。触った感じがなんかヌメッとしていて、ダイレクト感がないのです。VF3ではキー入力から技が発生するまでの時間が、VF2のそれと比べて遅く設定してあり、反射よりも読みと駆け引きを楽しめるようにしているらしいのですが、どうやらそれが原因で感覚が馴染めなかったみたいです。動かして楽しくない…ここで私のVF3は終わってしまいました。キャラクターも予想の通り、怖かったですし…(^^;

 その後、サターンの通信対戦X-BANDをプレイし始めたので、感覚が馴染まないVF3の対戦は見切りを付けて、X-BANDのバーチャファイターリミックス(VFR、VFのグラフィックだけを2っぽくしたもの)で対戦を楽しむ日々が続きました〜が、これは余談ですね。


●触ってみるまではねぇ…

 VF3は面白くない、対戦はX-BANDで〜っという状況でしたが、それでも時々はゲーセンに出掛けてしまうのは、インベーダーからアーケードで遊んでいるために、体に染みついた習慣なのでしょうか。行っても遊ぶものは大してなかったので、目新しいゲームをちょこっと触って、あとはUFOキャッチャーでプライズが取れず、うきーっとなるくらいでした(不器用なのでプライズはなかなか取れないのだ)。

 そんな時、新しい3D格闘ゲームが入っているのを見掛けました。クリアーな画面に女の子が…。そう、これがDOAとの接近遭遇でした。そう言えばセガ以外からもMODEL2を使った格闘ゲームが出るって話があたっけ… そうか、これだったのか〜なんてことを思いながら、デモ画面を見入っていると、何かすごいことになってます(^^; 胸がぼよよ〜んって。そうです、DOAの売りの1つ、胸の揺れです。私の記憶が確かなら、3D格闘ゲームでの胸揺れの元祖はFVだったと思うのですが、それとはレベルというか桁が違います。デフォルメされたそれを見て、私はしばらく手を出すことが出来ませんでした(新しい物大好きな下手ゲーマーとしては、興味を持ったのに手が出ないのは異例でした)。何て言うか、偏見っと言ってしまえばそれまでのことですけど。


●これは発明だ!

 幾日か過ぎたある日、意を決してDOAを遊んでみることにしました。誰も遊んでいなかったので、VS CPUです。キャラクターもよく分からないので、取りあえず、主人公らしき女の子(かすみ)を選んでプレイ。相手はサングラスしたナンパっぽい黒人青年(ザック)。取りあえず攻め攻め〜打撃、打撃!、ふんふん、触った感じはVF3よりVF2とかに近くていい感じ。あっ、そろそろ敵の反撃が? ガード!、あれ?ガード?。ガードしたつもりが、女の子はナンパ野郎の打撃を受け止めた上に一発入れてます。ホールドボタンを押すと敵の打撃を一種だけ受け流すことが出来る、ディフェンシブホールドが出たのですね。

 これはちょっと衝撃的でした。敵の打撃に対してホールドボタンを押すと、上中段の打撃を受け流し、あるいは反撃してしまうのですから。筐体に書いてある説明書きを読むと、打撃、投げ、つかみ(ホールド)はジャンケンと同じく三竦みになっているとのことでした。なるほど実際に遊んでみると、目まぐるしく攻守が変わるこのシステム、すごい、新しい、これは発明だ!っと、触ってみて初めてDOAの持つシステムの面白さに気付かされました。

 どんな会社が作っているんだろう…テクモねぇ。テクモって、確かテーカンのことだよね(昔はテーカンという社名だった)。マイティボンジャックとかFCで買ったっけ。ゲーセンだとアルゴスの戦士とかかな。トラックボールを使ったサッカーゲーム(ワールドカップ)とかゴルフゲーム(ティードオフ)とか、昔、遊んだよな〜 もうちょっと古いところではガズラーとか(姉が好きだった)、戦場とかも、テーカンのやつだったよな〜(違うかな?(^^;) そうか、こんなゲームを作るようになったんだ〜などなど、オールドゲーマーは感慨に耽ったのでした(謎)

 操作系は8方向レバーにH(ホールド)、P(パンチ)、K(キック)の3つボタンという、VFシリーズとよく似た感じになっています。正式なボタン並びは横一列のH、P、K配列だったそうですが、実際のところ、バーチャと同じくHが手前、P、Kが2列目という配列になることが多かったみたい。っというか、こちらではバーチャ配列の筐体しか、見たことがありません。恐らくVF2と同じ基板を使用していたので、筐体もそのまま利用したのではないでしょうか。

 ガードはレバー後方入れで立ちガード、斜め下後ろ入れでしゃがみガードで、レバーガードが苦手な私としては、ガードの扱いに苦労しましたが、VFでガードをするタイミングで、つい癖が出てGボタンならぬHボタンを押して、ディフェンシブホールドが出てラッキーっというパターンが多かったです。操作感覚もVFと割と近く、VFからの乗り換えはしやすかったと思います。


●DEAD OR ALIVEについて…

 DOAシリーズの開発に関しては、昔、オフィシャルサイトで、開発秘話(?)が公開されていましたし、また雑誌などでもTeam NINJAの板垣さんがインタビューを受けているので、ご存じの方も多いかと思います。手元にあるゲームウォッチ!vol.1及びvol.2(編集作製:株式会社レッカ社、面白いのでDOAファンは読むと良いかも)によると、MODEL2をセガから受領したのが1995年6月、当時、テクモは『危機的状態』、まさに『DEAD OR ALIVE』だったそうです。

 この危機的状況というのは、多かれ少なかれ、昔からのソフト屋さんにはあったようで、カプコンについてもバイオが当たるまでは、ヒヤヒヤ状態だったそうですし、上手く乗り越えることが出来ず、撃沈していったアーケードでは割と古株だった会社も何社かありました。そうした中、テクモが手に入れた強力な武器、MODEL2で何をするべきかを考えた時、なぜ、テクモは(Team NINJAと言った方が良いのか?)あえて、VFという強敵が待つ3D格闘ゲームを選んだのでしょうか。

 アーケードでポリゴンを使った3Dゲームと言えば、レーシングゲームと格闘ゲームが思いつきますが、レーシングゲームでは物体の物理的シミュレートのノウハウが得られるものの、その転用範囲が限られるのに対し、格闘ゲームで人間の動きを表現するノウハウが得られ、その技術は他のジャンルにも広く必要とされるものであり、これこそ、これからのテクモが必要とするものであるという考慮の元、3D格闘ゲームの作製をスタートしたのだそうです。

 アーケードでDOAを遊んでいた当時は理解できませんでしたが、そういう背景があったので、主人公が女の子であり、リアル路線を取ったVF3とは対照的に、アニメ風(?)なキャラクターであり、ぼよよ〜んだった分けです。私のように見た目で敬遠するゲーマーをも織り込んだ上で、あえて目立たなくては、魅力を全面に出さねば勝機がないと踏んだのでしょう。その選択が間違っていなかったことは、DOA2がヒットし、DOA3もXboxで開発中という事実が物語っていると思います。

 MODEL2という基板は、今の3D基板と違って、グローシェーディングは不得手で(機能にないのかも?)、フラットシェーディングによる陰影の付け方になってしまうので、角張った物は大丈夫ですが、人間の曲面などは苦手なんですよね。同じ基板を使ったバーチャファーター2などもあまり陰を強調したりせず、テクスチャに張り付ける絵で、上手く陰の部分が見えるように調整したりしていますが、主人公が美少女(?)のDEAD OR ALIVEでは、更に調整が大変だったことと思います。逆に3D基板の能力がその程度だった時代だったからこそ、業界初となる(?)ポリゴン美少女のかすみの存在が目立ち、売りになるっと踏んだのでしょう。

 アーケード版DOAは後に移植されたサターン版のそれと見た目の雰囲気は近いですが、サターンのそれは技の追加、モーションの変更や調整などがなされており、アーケード版とはかなり違います。またCPUが超反応タイプ(こちらの入力を観察して、人間では反応できないような速度で対処すること。思考型の反対)なので、VS CPUの後半はかなり厳しかったような気がします。アーケードの人気の方は…地方のレベルでは残念ながら盛り上がっているとは言い難く、私自身、アーケード版DOAで対戦したことはありませんでした。反面、一人プレイが妙に印象に残っているので、今でも懐かしくてプレイしたいゲームではあります。

 アーケード版の完全移植については、以前、DOA BBSで『好きだし思い入れもあるけど、まずないでしょう』と板垣さんからレスを頂いたことがあるので、やはり無理なんでしょうね。MODEL2のエミュレータソフトが開発され、完璧なVF2、FV、ラストブロンクス、そしてDOAが、家庭で遊べる日が来ることを、願って止みません。セガは過去にも古いゲームの移植を行っているので、将来にまだ可能性がありそうなのですが、テクモのオールドゲー移植…ダメかなぁ? 個人的にはティードオフとかガズラーとか戦場とかも遊んでみたいんですけど。
 
 アーケード版の画像も出来たら載せたいのですが、残念ながらアーケード基板は持っていないので、載せられる画像がありません。ホント、アーケード基板、欲しいです〜 どこかに落ちてないかな(バカ)。

 以前、テクモのDEAD OR ALIVEオフィシャルサイトで、Team NINJAスタッフによる対談形式の開発秘話が公開されていました。最初の企画は4人格闘だったとか(敵3人に1人で戦う形式)、ゲームショーで公開したバージョンでは、設定をミスしてしまって、『オッパイゆれっぱなし!』(開発秘話の表記のままです(^^;)になってしまったとか。初めての3Dゲームプログラミングに、X、Y、Z軸に見立て、3本の割り箸を組み合わせた謎のツール『3次元くん』を使っていたとか(掃除のおばちゃんにゴミと間違われて捨てられちゃったとか(^^;)。色々、面白い話が書いてあったのに、今は見られなくなって残念です。

 近所のアピアというアミューズメント施設の3F、ボーリング場の隅にあったゲームコーナーに、アーケード版DEAD OR ALIVEがかなり長い間置いてあったんですよね。2Fにセガのゲーセンがあるので、ゲーム目的でここまで上がってくる人は皆無だったので、対戦台だけど乱入されたことは一度もありませんでしたが、それでも1コイン入れたくなる魅力がありました。なくなっちゃった時は寂しかったなぁ…

 そう言えば、ちょうどアーケード版DOAを遊んでいた頃になって、ようやく私もInternetに接続するようになったんですよね。目的はTAKARA-BAKOのオリジナルドール通信販売だったんですけど(笑)、DOA関係のサイトも、もちろん、色々、探したりして、オフィシャルサイトや数少ない個人ファンサイトなどをROMるようになりました(書き込みする度胸はまだなかった)。当時、よく見ていたサイトは、いずれも閉鎖しちゃって、これまたちょっと寂しいです。

 最後に、隠し要素についてですが、勝ちポーズ選択が可能だったり(確か、勝ちポーズに移る前に、H+P、P+K、H+P+Kのボタン押しっぱなしだったような…)、1Gameに1回、リプレイ巻き戻しが可能だったりしましたが(リプレイが始まるまで、確かH+Kボタンを押しっぱなしで、Pボタンによる何度が出来たような…どのボタンだったかの記憶は怪しいです(^^;)、勝ちポーズのカメラアングルについては、操作できません(そう言えば、ステージクリア時の勝ちポーズは、微妙にキャラがアップ気味だったような気もするような…)。

本サイト及びこのページで使用しているDEAD OR ALIVEシリーズに関わる画像は、事前にテクモ株式会社の許可を得た上でWebで公開したものであり、これらに関わる全ての権利は、テクモ株式会社に所属します。またこれら画像を許可なく複製、配布、販売などを行うことも禁じられていますのでご注意下さい。DEAD OR ALIVEオフィシャルページへリンク

2001/05/14 作成
2002/06/11 微妙に修正


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