2月11日(金)くもり 
    
 7:10起床。朝食はビュッフェで洋食と中華とお味噌汁があった。いろいろと少しずつ食べた結果、ピータン粥、ザーサイ、フルーツポンチがおいしいことがわかった。明日の朝はそれをたくさん食べよう。  
   
 8:00過ぎにタクシーでテレビ塔(東方明珠塔)へ。タクシー代はホテルから15分〜20分くらいかかって25元と黄捕江をくぐるトンネル通行料15元で合計40元(500円くらい)。テレビ塔はアジアでは1番、世界では3番目の高さ(ちなみに世界で一番高いのはカナダのトロントにあるCNタワー(←クリック参照)で、2番目は名前はわからないけどモスクワにある塔)を誇り、なんとも斬新というか奇抜というか、とにかく今までにみたこともない不思議なデザインだった。むか〜しむかしのひとが「未来ってこんな感じかな?」って想像したデザインをそのままホントに作っちゃいましたみたいな…。テレビ塔は展望台が2つあり、上まで昇ると入場料100元(1,300円)もする。上海の主要観光名所の入場料はだいたい10〜20元くらいだからテレビ塔の入場料はかなりの破格だと思う。  
  
 まずは地上263mの展望台へ行ってみた。エレベーターガールは中国語でホニャホニャ説明した後、英語でも説明をしていた。窓の外はものすごく霞んでいて「こっちは雲南省」とか書いてあるんだけど、真下にある黄捕江を挟んだ対岸の外灘も良く見えない。100元も払ったのにもったいない。 
  
   上の地上350mの展望台へ行くとすぐ横にある中国一、世界でも3番目に高い金茂大廈88層観光というものすごくかっこいい88階建てのビルを見下ろせた。このビルは54階から87階までが上海金茂凱悦大酒店(グランドハイアット上海)になっている。一度泊まってみたい!けど1泊ツインでUS$300〜だそう…うーむ…。テレビ塔のふたつの展望台の間に銀色の球が5つ縦に並んでいる。そこは1つの球に4部屋あるホテルだそうで、部屋数が全部で20しかないのでなかなか予約が取れないそうだ。そっちにも泊まりたいーっ!窓の外を覗き込むように眺めていたら係員のお兄さんが「ニホン?サービス!」と言って備え付けの双眼鏡を無料で見せてくれた。だから真っ白でほとんど見えないっちゅーの…。 
   
 エレベーターで地上に戻るとプリクラがあった。1回20元て書いてあってコインを入れるところがあるけど、一番大きいコインは1元。1元コインを20枚入れるの…?と疑問に思い、隣の写真館へてけてけさんが聞きに行ったらお店の人が来て、機械の前扉を開けて中にあるパソコンのキーボードのようなものを操作して写せるようにしてくれた。お土産に小さいテレビ塔キーホルダーが欲しかったけど置物しか売ってなかった。絶対にかわいいと思うんだけどなぁ。 
     
 テレビ塔を出てフェリー乗り場へ向ったけどよく分からない。近くにいた警備員(?)のおじいちゃんに道を尋ねたら「んーっ(この道をまっすぐ行く)、ん、んーっ(そうすると、突き当たるから右へ曲がる)、ん、んっ(まっすぐ行けばフェリー乗り場がある)」(かっこ内はおそらくそう言いたかったのであろうと思われる私の勝手な訳))と体いっぱい使った身振り手振りで教えてくれた。とっても優しいおじいちゃんだった。お礼を言って歩きだし、最初の十字路で「ここを曲がっても行けるんじゃない?」と曲がろうとして、まさかさっきのおじいちゃんが見ていたりして…と、ふと後ろを見たら遠くの方でおじいちゃんが「違う違う!まっすぐ!!」とまたまた体いっぱい使って教えてくれていた。大笑いしながら素直にまっすぐ進んでしばらく歩くとリバーサイドなんとかという入口があって、その中は有料のようだった。さっき適当に曲がってしまったら、きっとこの中を通ることになっていただろう。だからおじいちゃんは私たちが曲がりそうになったら全身フルに使って教えてくれたんだ。次の曲がり角で後ろを見たけど、もうおじいちゃんの姿はなかった。でも、フェリー乗り場に着いたらおじいちゃんが先回りしてて「ちゃんと着いたか」と見届けてくれたりして…とか、「おじいちゃん、ちゃんと着きました!ありがとう!」って言いに行こう…とか話しているうちにフェリー乗り場に着いた。  
 フェリー乗り場の門が開くと待っていた人々は走り出した。なんでそんなに慌てるのかと思ったら、座るところを確保したかったみたい。そんなたいした距離じゃないし、座ると外の景色が見えないじゃん、と思っていたら、このフェリーは地元の人々がたくさん利用していて外の景色なんて見飽きているようだった。私たちは前のデッキで未来的な浦東地区とレトロ情緒たっぷりの外灘を眺めていた。フェリーとかデッキとか書いているけど、実はそんな素敵な船ではなかったのだ…。 
  
後ろに薄っすら見えるひょろ長い建物がTV塔
    
 外灘は租界時代の建物がずらっとならんだエリアで、ここを歩いていると昔にタイムスリップしたみたい。ひっきりなしに車が走る車道を見なければ…ね。プーーーッという車のクラクションがするのでそっちを見るとものすごいスピードで大型トラックが走ってきた。そしてスピードをほとんど落とさず曲がって、荷台の石がいくつか車道に落ちた。たまたま近くを車が走っていなかったからよかったものの、他の車に石が落っこちたらどうするんだろう。怖い怖い…。  
 
   
 南京東路を曲がりプラプラ歩いていると「生殖健康」という看板があった。外から見ると普通の薬局なんだけど、中はおと○のおもちゃ系のお店のようだ。。。しばらく歩くと地球の歩き方に載っていた「浙江茶葉店」というお茶屋さんがあったので入ってみた。ジャスミン茶は50gで2元(約27円)くらいから40元(約532円)くらいまで幅広くあった。Y沢さんは一番高いジャスミン茶を買っていた。それは普通のパラパラしたお茶っ葉ではなく、まだ乾燥する前のお茶っ葉を丸めてつぶしてから乾燥させたような形をしていた。サンフランシスコのチャイナタウンでジャスミン茶を買ったときは高級になるほどジャスミンの花びらがたくさん入っていたけど、中国は高級になるほどパラパラ茶葉ではなく固形になっていた。「Y沢さん、す、すごい!一番高いの買ってるよぉー!」とびっくりしたけど、50gで500円くらい。こんなときでもないと超高級ジャスミン茶なんて買えないかもしれないから、私も買ってみればよかったぁ…と思ってもあとの祭り(ToT)。お店のおじさんと筆談でコミュニケーションを取り友達のお土産用、お母さんのお土産用、なんとなく用ジャスミン茶とパンダのカゴ入りウーロン茶を買った。街のひとたちはあたりまえだけど英語が通じない。今の日本よりもぜんぜん通じないと思う。英語を必要としないんだからしょうがない。でも中国は話し言葉が通じなくても漢字で意味が通じるからとってもありがたい。意思の疎通が出来たときうれしかったしおもしろかった。お店を出るときお世話になったおじさんと一緒に写真を撮ってとお願いしたら「オー!オー!」と嫌がっていた。でも他の店員さんに「いいじゃないか」みたいなことを言われて恥ずかしそうに一緒に写ってくれた。出来あがった写真を見てびっくり!なんとまぁ、内藤剛史に似ているゾ。実物はいかにも中国人といった感じで素朴で優しいひとだった。  
   
 お茶屋さんを出てすぐ甘栗を発見!もちろん買った。温かい甘栗はホクホク甘くてものすごくおいしい!!歩きながら食べていたけど、お母さんのお土産なのにいい気になって食べてたらなくなると思い我慢した。冷たくなってからも甘くておいしかった。でも買ってすぐが一番おいしくて、日が経つにつれておいしくなくなった。買ってから2日以内に完食するべし!ちなみにてけてけさん宅では、上海から帰ってきたその日のうちに食べ終わっちゃったらしい。それ大正解。  
   
 第一食品というデパートでサントリーの烏龍茶、スプライト(「雪碧」と書く。ちなみに7upは「七喜」)青島ビール、キリン一番絞り(「原汁原味」と書いてあるヨ)、きのこの山のバッタモノ、かっぱえびせんモドキ、蟹味のスナック菓子等買った。レジでお会計していたら、私の次に並んでいたおばさんがレジの台に両肘をつき私のカゴを覗き込んでいた。なんだよ、おばさん…ジロジロみんなよぉ〜。 
 続いて第一百貨店へ。1階は化粧品売り場でSHISEIDOやKOSEなど日本の製品も並んでいた。KOSEのテスティモは日本の半値で売っていた。別に化粧品を買いに来たわけではなく、実はこのデパートに来たのはO野さんのためなのだ。O野さん、小さいけど大きな忘れ物をしてしまったことが昨夜判明した。それはパンツ…。おやつのえびせんべいや各種薬などその他のものはばっちり持ってきているのに。しっかり者のO野さんのマヌケな一部を見てしまった。 
  
「東京攻略」というポスターを発見!てけてけさん情報によると、これは香港映画で仲村トオルが出演しているらしい。このポスターの背景は新宿だった。どんな映画なんだろう…観たいー! 
 お昼になり、O野さんとY沢さんはおなかの調子がいまいちらしく食欲がないみたいだけど、私とてけてけさんはおなかペコペコだった。デパートなら何かレストランでもあるだろうと入ってみた。入口で髪の薄いおじさんがなにやら店員さんに頭をいじられて最後の仕上げにムースをつけているところだった。たぶんかつらだったと思う。でもこんな入口でかつらを売っているなんて…日本じゃ考えられない。デパートの案内嬢みたいなひとにガイドブックに載っていた「この近くにバス停はありますか?」の訳文のバス停を「食堂」に書きなおして見せた。そしたら今通ってきた道の途中にあった立派なレストランのお店を書いてくれた。もっと軽い感じのお店がいいなぁと思って外に出たら、人だかりがしててお持ち帰り用のおかずを売っているお店があり、その上がレストランになっていた。ちょうどランチタイムだったので地元の方々でほぼ満席だった。メニューを見て、春巻きと小龍包は読めたので頼んで、あとはよく分からなくてウエイトレスに「炒飯」と書いて見せたら分かってくれた。「杏仁豆腐」と書いたら「杏」に×をして虫へんに下と書いた。なんだか分からないけどそれを注文したら絹ごし豆腐と海老入りの塩味のあんかけだった。ふたりはあんまり食べないっていうので、少しだけ注文した。でも結局「あたし、食欲出てきちゃった」と言ってO野さんは食べていた。どれもおいしかった。  
  
食後、てくてくてくてくてく…とひたすら歩いている途中、道端でゲンコツ1.5コ分くらいある巨大な焼きジャガイモを売っていた。見た目はジャガイモなんだけど中身はサツマイモのように黄色かった。ありゃなんだ?ジャガイモなのか、サツマイモなのか…。これも食べればよかったと大大大後悔した。ハワイに行ったときはジャガイモなんだけど皮の色はサツマイモのお芋をよく食べていた。これとはまったくの逆バージョンだわね。私が行きたかった老周虎臣筆墨荘という書道専門店でお習字の先生お薦めの上海工芸の筆を買いたかったけどなかった。そこで店員さんに「羊毛、君好筆?」と紙に書いて見せたら、なんとこんな適当に漢字をならべただけで「この辺」と指差して教えてくれた。素直に薦められた李鼎和の筆を買った。後日、お習字の先生にこの筆を見せたら「これ、すごくいいよー!」って言われた。「500円しなかったですよ」と私が言ったら先生は「(@_@)!!昔は1本5,000円くらいしたんだよー!10本くらい買ってきてもらえばよかった!」とおっしゃっていた。ふ〜ん…。先生が試し書きをしたら「いいねぇ、いいねぇ(^o^)」と満足そうだった。実のところ、私にはこの筆の良さがよく分からないのです…(^^;)。 
  
 続いてO野さんのお目当てのお茶屋さんへ。そこで私はウーロン茶とおばあちゃんのお土産の緑茶の新茶を買った。ものすごく歩いてくったくたなので、トイレ休憩を兼ねてYMCAの喫茶店でお茶をした。近代的なホテルのお洒落なラウンジでお茶したかったけど、地図を見ると付近にはそんなところはなさそうだった。私はカプチーノを頼んだ。これがバカ甘でぬるい!中国茶を注文すればよかった。 
  
 一休みしてちょっと元気を取り戻したので、またまた歩いて老西門近辺へ行ってみた。ここは地球の歩き方によると「100年前にタイムスリップしたような感覚に包まれる」とある。んー、なんていうか…今にも倒れそうな家がいっぱい。震度4くらいの地震でも危なそう。だって壁の一部がなんとなくなくなっちゃってて、家の中にいる人の足が見えるの。ガイドの黄さんは上海はほとんど地震がないと言っていた。だから特に修復しなくても大丈夫なんだろうな…。でも冬寒いでしょーと思うんだけど。あ、そういえば冬なのに昼間はほとんどの家が窓を開けていた。なんでだろう…? 
 

 

 
老西門の近くにある骨董街にも行ってみた。私は骨董品にはまったく興味がないので見ていてもよく分からない。古いなーとか汚いなーとか…そんな感じ。左上の赤と青の茶器セットはとってもかわいかったけどきっと観光客用に製造されてるものだよね。それと左上のどんぶりに浸かる男の子が笑えた。やっぱり買えば良かった…。左横は骨董街の風景。古い民家と向こうの方に見える高層ビル群がちぐはぐで、私はそんな上海が好き♪
   
 夕食はツアーの人たちと一緒なので、一度集合場所のヒルトンへタクシーで行った。まだ時間があったのでラウンジでアイスを食べた。アイスは21.85元(約290円)なのに、Y沢さんが飲んだコーヒーは40元(530円)もした。 
  
 今日の夕食は浦東側の水上レストラン海龍海鮮航で「わくわくカニ全席」。ビールを少し飲んで食べ始めたらめまいがした。うわぁ〜!なんだぁ〜?と思ったら水上レストランだから建物自体がゆっさゆっさと揺れているのだ。こりゃまずい!船酔いしてしまうではないか!大急ぎで乗り物酔い止めの薬を飲んだ。食事をするのに酔い止めを飲むなんて…。飲み物がビールか暖かいお茶しかなくて、ビールで薬を飲むのもなんだし、暖かいお茶だとカプセルがすぐ溶けちゃいそうでどうしよう…と悩んでいたら、薬剤師免許を持っているてけてけさんとY沢さんが「へーき、へーき♪」と言うので暖かいお茶で薬を飲んだ。今日の料理は昨日より全体的においしい(^-^)。とろみがついている料理が多くて、味もはっきりした感じ。直径6cmくらいの巨大肉団子スープが最高においしかった!ここの小龍包も薄切りにんじんの上に乗っていた。上海蟹は足のお肉はイマイチだけど、体のお肉はおいしい。そしてミソ!これがぜんぜん生臭くなくて、ねっっっとりしてて舌にまとわりつく感じですっっっごーくおいしい!!てけてけさんはミソしか食べてなかったので、体の身をもらって食べた。上海蟹は死んでいるものを食べると中毒になるんだそう。ということは生きているまま調理するんだ…。デザートのおしるこも日本のものよりまったりして、白玉みたいなお餅の中に黒ごまが入っていてグー♪食べ終わった頃、ウエイトレスがシルクのスカーフとパジャマを1つ1,000円で売りに来た。私たち20代チームは品物を手にも取らずに「いらない」と言っていたが、おじさんおばさんチームは「あら!このメーカー、アメリカの通販で売ってるわよ!」「おばあちゃんにはピンクがいいのよ」「この柄、イマイチかしら?」「あら、それステキよ!」「こっちは座ってるだけで、向こうから品物もってくるから楽ねぇ〜」とか言ってひとり3〜5枚パジャマを買っていた。
 

 
(左上)これが上海蟹!おいしいよぉ♪ (左下)ゆ〜らゆら水上レストランの模型 (上)デザートのスイカとみかん。みかんは薄皮&白い部分付き… (右)わくわく蟹全席の一部。今日のはおいしいよー♪
  
 食事が終わり、帰り道に途中でバスを降ろしてもらって外灘へ行った。ここは夜になるとライトアップされてて感動するくらいとってもキレイ。黄浦江沿いの遊歩道はフィルム屋さんがたくさんいた。そりゃ、これだけの景色なら写真をとりたくなるわ。望遠鏡屋さんもいて、1回につきオルゴールが1曲流れる間望遠鏡を覗けるらしい。そのオルゴールの曲が♪Happy Brithday to you♪だったり♪We wish you a Merry Christmas♪だったりで何でもいいらしい。なんだかおかしかった。 
  
 南京東路でタクシーを拾ってO野さんがもっていたガイドブックの漢字のホテル名を見せたら、どうも運転手のおっちゃんは字がよく見えないらしい。しばらく待ってみたけど、ぜんぜんダメなので降りようとすると「待て待て!」といった感じで、おっちゃんは通りがかりのひとを捕まえて「これはなんて書いてあるんだ?」と聞いていた。それでようやく「おー!おー!」と納得して車は出発した。おっちゃん、小さい字は見えないみたいだけど、運転するのには支障ないんだよね…?と多大なる不安を抱えた私たち…。無事にホテルに着いて「シェーシェー、バイバーイ!」と手を振ったら、おっちゃんもニコニコして手を振っていた。かわいいおっちゃんだった。 
  
  (←)ホテルの売店で売っていたお人形。It's a small worldみたい。かわいー(^^)
 
 お風呂に入ろうと思ってお湯を出したらまっ茶っ茶なお湯が出てきた。うわぁーっ!って驚いたけど、中国にいるんだなーとなんだか実感した。しばらくお湯を出していたけど、なんとなーく茶色い。完全に透明にはならずにあきらめてシャワーを浴びた。

◆ 今日の格言 ◆

(何かをするということは、何かを始めることである)
Horace Greeley