2007年3月吉日

名門大学で落語の講義 大阪市大やハーバード大で
 
このたび大阪市立大学の依頼を受け、春団治一門が講師を引き受けことになった。
大阪市立大学が例年開催している公開授業の一環で、今回は「大阪落語への招待」
と銘打ち「落語の情〜優しさと思いやりと〜」というテーマで語っていく。
 落語の中に見られる親子や男女間の情愛、長屋の暮らしの人付き合い、船場商人の
お客に対する気遣いなど。「落語をただ笑いの芸としてとらえるばかりではなく情の
芸として伝えていきたい。東京の談志師匠の持論『落語は業の肯定である』になぞら
えるならば、私は『上方落語は情の肯定である』と申し上げたい」と主任講師の春之輔も
意気込む。
また、歌舞音曲に詳しく上方落語界きってのオペラ通でもある春雨が「落語とオペラ」
「落語と義太夫」「落語と歌舞伎」といったテーマで語り、府立桃谷高校や某芸能スクール
など講師歴の長い蝶六も参加する。他に子供の咄に定評のある梅団治など。
落語家が普段高座では直接語ることのない思いなど落語の裏打ちを紹介する講座に
なりそうだ。
18歳以上であれば一般も参加できる。
講義日程は、4月13・27日、5月2・11・18・25日、6月1・8・15・22・29日、
7月6・13・20日の16時20分から17時50分。
大阪市立大学杉本キャンパス基礎教育実験棟にて受講料無料。   
 申し込みは、往復ハガキに住所・氏名・年令・電話番号を明記のうえ、返信用ハガキに
宛名を記入して3月10日までに〒558―8585大阪市立大学学務企画課「大阪落語への
招待」係まで。定員は百三十名で、申し込み多数の場合抽選。詳細は06・6605・3504
学務企画課まで。
なお、この模様はインターネットでも同時中継される。
 一方、小春團治はハーバード大学を始めコロンビア大学、ワシントン大学など全米
屈指の名門校で落語の実演の他、落語の歴史や寄席・弟子修行などを得意の字幕を
使って講演を行った。


小春團治にアカデミー賞!? 米国で一ヶ月公演

文化庁文化交流使としてニューヨークで活動している小春團治から2月16日、
「とらとやな」編集部に1枚の写真が届いた。
2月6日から、米国で一ヶ月にわたり落語のデモンストレーションや講演を行って
いるが、写真を見ると持っているのはまさしくアカデミー賞のオスカー像。
大阪シネマフェスティバルの春団治主演男優賞に次ぐ快挙かと思われたが、
よく見ると小春團治の服装がしょぼい。
米アカデミー賞と言えば、世界最大の映画賞。
受賞者だけでなく会場は観客や中継のテレビ・スタッフまでも正装しているので有名。
「これは…?」と添えられた手紙を見ると、たまたま通りかかったニューヨークの
タイムズスクエアで、アカデミー賞の前宣伝として展示があり、そこで自由にオスカーを
持って写真が撮れるとのこと。
本物のオスカー像らしいが、よく見ると盗難防止のコードが像に付いている「ひも付きの
オスカー像」だった。
ともあれニューヨークは連日氷点下5℃から10℃の厳しい寒さ、その中マンハッタンの
アパートを拠点に、ニューヨークのみならずピッツバーグやボストン、シアトルと全米各地で
落語のデモンストレーションを行っている。 
帰国は3月10日の予定。

ひも付きのオスカー像を持つ小春團治


豪華な結婚披露宴 おめでた続きの春菜

昨年5月に女子プロゴルファー宮里藍似の29歳のOL、弘子さんと入籍した春菜が、
暮れに心斎橋の某ホテルで結婚披露宴を行なった。
何でこんな暮れの忙しい時に…というバッシングもかなりあったが、それでも二百二十名が
集まり二人を祝福した。       
主賓には春団治夫妻、乾杯はざこば師、来賓代表福団治、そして司会に浜村淳氏と
豪華な顔ぶれ。
福団治が挨拶で「春蝶やん…あんた空の向こうで今時分、この披露宴見てるんやろなぁ…
嬉しい日やなぁ、良かったなぁ」とグーッと列席者を引き込む。
すると司会の浜村氏が「福団治さんの湿っぽい挨拶を聞いて頂きました」これには場内
大爆笑。
会場は終始和やかなムードであった。
小春團治・福車による「春菜・弘子の六大ニュース」では、みんなを驚かせるエピソードが
あった。
弘子さんのお母さんは5年前に他界しているのだが、亡くなる数日前に「弘子は『浜田』さん
という方にお世話になるからね」とこんな言葉を残していた。
弘子さんは春菜と付き合い出した当初、芸名の『桂春菜』しか知らず、数週間後に本名を
聞いた彼女は心臓が止まるかと思ったそうである。
因みに春菜の本名は『浜田大助』という。
改めて運命的な出会いを感じた二人だった。
春菜は今年『春蝶襲名』も控えているから、まさにおめでた続き。
しっかり者の弘子さんと力を合わせて襲名、やがて出産…浪花の春も近い。

メモリアルキャンドルに点火する春菜と弘子さん

囲む会覧板

「三代目春団治師匠を囲む会」は、落語の好きな人、人間をこよなく愛する人、そして
何よりも「人間・春団治」を大好きな人ならどなたでも大歓迎!
◎2月開催の「ほろ酔い寄席」ご来場ありがとうございました。
※次回は6月開催の予定。
この会では、「天満天神繁昌亭」見学ツアーなども計画中です。
寄席・行事参加・ご入会のお問い合わせは、「三代目桂春団治師匠を囲む会」事務局
06・6697・5858円覚寺まで、ご連絡ください。


後援会通信

春団治師匠を囲んでの催し物もある三代目桂春団治後援会本部では、いつでも新規
会員を募集しています。
◎4月29日(日)に池田市に於いて「春団治まつり」を開催します。
午前中は受楽寺で春団治碑法要、午後からはアゼリアホールで一門落語会(落語会案内
参照)があります。
※詳細は、後援会本部までご連絡ください。          
(三代目桂春団治後援会本部)ご入会、催し物のお問い合わせは、
〒544・0031大阪市生野区鶴橋四丁目十一の一、三代目春団治後援会本部、
八重樫06・6731・7475まで。
(関東応援団)
ご入会や催事のお問い合わせは、〒173・0037板橋区小茂根一の九の九
潟Gイクック内、関東応援団事務局伊藤03・5995・7551まで。




2006年11月吉日

待望の春蝶復活!
 
先日、新聞各紙に懐かしい名前が大きく取りあげられた。
そう、春団治一門だけでなく上方落語界、そして全国の落語ファンにも絶大なる影響を与えた
「桂 春蝶」その人の名である。
なんと、その名跡を息子の春菜が襲名する事になったのだ。
 春蝶は昭和37年、春団治に入門。デビューとともにマスコミで大ブレーク。
テレビ、ラジオで常に第一線のタレントとして注目を受けた。
落語家としての活躍も素晴らしく、松鶴・春団治・米朝・文枝、いわゆる四天王の
次の世代を担う噺家として独自の芸風を確立。
代表作に自作の「昭和任侠伝」、またユニークで風刺の利いた「ぜんざい公社」、
それに「悋気の独楽」をはじめとする女性を演じる噺には定評があった。 
 これからが噺家としての円熟…と思われた矢先、平成5年、51歳の若さで逝去。
「あれも人生、これも人生、とりあえずは自分のペースで…」これが春蝶の口癖だった。
 息子の春菜が、父親と同じく春団治の門下となったのは、平成6年。
入門後の出来は極めて悪く(笑)師匠から「本当にあの春蝶の息子なのか…」と
疑われる始末であった。
それから12年。師匠から怒られる回数は、あまり減ってはいないが、自身の落語会を
定期的にしたり、テレビ・ラジオのレギュラー本数も増えてきたりと確実に根を張ってきている。
 そしてこの度、春蝶一門の昇蝶・一蝶・蝶六、ならびに小春團治の推薦を春団治が
了承する形で、春菜の「三代目桂春蝶襲名」が決定した。
襲名の日時などの詳細は、まだ未定だが、菜の花から新たに蝶が飛び立とうとしている。
どんな羽ばたきを見せてくれるか、これからが楽しみだ。


故桂春蝶


春蝶襲名が決まった桂春菜


落語家初のNPO法人 小春團治が設立
 
 一門の小春團治が落語家で初となる落語のNPO法人(特定非営利活動法人)
「国際落語振興会」を設立した。
大阪府の認証、法人登記もすでに済み、活動を始めた。
 小春團治は6年前から海外での公演を行っていて、公演国はのべ12カ国にも及ぶ。
最近は現地大使館の主催や国際演劇祭の招待などが多いが、その度に資金調達をして
鳴り物方や字幕オペレーターなど総勢5人の渡航費用などを捻出してきた。
NPO法人となることで少しでも助成金や寄付金など資金調達がしやすくなればと
今回の法人設立となったのだが、法人設立となると定款や事業計画書、財産目録など
10数種類の膨大な書類を作成しないとならず一年がかりでやっと法人登記を終えた。
 国際落語振興会の活動第1弾は、10月に在日外国人向けの字幕落語会「RAKU−GO、
外国人を連れて寄席に行こう」をB1角座で開催し、英・仏2カ国語の字幕で外国人に落語を披露。12月にはトロント・カルガリーなど4都市を回るカナダ公演も予定されている。
また海外だけでなく、落語による地域のコミュニケーション作りも目的に掲げ、
各地の街づくりNPOと協力して落語会の開催も企画している。
 これからも落語による国際交流と地域のコミュニケーション作りのために活動していくとのこと。
 問い合わせは、06・4305・3523国際落語振興会まで。


NPO法人を設立した桂小春團治


桂 春雨 独演会
11月12日(日)17時
 春雨・一琴・佐ん吉
 東京都文京区、都営地下鉄三田線千石駅1分、三百人劇場
 前売二千五百円/当日三千円
 問い合わせ 03・3944・5451

桂 春之輔 落語会
12月5日(火)18時半
 ワッハ上方5階ワッハホール
 春之輔「けつね」・都・都丸・壱之輔・佐ん吉〈ゲスト〉横山ホットブラザーズ
 前売三千五百円/当日四千円
 問い合わせ 06・6649・8631松竹芸能




2006年9月吉日

祝!春団治喜寿

 昭和五年三月二十五日生まれの三代目桂春団治が喜寿を迎えた。 
 去る7月9日(日)、天王寺都ホテルにおいて「三代目桂春団治師匠喜寿・芸能生活
60周年記念祝賀会」が「三代目桂春団治を囲む会」の主催で行なわれ、その席で
黒紋付に袴姿の師匠春団治に、門弟一同を代表して筆頭弟子の福団治から花束と
祝いの品が手渡された。
 この先、傘寿・米寿・卒寿・白寿と長生きをして、華麗な高座姿を見せ続けて頂きたい
ものである。


祝賀会で挨拶をする春団治


小春團治が文化交流使に 米国で1ヶ月活動

 このほど今年度の文化庁文化交流使が決まり、これまでの海外公演の実績が認められ
落語家からは小春團治が選ばれた。     
 文化交流使は各界の文化人を世界に派遣して日本文化の紹介と交流を図るもので、
今年で4度目の派遣となる。7月20日、東京會舘において文化交流使指名書交付式が
行われ、河合隼雄文化庁長官より指名書が手渡された。
各界の文化交流使には能楽師の寺井栄氏、舞踊家の勝美巴湖氏、華道家の川井春香氏、
文楽の豊澤富助氏、九州大学教授(メディア芸術)の源田悦夫氏などが選ばれ、
それぞれ1ヶ月から1年の間、欧州や豪州、中国などで活動する。
 小春團治は来年2月に米国に派遣され、ニューヨークを中心に約1ヶ月落語の
デモンストレーションとワークショップを開催する予定。
現在拠点となるニューヨークの短期マンションを探しているが、2月のニューヨークは
氷点下10度にもなる極寒の地、無事帰ってこられるか?


指名書交付式後の懇親会で河合隼雄文化庁長官と







2006年7月吉日

小春團治仏公演大成功

独自の字幕方式で海外公演を続けている小春團治が、5月11日から19日まで
フランス公演を行った。
今回は2度目となるパリの他、コルマール、リヨンの3都市で春団治一門十八番ネタの
「お玉牛」と「皿屋敷」をフランス語字幕で披露。
各地の日本大使館や総領事館のサポートも万全で、特にパリは凱旋門脇の一等地に立つ
日本大使館広報文化部ホールでの公演となった。
このホールはナポレオン3世時代に建てられた文化財で、ベルサイユ宮殿かと思うほど
金色に輝くきらびやかな内装と、ルーブル美術館にも同じ物があるという豪奢なシャンデリアが
下がる立派な会場。
しかしこの豪華なシャンデリアがくせ者で、あまりにも大きいため、高座に座る時
シャンデリアの中に頭を突っ込んでしまう。
シャンデリアのおかげで高座の移動を余儀なくされたが、持ち込んだ毛せんを高座にかけ、
座布団を置いて座ると、和洋折衷のミスマッチながらゴージャスな寄席が出来上がった。
どの会場も、客席のほぼ8割を占めるフランス人の反応もよく、大きな笑いと拍手に包まれ、
フランス公演は大成功に終わった。
ただ一つ困ったことは、毎日フランス料理を食べていたせいで短期間ながら3キロ太ってしまい、
鳴り物で同行した福矢ともども小春團治は現在ダイエットに励んでいるらしい。




春菜が電撃入籍!

一門の末弟、春菜が5月10日付けで入籍していたことがわかった。
まだまだ若手と思っていた春菜も気付けば31歳。
そろそろ「年貢の納め時」と思ったのだろうか?
お相手は千葉出身で某TV制作会社に勤める福原弘子さん(29)。
初対面がまた色気のない場所(?)で、松竹芸能の寄席小屋B1角座。
落語のTV番組で、彼女が制作スタッフ、春菜が司会をしていたのが出会いだった。
それからすぐ一緒に住むようになり、なんと一年足らずでスピード婚。
ズボラな春菜にとって身の周りの世話もしてくれる優しい奥さんはとても心地がよい
存在だったのであろう。
しかし春菜、何もしないわけではない。
もともと料理が得意な彼は、夕食を新妻のため作ったりしている。
だが、春菜はかなりの大喰い。
彼の食生活に合わせてから弘子さんは10キロも太ってしまったのだ。
そのせいで彼女は職場で「できちゃった婚」と勘違いされ、その対応に追われているとか。
春菜と結婚するにあたって彼女には大きな悩みがある。
それはズバリ『春菜の母親とうまくやっていけるのか?』という問題だ。
初めて母親に対面したときのエピソードである。
弘子さんの顔をまじまじと見て「あんた、猿みたいな顔やな。生まれてくる子供、エテ公ちゃうかぁ、
ガハハ」彼女が凍りついたのは言うまでもない。
しかし、春菜の母も長年「春蝶の嫁」としてやってきた人。
「個性が強いけど、色々と教えてもらおう」と弘子さん。
どうぞお二人末永くお幸せに…


寄席場いいのに シリーズその11 「上新庄えきまえ寄席」

阪急上新庄駅すぐの春日神社で、日時や曜日はその月によって違うが、
毎月開催をしているのが『上新庄えきまえ寄席』である。 
20年以上継続していて地元のファンも多く、毎回会場には入りきれないほどのお客さんが
足を運んでくれる地域にしっかりと根付いた落語会である。
一門の梅団治は百回目からメンバーに加わった。
他に、文我・米平・三歩・三象・八天・宗助の6名がレギュラーメンバーで、
それぞれが毎月交代で独演会形式の落語会を開催をしている。
梅団治は「梅雨は梅団治の第2の季節」というサブタイトルで6月の担当。
そして、7月・12月にはメンバー全員が勢揃い。
先ず全員でご挨拶、アミダクジで出番・出番順を決め、出番の無い者は抽選会の司会といった
具合に全員が顔を見せる。
抽選会では噺家グッズなどたくさんの賞品が当たるのも楽しみだ。 
※次回開催は、7月11日(火)18時半から、詳細は落語会案内参照 




2006年5月吉日

連日大入満員 「極付十番落語会」

 三代目桂春団治が芸能生活60年を迎えたことを記念し「極付十番落語会、
繊細・華麗三代目桂春団治」が、3月29日から4月9日まで、大阪なんばの
ワッハホールで盛大に開催された。
初日の開場前にセレモニーとしてホール入り口で鏡開きが行われ、
十番の成功をお客さんと共に祈念し落語会はスタートした。
ロビーには懐かしい思い出の写真や極付十番の演目を演じる三代目春団治の
写真パネル、各方面から届いた祝い花が数多く飾られ、記念の会を盛り上げた。
 芸能生活60年の集大成ともいえる三代目春団治の繊細かつ華麗な落語と、
日替わりで出演する東西の人気落語家の舞台を観ようと、十日間で延べ三千人以 上の
ファンがワッハホールへ詰め掛けた。
三代目本人は公演前の記者会見で発表した通り、好きな酒を控え体調を崩さないように、
連日の高座を務め上げた。
 4月1日には、春団治の初主演映画「そうかもしれない」(保坂延彦監督)のプレミアム
上映会も同会場で行われた。
雪村いづみと共演し、壮絶でいて温かい老夫婦の愛を描いた作品で、秋の全国一般公開が
楽しみである。
 また、千秋楽ではちょっとしたサプライズが。
「皿屋敷」の口演が終わり深々と頭を下げる春団治。
バレ太鼓で緞帳が下がり始める。ところが、下り切る寸前で再び緞帳が上がり舞台袖から
マイクを手にした春之輔が登場。
楽屋に詰め掛けていた噺家たちを舞台へ呼び込み、観客とともに大阪締めで
「極付十番落語会」をめでたくお開きにした。
楽屋の粋なはからいに、春団治の目も少しうるんでいたようだった。


開演前の鏡割りで升酒を口にする春団治


落語界に新ユニット誕生

 落語界に新たなユニットが誕生した。その名もズバリ「ぼっちゃん5(ファイブ)」。
名前の通り、落語家二世のボンボンばかり五人で結成された安易ながらも話題のある
ユニットである。
 メンバーは、東京から林家いっ平(三平)・林家きくお(木久蔵)・三遊亭王楽(好楽)の三人と、
大阪からは月亭八光(八方)・桂春菜(春蝶)で、計五名である。※( )内は父親名。
 このユニット、すでに落語会やテレビ出演依頼が殺到しており、予想以上の反響だ。
どの業界も二世が活躍している今、落語界もこのユニットの今後の活躍に期待をしたい。


寄席場いいのに  シリーズ10 「福楽の底力」

 ワッハ上方4F上方亭で奇数月に開催をしている『福楽の底力』、
福楽自身がメインに据えているというこの落語会、本人に意気込みを語ってもらった。
「タイトルが示す通り正に私の底力を試す会であります。人間は案外、自分の事を
解っているようで解ってないもんです。
私もそうで、一体自分はどこまでやれるのかという発想のもとに今年から始めました。
番組は、前座・私・ゲストと出て、私がトリを取るというもの。
ゲストもなかなかのサムライぞろいで、この人達に負けてなるものかと自然と気合いが入ります。
 演目も一席目は軽いもの、二席目は大きなものを選んでいます。
大きなものといっても自分の中で思っているだけかも知れませんが…
とにかく一度来てみてください」とのこと、是非一度、足をお運びください。
 次回の開催日は、7月17日(祝・月)です。※詳細は、落語会案内参照 




2006年3月吉日

春団治60周年 集大成!十日間落語会


三代目春団治、若き日の高座姿

 昭和22年に二代目春団治に入門し落語家としての活動を始めた三代目春團治が、
今年で芸能生活60年を迎えた。
それを記念して「極付十番落語会、繊細・華麗三代目桂春團治」が3月29日から4月9日まで
(4月1日映画上映会・5日休館日)の10日間に渡り、大阪なんばのワッハホールで催されることと
なった。
 落語会のタイトルにもあるように、春団治の60年に渡る芸の集大成とも言える磨き上げられた
『繊細華麗』な十のネタを10日間トリで演じる。
春団治の至芸に加え、連日東西の大物落語家がゲスト出演し、一門も日替りで出演する。
落語ファンにとっては見逃せない舞台になる事であろう。
 記者会見で春団治は「この年になって10日間は大変だが、酒を控え体調に気を付けて最後まで
乗り切りたい」と意気込みを語っていた。
また、4月1日には春団治主演映画「そうかもしれない」のプレミアム上映会が同会場で行われる。


日航ホテル大阪で行われた記者会見


『極付十番落語会 繊細・華麗 三代目桂春団治』

ワッハ上方5Fワッハホール
前売4500円/当日5000円/10日間通し券4万円(お一人一日一枚有効)
[チケット発売]ワッハ上方06・6631・0884
 チケットぴあ0570・02・9999 各日券Pコード367・732/通し券Pコード784・211
[お問い合せ]松竹芸能鰍O6・6649・8631
【3 月】       
●29日(水)18時半 「子ほめ」春團治・福團治・三枝・岐代松・福矢 
●30日(木)18時半 「祝のし」春團治・小朝・正蔵・伯枝・春菜    
●31日(金)18時半 「寄合酒」春團治・ざこば・小つる・梅團治・福車  
【4 月】       
●2日(日)14時   「野崎詣り」春團治・松枝・鶴瓶・都・瓶太     
●3日(月)18時半  「代書屋」春團治・染丸・小春團治・竹林・銀瓶  
●4日(火)18時半  「お玉牛」春團治・南光・春駒・鶴志・春雨    
●6日(木)18時半  「親子茶屋」春團治・文珍・昇蝶・福楽・蝶六    
●7日(金)18時半  「いかけ屋」春團治・呂鶴・一蝶・志の輔・鶴二   
●8日(土)18時半  「高尾」春團治・福笑・春若・三喬・生喬     
●9日(日)14時   「皿屋敷」春團治・春之輔・松喬・福郎・壱之輔   
【プレミアム上映会】  
◎4月1日(土)11/13/15/17/19時 映画「そうかもしれない」
〈主演〉桂春團治・雪村いづみ 
ワッハホール
前売1500円/当日1800円
[チケット発売]ワッハ上方06・6631・0884
 チケットぴあ0570・02・9999 Pコード475・731


寄席場いいのに シリーズその9「落語サロンK」

 福島区出入橋の交差点から徒歩一分、ビル街の一角にある「ティールームK」というお店、
普段は15時までは喫茶店、夜はラウンジという小洒落たスペースです。
 ところが、落語会当日ともなりますと、定式幕を張り巡らせて、さながら芝居小屋です。
定員40名の会場は、場所がら勤め帰りのサラリーマンやOLなどでいつも超満員、
高座の際までお客さんで埋まります。
 H13年4月11日にスタートして以来、年四回のペースで開催して参りました。
 世話人を務めるのは春団治後援会会員の中井満晴氏で、氏が私・蝶六を応援しようと
始めたのがそもそものきっかけです。    
 これまで一門を中心に多くの方に出演していただきましたが、4月1日には20回目を迎えることと
なりました。
20回を記念して特別にこの近くのホールで開催します。
ゲストとして春団治師匠にも出演して頂きますので、どうぞ皆さんご来場ください。
※詳細は落語会案内参照   (蝶六)




2006年1月吉日

小春團治がCDデビュー 大阪弁ラップ発売

 小春團治がラップ・ミュージックでCDデビューを果たした。      
 9月22日から10月5日まで東京渋谷で行われた大大阪博覧会の公式イメージソングとして、
ソウルシンガーの松田一志と「こは・まつ」というミュージック・ユニットを結成して作られたのが
浪笑ップ(なにわらっぷ)「ごめんですんだら警察いらん」。
20年前にポニー・キャニオンより日本初の英語落語のカセットを出して以来の物で、
これで今年の紅白出場を狙っているとか。       
 京阪神のJEUGIA・ピットワンほかで1枚千円で発売中。
問い合わせはBSMFレコード(072・637・6718)へ。




〈お年玉プレゼント!〉

 「とらとやな」愛読者のみなさん、明けましておめでとうございます。
さぁ、ビッグなお年玉です。 
 春団治の高座姿と一門系図がデザインされた一枚物の春団治一門カレンダーを
何と30名の方に。
そして、中でも5名の方にはWプレゼントとして、福団治の手話落語の本・故春蝶の手拭い・
一面トップ記事の小春團治のCD・梅団治撮影のSLカレンダー・一門千社札シールセットの中から
一点が、さらに当たります。
 ご希望の方は、ハガキに「一門カレンダー希望」と住所・氏名・年齢をご記入の上、
〒558・0023大阪市住吉区山之内3・6・7・313大ア方「とらとやな」編集局まで。
 尚、応募の締め切りは、2月10日の消印有効、当選の発表は発送をもって代えさせて戴きます。




【検証古典落語】 シリーズその10 「池田の猪買い」の巻

 落語「池田の猪買い」で、猪肉を食べると体が温まるとあるが、今回の検証は、猪肉は
本当に体を温めるのか?
 私はかつて、文我兄の落語会の打ち上げや、蝶六兄の奥方の親類が鉄砲で仕留めたとかで、
野生のイノシシを何度か味わったことはあるが、今回はスーパー等で常時手に入るイノブタらしき
猪肉で間に合わせた。
ボタン鍋を食べる前の体温36.6度、食後に測ると36.8度、「おおっ、0.2度上昇したぞ!」
 ところが二日後、鶏や魚のチャンコ鍋でも0.3度上った。
やはりそうか、モノ喰たら、まして鍋ものなら多少体がほてって当然。
これはおそらく675年の詔勅で、牛馬犬猿鶏の肉食が禁じられて以降、鹿や猪だけは
薬喰いと称し食べ続けるための方便として効用が流布されたのであろう。
 余談だが、道順を教えるとこの「べにう」という寿司屋の子孫、紅谷さんに会ったことがある。
 結論…猪肉は美味だが特に体をぬくめる効果があるワケではない。 (福車)


寄席場いいのに シリーズその7「三人寄れば何とかなる会」
 
 高津神社にある高津の富亭で年3回開催している「三人寄れば何とかなる会」が、
2月19日にめでたく10回目を迎えさせて頂くことになりました。
 この落語会は、私、壱之輔と阿か枝(文枝門下)・染左(染丸門下)という平成8年に
入門した同期三人の落語会です。
これまで、諸事情で会場の変更を余儀なくされたり、台風が直撃してお客さんが
ほとんど来なかったりと様々なことがありましたが、高津の富亭に落ち着いてからは、
常連のお客さんも徐々に増えて名前の通り、やっと何とかなってきたかなぁと思っています。
 今回は10回記念(※落語会案内2月19日参照)ということで、この落語会の名付け親の
梅団治兄さんにもゲストとして出演してもらいます。
更に三人が持ち寄った豪華賞品?が当たる抽選会もありますので、どうぞご来場ください。
お待ちしております。(壱之輔)


シリーズその8「みとろ寄席」

 毎週日曜日22時50分過ぎ、サンテレビで、加古川温泉みとろ荘のCMが放映されています。
 そのCMに私、梅団治親子3人で出演させてもらっています、というのも「みとろ寄席」で
お世話になっているからで、平成10年から年四回、2・5・8・11月に一階の大広間で
開催しています。
そして今回は、師匠春団治を迎えての30回記念の会(※落語会案内2月17日参照)となります。
 宿泊プランもあって、温泉に浸かり…もちろん日帰りも可能。
みなさんも小旅行気分で一度お越しになってみませんか?(梅団治)


◎桂梅団治の梅満会

2月26日(日)14時開演 ワッハ上方5Fワッハホール           
〈出演〉梅団治・小梅・国本武春(東京より、浪曲)・ダックスープ・阿か枝  
前売り2500円/当日3000円        
(お問い合わせ)    
06・6606・5632事務局 06・6649・8631松竹芸能







2005年11月吉日

あの六本木ヒルズで 春団治株が急上昇!

 ある日突然、妻は認知症になり、特別養護老人ホームに…
作家である夫は口腔内ガンの治療のため入院…
夫の見舞いに老人ホームから車椅子に乗せられやってきた妻が、
何度か「これがあなたのご主人ですよ」と教えられた末、やっと口を開いて出た言葉は…
 春団治・雪村いづみ主演の映画「そうかもしれない」(監督・脚本/保坂延彦、
出演/阿藤快・下條アトム他)である。
 「老年文学の真骨頂」と高い評価を得た耕治人の壮絶で温かい夫婦の物語。
「老い」と「病い」という日常の中で、夫婦愛の極致を細やかに丁寧に、迷い無く描く大作である。
 この紙面でも以前、紹介した通り、テレビCMが保坂延彦監督氏の目に止まり、
監督自ら大阪まで春団治に出演を依頼しに来たとのこと。
 春団治は「この映画の話は、もしかしたら近い将来、自分自身が体験するかもしれないこと。
そんな時こそ、夫婦で助け合うという気持ちを持たないと…」自らが演じた映画の登場人物と
照らし合わせて、改めて夫婦の大切さを認識したという。
 試写を観終わって「ええか悪いんか、わしには分からん。ただ初めてにしては普通に
動けたかな?とにかく監督の言うようにしただけ」と謙虚に語る春団治。
 10月17日に開催されたイイノホールでの「春団治一門会」(関東応援団主催)の楽屋に
保坂監督とスタッフが姿を見せて、何やら映画の話をしている様子…
その数日後の26日午前10時半より、映画「そうかもしれない」が一般公開に先駆けて、
六本木ヒルズの「第18回東京国際映画祭」(日本映画・ある視点部門)で上映されたのである。
上映前には、保坂監督や共演の雪村さんらとともに紋付・羽織・袴姿で舞台挨拶に立った。
そしていよいよスクリーンに登場…上映後の客席には、ハンカチで目頭を押えている人の姿が
多数あったという。
 この映画、来年の春に一般公開予定である。
 ところで、六本木ヒルズと言えば近頃、世間を騒がせている「ライブドア」「楽天」「村上ファンド」等、
株の買収で注目される企業が多い。
 ひょっとして、この映画で、さらに『春団治株』が急騰するかも…今が買い!


二度あることは三度! 一門に宿替えブーム到来?
 
福車・春雨に続き春菜も最近、引越しをした。
 宿替えの理由は、歩くたびに激しくきしむ床、壁は極めて薄く、隣りの会話が全て聞こえる有様。
 おまけに以前、酒に酔った福矢に室内で立ち小便をされた経緯があり、何となく居心地が
悪かったようである。         
 引越し屋が提示した見積もりは、全部で一万九千円ポッチだったらしい。
いったい、どんな部屋に住んでいたのだろうか。
 さて今、彼が住む西区のマンション横にはスーパーがあり、新鮮でいい魚が手に入る。
小春團治もわざわざ車で買いに来るそうである。
おまけに夜九時を過ぎると魚や惣菜の値段が最大半額になるため、晩御飯を食べるのは、
いつも十時過ぎ。
そのため、引越しをして体重は3キロ増。
 それを聞いた師匠春団治「芸にも重みが出れば…」


独演会情報

桂春之輔落語会
11月25日(金)18時半
ワッハ上方ワッハホール 
桂春之輔「死ぬなら今」・横山たかし、ひろし(漫才)・内海英華・林家小染・桂壱之輔・桂ちょうば
前売り3500円/当日 4000円
〈お問い合わせ〉06・6649・8631松竹芸能


寄席場いいのに シリーズその6「中本落語会」
 
 東成区中本にある八王子神社参集所での「中本落語会」は、平成12年の12月が1回目で、
今までに計8回開催しました。
そして、私が毎回、トリをとらせてもらっているで、落語会ではなかなかやれないネタもしています。
一生懸命勉強して、早く9回目を…と思っているのですが…
 この中本というところ、私の産まれ育った地元で、今もここに住んでいます。
 ですから落語会に来るお客さんも、私のことを子供のときから知っているご近所の方がほとんど。
世話人を務めてくれる矢倉さんも息子と私が幼稚園から中学まで同級生、しかも矢倉さんと私の
父親も中学校の同級生という、地元ならではの世話人さんです。
 地元の人達の応援で、暖かい雰囲気の落語会ですので「とらとやな」をご愛読の皆様にも、
是非ご来場頂きますようにお願い致します。 (壱之輔)




2005年9月吉日

春雨、お前もか? 福車に続いて…

 前号では福車の引っ越しの模様を紹介したが、福車に引き続いて春雨も宿替えしたので、
今号ではそれをレポートしてみよう。
 春雨は「虚弱体質」を売りもんにしているが、ネタでも何でもなく本当に体力が無い。
その上、東京方面の仕事が結構多いので新幹線に乗る機会が多い。
そこで春雨は「体力を使わずに新大阪へ行くには新大阪へ住めば良い」という考えに至り引っ越しを
決意したらしい。
 春雨が不動産屋に出した条件は@新大阪駅まで徒歩10分以内、A築25年まで、
B出来れば閑静なところ、の三点。
条件が厳しすぎたのか不動産屋から連絡が入ったのは、頼んでから二ヶ月後。
不動産屋が見つけてきた物件は、新大阪センイシティにほど近い16階建てのマンションの10階の部屋。
「こんな条件にぴったりのマンションはめったに有りませんよ」と言われスグに契約をしたそうだ。
 引っ越し後、春雨が三つの条件を検証してみると、マンションの入り口から新大阪駅の改札まで
実測で徒歩9分だったので@の条件はぎりぎりセーフ。
 マンションは昭和57年に建てられたようなので、今年で築23年でAも無事クリア。
 ところがBの条件が問題だった。マンションが伊丹空港への離着陸航路の真下にあり、
第一種騒音地域に指定されてる事が判明。
下見に行った時には窓が二重サッシになっているので気がつかなかったのだ。
二重サッシは閉め切っていれば静かだが、開けると飛行機の騒音でテレビの音も聞こえない程だ。
気付いたのが引っ越してからだったので、もう後の祭り。
 でも春雨は「飛行機が飛ばない時間帯は静かですから、一度遊びに来て下さい」と明るく語っていた。
ちなみに、飛行機が飛ばない時間帯は午後9時から午前7時までだそうだ。


【秋の独演会情報】

 スポーツの秋、食欲の秋、そして芸術の秋。独演会のシーズンです。

▽桂 春駒 の会
9月29日(木)18時半  国立文楽劇場大ホール  
桂春駒「質屋蔵」「親子酒」・月亭八方・桂春菜
(お笑いアラカルト)横山ノック・乃木貴寛 (対談)新野新
前売り3000円/当日3500円        
チケットぴあ0570・02・9966[Pコード]362・370     
お問い合わせ06・6945・4655劇団往来

▽桂 春若 独演会
10月25日(火)18時半  ワッハ上方ワッハホール 
桂春若「天狗裁き」「悋気の独楽」・桂歌々志「阿弥陀池」・桂佐ん吉「道具屋」
ゲスト=木原美知子(フルート)        
前売り2500円/当日3000円        
お問い合わせ06・6649・8631松竹芸能

▽桂 春雨 独演会
11月5日(土)18時 三百人劇場(東京都文京区、都営地下鉄三田線千石1分)  
桂春雨「狸の鯉」「七段目」「悋気の独楽」・笑福亭三喬「おごろもち盗人」・笑福亭呂竹
前売り2500円/当日3000円       
お問い合わせ 03・3813・0070春雨会

▽桂 福楽 ひとり舞台
11月6日(日)18時半 ワッハ上方ワッハホール 
桂福楽「代脈」(ベース漫談)「子は鎹(かすがい)」・ミヤ蝶美、蝶子(漫才)
前売り2500円/当日3000円       
チケットぴあ0570・02・9966[Pコード363・845]     
お問い合わせ 06・6649・8631松竹芸能




2005年7月吉日

らせん階段のある家 福車一家が宿替え

 桂福団治門下の三番弟子で「一門の秘密兵器」と呼ばれている桂福車が、この春引っ越しをした。
二人の子供が大きくなってきて家が手狭になったために 引っ越しをすることになったそうだ。
福車が不動産屋に出した条件は「東成区内の一戸建て」。
普段から口うるさい、いやもとい、細かい事にこだわる福車にしては実にあっさりした条件だが、
東成で生まれ育った彼にとっては譲れない条件らしい。
不動産屋が探し出してきた物件は、東成区内の瀟洒な三階建て。
渡辺篤史が建物探訪で訪れそうなオシャレな家だ。
それもその筈、以前はモデルルームとして使われていたものらしい。
 玄関を開けると、いきなり目に入ってくるのが真っ白ならせん階段。
さすがは元モデルルーム。結婚式場で新郎新婦がスモークに囲まれて下りてきそうな階段だ。
二階のLDKには今はやりの対面キッチンが付いている。
仕事の無い日は料理好きの福車が自慢の腕を奮うそうだ。
最近では奥さんの実恵さんより福車の方が、料理をする日数が多いらしい。
三階の部屋のさらに上には広いロフトまである。道を隔てた向かいは喫茶店、
毎朝焙煎の香りがただよってくるので、お湯を飲んだだけでコーヒーを飲んだ気になるという特典もあるそうだ。
 しかし、困ったことが二つ。一つは、落語家の家なのに和室が無い事だ。
これでは正座をして落語の稽古をすることが出来ない。
仕方がないので、近くのホームセンターで軽量畳を一枚買ってきて、それをフローリングの上へ敷いているらしい。
浴衣を着て横長の畳に座って稽古してる福車の姿は、さながらお白州に座らされてる下手人のようであろう。
 もう一つは、らせん階段に慣れていない福車が、日に何回もスリッパを滑らせて三階から一階まで落としてしまうことだ。
スリッパを拾う為だけに一階と三階を往復する労力は大変なものである。
しかし福車は「スリッパを滑って落とすぐらいは、舞台で滑って落ちがつかないのに比べたらマシですわ」と明るく語っていた。


彦八まつり
 
地下鉄谷町九丁目の生國魂神社で毎年開催されている「彦八まつり」が、今年は9月3・4日(土・日)の両日に開催される。
 尚、今年は一門の春之輔が実行委員長を務める。 
 落語会はもとより噺家の屋台や催し物がイッパイ!
※詳細は06・6644・3619上方落語協会


囲む会覧板

「第10回ほろ酔い寄席」は大盛況。落語の面白さ、師匠の踊る姿にウットリ。
◇7月10日(日)13時より住吉区民ホールにて「総会」を開催します。ビンゴゲーム
など楽しいアトラクションが盛り沢山!
「三代目春団治師匠を囲む会」は、落語の好きな人、人間をこよなく愛する人、そし
て何よりも大事なのは「人間・春団治」を大好きな人ならどなたでも大歓迎です。ど
うぞ、気軽にご参加ください。
 ご入会や行事などのお問い合わせは、「三代目桂春団治師匠を囲む会」事務局06
・6697・5858円覚寺までご連絡下さい。


後援会通信

 「暑中お見舞い申し上げます」
あなたも一年を通じて春団治師匠を囲んでの催し物がイッパイの「三代目桂春団治後
援会」に入りませんか?         
(三代目桂春団治後援会本部)ご入会、催し物のお問い合わせは、〒544・003
1大阪市生野区鶴橋四丁目十一の一、三代目春団治後援会本部、八重樫06・673
1・7475まで。
◎10月17日(月)18時半 「春団治一門会」東京霞ヶ関、イイノホール※詳細は落語
会案内をご参照ください。          
(関東応援団)一門会とご入会のお問い合わせは、〒173・0037板橋区小茂根
一の九の九潟Gイクック内、関東応援団事務局伊藤03・5995・7551まで。




2005年5月吉日

春團治銀幕デビュー 映画初出演で主役

 ハリウッドで唯一の日本人メーキャップアーチストとして活躍している、佳緒里・
ナラ・ターナーさんがメーク監修として参加する話題の保坂延彦監督の映画「そうか
もしれない」が3月27日にクランクインをした。          
 その話題の映画に一門の御大、桂春団治が芸能生活59年目にして初出演する、
しかも主演。春団治はクランクインの二日前、25日に七十五才の誕生日を迎えたばかり。
 この映画の原作は、耕治人氏の命終三部作と呼ばれるもので、アルツハイマーの妻、
高山ヨシ子役を雪村いづみさん、作家でガンに侵され余命少ない夫、高山治役を
春団治が務めるという夫婦愛の物語である。主役に抜擢されたのは、春団治が出演して
いる通信販売のCMを見た監督が役柄にピッタリだと思ったからだそうで、頑なに断っていた
春団治を熱心に口説きおとした。
 海外での映画祭や上映も見据えての撮影は、横浜市内にある三十坪ほどの一軒家
(空家)を中心に、病院、公園、商店街などで行なわれた。
 正蔵襲名公演の衣装を取りに帰ったり、病院へ行ったりと2〜3回は大阪へ帰って来た
そうだが、4月17日のクランクアップまでの三週間は、ホテルを遅くても朝8時ごろには出発し、
どんなに早くても夕方7時過ぎになってからホテルに帰るという生活。
いつもは呑み過ぎたときには肝臓の注射を打ってもらうのだが、ここは東京、呑み過ぎて
倒れたら皆さんに迷惑が掛かるというので、ホテルに帰ってからの食事では、ストレス解消に
毎日チビチビと一合だけやっていたそうである。     
 映画に出演した感想は?「落語と違うて映画の撮影は、ストーリーが順番に運ばへんさかい
役者さんは役作りが大変やなあ。今にも死にそうなほど弱っていたシーンを撮った翌日は、
元気やったりして…。あのバラバラに撮影したのが、どないなるのやろ。楽しみやなあ。
けど正直、しんどかった。周りの皆さんに恵まれたんで助かったけど、たぶん映画の世界やない
人間ということで温こうしてくれはったんやろな」…そうかもしれない。  
 共演者は阿藤快氏・下條アトム氏・夏木陽介氏・烏丸せつこさん…らで、同業の柳家小三治師も
花屋の主人役で出演をしている。


小春團治独演会

【大阪】        
6月4日(土)18時半開演
ドーンセンター7階ホール(地下鉄・京阪天満橋5分)
小春團治「高津の富」「お庄屋と11人」(小春團治作)・福車「餅屋問答」・風喬「大安売り」・
〈ゲスト〉シンデレラエキスプレス(漫才)
前売り2500円/当日3000円        
チケットぴあ0570・02・9999=Pコード予約0570・02・9966(Pコード361・287) 
ローソンチケット=Lコード予約0570・063・005(Lコード54933)
お問い合わせ06・6649・8631松竹芸能  

【東京】        
6月24日(金)18時半開演
深川江戸資料館(地下鉄清澄白河3分)
小春團治「高津の富」「お庄屋と11人」(小春團治作)・福車「餅屋問答」・入船亭遊一「浮世床」・
〈ゲスト〉笑福亭鶴光「西行鼓滝」 
前売り2500円/当日3000円           
チケットぴあ0570・02・9999=Pコード予約0570・02・9966(Pコード361・237)
ローソンチケット=Lコード予約0570・063・003(Lコード34588)
お問い合わせ06・6649・8631松竹芸能


寄席場いいのに シリーズその5「ひらの寄席」

 東住吉区中野の平野区画整理記念会館で奇数月の第二木曜日に開催している「ひらの寄席」は、
故・桂米之助師が「若手の噺家に舞台の機会を与えて欲しい」と同館に要請してくれて、一九八三年
から始まりました。一回目から出演をしている米輔君と私でその遺志を継ぎ、一昨年に20周年、そして
百回記念の節目を迎えました。
 この「ひらの寄席」は、昨年まで出演者五名・入場無料で開催をしていました。
しかし、厳しい経済情勢の中で継続が難しくなりましたので、現在は木戸銭五百円で、番組を
変更することなく継続しています。
 平日の昼(13時半開演)の開催なので、地元のお年よりを中心に、地域に根付いた、
落語にこだわった落語会として毎回、百名を越えるお客様で賑わっています。
みなさんのご来場をお待ちしています。(春若)
※平野区画整理記念会館は、地下鉄駒川中野から南へ徒歩10分。
お問い合わせは06・6702・0513


囲む会覧板

 「三代目春団治師匠を囲む会」は、落語の好きな人、人間をこよなく愛する人、そして何よりも
大事なのは「人間・春団治」を大好きな人ならどなたでも大歓迎です。
どうぞ、気軽にご参加ください。      
◇6月12日(日)18時開演「ほろ酔い寄席」を住吉会館にて開催致します。
 今回の「ほろ酔い寄席」は、十回記念ということで出演者が五名(いつもは四名)、
しかも春団治師匠には落語一席の後、踊っていただくという贅沢なプログラム。
会員の方はもちろん、一般の方も気軽にご来場ください。
 ご入会や行事などのお問い合わせは、「三代目桂春団治師匠を囲む会」
事務局06・6697・5858円覚寺までご連絡下さい。


後援会通信

 あなたも一年を通じて春団治師匠を囲んでの催し物がイッパイの後援会に入りませんか?
 さて、今年は長期のゴールデンウィークでしたが、どこか、ご旅行にお出掛けになられましたか?
旅行といえば、この時期、後援会恒例のご案内です。   
◇6月5・6日(日・月)一泊二日の「バス旅行」があります。
春団治師匠と一緒に旅に出掛けませんか。旅先や旅費などの詳細は本部まで。       
(三代目桂春団治後援会本部)ご入会、催し物のお問い合わせは、
〒544・0031大阪市生野区鶴橋四丁目十一の一、三代目春団治後援会本部、
八重樫06・6731・7475まで。
(関東応援団)ご入会のお問い合わせは、
〒173・0037板橋区小茂根一の九の九潟Gイクック内、
関東応援団事務局伊藤03・5995・7551まで。




2005年3月吉日

春団治が東京移住!?

 春団治が東へ東へ…と言っても、こんな季節に「野崎詣り」に行くわけではありません。
ここ最近の師匠、特に東京での仕事が急増しているのです。
 私には、江戸と言えば『粋でいなせ』というイメージがあります。
 面白くても、どこか品格が舞台に漂わないと、東京のお客さんは、なかなか受け入れて
くれないのではと、そういった意味でも春団治は、関西は言うに及ばず、東京でも最も愛される
上方芸人の一人と言えるのではないでしょうか…マチガイナイ!
(これを書いているのは春菜ですヨ。師匠ー)
 3月20日(日)は「東西落語研鑚会」へ出演…帰阪して、又すぐ3月末〜4月にかけて
東京で映画撮影が予定されているとのこと、しかも何と主演で…。
その詳細は、残念ながら今回の「とらとやな」では読者の皆様にお伝えできませんが
(次号では、もう少し詳しく掲載できるかな?)、高座姿とは一味違った春団治の姿をスクリーンで…
楽しみです。
 まだまだ、映画のロケも終わらない。「こぶ平改め林家正蔵襲名披露興行」にも4月4・5・6・7日の四日間、
落語と口上で出演。
「東京に宿替えするのでは?」と心配になり、師匠に聞いてみました。
「師匠、この頃、えらい東京の仕事が多いですなぁ。大阪を捨てる気やおまへんやろな?」
すると師匠が「何言ってやんでぇ。べらぼうめ」って、まさかねぇ…笑


上方落語の定席 「天満天神繁昌亭」

「とらとやな」編集局に、お客様より「天満天神繁昌亭」の詳細をというおハガキを頂いたので、
一門の春之輔(上方落語協会副会長)に聞きました。

 戦前まで大阪には、多くの寄席がありました。
当然、今回「天満天神繁昌亭」の建設を予定している「天満の天神さん」界隈にもありましたが、
現在では、天満に関わらず「落語の定席」そのものが大阪にはないのです。
 ところが、この度、天満宮や地元の商店街のご協力を得て「天満天神繁昌亭」の建設を推し進める
ことができる運びとなりました。
 この落語の定席ができることにより、お客様には師匠連の洗練された芸から、駆け出しの若手の
芸まで、お客様の都合の良い日に、いつでもご覧頂くことができるようになることはもちろん、我々、
噺家にとっても師匠方・先輩方の芸を舞台袖から盗む・学ぶ場所ができるということで意義のある
ことだと思っております。
 その定席「天満天神繁昌亭」設立について、皆様方からの寄付金を募ることになりました。
「1口1万円」とし、ご寄付を頂いた方々のお名前を記した提灯を寄席小屋周辺に飾らして頂く予定で
あります。    
 三枝会長を始め、協会員一同が、力を合わせて頑張りますので「とらとやな」ご愛読の皆様、
春団治一門、何より落語界を応援してくださっている皆様のご協力を宜しくお願い致します。 (桂春之輔)

寄付金についてのお問い合わせは、06・6352・6266天満天神繁
昌亭開設準備委員会(平日10時半〜17時半。土・日・祝日は休み)まで。


こんにちは赤ちゃん貴春がパパよ

 一門の誰も知らないうちに貴春君に子供が産まれ、パパになったそうです。
そこで久しぶりに紙面に登場してもらうことに…
「おめでとう。子供を紹介してください」
「名前は晴紀(はるき)、平成16年10月25日に2985gで生まれました。申年です」
「今の心境は」
「毎日、子育てにガンバっています(仕事もガンバレよ)。ホンマに子供はカワイイですね。
私も実は同じ申年なので、親子みんなで猿のようにカシコクなりたいと思っています(猿知恵?)」
 何はともあれ、子供が自慢できるようなお父さんになってもらいたいものであります。


寄席場いいのに シリーズその4「須磨寺落語会」

 S58年5月から始まった私が開催している落語会の中でも最も古いものです。
年5〜6回の開催で、初めは同期の竹林さんと、そして今は鶴二君と一緒にやらせてもらっています。
 20周年は鶴瓶・文枝の両師匠、また百回記念は雀々・春団治の両師匠を迎え開催させて頂きました。
 最近はいつも60名ほどのお客様にお越し頂いております。
今年の一月公演は何と百十名を越える盛況で、お帰り頂いたお客様もいらっしゃいました。
本当にご迷惑をお掛けしました。
 さて、この須磨寺は、今年のNHK大河ドラマには欠かせないお寺で、源平縁の品もたくさん展示を
しております。
 何故、こんな有名で大きなお寺で落語会が開催できるかというと、実は、この須磨寺の管長さんは
福岡大学落語研究会の先輩なのであります。
先輩のご好意により、会場費無料のうえ、いつもカンパまでして頂いています。
ホンマにエエ先輩をもって幸せです。
 どうぞ、この機会に観光を兼ねて是非ご来場ください。(梅団治)


囲む会覧板

「三代目春団治師匠を囲む会」は、落語の好きな人、人間をこよなく愛する人、
そして何よりも大事なのは「人間・春団治」を大好きな人ならどなたでも大歓迎です。
どうぞ、気軽にご参加ください。
 ご入会や行事などのお問い合わせは、「三代目桂春団治師匠を囲む会」事務局
06・6697・5858円覚寺までご連絡下さい。


後援会通信

 南の方から桜前線が近づいて来る季節になりました。今年のサクラの咲き具合はどうなることやら。
 さて、あなたも一年を通じて春団治師匠を囲んでの催し物がイッパイの後援会に入りませんか?
◇4月29日(金・祝)「春団治まつり」を池田市にて開催致します。 
 午前中は受楽寺において春団治碑法要、午後からは池田市文化会館において一門落語会を
予定しております。※詳細は本部まで。 
(三代目桂春団治後援会本部)ご入会、催し物のお問い合わせは、
〒544・0031大阪市生野区鶴橋四丁目十一の一、三代目春団治後援会本部、
八重樫06・6731・7475まで。
(関東応援団)ご入会のお問い合わせは、〒173・0037板橋区小茂根一の九の九潟Gイクック内、
関東応援団事務局伊藤03・5995・7551まで。




2005年1月吉日

ビッグなお年玉
一門カレンダーを20名の方に

 新年あけましておめでとうございます。今年も春団治一門の御贔屓を宜しくお願い申し上げます。
さて、皆様の日頃のご贔屓に感謝いたしまして、三代目桂春団治後援会が毎年、
会員の方々に配っている「春団治一門カレンダー」を何と今年は20名の「とらとやな」愛読者の皆様に
プレゼント致します。
カレンダー(写真掲載)には、御大春団治の高座姿のカラー写真と一門の系図がデザインされています。
 ご希望の方は官製はがきに「一門カレンダー希望」とご記入の上、住所・氏名・年齢・よく行く落語会・
好きな落語家・「とらとやな」へのご要望などを記入し、
〒558・0023 大阪市住吉区山之内 3・6・7・313大崎方「とらとやな編集局」までお送り下さい。
 ご応募の締め切りは1月31日必着で、応募多数の場合は抽選とさせて頂きますが
「こんなに当選する確立の高い抽選は少ない?」という世間ではもっぱらの評判ですので、
ドンドンとご応募下さい。
 尚、当選の発表は発送をもって代えさせて戴きますのでご了承ください。  
(訂正)このカレンダーに記載されています小福→福楽に、小春團治の弟子に治ん太
を加えてください。


年頭に思う

 あけましておめでとうございます。
 今年は、大阪の落語家にとってワクワクドキドキする年になりそうです。
御存知の方は御存知やろうし、御存知やない方は御存知ないと思いますが、
今秋「天満天神繁盛亭」(仮称)が開席致します。
 昭和47年六代目松鶴師匠が先頭に立って創った「島之内寄席」。
あの時から念願だった落語定席です。
 島之内で頂いた丸十のお寿司、20円のあられ茶、一芳亭の焼売etc。
あの想い出が又、味わえる。落語会に来て下さい。(春若)

「誰からも好かれる素敵なおっさんになろう!」  (小春團治)

 賀正 故春蝶に入門して早や二十七年、あれやこれやと思いながら何もできず時間だけが
過ぎて行く日々でした。
今年こそは自分の目標を目指して切磋琢磨できる一年にしたいです。一蝶もやるときはやる。
そう言われる努力の年にしたいです。
えぇ自分の目標は何やて?「それはいえん」以上。 (一蝶)

 「高座も私生活も私の芸名同様福を招く楽しいものにするべく気楽にガンバリマス」 (福楽)

 今年は噺家になって25年の節目の年、そして酉年の年男。
「梅満会」の盛会はもちろんですが、夢である個展「SL写真展」をギャラリーでしてみたい。
これが噺家の夢かな?(梅団治)

 昨年、歌手の松崎しげるさんのトークショーを六日間通しでお相手させて頂いた。
二日目終わりの打ち上げで、「蝶六、お前落語家だろ。俺のプロフィール云々とか司会とか
いいからちゃんとネタして落語家蝶六をアピールしてから俺を呼び込めよ。
でないと成り立たないよ。」落語会以外の仕事の方が多い私ですが、そんなわけで今年はちょっと…
思うところが多々あるのです。(蝶六)
 「酉」年なので「トリのように羽ばたける年にしよう」と嫁ハンに言うと「ニワトリは羽ばたいても
バタバタ音がするだけで飛び立てへんで」と一言。
そこで、「どこへ行っても立派にトリをとれる噺家」になれるよう頑張ることに方向転換致しまし
た。(春雨)

 大阪は景気回復傾向との報告ですが、福車の家は火の車。
抱負などと格好つけとる場合では無いのです。
今年は生まれ変わったつもりで平身低頭、粉骨砕身がんばろうと思いますので、
落語会でも皿洗いでも仕事をください。(福車)

 目標は色々、車の免許取得、そして車も欲しい、引越しもしたい。
何より嫁が欲しい。「家族を持たないと、一人前になれない」と言われました。
これだけ書いても「落語」という文字が出てこない。
最大の目標は、そんな自分をなんとかすることです…涙 (春菜)

 今年の目標はまず「ギャンブルをやめる」毎年言ってるけど。
これさえ実行すれば心も生活も豊になれる。ガンバロウ!あと「勉強会復活」来てね。(福矢)

 今年の目標は「もっと字が上手くなりたい」。
子供みたいですが、とにかく字が汚いんで、ある先輩に、「今まで見た噺家の字の中で一番下手や」
と言われました。休みの日は習字の稽古をしよう?(壱之輔)







2004年11月吉日

春団治夫妻がシン・キン・婚旅行
トワイライトEXPで北海道へ

 昭和30年8月5日、寺田町の自宅において挙式が行なわれ一組の夫婦が誕生した。
それが現春団治夫妻である。それから五十年の歳月が流れ、今年、金婚式を迎えた。
 当然、弟子達は「何かお二人に思い出になるプレゼントを」と思い、相談の結果、
旅行をプレゼントすることになった。
旅先は、師匠の希望もあり北海道、理由は鉄道ファンでもないのに
トワイライト・エクスプレスに乗りたかったそうで、どうやらこの列車の行き先が
たまたま北海道だったらしい。
夫人は一度、乗ったことがあるらしく、乗ったことのない自分が悔しかったのかもしれない。
 一門新聞「とらとやな」の取材もあり、私、梅団治が大阪駅のホームに行くと
発車20分以上も前なのに春団治夫妻は列車に乗車して寛いでいた。
どうやら室内はすっかり点検済みで、色々と説明してくれた。  
 夫人曰く、今回の旅行は名付けて「新・金・婚旅行」だそうで、
激動の時代を生きてきたお二人は、当然、新婚旅行には出掛けてはいない。
そこで「新婚旅行」と「金婚旅行」を併せて「新・金・婚旅行」となった訳である。
 仕事に関係なく、二人だけで旅をするのは初めてだそうで本当に楽しそうな顔をして旅立ったのだが、
生憎の曇り空のため、日本海に沈む夕日は見られなかった。
それどころか信号機の故障で列車は2時間50分遅れで目的地の登別駅に到着、
もう少し遅れると特急料金が払い戻しになると聞かされた師匠春団治は悔しそうな顔をしていたらしい。
 観光よりも温泉でのんびりとしたいというお二人は、二日間、登別温泉で、新・金・婚気分を味わった。
 大阪へ帰る日、宿から乗ったタクシーの運転手が「列車まで時間があるので、鮭を見に行きませんか。
産卵で今、鮭が凄い勢いで上ってきていますよ」とのこと。
「それじゃあ」というので鮭見学に…連れて来られた海をみて「何やこれは、騙された。
メーターを上げよと思て、こんなとこへ連れてきやがって」。
ところが、グルッと回ってすぐ横にある川の中を見て、もうビックリ仰天。
いるわ、いるわ、鮭がいるわ。
小さな川だけど因幡の白兎のように鮭の上を歩いて向こう側へ渡れそうなほど、
ギッシリと鮭が川の中に詰まっている。
そのとき、師匠春団治は手掴みで捕れるのにもったいないと思ったそうで、
捕りたくても捕れない、悔しい思いがしたという。
夫人が「鮭は偉い。ちゃんと産卵のために自分の郷へ帰ってくる」と言いながら師匠の方を見ると
「わし酔うたら家忘れる」とごまかしていた。
この鮭のシーンはもの凄くオススメだそうである。
 この記事を書いているとき、師匠から今回の一門新聞に載せてもらいたいことがあると電話があった。
「今回の新・金・婚旅行はいい思い出になった。
旅行をプレゼントしてくれた弟子、孫弟子、皆に感謝している。ありがとう」



初の一門後輩
壱之輔が治ん太に

 私が師匠春之輔に入門して八年、後輩も増えて、今では噺家全体で30名程もいるのですが、
なぜか一門にはいませんでした。
 ところが去年の十一月、ついに待望の一門の後輩が入ってきたのです。
それが治ん太君で小春団治兄さんのお弟子さんです。
 彼は七年後輩ですが、私と似ているので親近感を覚えます。
私と彼は同年、しかも同月の生まれで、さらに二人とも恐ろしく不器用だということです。
 私は修行時代に師匠や兄弟子にホンマによく怒られました(今も…)。
彼が怒られているのをみると入門当時を思い出して懐かしくなります。
昭和53年6月生まれはひょっとしたら不器用な人間が多いのかも(同年月の方ゴメンナサイ)。
 そんな彼も九月二日、ついに初舞台の日を迎えました(良かった)。
お客さんのウケも良かったそうです。
本人は「緊張して頭の中が真っ白でした」と言っていましたが、
私なんか緊張のあまりネタを忘れ絶句したことが、数回ありました(今は大丈夫?)。
とにかく私にとって待望の一門の弟弟子ですので、これからもガンバって欲しいと思っています(私も…)。




2004年9月吉日

独演会のご案内

桂春駒の会
拝啓 相変わらず蒸し暑い日々が続いております。いかがお過ごしでしょうか。
さて、恒例「春駒の会」を九月二十九日に国立文楽劇場にて開催させて頂きます。
今回は、いつもお世話になっております桂ざこば兄様、そしてザ・ぼんちさんの漫才、
福矢君と皆様のお力添えを受けまして、又、楽しい一夜を過ごして頂ければと
思っております。
何とぞ、今回もお誘い合わせの上、ご来場の程、宜しくお願い申し上げます。
敬具 春駒

桂 春駒の会
九月二十九日(水) 午後六時半開演
国立文楽劇場大ホール
〈出演〉春駒「池田の猪買い」「立切れ線香」
 ざこば/ザ・ぼんち/新野新/福矢
【前売り券】チケットぴあ 0570・02・9966 Pコード355・531
【お問い合わせ】褐団往来 06・6945・4655



桂春若独演会
今年は、この夏、米朝師匠にお稽古頂いた「はてなの茶碗」と
新作「新選組?壬生菜に鴨」を演らしてもらいます。
「はてなの茶碗」は米朝師匠をお聞き頂くのが一番ですが、
何とか自分なりの工夫が出来ればと思っています。
「新選組?壬生菜に鴨」はNHK大河ドラマ「新選組!」ということで、
三月に小佐田定雄先生に書いて頂きました。
元々、司馬遼太郎先生の「新選組血風録」「燃えよ剣」昭和四十年代
テレビ放映時分からのファンなので、そのあたりの話も織り込みながら
演らして頂きます。
ゲストは漫才の酒井くにお・とおるさん、落語は桂吉坊さんと桂春菜さんという
可愛い?噺家さん達です。
ご来場の程、よろしくお願い申し上げます。春若拝

桂 春若 独演会
十月二十五日(月)午後六時半開演
ワッハ上方、5Fワッハホール
〈出演〉春若「はてなの茶碗」「新選組?壬生菜に鴨」
 吉坊「軽業」・春菜「延陽伯」 《ゲスト》酒井くにお、とおる
【お問い合わせ】 松竹芸能(芸能部) 06・6649・8621


桂春之輔落語会

桂春之輔落語会は十一月五日(金)十八時半より
ワッハ上方5F演芸ホールにて開催されます。
まだ詳細は決まっていませんが、主役の春之輔は「もう半分」ともう一席、
そして豪華なゲストも楽しみのひとつです。
どうぞご来場ください。
もちろん弟子の壱之輔も付いてます(豪華なオマケ?)。
前売り3500円/当日4000円。
お問合せは松竹芸能芸能部06・6649・8621まで。

 
東京公演

桂小春團治独演会  
9月14日(火)18時半  
小春團治「漢字悪い人々」(作小春團治)「高尾」・
生喬「遊山船」・古今亭志ん公「転宅」・
ゲスト林家いっ平
東京、新宿サンモールスタジオ(営団地下鉄丸の内線新宿御苑駅徒歩3分) 
前売り2500円(チケットぴあ・ローソンチケット)/当日3000円
お問い合わせ 06・6649・8600 松竹芸能
 

桂春雨独演会    
10月15日(金)18時45分 
(出演)春雨・伯枝・歌々志
三百人劇場(東京都文京区、都営地下鉄三田線千石駅1分)
前売二千五百円/当日三千円
お問い合わせは、03・3944・5451








2004年7月吉日

強化月間スタート スタンプ2個ゲット
近々、新商品登場!

春団治一門のスタンプラリー強化月間が7月11日から8月31日まで行われることになった。
この期間中に◆の付いているスタンプラリー参加落語会に行くと、なんと従来の倍のスタンプが押してもらえるというわけだ。
しかも、今回の目玉商品は特製汁椀。
スタンプ45個を集めると、春団治が描いた「竹」「柳に蛙」「柳に舟」の3種類のお椀がもらえる。
あなたもこの機会にスタンプカードを入手して、スタンプをいっぱい集めて珍しい一門グッズを手に入れよう。


寄席場いいのに 
その2 天満与力町寿座明福寄席
ここはJR天満から10分、帝国ホテルの西200m程の所にある明福寺というお寺で
開催している桂春団治一門の落語会で小春団治が世話人を務めている。
年3回開催しているこの落語会は、スタート当初は「明福寄席」という名称だったが、
平成14年3月3日の第20回記念落語会を機に名称を「天満与力町寿座明福寄席」と変更をした。
第2次世界大戦以前の天満地域は、天満宮近くの「天満座」、与力町の「寿座」など、
芝居小屋もあり大阪文化盛んな土地柄だったと言われている。
地域寄席としてかつての芝居小屋の名称を復活し再スタートを切った。
◆スタンプラリー実施落語会でもある。




その3 ECC落語会
今回、ご紹介のもう一つは昨夏に始まり、4回目を迎える「ECC落語会」です。
英会話のECCが何故?同校では「真の国際人を育てるには日本文化を知って頂くこと」との
理念から落語や狂言の教室を次々に開校、芸能文化を多いに盛り上げようと
尽力されていますが、何と一門の蝶六と福車が2クラスある落語教室のメイン講師を務めているのです。
会場のECCアーティストカレッジ芸能ホールは、見台や鳴り物も完備、
ワッハ上方も手がけたグリーンアートさんにお願いし、落語会などにうってつけのスペース(約70人)に仕上がっています。
尚、9月17日の「ECC落語会」は、ECC落語教室終了後に小春団治門下となった
治ん太、同校英語落語講師のかい枝、そして出丸、福車の4席です。
どうぞご来場下さい。


彦八まつり

生国魂神社(地下鉄谷町9丁目)で開催される年に一度の落語家によるファン感謝デーで、
今年は9月4・5日(土・日)。
今回の実行委員長は鶴瓶師で、豪華なゲストを迎えて行われる。
どうぞご来場下さい。




2003年11月吉日(増刊号パル)

春駒の会 ご挨拶

二十周年記念公演「桂春駒の会」を別記のプログラムで開かせて頂きます。
ありがたいことでございます。
昭和59年11月15日(木)に、第一回目を開かせて頂きまして、それから、二十年、
イタチいやハタチ、無事!成人式を迎えることに相成りましてございます。
心安く応援出演して頂きました亡きミヤコ蝶々先生、京山幸枝若先生、
そして今回も、出演予定頂いておりました夢路いとし先生、師匠連、先輩、
仲間の皆様方、本当にありがとうございました。
継続は力なりとか申しますが、続ける事をお許し頂いたお客様方の御厚情、
誠に誠にありがとうございました。
私メ、この御恩に報いる為、今回、いや、30回記念公演までは、
まだまだひつこく皆様方甘え続ける所存でございます。
まずは今回、豪華なゲスト、楽しい仲間、私メの二席、存分にお楽し
み頂くよう御来場の程、
厚く厚くお願い申し上げます。

11月27日(木)18時半「桂春駒の会」
 春駒・春団治・喜味こいし・新野新・鶴瓶・春菜
 地下鉄、近鉄日本橋、国立文楽劇場大ホール 06・6945・4655劇団往来





2003年9月吉日

春団治がナンパ?! 小春団治が保険の勧誘?
CM師弟競演

最近、春団治が年配の女性をナンパしていると巷の噂になっている。
目撃されているのはいずれも病院の待合室。
確かに春団治は毎日のように病院通いをしているが、その病院の待合室でナンパとは・・・。
早速一門調査班が調査に乗り出した。
張り込むこと5日、ついに春団治のナンパ現場をキャッチした。
病院の待合室で隣に座った美熟女に、古い映画の話で興味を引き、
最近プラズマテレビとDVDを買ったので見に来ませんかと確かに誘っている。
おまけに「男の一人暮らし」と、独身を装っているではないか。
春団治には「アーちゃん」という来年金婚式を迎える長年連れ添った夫人がいるというのに。
一緒に飲み屋をはしごするなど仲むつまじい姿を目撃され、
近所ではおしどり夫婦と評判の春団治が、アーちゃんに隠れて独身を装ってナンパするとは。
愕然とする調査班に、今度は「小春団治が保険の勧誘をしている」と言う情報が飛び込んできた。
こちらも調査すると、小春団治が団地の掲示板からスーツ姿で主婦達に保険を勧誘してるではないか。
月々の保険料が高いと嘆く主婦に、お得な保険があると持ちかけている。
不景気とはいえ小春団治がアルバイトとは・・・。
実は春団治も小春団治もCMのひとこまでした。
春団治は通販会社「ジャパネットたかた」のプラズマテレビのCM。
小春団治は「オリックス生命」のCM。
しかし春団治のナンパ口調とフラれてからの拗ねた表情は、どうも演技とは思えない。
30秒と1分という比較的長いCMなので、みなさんも二つのCMを見つけて二人の迷演技をご覧ください。


春団治のCMの一コマ。


蝶六・福車が講師 高座ならぬ講座で一席

今、落語を観客の立場で聞くだけでなく実際演ってみようというワークショップが各地で催されている。
梅田にあるECCアーティストカレッジの落語講座では毎週水・木曜日に
それぞれ蝶六、福車という春団治一門の中堅二人が主任講師として指導にあたっている。
この講座のスタートは昨秋から。
当初福車で始めたところ、好評につきこの春から受講日を増やすことになった。
すでに四十人近くがこの講座の門をくぐっている。
校舎内には本格的な演芸スペースが用意されていて、いつでも寄席ができる環境。
先日も受講生による発表会が行われ大盛況のうちに幕を閉じた。
この講座では一回こっきりという冷やかし体験ではなく、基礎・応用・上級の段階別指導になっていて
各々十回ずつの講座になっている。
どなたに関わらず初級から順に受けることが条件。
午後七時からという時間帯や梅田から程近いという立地条件なども重なって、
受講生の大半は勤め帰りのサラリーマンやOL。
また、火曜日には狂言の講座もあって、こちらの指導は大蔵流狂言方安東伸元率いる大和座狂言事務所。
狂言名森五六九の蝶六も時にアシスタントとして顔を出すこともあるらしい。
話術を身につけ営業に役立てようという人やら、日本の伝統文化を何かひとつしっかり身につけたうえで
海外に行こうという人など、どちらも冷やかしではなく、
大真面目に取り組んでやろうという受講生ばかりだ。
落語と狂言の講座――国際人としての教育を目指すECCならではの企画といえる。
「真の国際人は、まず自国の文化を理解するところから」ということだろうか。
興味のある方は九月四日・十一日・十八日・二十五日の木曜日十九時から
落語コースの無料体験レッスンが開かれるので、まずは御一報下さい。
0120・988・062 ECCアーティストカレッジ


天国の春蝶もホッ!! 春菜母子に春が来た

上方落語会で「キッチリ」した人と言えば、何といっても御大春団治である。
対人関係や仕事はもちろん私生活までもホンマに「キッチリ」している。
弟子たちも修行中にそのことを学び、身に付けている?
その家族も当然そうである・・・あると思う。
しかし、この人だけは違った。
故春蝶の嫁、そして春菜の母、K子さんだ。
K子さんという人は、面白くないときには「面白くない」、
嫌いな人には「あんた嫌い」と状況などおかまいなしで素直に口に出して言ってしまう。
決して悪気はなく、よく言えば天真爛漫、無邪気な女性である。
そんな彼女が、毎年、盆と暮れに息子の春菜と一緒に春団治宅に挨拶に行くのだが、
ここでもそのK子節が爆発してしまう。
亡き夫の師でもあり、息子の師でもある春団治に「いやーん、師匠ちょっと暑いと思わへん」
「師匠、寒いねえ。ホンマ凍えるわ」と馴れ馴れしく話し掛け、
春団治の肩を友達のようにバシバシと叩いたりするのだ。
当然、春菜は夏なのに凍り付いていたし、その横で春団治は沸騰していたらしい。
・・・が今ではどうだろう。
「継続は力なり」とはよく言ったもので、K子が家に入るなり春団治がニヤニヤする。
「今回は一体、何を、どんな事を言ってくれるのやら」春団治にとっては
盆と正月に上映される「寅さん映画」のようで楽しみで仕方がない。
そんな彼女が口を開けば師匠、奥さん、春菜の笑いはもう止まらない。
挨拶をすませてK子が帰りかけると、春団治が「早よ、冬にならんかいな。笑えるのに」と呟いた。
これをを聞いて一番ホッとしているのは、春菜以上に天国の春蝶かもしれない。


東で西で一門会

まずは西から・・・春団治を囲む会が年二回、開催をしている「ほろ酔い寄席」が
十月五日(日)午後六時半より南海高野線あびこ前から東へ1分のところにある
住吉会館にて開催される。
今回の出演は春之輔・一蝶・福車・春菜の一門四名。
お問い合わせは囲む会事務局の円覚寺まで06・6697・5858。
そして東・・・関東応援団が年一回開催をしている「桂春団治一門会」が
十月二十日(月)午後六時半より東京霞ヶ関のイイノホールにおいて開催される。
出演は春団治・春之輔・春駒・春雨・壱之輔の一門五名。
お問い合わせはチケットぴあ03・5237・9988又は関東応援団本部03・5995・7551。


転生人誤

自宅待機、要するに暇な芸人である。
お盆の三日間、自宅待機で過ごした。
雨が続き、一日中テレビ観戦。
終戦日はテレビに向かって、一分間の黙祷。
その後、たて続きに戦争映画を見る事ができた。
当時の状況に思い偲んで感無量に浸った。
そして戦後五十七年が過ぎた今日。
思い起こせば私が入門した当時、上方落語家は十八人だった。
唯一の落語会が三越落語会である。毎月一回、必ず全員の落語家が集まった。
その日の楽屋は落語一家と化し、牛ほめ、青菜、崇徳院、子ほめ、の四重合奏が聞けた。
つまり、四人の若手落語家がネタをくってる(稽古いている)のである。
その若手落語家がこそ、当時の小米(枝雀)、春蝶、仁鶴、小春(現、福団治)であった。
その内、二師の生の高座はもう見る事が出来ない、人生半ばにして惜しまれつつ逝ってしまった。
ご冥福。
福団治記。






2003年7月10日(増刊号パル)

爆走!!5000キロ 梅団治が東奔西走!?

六月初旬から中旬にかけて梅団治は大忙しでした。
まず趣味のSL撮影で福島県まで、車中泊を重ね帰阪。
自宅で仮眠をして大阪市内で仕事。
翌日から一蝶・いわみせいじ両氏と小梅を連れて福山、萩へ。
帰って来た翌日の早朝から再び福島県へ移動。
その足で今度は秋田、岩手へ、もちろん車中泊。
ここでもSL撮影をしたのですが、秋田テレビに東京の古今亭菊千代さんの紹介で
ゲスト出演、しかもSLを撮っているところを放送するということで遊びながら収入があるという素晴らしい仕事。
もちろん松竹芸能には内緒、しかし「とらとやな」に掲載されたのでは内緒にならない。
そして帰りは岩手から高速道路を使わず地道で三十時間かけて帰阪したという
金はないが暇はある梅団治でした。
掲載されている写真は秋田テレビ出演の際に撮影したもので
SLデゴイチと重要文化財の多聞院伊澤家です。
なんと梅団治の約半月間の移動距離は五千キロを越えたそうで、
すべて運転は本人がしたそうです。
好きにも程がある、アホちゃうかホンマに。




彦八まつり

毎年、吉例となりました「彦八まつり」の日程が次の通り決まりました。
9月6・7日(土・日)の二日間、生國魂神社において開催されます。
今年の彦八まつり実行委員長は林家染語樓さんです。
今年の「彦八まつり」もどうぞご家族連れ、お友達、恋人同士、愛人とお越しください。
もちろん、春団治一門のお店もイッパイありますので、お立ち寄りください。
なお「とらとやな」を見て来たと言ってくださったお客様には、
一門の人間が「ああ、そうですか」と明るく答えてくれるはずです。




2003年5月吉日(増刊号パル)

プレゼント抽選、結果発表!!

ご愛読者の皆様、カレンダープレゼントへのたくさんのご応募ありがとうございました。
抽選の結果、東大阪の塩地さんをはじめ五名様が当選いたしました。
さて次回のプレゼントコーナーは何が飛び出すか。ご期待ください。




2003年3月1日号(増刊号パル)

幸せイッパイ?! ハワイへ新婚旅行

私、貴春は昨年11月27日に皆さんの期待を裏切り入籍いたしました。
妻の名前は康子と言います。
私のどこに惚れたのかと康子ちゃんに聞いた事があります。
すると一言「ボランティアです」なるほど良くできた嫁さんだと思いました。
そして新婚ホヤホヤの二人は新婚旅行先のハワイマウイ島へGO。
着いたマウイは雨風と寒さで最悪の天候。
まるで今までの私の人生です。
ところがしばらくすると雨がやみ、晴れ間が覗いてくるではありませんか。
二人の愛の力で天候まで変えてしまったのです。
康子にそう言うと又、一言「偶然や」なるほど冷静沈着な嫁だと思いました。
それからは本当に素晴らしい天候でした。
まるでこれからの二人の未来のように。
ホンマにそうなったらいいなあ。なるようにガンバリます。
そう、逃げられないように。


春団治まつり落語会

今年も4月29日(火)みどりの日、恒例の「春団治まつり落語会」が
14時より池田市の池田市文化会館アゼリア小ホールにおいて開催されます。
落語会の出演は、次の通りです。
春団治・春之輔・団四郎・梅団治・蝶六・福矢。
尚、詳細のお問い合わせは072・761・8811池田市民文化振興財団まで。
春団治まつり落語会に、どうぞご来場ください。


プレゼントコーナー

いつも「とらとやな」をご愛読頂きありがとうございます。
久しぶりの愛読者プレゼントです。
三代目桂春団治後援会が、毎年製作をしています春団治カレンダーを
ご愛読者の皆様の中から5名の方にプレゼントをさせて頂きます。
ポスターサイズの一枚物で華麗な春団治師匠の高座写真と一門系図が掲載されている
後援会に入っている人以外は、なかなか手に入らない貴重なカレンダーです。
カレンダーが当たる時期としては、ちょっと遅いかもしれませんが、
春団治らしく春からということでお使いください。
カレンダーご希望の方はハガキに「カレンダー希望」と明記して、
住所、氏名、年齢、職業、最近聴きに行った落語会、「とらとやな」の入手方法をご記入の上、
〒558・0023大阪市住吉区山之内3・6・7第三ハイムゆり313号大崎まで。
※応募の締め切りは、3月31日(月)の消印まで有効です。
皆様のご応募をお待ちしております。




2003年1月1日号

ノルウェーでは春団治? 小春団治欧州公演

通算4度目となる小春団治の欧州公演が昨年の9月から10月にかけて行われた。
今回の公演国はブルガリア・ベルギー・ノルウェーの3カ国。
各国とも「日本文化月間」や日本展「JAPAN2002」など、現地日本大使館主催の
公式行事ということで、空港には大使館員が出迎え、どこへ行くにも大使館の公用車で送り迎えがあり、
大使公邸での夕食会に招かれるなどVIP待遇。
公演の前かレセプションで必ず駐在日本大使のスピーチがあったが、
どういう訳か各国大使が小春団治の名前をよく間違える。
最初の公演国ブルガリアでは「小団治」、2カ国目のベルギーではちゃんと「小春団治」と
紹介されたものの、3カ国目のノルウェーではなんと「春団治」と紹介された。
「小団治」「小春団治」「春団治」とまるで出世魚のよう。
「春団治」と間違えられたノルウェーでは小春団治もまんざらでもなく、
日本を代表する全権特命大使が「春団治」と呼んでいるのだからと、
あえて訂正もしなかったそうな。
小春団治曰く「四代目への道はまずノルウェーから」。
ずいぶん遠くから「四代目春
団治」に向けて根回しをする小春団治であった。




なんで春団治が? 某球団優勝祝賀会に

昨年暮れ、御大春団治をスポーツニュース、新聞でご覧になった方も多いと思います。
実は「某新聞発刊五十周年、某テレビ開局四十五周年、某球団優勝」という
合同パーティーに招待されたのであります。
某テレビ局には恩を感じている春団治。
もちろん「師匠、鏡割りをお願いします」との頼みも快諾し、紋付、袴で登場。
酒樽は全部で四つあり、何気なく、そのうちのひとつに着くと、となりには太田房江大阪府知事、
そして、もうひとりは何とメジャーリーガー、日本の誇る四番、あのH・MAT
UI選手だったのです。
その姿がテレビや新聞に。
しかし、元々南海ファンで、南海ホークスがなくなった今、特に応援するプロ野球球団のない春団治には
そんなことは、どこ吹く風。
かるい会釈でその場をあとにしました。
家に帰ってその話をすると、孫に「何でサインをもろてくれへんかったん」とつっこまれ、
狼狽する春団治でありました。


検証古典落語 8 「悋気の独楽」の巻

「悋気の独楽」という噺に熊野の牛王(ごおう)さん入り饅頭を定吉に食べさせたご寮さんが
「それ食べてウソついたら血吐いて死ぬしィ・・・」という科白がある。
事実かどうか今回検証してみた。
事件は夏休み中のある日、福車宅で起きた。
買って間もない真っ白な長襦袢に黒い墨が付けられていた、
犯人は襦袢をハンガーに吊った部屋で習字をしていた長男(9歳)か長女(7歳)のいずれかだ、
ところが両人とも「自分ではない」と完全否定。
そこで私は、新宮市の熊野速玉大社で入手した霊験あらたかなる
熊野牛王符〜牛玉宝印(ごおうほういん)または、おからすさまとも〜の一部をおにぎりに混ぜ
二人に食べさせ、改めて詰問。
「それ食べてウソついたら・・・」が効くかどうか我が子の生命を賭しての実験の結果はこうだ。
二人とも、「神様に誓っても自分じゃない」と、全否定、しかしどちらか一人がウソをついているのは
明らかなのだが、翌日長男が鼻血を出したが、四日たった今も血を吐いて死ぬ気配はない。
よかった、単なる迷信で本当に良かった、我が子よ日本ハムや雪印みたいなことはいかんが、
ちょっとぐらいウソついてもええから長生きしてくれ。
結論・・・牛王食べてウソついても死なない。
昔の子どもはそれでビビって白状したけど、きょうびの子どもは罪があるわい。
(福車)


一門今年の抱負

春若です。今年の抱負を100字にまとめようと云うこと。
まず「独演会」だけで喰える噺家になる。それが無理なら「落語」だけで生活できる噺家になる。
それが無理なら「遊んで暮らせる」落語家になる。遊んでても何なので根多を覚える。
覚えたネタは…もう100字になってしまう。

春駒です。実は本年「春駒の会」が(十一月二十七日(木)、国立文楽劇場)二十周年を迎えさせて頂きます。
本当に色々な形で支えてくれた皆様に感謝、感謝です。
この会でどんな噺を聞いて頂こうかと思案中ですが、とにかく良い会にすることと、
再開した役者活動も劇団往来さんのお芝居にて色んな役に挑戦しようと思っております。

小春団治です。日本ではどうも「漫才は大阪だけど落語は江戸」という風潮が強い。
今年も海外で積極的に公演し、大阪弁で噺の中に三味線や太鼓が入る、はめ物入りが
普通であると「上方落語世界標準化計画」を進める。

梅団治です。去年、知人にもらった禁煙ガムが功を奏して?タバコをやめました。
タバコをやめたらえらい太って息苦しい。階段を上っても、落語をしても…。これはホンマにあかんわ。ダイエットするぞ。
そこで今年は「体重減らして、ネタ増やそう」

春雨です。昨年の秋に肺に2リットル水が溜まり、5週間入院しました。
病気になって初めて「健康」であることの有り難みがよく分かりました。
この世で一番大切なのは健康です。今年の抱負は「健康を保つ」。
健康のためなら死んでもいい。

貴春です。昨年の末についに結婚しました。
別れないように、いや、捨てられないようにガンバルぞ、オー。

春菜です。無事に二00四年を迎える事が目標です。
とちったり、しくじったり、ラチされることなく…。

小福です。もっと有名になり、お金持ちになって、醜い出っ腹を整形して、
自分でも惚れ惚れするようなスリムな体を創りたい。

丸福です。方円自在に生きてまいります。

福車です。二〇〇二年は本厄でしたが、とくに大変な惨事もなく、
かといって宝くじ二億円当たるでもなし、まァ、二〇〇三年も無事ならよしとしましょう。
けど、今年はもうチョイ馬券的中させなあかんなァ。

福六です。日本の景気回復のためドンドン仕事をして、稼いだ金をパーッと派手に使うぞ。
単価は安いけど。

七福です。去年私は、クジに負けて息子の学童保護者会の役職に就いた。
毎月の学童新聞を担当。娘の保育園でも、ジャンケンで負けてクラス役員になり、
行事の準備に追われる。忙しい…。ちゃんとした方向で忙しくなりたい!!

昇蝶です。毎日を一生懸命生きたいと思います。

一蝶です。嫁はんが「アニータええわ、彼に競売になった家もろた。
億やで億」何言うねん、私が華咲いたら一兆(一蝶)やで言うたら、
咲くより先につぼみのまま腐ってる。今年こそ嫁はんにえらそうにいうぞ。

蝶六です。五年後、十年後を見据えて動く、そのための今年。
「芸人は常にアクションせなアカンで。じっとしてたら死んでしまう」という
亡き春蝶の言葉を忘れません。

壱之輔です。貴春兄さんが結婚したなんて、
反対に僕は去年の十一月に二年間付き合った彼女と別れてしまいました。
あの兄さんだけが頼りだったのに。
暗くなっても仕方ないので、春之輔の弟子らしく次の彼女を探します。


転生人誤

私にとって2002年は、ニューヨークから上海と海外公演が続いた。
上海公演の翌日、蘇州夜曲でお馴染みの蘇州の寒山寺へ行った時、
異国の少年、少女が線香の束を両手で抱え、仏像にひざまづいて礼拝する姿を見た時、
心打たれた。
今の日本の子供達にも、このような手を合わす心が有れば良いのに。
今の中国に子供たちの犯罪が少ない事もうなずける。
先達者を敬う心を、せめて落語界では絶やさないでいきたい。
(福団治)






2002年11月1日号(増刊号パル)

春雨高座で倒れ入院

九月の末に春雨さんが、高座で気分が悪くなり、病院へ急行。
十月に入って入院した。
肺を患っていたそうで、何と胸に2リットルもの水が溜まっていたという。
原因は過労だそうで、猛暑の中、だんじり囃子や野球に精を出し過ぎたようである。
十一月には退院の予定だが、仕事への復帰は、体調を見ながらになりそうである。
各地の落語会では休演ということになり、お客様にはご迷惑をお掛けしました。
また代演の方々、ありがとうございました。
そのため今回の落語会案内には、春雨さんの主催する落語会は掲載されておりません。
また春雨さんのホームページをご覧下さい。




2002年8月31日

落語の秋、到来

独演会がいっぱい!! なんと一門六名が・・・

さあ秋の到来。さすがは芸術の秋です。
毎年この時期は多くの「独演会」がこの紙面を飾ります。今年もこれ、この通り。
今回は独演会を開催する一門の方々にそれぞれの会を色々な話を交えて
PRしてもらいました。
えっ、何です。見出しに6人と書いてるけども、5人しかいない?
失礼しました。春之輔さんは11月7日、8日(木、金)の二日間、ワッハ上方において
桂春之輔落語会」を開催します。詳細は只今検討中。次号の「とらとやな」にて掲載します。

【蝶六】
私、蝶六が春蝶(故人)入門二十周年を記念して「きっしょ」というタイトルの独演会を
九月二十九日に北浜のコスモ証券ホールで開催します。
「きっしょ」とは大阪弁で「きまり、目鼻、機会」という意味。漢字に書くと「吉書」となります。
この度の挨拶文は「現在の私は到底二十年やりましたと堂々エバレタもんやないと思います。
落語家の値打はキャリアではなく、その中身にあるわけですから
私の場合『今まで何をやってたんや』の二十年かも知れません。
と思うに関わらず、今、何故、独演会なのか。
それは私にとって気を新たに初心に戻ってというきっしょなんです。」としました。
当日は、大師匠にあたる春団治や昨年重要無形文化財総合指定に認定された
大蔵流狂言方の安東伸元師らが愛情出演してくださいます。
落語界と狂言界のこの両御大が揃うのは今回が始めて。
そして、蝶六(森五六九)の長男も狂言で出演、これは必見です。
お茶子がパントマイミストというのも「異物の交流」世話人の私、蝶六らしい趣向です。

桂蝶六入門二十周年記念独演会「きっしょ」
9月29日(日)14時開演
出演 春団治・蝶六・春雨・壱之輔・安東伸元(大蔵流狂言方)・吉岡賢治(パントマイム)
北浜コスモ証券ホール 
御祝儀 壱之輔
牛誉め 春雨
替り目 蝶六
お楽しみ 春団治
中入り
狂言「蝸牛」安東伸元(山伏)・森達弥(太郎冠者)森五六九(主人)
三枚起請 蝶六
お茶子/吉岡賢治(パントマイム)
下座/中田まなみ・笑福亭喬若
問い合わせ 06-6167-1525賑わいや

【小福】
今回の「桂小福ひとり舞台」は自信の爆笑ネタ三本をお聞き頂きます。
会場は笑いの渦になると(鳴門)思います。
さあ、そして文化庁芸術祭には三度目の挑戦になります。
昔から三度目の何々と言いますので一段と気合が入っております。
とにかく来て下さい。

第8回 桂小福ひとり舞台 (文化庁芸術祭参加公演)
10月4日(金)19時開演
ワッハ上方5F演芸ホール
出演 小福「二人旅」「小福噺」「いかけや」
    趙博・たま
問い合わせ 06−6649−8621 松竹芸能(芸能部)

【小春団治】
毎年春に開催している独演会を今年は秋に開催。
入門二十五周年記念となる今年の独演会は書き下ろしの新作2本。
落語作家小佐田定雄氏作による「さわやか侍」と3人共作による「天国への階段」。
特に「天国への階段」は放送作家東野ひろあき氏、落語作家くまざわあかね氏、
そして小春団治本人の3人による3話のオムニバス形式の斬新な作品で、
上方落語界屈指の大ネタ「地獄八景亡者戯」に匹敵する1時間15分の長編新作落語となる。
そしてゲストには元憂歌団の名ギタリスト内田勘太郎氏を迎えて、
小春団治との対談のあと卓越したギターテクニックを楽しむ。
毎回評判の舞台美術、今年は書道家の秀島踏波氏の巨大な書が
高座のうしろに展示される。他の出演は桂春菜。

入門二十五周年記念「第三回 桂小春団治独演会」
とき  10月5日(土)18時開演
ところ 地下鉄・京阪天満橋5分、ドーンセンター7階ホール
出演  桂 小春団治「さわやか侍」 作・小佐田定雄
             「天国への階段」
             作・東野ひろあき、くまざわあかね、桂 小春団治
     桂 春菜 「七度狐」
ゲスト  内田勘太郎(元憂歌団ギタリスト)
問い合わせ 06−6649−8600 松竹芸能

【春駒】
私、春駒は昭和46年12月1日午前9時00分に三代目春団治より入門を許されました。
三年間の修行を「もう、ええわ」と師匠にうっとおしがられ(師匠の女性関係をアーちゃんに
逐一御注進の為)二年で卒業をさせてもらいました。
一本立ちの後は、勉強会「小さな春の会」をいろんな所で十年間やらせて頂き、
昭和59年11月15日に当劇場小ホールにて第一回春駒の会を開かせてもらいました。
その時のネタは「骨釣り」と「軽業講釈」の二席、今から思いますと、
難しいネタを何と無謀な、どれほどお客様にご迷惑をお掛けしたことか、
まるで「寝床」を地で行くようなことをしてたんやなあと感心もし、
又得心もしておる次第でございます。
あれから19年、19回目を迎えさせてもらいますが1回目より以上に厚かましくなりました。
今回ほど面白い落語は今生にはございません。
これを聞き逃せば、お客様の一生の不覚、決してあなたを裏切らない、
今がチャンス、ぜひ、ゼヒ、是非、ご来場を。さあ、今すぐ劇団往来にお電話を。

「桂春駒の会」
10月16日(水)18時半開演
国立文楽劇場大ホール
出演 桂春駒「帯久」「鷺取り」
    新野新、はな寛太・いま寛大、桂雀々、桂福矢
問い合わせ 06−6945−4655 (株)劇団往来

【春若】
今年の独演会では「百年目」と「米揚げ笊」を演らせて頂きます。
「百年目」はご存知のように、上方落語屈指の大ネタ。たいへん難しい咄ですが、
米朝師匠の「百年目」を聞かせてもらっている回数は私が一番多いと自負しております。
「百年目」を聞くのが好きで演るつもりはなかったのですが、数年前から米朝師匠が
「演り」「いつになったら演んね」というオススメもあって、昨秋、お稽古をつ
けて頂きました。
キッチリ演ることを心掛けたいと思っています。
もう一席の「米揚げ笊」は昭和四十九年に故・桂米之助師匠にお稽古頂いた咄の雰囲気を
大事にしながら演じられたらイイナァーと思っています。
そしてゲストの鶴瓶さんにも今回は古典落語を演じてもらいます。
こちらもお楽しみに。それでは皆様どうぞご来場ください。

「桂春若独演会」
10月18日(金)18時半
ワッハ上方5F演芸ホール
出演 桂春若・笑福亭銀瓶・桂米吉
ゲスト 笑福亭鶴瓶
問い合わせ 06・6649・8621 松竹芸能


転生人誤
今回は、福団治ニューヨークへ行くの巻です。
この「とらとやな」では小春団治君のヨーロッパ公演はお馴染みになりましたが、
私、福団治は去る6月30日にニューヨークへ行ってまいりました。
ウォール街(日本くらぶ)で落語会を開催、主催者の要望で上方落語三席と手話落語。
私は、日本領事館後援ならば観客はエリートだろうと予測して、そのため同行の福若は、
まくら、小噺のひとつぐらいは英語で話せるようにと在住米人に英語を習って、
大丈夫と言われるまでに日本で一生懸命にけいこして、やっとニューヨークの
晴れの舞台に出演することになりました。
そうしたら主催者が「観客は新鮮な日本語を聞きたがっています」。
それではあの今までの苦労は。
標準語を交えて話そうと思ったら「本場の大阪弁が聞きたいそうです」。
おかげで私は肩の力も下りて楽々と演じることができました。
もしかしたら大阪の寄席で演じるよりも純粋に近い上方落語だったかも知れない。
来年も依頼されて先ずは成功。
(記、福団治)


定席が誕生
今年から国立文楽劇場小ホールにおいて定席が誕生しました。
開催日数はわずかです(五日間、隔月)が、めでたいことであります。
上方落語協会、関西演芸協会、浪曲親友協会、関西親和会の四団体の共演による定席です。
次回公演は一門の福団治が、くにお・とおる他と出演します。
浪花座も閉館し、定席が消え行く昨今、明るいニュースであります。






2002年7月1日号(増刊号パル)

海外公演が掲載 えっ?!小春団治が教科書に

このところ海外での公演も多い小春団治が、高校の英語教科書副読本
「グローバル・ランナーズ」に紹介された。
「グローバル・ランナーズ」は、この1年間の話題を200語程度の英語エッセイ
12遍にまとめた物で、異文化理解のテーマで、日本の伝統芸能である落語を
海外に紹介する活動を展開している小春団治と英国人プロデューサー、
マイケル・ジャックソンの活動の様子がまとめられている。
他に紹介されている人物は、小泉首相やマリナーズのイチロー選手、
ウィーン・フィルの小沢征爾氏などそうそうたる顔ぶれ。
教科書に掲載された小春団治は「次の目標は百科事典」と鼻息も荒い。


小春団治が掲載されたページより


彦八まつり 新企画登場!!

上方落語家の祭りとして定着した「彦八まつり」の概要が、今年の実行委員長の小春団治より発表された。
日程は八月三十一日(土)、九月一日(日)の2日間。
落語会の他、噺家が屋台店を出したり、踊りに地車囃子、バンド演奏と例年のように
年に一度のファンとの交流の場となるが、今年は新イベントとして
噺家によるチャンバラ・トーナメントが行われる。
昔ながらのチャンバラを近代的にスポーツ化した、スポーツ・チャンバラと言われるもので、
一門の威信を賭けて、扇子を剣に持ち替え熾烈な戦いが繰り広げられる。
谷町9丁目、生國魂神社で。





2002年3月1日号(増刊号パル)

二代目春団治五十回忌追善興行

4月27日(土)昼の部午後2時開演、夜の部午後6時開演
場所 道頓堀 松竹座
出演 桂春団治・桂米朝・桂文枝・露の五郎・夢路いとし 喜味こいし・
    桂福団治(夜のみ)・桂春之輔(昼のみ)
    大喜利「喜撰」一門総出演
料金 前売り 1等6,000円、2等4,000円(松竹座、松竹芸能、チケットぴあ)
    当日  1等6,500円、2等4,500円
問い合わせ 松竹芸能 06・6649・8621




2002年1月1日号

父そして師を偲ぶ
二代目、五十回忌の年 法要・追善興行、日程決まる


二代目春団治

二代目春団治師匠の五十回忌を今年迎える。
二代目は三代目の師匠であり、実父である。
横幅があるので(お腹がかなり出ていて自分ひとりでは足袋が履けなかったほど)
大きく見えるが三代目よりも身長は低かった(三代目も高くはない)。
博多で前座さんが病気でたおれ、急きょ聞き覚えで覚えた「寄合酒」で
高座に上がった三代目は、大阪へ帰るなり二代目に入門を志願したそうである。
すると二代目はあっさり「なりたかったら、なったらええ」と言ってくれた。
落語の稽古はほとんどが出稽古だった。
というのも、三代目は二代目に稽古をつけてもらうとき、
笑うわ、笑うわ。二代目にすると稽古ができなかったらしい。
二代目に教わったネタといえば「祝のし」だが、
これも二代目が入院中ベッドで稽古らしいことをしてもらったとのこと。
三代目は、「二代目には、「猫の災難」をはじめもっと数多くのネタを
稽古してもらいたかった」と言う。
そして春団治の十八番、「いかけ屋」を稽古してもらいたかったのだが、
二代目が他界してしまったので、二代目が稽古をつけてもらった
文団治(文紅師の師匠)師匠に稽古をつけてもらった。
文団治師匠は二代目・三代目と春団治親子二代に渡って、
同じネタを稽古したことになる。
酒は大好きの三代目、実は噺家になったときは、ほとんど呑めなかったらしい。
二代目には「タバコはやめて(十四才から吸っていた)、
酒を稽古しなさい」といわれ(その時分はお座敷の仕事が多かったため)、
酒は努力して呑めるようになったとのこと。
それに付き合ってくれたのが二代目で酔いつぶれた三代目をよく担いで
帰ってくれたと言う。
考えたら弟子が師匠に面倒を掛けていたことになる。
面倒を掛けたおかげで、三代目は立派な酒呑みとなったのである。
二代目春団治師匠について夫人の河本寿栄さんは
「二代目はいったん高座に上がると、どんなときでも全力でぶつかり、
お客様を笑わす、そんなタイプの噺家でした。
本当に芸に対しては熱心な人でした」「二代目は銭湯が好きで、
晩ご飯前になると、よく私やお弟子さん達を連れて行きました。
銭湯の帰り、家に晩ご飯があるのに、いつも決まってうどん屋さんに寄るんです。
二代目は鍋焼きうどんか天婦羅うどんを食べるんですが、
私は家にご飯もあるし少食なので、いつも素うどんを注文していました。
するとお弟子さん達も遠慮して素うどん、みんな、素うどんを頼むんです。
うどんが運ばれてきて、みんなで食べていると二代目がお弟子さん達に
『お前らも早よ一人前になって、自分のお金で鍋焼きうどん食べれるようになりや』
言うて、いつもお弟子さん達を励ましてはりました」「芸に対しては厳しいけども、
普段はとても優しい師匠でした」と話してくれました。
その二代目春団治師匠の五十回忌の法要が今年の二月二十四日(日)に
十時より天王寺の一心寺で、そして追善興行は道頓堀の松竹座で
四月二十七日(土)に行われる。
追善興行の詳細は次号の「とらとやな」増刊号パルにてご紹介させていただきます。


左から三代目・十郎・二代目・雁玉の各師


小春団治が漫才作家に!? 芝居で秋田實役

 上方漫才の父と呼ばれ、エンタツ・アチャコ、ミスワカナ・玉松一郎、
ミヤコ蝶々・南都雄二らに漫才台本を提供し、近代漫才の基礎を作った
漫才作家秋田實の物語が、お芝居として近畿各地のホールで上演される。
この芝居で小春団治が主役の秋田實を演じることになった。
監修が秋田氏の娘さんの林千代氏、劇中の漫才台本をお孫さんの藤田曜氏が手掛けるなど
話題も豊富で、共演陣も夢路いとし・喜味こいし両師、海原小浜師など
秋田門下生の他、ベテラン曽我廼家文童氏、桂あやめ、シンデレラ・エキスプレス
など多彩な面々。
12月5日に守口市エナジーホールで行われた記者発表では、
いとし・こいし師、小浜師から当時の芸人のヒロポン話に話が脱線し、
会見場は爆笑の渦に包まれた。
笑った後ホロリとする漫才作家「秋田實物語」は、2月14日の岸和田を皮切りに
近畿10カ所のホールで17公演行われる。
「笑いの薬剤師 秋田實物語」
2月14日岸和田マドカホール、15日明石西部市民会館ホール、
16日滋賀県草津文化芸術会館、17日京都府南山城村やまなみホール、
19日宝塚ソリオホール、20日守口エナジーホール、
21日摂津市民文化ホール、23日山崎文化会館、
24日富田林すばるホール、26日豊中アクア文化ホール。
問い合わせ06・6772・5391バイタルアートボックス




若手ユニット誕生 「弁天座」公演が決定

昨年、大阪に若手伝統芸能ユニットが誕生した。
ユニット名は「弁天座」といい、昔、道頓堀に実在した芝居小屋の名称と
弁財天が芸能の神様であることから、そう名付けられた。
能楽・狂言・文楽・落語といまのところ四ジャンルからけいせいされており、
観世流シテ方の山中貴博、和泉流狂言方の小笠原匡、
文楽三味線の鶴沢清志郎、そして上方落語会からは、
わが春団治一門の桂春菜(どうやら弁天座の心配の種らしい)が参加している。
昨年二月二十三日に大阪府立ワッハ上方で旗揚げ公演を行い大成功、
マスコミにも大きく取り扱われる反響ぶりだった。
またMBSラジオドラマ「ドラマの風」にもレギュラー出演して
書き下ろし作品を毎回打ち出し、古典を現代のマッチングで、
ひと際、異彩を放っている。
メンバーの本業が多忙なため(春菜を除く?)、月に一・二度しか
会うことができないので、本公演も年に一回というスローペースになっているのだが、
やっとその弁天座の待ちに待った二回目の本公演が、今年の二月二十七日に
梅田のヘップホールで行われる運びとなった。
第一回公演ではオムニバス方式に芸を観ていただいたが、
今回は文楽の代表作品である「伊達娘恋緋鹿子」通称「八百屋お七・火の見櫓の段」を
ベースにすべてのジャンルをクロスオーバーさせて物語を深めていくというやり方で、
すべての芸能が重なり合い、ひとつの作品を作り上げるという史上初の試みで行われる。
未来への可能性を大いに秘めた伝統芸能に生きる若き獅子達
(春菜を除く?)に期待が膨らむばかりである。


検証古典落語 七 掛取り
 
大晦日に、借金取りを、相手の趣味や、道楽の話題を持ち出して言いわけをし、
金を払わず撃退する「掛取り」。
私は、笑福亭松喬師に教わり「狂歌」、「喧嘩」で演らせてもらってますが、
その噺の中で「人間好きなものには心を奪われる」というセリフが
先人の智恵として格言めいて使われます。
はたしてそうなのか、今回、検証するのは「当人の好きな話題をすることによって、
金銭の授受を忘れさせることができるか?」
 東大阪市の寿司店主Mさん(48才)熱狂的なタイガースファンである。
ジュリー(沢田研二)となら心中してもいい、イヤそのタイガースではなく
もちろん阪神球団のファンである。
寿司職人は「店では、政治・宗教・野球の話題はするな。
客から聞かれても支持する、しない等うかつに言うな。」と教えられる。
いさかいを避けるため「八方美人」でいろということだ。
だが、この職人は阪神の悪口を言う客を何人も追い出している前科の持ち主だ。
 十二月上旬、Mさんの店で、寿司八皿、ビール二本をたいらげ、
新監督への期待、来期の展望、さらにMさんこそ“阪神ファンの鏡”と持ち上げたが、
結局会計4,725円はビタ一文まからなかった。
他の商人にも試みたが、同じである。
 ただし、こんな人もいた、春菜君の話では、お父さん(故春蝶師)は
奥さんと大ゲンカして、家族にも当り散らし不機嫌の極致だったのに、
川藤がサヨナラホームランを打ったとたん、いきなり家を出たかと思うと、
メロンを家族のために買って笑顔で戻ってきたそうだ。
 結論・・・金のやりとりを忘れることはまずないが、
好きなものに心奪われる人は確かにいる。(福車)


ぶらり旅日記

昨年の十一月十八日(日)に息子と二人で(嫁と娘が親戚と温泉旅行)初めて
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行って来ました。
ET、バック・トゥー・ザ・フューチャーからジュラシック・パークへ。
息子と二人分のカッパを買い、見終わるとゴミ箱へポイッ。
次のウォーター・ワールドで水が掛かり、またジョーズの入り口にカッパの自動販売機。
仕方なくカッパを買い、今度はスヌーピーへ。
ここでもカッパを着てゴムボートへ乗船。
ゴムボートの中に水が入り、カッパを着ていても、お尻はビショ、ビショ、
私も息子も「水も滴る良い男」。
それでも楽しそうに会場内を息子の手を引いて走りまわっていました。
(梅団治)


転生人誤
毎年恒例となった「彦八祭り」、九月初めの土曜、日曜の生玉神社は
大勢の人で賑わう。
 祭りの特徴はなんといっても、噺家の店である。
いろいろと噺家のアイディアがあって 面白い。
その中で、「小福の人生相談」と看板を上げている店がある。
それを見て物好き なお役さんがやってきた、待ってたとばかりに
小福は商売にかかった、その商法は、お客 さんの悩みを聞く前に、
まず自分の身の上話をお客さんに語って聞かすのである。
聞かさ れたお客さんは、なんと可哀想な男であろうと小福に同情し、
小福から見れば自分はなんと幸せであろうと自身を深めて帰って行くのであった。
(桂 福団治記)






2001年9月1日号

大舞台ラッシュ!!
やっぱり芸術の秋 独演会、一門会が続々

今年の夏はホンマに暑かった。特に夏の初め、初夏。
仮面ライダーに出て来てもらってやっつけてもらいたいと思ったほどです。
「ショッカー」何て言ったりして、えらいすんまへん。
やっと秋がやって参りました、食欲の秋です、いやスポーツの、ええっと芸術の秋です。
さて、この紙面をご覧ください。この独演会、一門会の多いこと。
春団治一門だけでもこんなにあるのです。
独演会となると当の噺家もかなり気合が入っているはず?ですよね。
ぜひ、この「とらとやな」ご愛読の皆様も会場へ足を運んでください。
大笑いすること間違いなし。ねっ、噺家の皆さん。

桂小福ひとり舞台 (文化庁芸術祭参加公演)
10月7日(日)午後2時開演
ワッハ上方5F演芸ホール
出演 小福・テント・喬若
問い合わせ 06・6649・8621 松竹芸能

桂春若独演会
10月17日(水)午後6時半開演
ワッハ上方5F演芸ホール
出演 春若・鶴瓶・木原三知子・伯枝・あさ吉
問い合わせ 06・6649・8621 松竹芸能

桂春団治一門会
10月20日(土)午後1時開演
京都、シルクホール(四条烏丸)
出演 春団治・春之輔・春若・春駒・貴春
問い合わせ 075・639・7722 三代目桂春団治京都後援会事務局

桂春駒の会
10月26日(金)午後6時半開演
国立文楽劇場大ホール
出演 春駒・新野新・酒井くにお、とおる・小米朝・春菜
問い合わせ 06・6945・4655 (株)劇団往来

桂春之輔落語会
10月30日(火)午後6時半開演
厚生年金会館、芸術ホール
出演 春之輔・ゼンジー北京・海原はるか、かなた・春彦・壱之輔ほか
問い合わせ 06・6649・8621 松竹芸能

桂春団治一門会
11月9日(金)午後6時半開演
東京、イイノホール
出演 春団治・春之輔・春若・一蝶・梅団治
問い合わせ 03・5237・9988 チケットぴあ


御大春団治、北へ 文化庁の移動公演

七月二十一日から三十一日まで「文化庁芸術文化総合体験事業」の東北、北海道巡業が春団治師匠を座長に、一門からは私、春雨と福矢君も参加して催されました。
この巡業は毎年秋に行われる「文化庁移動芸術祭」の青少年向けの公演で、今年初めての試みということなので、どうなるものかと不安もありましたが、五公演のうち四公演が満員御礼の大盛況でした。
ところがただ一ヶ所、何処とは言えませんがA森県のH前市の公演では大きな落とし穴が待っていました。
春団治一行が楽屋入りすると、すぐに会館の館長が現れ「すみませんでした」と謝ってきたのです。
何事かと話を聞いてみると、こういう公演は初めてで宣伝方法が分からず、観客動員に失敗したとの事。
「そんな事は無いやろ」と思いましたが、念のために開場時間に客席へ偵察に行くと、お客さんがたったの二人。
五分後に福矢が「六人に増えました」と楽屋に報告に来た頃には、楽屋の雰囲気はさながらお通夜のよう。
最終的には六百人のホールにお客さんが約五十人入りましたが、舞台のテンションは上がらず、とうとうトリの師匠の出番がやってまいりました。
師匠がどのような高座をつとめるか固唾を飲んで舞台袖から観ていると、超満員のお客さんが入っているときと寸分たがわぬ熱の入った芸を披露し「さすがに名人は違う」と楽屋一同、感心も得心もいたしました。
公演を終えた一行を乗せたバスを、泣きそうな表情で見送る館長の顔を我々は一生忘れはしないでしょう。(春雨)


日焼けで真っ黒 梅団治、撮影の旅


皆さん、この後姿の写真、いったい誰やと思います。
この「とらとやな」をいつも読んでくれている愛読者の皆さんには、もうお分かりですよね。
そう、梅団治さんです。
これは山口線長門峡駅を発車するSLを撮影しているところです。
七月の末、あのとっても暑かった頃、家族でSLの撮影と山口きらら博へ行ったのだそうです。
ですから日に焼けて真っ黒、春団治師匠も呆れていたとか。
いつも車で行く梅団治さん、今回ももちろん車だそうで、何とこの半年で走った距離は一万五千キロ、ホンマにアホちゃうか。
この十日後にも梅団治さんの姿を山口線で見かけたとか。
このときは津和野の花火大会の仕事だったそうですが、それでも写真だけはきっちり撮ったそうです。
去年、出版したSLの写真集、まだ家に在庫が山のようにあって寝るところがないとか。


転生人誤

今年も天神祭りに参加して久しぶりに声を痛めてしまった。
行き交う船の風味あふれる大阪じめは、夏の夜の川に一体感が生まれて楽しい。
今年の夏は同じ昼に参議院選挙運動が祭りのごとくハデに行われた。
私も立候補している友人の応援にでかけたのだが、その日の日中に選挙の車から候補の名前を連呼しながらすさまじく街をかけめぐる。
「○○さんをよろしくお願いします」、電車の踏切にさしかかったところで、遮断機が車が通ろうとする上に降りてきた、信号待ちの一人が、「○○さん危ない危ない」
 (桂 福団治記)


後援会通信

ホンマに今年の夏は暑かったですな。待ちに待った秋の到来です。
三代目春団治後援会本部と京都後援会の合同イベントのお知らせです。
◎ 10月3日(水)にチャリティーゴルフコンペを阿山カントリークラブにて開催。
詳細は後援会本部または京都後援会まで。
尚、後援会入会のお問い合わせは〒544・0031大阪市生野区鶴橋四丁目十一の一、三代目春団治後援会本部、八重樫06・6731・7475まで。
京都後援会入会のお問い合せは〒601・8151京都市南区上鳥羽塔ノ森東向町六
十三、三代目春団治京都後援会事務局、杉本075・693・7722まで。
関東応援団、広島後援会もあります。







2001年7月号(増刊号パル)

今年も英国公演
小春団治、応援ツアー

 昨年8月、世界最大の芸術祭「エジンバラ・フェスティバル」に
落語家として初めて参加し、大阪弁のまま英語の字幕スーパーで
外国人を笑わせるという初の試みは、現地のタイムス紙他で大々的に報道され、
上方落語を世界に知らしめた。
 今年もまたエジンバラ・フェスティバルに、昨年よりパワーアップして挑もうと
今着々と準備を進めている小春団治だが、今年は日頃応援していただいている皆様にも、
中世の町並みが残る古都エジンバラに世界中のアーティストが集まる
街をあげての一大イベントを、実際にその目その耳その肌で感じていただこうと
応援ツアーを企画した。
 聞けばエジンバラ・フェスティバルを扱ったパッケージツアーはあまりないとのこと。
エジンバラではセント・オウガスティン教会での小春団治の公演(英語字幕スーパー)を鑑賞したり、
オプショナルツアーとしてエジンバラ・フェス名物ミリタリー・タトゥー
(スコットランドの伝統衣装キルトを着てバグパイプなどの演奏をする軍隊ショー)や
英国ならではの田園風景が楽しめるコッツウォルズ観光などもある
エジンバラとロンドン7日間の旅。
是非この機会に世界最大の芸術祭を体験してください。
 桂小春団治「エジンバラ・フェスティバル」応援ツアー7日間は、
期間2001年8月21日(火)〜8月27日(月)
東京発着で、旅行代金は298,000円
(大阪発着の場合10,000円追加)です。
お問い合わせ 阪急交通社 06−6361−4702



彦八まつり

 今年も「彦八まつり」が地下鉄谷町9丁目駅の近くにある生國魂神社で開催されます。
毎年9月の第1土、日ということなので今年は9月1日、2日(土、日)です。
 上方落語協会のお祭りということで落語家が会場にいっぱい。
ほんまに、大師匠連やら人気者やら・・・みなさん、お誘い合わせの上、ご来場ください。
 当然、我が春団治一門のお店も5、6店あります。
「彦八まつり」にお越しの際には、是非お立ち寄りください。
もちろん落語家のお祭りですから落語会もあります。
 落語会のチケットの入手方法やステージの内容などの詳細は
上方落語協会 06−6644−3619、までお問い合わせください。




2001年5月(増刊号パル)

一足お先にUSJ?

3月31日、遂に待ちに待ったUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジヤパン)が
地元大阪にオープンしました。
はたして景気回復に一役買ってくれるのでしようか。
それはさて置き、皆さんはUSJにもう行きましたか。
写真をご覧ください。
楽しそうな二人はご存知春団治ご夫妻、そしてこの写真はUSJではないのです。
何と本場ハリウッドにあるユニバーサル・スタジオでの写真なのです。
あの世界のスーパースターであるメグ・ライアンと共演した某社のCM撮りで
渡米した時、春団治夫妻は観光にユニバーサル・スタジオを選んだのでした。
とても夫婦でそんな所へ行くとは思っていないので話を聞いて皆ビックリ。
そして大阪にもUSJができ、前にも増して皆にユニバーサル・スタジオの話を
自慢気にする今日この頃の御大春団治でした。


(ユニバーサル・スタジオでのマル秘画像はこちら




2001年1月1日号

新世紀を迎えて
独占インタビュー 春団治の心中は?

この春団治一門新聞「とらとやな」も平成六年の六月に第一号を発刊して早いもので丸七年が過ぎました。
そして、今回は二十一世紀を迎えるという節目なので御大春団治にインタビューを敢行しました。
梅団治「師匠、おめでとうございます」春団治「はい、おめでとうさん」
梅「二十一世紀になりましたなあ」春団治「うん、早いな。もう二十一世紀か」
梅「そこで何かコメントを頂きたいのですが」春団治「コメント」
梅「セメントと違いまっせ」春団治「分かってるわい、そう言われてもな。
変わらず自分のペースを守っていく、守り続けていく。
これがわしの生き方やさかいな」
梅「さすが師匠ですな」新しい時代が来たといってもそんなものに流されるような御大春団治ではございませんでした。
梅「それでは愛読者の皆様に一言」春団治「今後とも春団治、並びに春団治一門を宜しくお願い致します」
アッと言う間にインタビューが…これでは記事が…。
そこで一門の筆頭弟子、福団治にもインタビューを敢行。
梅「新しい時代に望むことは」福団治「師匠のもとに一門の幸せが一番やな」
梅「これから、やっていきたいことは」福団治「あせらんと規律を大事にして、
先人達から受けた恩をわずかでも返せたらなあ」
以上、新世紀を迎えて御大春団治と福団治にインタビューしました。


一門書き初め大会

噺家には十二月十三日に事始めという大きな行事があります。
まあ、芸人さんのお正月と思って下さい。
そこで「筆ペン一門書き初め大会」を行いました。そのうちの何点かを紹介いたします。
まず一点目は
「逢うは別れの始めなり」小福。本人曰く「二十世紀に離婚が成立し、
新しい彼女もでき、二十一世紀こそ、あたたかい家庭をと思っているのだが…」。





二点目は「寒梅」梅団治。本人曰く「昨年作ったSL写真集がまだ家に山積み、
あれがカンバイしないことには、私、梅団治の懐も寒いヨー」。





三点目は「浮動心」春雨。本人曰く「本当は不動心と書きたいのですが、
身体が細くて、弱くてフラフラ、性格もフラフラ。開き直っちゃいました」





四点目は「純愛」貴春。本人曰く「これまで不純な愛だらけだった僕が初めて純愛に巡り逢いました。
これもアキコのおかげです。芸と愛に生きる僕を見て下さい」
実は貴春に彼女ができて一番喜んでいるのは春菜らしい。
もし彼女と別れるような、いや彼女にふられるようなことがあったら…。


五点目は「五光」春菜。本人曰く「親父、春蝶の七光りが五光ぐらいになったけど、
後光を放つ仏さんとして見守ってくれているのかな」。





最後の作品は「裁判」春若。本人曰く「H彦ガンバレ」。








検証古典落語(6)
時うどんの巻(福車)

東京で「時そば」上方では「時うどん」となる古典落語の代表的な名作にメスを入れる。
今回検証するのは「小銭の勘定をしている最中に時刻を尋ねられて、それに答える人がいるか?」である。
私、桂福車もこのネタは演るが、疑問に思うのは、
うどん屋がこまかい勘定の途中で時刻を聞かれすぐに答えたという事。
自分が、紙幣や硬貨を数えている時に横から、「今日は何日」とか、
「昨日阪神何点とった」などと、数に関する質問をされると答えるどころか、
腹立たしく思うのが普通だと思うのだが。
場所は東成区の某コンビニ、時刻は深夜12時前、
落語では一文銭16枚(実は15枚しかない)の支払いなので160円の品を10円玉でと考え
「ピリ辛キンピラ」160円というのを見つけたが、よく考えると消費税がついて168円になる。
一種類の小銭でいきたいので、200円の「ごっついおにぎり」税込み210円で敢行。
レジの店員の胸には「えびはら」とあった。
怒ってまわし蹴りでもされないかと不安だったが、レジの皿に10円玉を11枚置いたところで
「今、何時ですか」と聞くと、「エッ?エーあと10枚で210円ですけど」とやはり時より金なり、
ここで「12時」と言ってくれれば落語みたいだが、もし「0時です」で、
また一から数え直したらもっと落語みたいやったのに…。
結論、小銭の勘定している時に、他の質問しても人間は受け付けん。
まァ江戸時代の人は律儀やったのかも知れんけど。


ハガキで応募しよう
カレンダープレゼント

「とらとやな」ご愛読の皆様には本当に久しぶり、待望のプレゼントコーナーです。
三代目桂春団治の2001年カレンダーができました。
ポスターサイズの一枚モノで、春団治の高座姿の写真と春団治一門の系図がデザインされています。
このカレンダーを「とらとやな」ご愛読の皆様の中から抽選で5名の方にプレゼントしちゃいます。
ご希望の方は〒558・0023大阪市住吉区山之内3・6・7第三ハイムゆり313号大崎方までハガキでご応募下さい。
おハガキにはカレンダー希望とお書きの上、今号の「とらとやな」の入手方法、
ご感想、住所、氏名、年齢も必ずハッキリとご記入下さい。
締め切りは1月31日の消印まで有効です。
尚、発表は発送をもって変えさせて戴きます。
皆様のご応募、心よりお待ちしております。


転生人誤

誰もが何かを始めようと新たな決心をする場合、一番多く選ばれる日取りといえば、
おそらく元旦ではあるまいか?その他なら、自分の誕生日、記念日、月の初め、来週、明日から、
人によっては一時間後などというものを選択する。
だが、無念なことに決心した事を実行することは、まだ容易だが、
それを継続していくことはかなり至難を極めるものであろう。
悔しいことに持続力がおぼつかなければ、岩のような決心も無に等しいが、
完全に情けないとばかりも言えない。
聖人、偉人と呼ばれる人間でない限り、石の上にも三年座ることは簡単ではなさそうだ。
我々凡人は畳の上に三日坊主、それならまだしも一日、
いや一時間座ることでさえも容易ではないかもしれない。
これからという日を当てにしてキッカケとする決意というものは、
決意とは呼べないかもしれない。
真の決意ならば、一時間等という言葉すらも出ず、その瞬間から実行されている…。
そのはずが、ツイツイ、キッカケを欲しがり当てにする弱い人間が多い。
もう一層の事、二十一世紀を始めるという決心だけをしてはどうであろう。
誰でも出来るし新時代は必ずやってくる。
ただ2001年の幕開け以降をどう飾るかが、私を含め一門全ての所業如何に期待される事であろう。
まさにこれこそが春団治一門、世紀の大改革と呼ぶに相応しい。(福団治 記)






2000年11月1日号(増刊号パル)

一門も芸術の秋
独演会ラッシュ

秋と言えば、食欲の秋、スポーツの秋、そして芸術の秋。
前回の「とらとやな」の落語会案内で掲載させて頂きましたが、秋は独演会ラッシュでした。
文楽劇場の春駒の会、ワッハ上方の小福ひとり舞台、春若独演会、厚生年金での春之輔落語会と
一門だけでも本当に凄かったんです。
もちろん春団治一門だけではありません。他の一門でも結構秋にかたまってるのです。
なぜ?疑問に思う方に、それは、芸術祭とか文化祭とか参加するには、
この時期と期間が決まっているからなのです。
もちろん、この時期に開催する落語会すべてが、そういった祭りに参加しているとは限りませんが・・・。
しかし、、気候がよいのは確かで、あまり冷房、暖房に気をつかう必要がなく、
会館によってはその分費用をとるところが多いので何より経費が安くつきます(ちょっと細かい)。
とにかく、どの会も盛況でありがたいことです。


スタンプラリー実施中
一門グッズがもらえる!!

平成6年の「とらとやな」発刊と同時に始まったこのスタンプラリーも、最初に45個
(スタンプカード1枚分)集めた枚方市の小幡さんをはじめ今まで多くの方々が一門グッズを手にされました。
10月にも「浪漫笑」で45個、達成者が2人出ました。
ということは、それだけお客さんが落語会に足を運んでくださったおかげだと感謝いたしております。
ただし、商品はどんどん変わっていきますので、ご了承ください。
これからもいろいろなグッズが登場すると思いますので、どうぞお楽しみに。
【スタンプラリー 平成12年11月1日現在の商品】
 10個   サイン色紙
 20個   Tシャツか一門タオル
 30個   Tシャツ+サイン色紙
 45個   Tシャツ+一門タオル+サイン色紙


新コーナー

編集委員では皆様からのお便りをお待ちしております。
「とらとやな」に対するご意見、ご感想、一門へのご質問、個人へのご質問はもちろん、
ご来場いただいた落語会のことでも結構です。
こんな噺を一門のこの人にして欲しいとかでも、皆さんが作った小咄でも・・・。
お便りの宛先は、
〒558−0023 大阪市住吉区山之内3−6−7第3ハイムゆり313号大崎方まで。




2000年9月2日号

遂に英国進出
小春団治が落語で初快挙

毎年夏に、イギリスのエジンバラで行われる世界最大の芸術祭、
エジンバラ・フェスティバル・フリンジに、小春団治が噺家として始めて参加した。
エジンバラ・フェスティバル・フリンジは、世界中からアーティストが集まり、
スコットランドのエジンバラ市内二百カ所で1ヶ月の間に六千から八千公演も行われる、
文字通り世界最大の芸術祭。
この芸術祭で小春団治は世界の人々を相手に、日本語のまま英語の字幕入りで「お玉牛」を演じた。
まずはエジンバラに先立ちロンドンでも二カ所公演を行なった。
8月2日、フォーラムホテルで日本人だけを対象にした落語会を開催、
福矢のあと小春団治が古典と新作を一本ずつ披露。
会場決定が公演二週間前で宣伝があまり行き届かなかったにもかかわらず、
約70人のお客さんの中にには日銀ロンドン支店長の姿もあり、
久しぶりの落語を楽しんだ様子。
続く3日はリージェントパーク沿いの大和日英基金。
こちらはほとんどが外国人で、鳴り物解説の後、字幕版「お玉牛」の英国デビュー。
日本語と英語の文法の違いで、笑いに少しずれがあるものの上々の反応。
後の懇親会では日本大使館の一等書記官やBBCプロデューサー、画家などと談笑、
来年の公演の話まででた。
そして5日、ロンドンからスコットランドのエジンバラまで列車で移動。
8月7日から12日までエジンバラのオーガスティンズ・スタジオで
フェスティバル初の落語の公演が始まった。
毎日内容を手直ししながら生の三味線・太鼓のはめ物入りで「お玉牛」を6日間公演。
初日・2日目こそ十数人の観客だったが、3日目からは30人を超え、
4日目にはTVや新聞の取材を受け、次の日各紙で大々的に報道された。
特にタイムスはカラーで大きく取り上げ、「RAKUGO」を英国に知らしめた。
最終日にはスコッツマン紙で4つ星の批評も出て客席は満席となり、
英国公演は大成功で幕を閉じた。


福矢が同行


「小春団治エジンバラ公演」に、鳴り物担当として同行したのが、桂福矢である。
もちろん英語は喋れない。喋れないどころか、日本語も危ない。
 26歳にして初めての海外旅行、飛行機に乗るのも2回目である。
「お前みたいな奴が、ひったくりにあう」と言う言葉を尻目に、関空を出発。
イギリス、ヒースロー空港に着いた福矢は、宇宙旅行にでも行く様な荷物。
おおいに失笑をかう。
 ロンドンのホテルにチェックインした後、「ちょっと散歩に」と一人で出かけたものの、
青い目をした外国人にビビってしまい、30分後ホテルに戻る。
福矢は思った、「阿倍野に帰りたい」、なんと渡英初日からホームシックにかかる。
 そんな福矢も、なんとかイギリスに馴染み、いよいよエジンバラへ。
エジンバラ行きの電車から見える大草原に異常に反応、向かいに座っている小春団治に、
「兄さん、羊が見えますよ、牛ですよ、うわー、馬ですよ」、
「海ですよ海、海って広いですねぇ」、見たままである。
これには小春団治一行あきれ顔。
 エジンバラ到着。朝昼晩の外食はお金がかかると、自炊をする事に。
今まで何の役にも立たなかった福矢だが、喫茶店で働いた経験をもとに、
パスタ、オムライス、お好み焼き等、楽屋では見た事のない働きっぷり、おまけに舌もよく回る。
 新しい活躍の場を見つけた福矢は、仕事も上の空、朝から買出しに精ををだしていた・・・


蝶六また結婚

7月2日、桂蝶六と美人OL森美紀さんの結婚披露宴が行われ、
会場には春団治を始め200名が参加した。
司会は講談の旭堂南左衛門、入場は林幸治郎率いるちんどん通信社と賑やかに、
そして津軽三味線やのこぎりの演奏家、パントマイマー、狂言師などがスピーチや
芸で二人を祝福した。
春団治も上機嫌でマイクを手に若手落語家の祝辞に突っ込みを入れ場内は大いに沸いた。
参加者は「大勢の芸人さんもみれたし、今日ほど楽しませてもうたことはおまへん」
とすっかりショー気分になっていた。
実は新郎新婦ともこれが二度目の結婚で、新婦の美紀さんには
小学4年になる達弥君という連れ子が一人いる。
出会いは5年前、蝶六が浪花座で10年来先生役を務めていたちびっ子大喜利で、
生徒役として当時4才の達弥君が参加。
その時彼が蝶六に手渡した手紙にはたどたどしい文字でこう書かれてあったそうである。
「ぼくのパパになってください」ここから二人いや達弥君を入れて三人の交際が始まったそうな。
奇しくも別れた前妻との間に同じ年の男の子を持つ蝶六。
今度こそきちんと家庭を守って頂きたい。


転生人誤

阿倍野区にある私の稽古場は、度々、テレビの撮影に登場したり、今まで色んな人が尋ねて来た。
稽古場を借り、もう20年程になる。時々、私も夜遅くなると、稽古場に泊る。
この稽古場は、昭和9年に建てられた古い建物である。
 そんな稽古場に、ある日、空き巣が入った。調べてみると、荒らされている部屋、
まったく荒らされていない部屋とに分かれていた。
荒らされている部屋には、昨年受賞した芸術際賞の楯、賞状等が置いてある部屋であった。
 そして、人の入った気配のない部屋には、大阪府知事褒賞の賞状が置いてあった。
その時の知事の名前が、山田勇(横山ノック)と書いてある。
さすがに空き巣も手をつけないはずで、ノックは無用・・・
 その他悔しかったのは、ゴルフバックの中から、最近買った、高価なドライバーだけが、盗られていた。
刑事が来て感心しながら、「ゴルフの詳しい男やなあ、
空き巣の手口もシングル級や・・・」  福団治記






2000年7月1日号(増刊号パル)

大使たもんだね、梅団治

落語会で、桂文福師の「紀の国大使」は有名なところであるが、この度、
梅団治が「おかやま晴れの国大使」に任命された。
岡山県は天気予報でいうところの晴れが、全国で一番多い県なので、
晴れの国大使というらしい。
岡山県倉敷市出身の梅団治は石井知事から委嘱状を手渡され、
県内の有名観光地である後楽園や倉敷チボリ公園を視察した。
築庭300年になる後楽園は久しぶり、最近できたチボリ公園は初めてという梅団治は
視察というより、完全に観光客と化していた。
今は東京ドームだが、幼い頃は後楽園で巨人戦があったので、
巨人は岡山の球団だと思い込んでいたアホである。
岡山県を広く世間にPRするためにと選ばれたのだが、
果たして県のイメージアップにつながるのかどうか。
まっ、とりあえずこうして「とらとやな」に掲載されたことで、
少しは役目を果たせたのでは?




2000年4月29日号(増刊号パル)

春団治、古稀を迎える

3月25日、桂春団治が古稀(70)を迎えた。
その夜、春団治と夫人、二代目春団治夫人と弟子達が大阪市内の鰻屋に集まり、
内輪だけのささやかな宴席を設けた。
弟子達からフェラガモのバッグを贈られた春団治は終始上機嫌で、
70歳とは思えぬ飲みっぷり。
「本当に70?」といぶかしがる弟子達に、
春団治はカバンからおもむろに、70歳を証明するある物を取り出した。
それは、大阪市から贈られた「敬老優待乗車証」だった。
まだまだ元気で、年寄り扱いはして欲しくないが、
電車とバスがタダになるのはちょっと嬉しいと、複雑な心境のようだった。
そしてついに3月27日、初めて敬老優待乗車証を使う時がやって来た。
それは毎日放送「ちちんぷいぷい」の広島ロケのため、
新大阪に向かう地下鉄御堂筋線天王寺駅の改札で使用された。
春団治曰く、有人改札を乗車証を見せながら通るときは、少し「緊張した」そうだ。
JR沿線に住む春団治は、いつも新大阪までJRを乗り継いで行っていたのだが、
その日は乗車証があるからと天王寺から地下鉄に乗り換え新大阪へ。
これから春団治は地下鉄で目撃されることが多くなるだろう。




2000年3月1日号(増刊号パル)

暗い小福に明るい話題
大阪文化賞奨励賞受賞

 福団治門下の小福が平成11年度の大阪文化祭賞奨励賞を受賞した。
 昨年の10月10日にワッハ上方演芸ホールで開催した「第5回、
小福ひとり舞台」の成果が認められての今回の受賞で、昨年の12月に丁度、
芸歴丸20年を迎えた小福に受賞内定の電話が入り、二重の喜びとなった。
 小福はこの20年間、賞というものには無縁の噺家で、本人曰く「一生涯、
受賞の喜びなど味わうことなど無いと思っていた」というだけに喜びもひとしおである。
 小福といえばこの一門新聞で話題の尽きない男で、住宅ローンに
子供の養育費、慰謝料とお金はナンボでも欲しい二重苦、
いや三重苦、多重苦の私生活を送っている。その男にこの受賞、
ところが前年まで副賞として賞金があったこの賞も、この不況からか今回からは無し。
 「なんでやねん」と小福はぼやくが、楽屋では小福らしいと全員が笑っている。



2000年1月1日号

春団治ハリウッド進出か!?
CMでメグ・ライアンと共演

 三代目桂春団治の出演するCMといって思い出すのは、
関西電力と日本ハムの白いウインナーのCMである。
いずれも楽屋では「三代目がCMにでてはる」と大評判になった。
 そして今回、新たにサントリー「のほほん茶」のCMに
出演することが決定したのである。
なんと、その共演者があの超スーパー・ビッグ・アクトレスの
メグ・ライアンとか。
 メグ・ライアンといえば「シテイ・オブ・エンジェル」「めぐり逢えたら」などで
世界中に感動を与えた、今やハリウッドを代表する大女優である。
しかも、これまで共演した男優はトム・ハンクス、ニコラス・ケイジ、
デンゼル・ワシントンら、アカデミー賞をとっている人ばかりで、
CMといえど、さぞかし春団治も興奮しているのではと思いきや
「メグ・ライアンて誰やねん」とその存在すら知らなかった様子。
それでも知らぬは先方に失礼とCMで彼女のお顔を拝見
「うーん、この娘は好みやないわ」好みだったら何をするつもりだったのだろう。
春団冶にはアーちゃん(奥さん)が一番で、どうやらメグ・ライアンも
メス・ライオンも変わりないようである。
 収録は1月15日から20日までの五日間、アメリカのロスで行われる予定で、
夫人も一緒の旅となる。何より向こうでの食事が心配な二人、
今から持っていけそうな日本食を吟味しているそうな。
はじめて行くロスの旅、どうぞ自由の国アメリカで「のほほん」とした旅を
楽しんで下さい。


壱之輔が年季明け
春之輔一番弟子

壱之輔が平成11年12月13日、事始めの日にめでたく年季明けをした。
落語を全く知らなかったという壱之輔は、テレビで春之輔を見てファンになり、
三年前の春之輔独演会の時、中座の楽屋口に春之輔を訪ね
「弟子にして下さい」と言ったそうである。
それを聞いた春之輔は「明後日、正午から京都で仕事があるさかいに、
そこへ来い」と言ったそうで、当日、遅刻をしてはいけないと思った
壱之輔は30分前から表で待っていた。しかもその日は降っていた雨が
雪に変わるほど寒い日で震えながら待っていたのである。
ところが一向に春之輔はやって来ない。なかなか来ない、
本当に来るのだろうか、やっと春之輔がやって来た。
時計を見ると時刻はすでに午後四時、噺家の世界では
四時のことを正午というのだろうか、まさか。
壱之輔は思った「たぶん、この人はどれだけやる気があるのか
試したのだろう」「でも単に遅刻したのかな」真相は今も
謎に包まれたままである。
 一般に噺家の修行といえば師匠宅の撮除、洗濯から仕事のカバン持ちと
色々あるのだが春之輔のところは午前中に行くことはなく、
昼頃に電話をして用事があれば行き、なければ「好きにせえ」と
こんな修行?で家事の手伝いとかは一度もしたことがないそうである。
そこに何か弟子に見られたくない春之輔の姿があるのかも知れない。
 こういう厳しい修行?を乗り越えた壱之輔は「師匠春之輔のように
華のある芸人になりたい」と噺家としての新しい一歩を踏み出したのである。


梅団治写真家デビュー
SL写真集発売

2000年の2月20日(日)昼2時20分からと夕方5時50分からの
二回公演で梅団治が噺家になって20年という記念の会「梅満会」が
開催される。
昼の部は企画ものでSLがでてくる新作落語「父ちちゃんのポー」
(さとう裕氏との合作)を演じたり対談があったりで、
何とロピーでは悔団冶が撮ったSLの写真集の販売までする
(あきれてモノも言えんわ)そうで、一度、見てみたい?
ものである。
 噺家がモデルになった写真集といえば三代目春団治をはじめ
いくつかありますが、噺家が撮った写真集はめったにありません
(円丈師のこま犬ぐらい)。
この「とらとやな」に登場した写真も掲載しているそうで、
写真は素人の梅団治だが写真集の出来栄えは上々らしい。
 夜の部は爆笑落語「黄金の大黒」「野ざらし」「寝床」の三席を演じる。
詳しくは落語会案内をご覧下さい。


世紀末の恐怖
貴春多忙

 何かがおかしい、貴春がおかしい、それは前からおかしい。
貴春が忙しい、それはおかしい。
仕事といってもアルバイとの工事現場の仕事ではありません。
本業の落語の仕事なのです。やっぱりおかしい。
いつもの年なら年に五回しかない仕事が、今はなんと週に五回、
しかも国内だけではなくアメリカでハンバーガーを食べたり、
中国でギョウザを食べたりしている毎日らしい。
本当におかしい。ひよっとすると地球滅亡のマエブレかもしれない。
ノストラダムスの予言は当たらなかったけれども今回の貴春の件は
あたるかもしれない。
この世紀末、どうか貴春君、全世界を守るため暇であってくれたまえ。
そうすることが地球を守るのだ。
君が地球を救うウルトラマンになるのを皆が待っている。
貴春が英雄になる日はいつ?


ディズニー大好き
ご案内は以外や春駒です

 「又、行くのん」「何がそない面白いねん」「どこがええねん」と
半分バカにされながら、皆さんによく聞かれます。
そう考えるとホンマによう通うております。
かれこれ東京ディズニーランドが開園して16年、開園2年目からですから
15年の間、毎年二回づつしかも一回行くと約一週間おりますんで延べ
相当なものになります。
一時なんぞは年間パスポートまで持っておりました。
もちろん、アメリカ西海岸はロスのディズニーランドにフロリダは
オーランドのディズニーワールドにも行きました。
 ええ歳して変な奴だと思われても当たり前ですが、なぜ私が飽きもせず
通い続けるかと言いますと、それは創始者ウォルト・ディズニーの精神で、
来場者への徹底したゲスト待遇、それにいつまでも完成しないテーマパーク
、常に新しいアトラクションが今も増え続けています。
これにハマッてしまったんです。
それに私は園内あちこちで行われているミュージカルショーの舞台と衣装の
豪華さ、演者の技術の高さ、完成度にも毎回感動しています。
落語にはまるで関係のないようですが、同じ舞台人として感銘を受けるところが
沢山あるんです。
園内全て、どんな細かい所までも計算しつくされた作品です。
草花一本でさえかなりのお金がかかっています。
私の落語もここまで徹底できれば…。
皆さんも是非ディズニーランドに行ってみてください。
 それではここで園内を無駄なく、有意義に過ごすノウハウをこの春駒が
伝授します。
まず日曜、祭日、特別イベントの日は予約しないと入場できないときが多いので
要注意。
そして昼間は入気アトラクションには乗らないで、閉園30分位前に乗ること、
どのアトラクションも2・3時間待ちなのですが、閉園前なら10分待ち位になります。
ですから昼間は各ミュージカルショーを楽しむのです。
こうしないと待ち時間だけで一日が終わってしまいます。
 我々噺家からみるとあのお客さんの多さはとにかく羨ましい。
近々、すぐ横に海をテーマとしたデイズニーシーという大きなテーマパークがオープンします。
血が騒いでいます。
又、お客さんが溢れます。
そこには必ず私の姿があります。
そしてこの言葉が出ると思います「やっぱり落語はディズニーには勝てんわ」


転生人誤 

毎年、落語家は師走の13日に事始めを行う。
 その日になると一年を振り返ってみるのだが、今年は師匠をはじめ
春団治三代のCD発売、師匠のCM出演決定、小春団治襲名、
そして私ごとになるが、芸術祭優秀賞受賞と何かと嬉しいことが多かった。
 事始めには『恒例!今年の春団冶一門10大ニュース』が発表されるのだが、
今年も酒落まじりのニュースがおおいに笑いを誘った。
その中で一番傑作だったのが『小福が入院、とうとう女房最後まで
見舞いに来ず』で、場内しばらく爆笑が止まなかったほどである。
思えば去る6月に大腸憩室炎で小福君が入院した時、見舞いの花の並ぶ中に
ポツンと夫婦の湯飲み茶碗があったのを思い出す。
そして、その茶碗は退院の日まで使うこともなく、ほこりのかぶったまま、
ベットの横にわびしく置いてあったとか…
昔から「夜目、遠目、傘のうち」と言うように、もしそんなところから、
一目惚れして愛して夫婦にまでなったとしたら、現在の小福君は
「よめ、とうめ、かさのうち」と言うよりも「嫁、冬眠、かりのうち」
と言ったら酒落にもならんかも。
これからの彼の人生、幸多かれと祈る。(福団冶)






平成11年11月1日号(増刊号パル)

音楽芝居
小春団治、蝶六が「忠臣蔵」に

 年末と言えば何と言っても「忠臣蔵」。
その忠臣蔵に小春団治と蝶六が出演する。
 公演日時は11月8日から14日までで、11・12日は休演日。
小春団治は吉良上野介役で小米朝とのダブルキャストのため8・9日の午後7時と
10日午後3時、午後7時の出演となる。
 会場は天王寺区の一心寺シアター(06・6771・7807)で、
他に安藤伸元(狂言師)、国本武春(ロック浪曲)、赤坂放笛(狂言)、一色洋輔(アジアンパーカッション)、
久保比呂誌(津軽三味線)、サキタハジメ(のこぎり演奏)、等々力政彦(フーメイ)、
西村恵一(ヴァイオリン)、マイケルジャックソン、山内圭哉(ギター)、吉岡賢治(パントマイム)他、
多彩なメンバーが出演する。
 チケットはチケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイドにて発売中です。



平成11年7月1日号

中座で最後の襲名
小春団治御披露目

 小春改め三代目小春団治の襲名披露は、四月二十三日、
道頓堀中座からスタートした。
トップの福車の後いきなり春団治が登場し、文枝、米朝と、
紫綬褒章、人間国宝が続く贅沢な落語会となつた。
中入り後は春之輔の司会で春団治、米朝、文枝、五郎各師が口上を述ベ、
横山ホットブラザーズ師の賑やかな漫才の後、いよいよ小春団冶が登場。
二代目春団治夫人の作による新出囃子「小春団治囃子」にのり、
母校立命館大学から贈られた、立命マークを胸に染め抜いた色紋付きに身を包み、
新作「職業病」を披露。十月で閉館が決まった中座最後の襲名披露を
満場の観客はたっぷりと堪能した。
 当日のパンフレットには、横山ノック大阪府知事のお祝いの言葉が
寄せられていたが、実は知事選の四月十一日にはすでにパンフレットの
印刷は済んでいて、肩書きには「大阪府知事」と書かれてあった。
下馬評では「現職圧倒的有利」といわれていたが、もしものことが起これば
一から印刷し直さなければならない。そこで抜け目のない小春団治は、
もしもに備えて、印刷屋にパンフの発注と同時に、「前」と書かれたシールも
一緒に発注していた。
 その後、松之助、染丸両師に高校落研後輩の北野誠とタージンまで口上に並んだ
「もとまち寄席」。
最多人数となった春団治、三枝、春之輔、福笑、文珍ら七人の口上の「創作落語の会」。
春団治、五郎のほかに志ん朝師も加わった東京国立演芸場。
南光、文福の口上に春やすこ・けいこ、堀ちえみの即席漫才まで飛び出した枚方市民会館。
など各地で披露の会が開かれ、七月三十一日の宝塚「おばやし亭」で一応襲名披露の会は
幕を閉じる。
小福が初体験
大使館の仕事で韓国へ

私、何をかくしましょう、初体験は「韓国」だったんです。
つまり一人目の子供を仕込んだんが、ハネムーンの時で場所が「韓国」、
なんて訳無いでしょうが。ウチの家はネ、仲が悪いのよ。
御存知の方も多いでしょうが(ほとんどの人が知ってると思うけど)
別居中なんですよ。
おまけにハネムーんには行っとらんのですよ。
ついでに言うけど旅行なんて一ぺんも行った事ございません。
旅行どころか家族全員で外出した事など皆無。
なんでこんな人生送らんとあかんのじやー!
 いやいや失礼しました。ついつい筆がすべりまして。
いやね、私外国へ行った事が無かったんですよ、お恥ずかしい話が。
それで初めての海外が「韓国」、つまり初体験ちゅう訳ですわ。
しかし韓国行きと言えば男性は、「遊ぴと違うん?」とお思いでしょうが、
さにあらず。なんと韓国の日本大使館の依頼を受けて、仕事で行ったんですぞ。
日本の文化、芸能を披露するイベントで、上方落語を公演した訳です。
笑福亭松枝師、桂文福師、そして私の落語家三人と、落語作家のさとう裕氏、
漫画家のいわみせいじ氏、計五人の一行で関空をスタート、
二日間の公演でして一日目は八割方の入り、二日目は大入りで立ち見も出る盛況、
おまけに大使御夫妻もお越しになり、大喜びでお帰りになりました。
落語に大喜利、南京玉すだれに河内音頭と、舞台は常に熱いムードで包まれました
(ライトもごっつ熱かったけど)。
 自分で言うのもなんですが、皆ホンマにようウケてましたで。
日本の誰もが見てないから勝手な事言うてるやろとお思いの方、
関係者の人に聞いて下さい。間違いなしの成功でした。
ひょっとしたら日本の時よりも良かったんとちゃうやろか、
と思うぐらいうまい事いきました。
韓国に永住した方が仕事増えるんと違うかなと思たほどです。
 皆さん「韓国」のお客さんはよろしおまっせ。
日本のお客さん!もっと笑って下さいよ。
 えっ?私の芸がおもろないから笑えん、えらいすんまへん。
交通ルールを守ろう
梅団治が多額の罰金

 SL撮影が趣味の梅団治が、なんとスピード違反取締りカメラに撮影された。
ところは愛知県春日井市の東名阪と東名を結ぶ有料道路で、この日も梅団治一家は、
小福宅と違い家族全員でSL撮影に群馬県(上越線)へ行く途中だった。
 午前四時過ぎ、前方の車が急ブレーキを踏んだ。
「危ない。こいつ酔うてんのんとちゃうか。巻き込まれたらかなわんさかい
抜いてしまお」追い越し車線に出てアクセルを踏んだ梅団治に突然、
真っ赤な光が襲った。そう、前を走っていた車は知っていたのだ。
 梅団治が免許証を取得したのは二十歳のときでそれから二十余年もの間、
無事故、無違反で当然その時はゴールド免許、公安委員会からは優良運転者の
表彰案内までもらったことがあったが仕事で行けなかった。
それが災いした。
 名古屋からの電話に始まり、住吉警察へ、新大阪へ、門真へとあっちこっち
行かされたあげく、刑事上の罰金8万円、行政上の処分が免停3か月で、
二日間の講習を受けて半分の45日、講習代が2万7千6百円と、
この不景気には、辛い判決がくだった。
 聴聞会の時、今までのことを色々言ったが「ああ、そうですか」と聞き流された。
あれから家族で外食もできない。二度と、あの有料道路は走らない、
そうして罰金分を取り戻してやる。
 皆さん、交通事故はもちろん、交通違反にも気を付けましよう。


雨中の決戦
春団治ヘアーズ大敗

 去る6月22日、浅香中央公園において2年ぶりにヘアーズ
(春団治一門野球チーム)の試合が行われた。
梅雨で生憎の雨だったがメンバーは、ほぼ全員そろった(不況の賜物)。
相手チームのトローイングスは八尾の会社のチームでヘアーズにとっては
強すぎたうえに、初回から春彦、一蝶とエラーが続き三番、四番に
梅団治が打たれ、いきなり4失点。早くも弱いのが相手にバレてしまった。
 しかしダブルプレーも達成、ショートの吉次からセカンド小春団治、
そしてファーストの福車へ(やればできる)。
こんなプレーもあった。
センター前ヒットを打った福矢が一塁でアウト、なんと記録はセンターゴロ
(アホ、ボケ、カス)。
 最終回はチャンスを迎え、代打の切り札春団治の登場。期待通り、
見事フォアボールを選び出塁、満塁で小春団治、ここでアウトなら
名前の「小」を取るどころか全部取られると身体を張ってデツドボールで一塁へ、
最後は福矢がアッケなくサードゴロ(アホ、ボケ、カス)。
結果は7対3だったが、明らかに大敗だった。
 なお、春駒は雨は嫌だとほとんどベンチに座っていた。
 今回のメンバー
1番セカンド小春団治→春駒、2番ファーストー蝶→福車、
3番ライト春雨→壱之輔、4番センター福矢、5番ショート吉次、
6番レフト春彦、7番サード春菜、8番キャッチャー貴春、
9番ピッチャー梅団治、そして代打の切り札春団治。

検証古典落語(5)
始末の極意の巻(福車)

 今回のテーマは始末の極意より、「梅千しを眺めるだけで飯が食えるか」
についで検証してみましよう。
 私はこのネタを師匠福団治から十数年前に教わりましたが、演芸場などでも
かけることの出来るコンパクトな軽みのある噺として演らせでもらっています。
演者によっては30分の大ネタとして演じる場合、裕福そうな家の子に菓子を与えて、
そこから食事をよばれてタバコもごっそりタバコ入れにつめ込み、はては土産まで・・・
のくだりを入れるが、あの部分は「始末」ではなく「詐欺」なのでサギとりは
前回で終わってるし、今回は対象外とさせていただく。
 まず大粒の南高梅一個を皿にのせ、茶碗に御飯を一杯、炊きたてなので
オカズなしでも食べられそう。塩は「減る」のでもちろん用いない。
じっくり梅千しをながめて、口の中にジワーとつばが…湧いてこない。
そうやオレ梅千しあんまり好っきゃないねん!
そこで好物の白菜キムチに変えると、確かにつばは湧くが白御飯を口に運んでも
キムチの味はしない(当たり前やけど)むしろ視覚と味覚にズレが生じ、
おいしさは感じない。
梅干しの大好きな六才の長男を実験に使ったが、「とうさん見るだけて意味わからん」
「こんなものお口に入れんとおいしいてわからへんやろー」と
御飯ふた口ほど食べたところで制止を振り切り梅に箸をつけてしまつた。
やはりそうだ。
なまじ目の前に美味しそうなモノがあって、口に入れないのはストレスが溜まるだけ、
それならいっそ米だけの方が節約にもなる。
書きつぶした紙で鼻をかむのも柔らかいティツシュに慣れた我々にはやや無理がある。
壱之輔のように鼻が赤くなるだけだ。
 やはり古典落語はそのまま現代社会には当てはめられない場合も多いようだ。
 結論・・・梅千しを目で見ただけではオカズにゃならん。
アダルトビデオやあるまいし。
転生人誤
教師が落語家に!?

最近の学校では落語家の教師、講師が増えてきた。
実は私もその一人である。いずれも落語家に学校側から講師の依頼があって
受諾する事になるのですが、もともと教師であった人が落語家に
入門してきたというケースもある。そのひとりが桂丸福君です。
彼は永い間、教師である事を伏せていた。
入門当時は、毎日オートバイで京都から我が家まで通って来ていた。
雨の日も風の日もバイクで通い、一日も休まず三年間、見事修業を努めあげた。
その訳は家から学校へ、学校から我が家へは余りにも不便でバイクでなければ
毎日通って来れなかったのだ。それをある新聞社が記事としてとりあげ、
丸福君の顔写真が大きく新聞に載ったのである。
朝、丸福君が学校へ登校すると皆がジロジロ見るのである。
職員室で隣の先生が、その新聞を取り出し、丸福君の顔とジロジロ見比べながら
「これ、田村先生とちゃいますか」「ああ又言われました。桂丸福によう似てると、
今日で三人目ですわ。世の中にはよう似てる人がいるもんですなあ。
その為に私がえらい迷惑してますわ」とごまかした。
 その数日後、あるイベントで丸福君がステージで喋っている所を
同じ先生に見つかり「やっばり田村先生ですな」「ああ又ですか、
田村先生によう似てる言われまんねん。世の中にはよう似てる人がいるもんですなあ」
…ばれてしまった。
(福団治)
本におまけが…
いわみ氏が単行本出版

 この春団治一門新聞「とらとやな」に、いつも四コマ漫画や
イラストを描いてくれている和歌山県出身の漫画家いわみせいじ氏が、
この度、単行本を出版されました。
 この単行本は十年前からニュース和歌山で連載されていた
「和歌山さんちのハッサクくん」を一冊にまとめたものです。
もちろん四コマ漫画を中心とした本ですが、今までにないユニークなおまけが
たくさん付いています。
おまけその一、その場でサイン。その二、その場で似顔絵。
このふたつのおまけは、どこでも場所は問いません。
著者を見つけたら声をかけてください。サインか似顔絵を描いてもらえます。
その他にも色々なおまけがありますが、それは本を買ってからのお楽しみ。
 この本をご希望の方は最寄の大手書店、或いは「図書出版・浪速社」
TEL06・6942・5032までお問い合わせください。
 「とらとやな」愛読者の皆さん、いわみ氏の単行本も応援よろしくお願いします。