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1日目
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5月27日(土)
 
  


  


 
 
 Departure   
 1年3ヶ月ぶりの第1ターミナルは南ウイングが工事中になり、北ウイングがオープンしていた。ずいぶん長い間工事していたわりに、出発ロビーはすっごく綺麗になったというわけではなかった。今回の旅の相棒は通称おくさん。前の派遣先で一緒だった派遣仲間で、結婚してからは「奥さん」て呼んでいる。   
    
 出国審査はスムーズに終わり、大韓航空のマイレージサービス“スカイパス”の申込書を書いたりしながら時間をつぶした。大韓航空はデルタ航空、マレーシア航空、エールフランスと提携しているんで、とりあえず入会しておいた。どれも乗りそうな飛行機じゃない?なかなかいい感じ。私はひとつの航空会社にこだわって乗るのではなくて、その時その時に都合のいい航空会社を利用するので他にもノースウエスト航空、ユナイテッド航空、日本航空、全日空のマイレージサービスに入会している。ノースウエストは25,000マイル貯まってるけど、他はチョボチョボ…。   
    
 飛行機が飛び立つと機内放送で「飛行時間は1時間50分を予定しております。」って言ってたけど、定刻では2時間30分のはず。そんなに飛行時間が縮まるのか?「う〜む…」なんて考えていたらさっそく機内食がくばられた。今回の機内食はビビンバであって欲しいとずっと願っていた。いや、信じていた。でも…ポークカレーだった。すごく悲しい。食べ終わって、「もう着いちゃうんだー、早いなー。」とワクワクしていたけど、案外時間が経つのは遅い。しばらくガイドブックとにらめっこしていた。気が付くと食べ物のページを食い入るように見つめ、毛穴が広がるくらい興奮してしまった。まずい、はしゃぎすぎだ。このままでは酸欠してしまいそうなのでガイドブックをしまい、上映されているMr.Beenを見ることにした。大韓航空はなぜかヘッドフォンがない。Mr.Beenを見るのには必要ないけど、音楽は聴けないのか?頼めば持ってきてくれるのか?私はガイドブックを忘れて夢中でMr.Beenを見ていた。そしていつのまにかうとうとしかけたら飛行機は11:39、ソウル金浦空港に着陸した。飛行時間は2時間9分で、さっきの放送と定刻のちょうど中間だった。外は雨。なんかやな感じ。   
    
 飛行機に乗っていたとき機内誌のハングル文字を見て「パソコンはどうやって入力するんだろう…?」って不思議に思った。その答えは入国審査のときにわかった。ハングル文字は母音の11文字と子音の19文字を上下か左右にくっつけて一文字になる。だからキーボードには母音と子音を入力すれば一文字のハングル文字が画面に現れる(んだと思う)。日本語のローマ字入力みたいなもんだ。
    
 韓国を実感   
 出口を出たらツアーガイドがずら〜っと花だん道を作っていた。でもその中に私たちのガイドさんがいない。もう一度戻って手に持っている旅行会社の名前が書いてある紙をひとつひとつ見ていたら、一番最後にひょっこり現れた。ガイドさんはチョンさんと笑顔が素敵で声がとってもかわいい女性。ナチュラルメイクなんだけど、口紅の色が韓国って感じだ。同じのツアーのひとたちとバスに乗ってしばらくすると、ホロ付きの荷台にひとがいっぱい乗ったトラックが前を走っていた。荷台のひとたちは壁側に座っているひとの膝の上にひとが座り、さらにそのひとの膝の上にひとが座って3段重ねになっていた。反対の壁側にも一列にひとが座って合計4列で窮屈そうに詰め込まれ揺られていた。あの人たちは…軍隊?機動隊?警察官?そんな感じだと思う。あんなふうにトラックの荷台に詰め込まれている姿はなんかちょっとショックだった。韓国には徴兵制度がある。18歳から3年間だったかな?前にテレビで韓国海軍の訓練を見たけど、とにかく凄まじいものだった。日本の18歳から20歳の若者が同じことをできる訳がない。韓国のひとは私が思っていたほど「北が攻めてくる」という危機感はないようだけど、日本は平和ボケしすぎてるんだなぁと思った。   
    
 約40分でホテルに到着と言っていたのに、途中で紫水晶のお店に寄らされた。チョンさんはみんなが乗り気じゃないということを察したのか「お茶を飲むだけでいいです」なんて言っていた。そして私たちはホントに店内を足早に一周して木の根っこのお茶だけ飲んだ。同じバスの3組中1組のカップルだけ買い物をしている間にチョンさんに統一展望台への行き方を聞こうと思ったら知らなかった。統一展望台は北朝鮮との国境から30数km離れたところにある展望台で望遠鏡で北側を見ることができる。そして日用品や衣類なんかが展示してあって北側の暮らしぶりがわかるらしい。紫水晶を買っていたカップルはオプショナル・ツアーで統一展望台に行くと小耳に挟んだけど、チョンさんに値段を聞いたらソウル市内での昼食付きで7,000円だと言っていた(と思う)。それは高すぎる。あー、行き方をちゃんと調べてくれば良かった…。チョンさんに「本で読んだんだけど、北朝鮮は不思議な国だなと思う」と言ったらチョンさんも「私たちから見ても不思議です」と言っていた。 
    
 次に東和免税店へ。ソウル市内にある免税店の中でここは規模が小さいので値段で勝負しているらしく、他より安いというのがうたい文句だということなんだけど…まだ他に行っていないからよく分からず。特に買うものもないのでプラプラしてただけで、帰りに私は焼酎、おくさんは竹塩石鹸をもらった。焼酎はお父さんにあげようと思って…。
   

 石焼ビビンバ  

 やっとこさホテルに着いたのは14:50。もうおなかすいて死にそう…。とにかく明洞の全州中央会館へ石焼ビビンバを食べに一目散で行った。場所がわかりづらくてちょっと迷った。ほとんどのガイドブックに載っているお店だけあって、お客さんはほぼ日本人。おくさんは普通の石焼ビビンバ、私は生肉石焼ビビンバ(ようするにユッケ付き)を注文した。まず、キムチ、チャンジャ、しらすとピーマンの和え物、わかめの茎みたいな海草の和え物が出てきた。後者2品がほんのりごま油が効いていてとにかくおいしい!おまちかねの石焼ビビンバはコチジャンがたっぷり。でもそんなに辛くなくてちょっと濃い目の味付け。ユッケも声にならないおいしさだ。ただ、石鍋の温度がイマイチでジュッともいわなくて、そんなもんだからおこげもできない。私は本当は石焼じゃない普通のビビンバが好きなんだけど、せっかくだからと石焼を頼んだのに。こんなの石焼にした意味ないじゃんっ!ブー!!ちなみにおくさんのはおこげができていた。それと隣のひとが食べていたチヂミがものすごくおいしそうで、チヂミを盗み見てはおくさんと目を合わせ…の繰り返しだったけど、今、食べたら夕食に響くので石焼ビビンバだけで我慢、我慢。  
   
とにかくおなかが空き過ぎていて、写真を撮るのを忘れておもいっきり混ぜちゃった。食べはじめてしばらくしてから「あ!写真!」と慌ててパチリ。(おくさん撮影)
 
   
 明洞  
 おなかが満たされたところで、ようやく街の雰囲気をじっくり見ることができた。ん?ここは新宿か?そっくりっていう訳ではないんだけど、なんか似ている。ハングル語を除けば、街行く人々は日本人と同じような感じだし、まるで日本にいるみたい。それにしてもハングル語の看板はとっても迫力がある。圧倒されてしまう…。
 
 ガラス越しに首なしマネキンが整列しているサビサジ(SSA VISAGE)という洋服屋さんに入ってみた。かわいいTシャツやニットがずらーーーっと並んでいて、すごく安い。ただ、やっぱり質はいまひとつ。でも探せばなかなかいい感じの肌触りのものもある。私のお気に入りはペコちゃんのTシャツのバッタモノ。なんとなく様子が違うペコちゃんが真中に描かれていて、ペコちゃんのまわりに「不二家」とか「ペコ誕生」とか日本語で書いあった。色違いで赤・オレンジ・水色の3種類あり、それぞれ袖と首まわりと文字とペコちゃんのほっぺの色が違うんだけど、水色のほっぺってどうだろう。ニッコリ笑っているけど具合悪そうだよ…。私が真剣にペコちゃんTシャツを見ていたら、店員さんに「オネエサン、サイズ、ダイジョウブ。ニアウヨ。」なんて言われた。これはちょっと着れないけど欲しいと思わせる魅力はあった。パジャマにしようかなぁ…なんて真剣に悩んだけど結局買わなかった。おくさんはTシャツ2枚とキャミソール1枚お買い上げ。全部で1,000円くらい。ABロード2000年7月号によるとこのお店は東大門より安いこともあるそうだ。  
   
 続いて向かいにある明洞衣類へ。衣類と名がつくけど衣類だけではなくなんでも売っている。ここでもおくさんはキャミソール等買いこんでいた。私は700W(約70円)のマニキュアを発見し選んでいたけど、結局3,500Wのものを買った。これじゃ別に安くないじゃん…。  
    
 ちょっと目に付いてかばん屋さんを見ていたらお店の人に「ホンコン?」と言われた。中国人とはよく言われるけど、香港人て言われたのは初めて。あー、結局、中国人顔ってことか。道を歩いていると、「オネーサン、オネーサン」とお店の人によく声をかけられる。品物を見て「もっと他を見てから」と言っても通用しない。「じゃあこれは?こっちも見て!」と腕を掴んで離さず、次々と商品を出してくる。日本人とは違う商売人パワーがちょっと怖いと思った。 
  
ホットケーキよりモチモチしたコーンの生地の中に黒砂糖が入っているスナック。ホットックというらしい。アツアツで中の黒砂糖が溶けていてとってもおいしい!1,000W也。お金を払って、置いてあるちょっと厚手の紙を差し出すとポンと載せてくれる。ただ、油(バター?)で揚げてあるから、厚手の紙1枚だけじゃ熱くてとても持てない。
 
韓国料理のファーストフードみたいなお店が結構ある。お姉さんやおばさんが太巻きと細巻きを器用にひょいひょい巻いていて、見ていておもしろかった。
 
 ドトール  
 ちょっと一休み…とドトールに入ってみた。昨日、図書館で読んだ韓国のガイドブックに「コーヒーを飲みたいならドトールへ。他の喫茶店はイマイチ。」と書いてあった。イマイチなコーヒーもちょっと興味あるところだけど、日本にあるお店とどう違うのかも気になる。お店の雰囲気は同じ感じだ。私が注文したアイスラテは…甘い!もうすでに砂糖が入っちゃってる。コーヒーの味はインスタントっぽくておいしくない。ほとんど残してしまった。おくさんが注文したミルクはぬるかった。韓国の牛乳は日本のものより甘いみたい。  
   
マークがコピーのコピーって感じでちょっと歪んでるよ…
  
 南大門  
 明洞から歩いて南大門へ。まだ夕方なので開店していないお店が多い。メガネはいくらくらいで作れるのか聞いてみようと入ったお店で結局作ってしまった(詳しいことはこちらへどーぞ)。私が持っていたメガネの度を調べて、同じに作ってもらった。持参したメガネのフレームは韓国産だったみたい。メガネ屋のおねえさんが「ほら、同じメーカー。」って見せてくれた。作っためがねは1時間後に完成するというので、あとで取りに来ることにした。 
  
 大阪に留学していたという店員さんがいる海苔屋さんで韓国海苔を買った(詳しいことはこちらへどーぞ)。2種類の海苔を味見したけど、ぜんぜん塩気が違う。海苔を買うときは味見をしてから買った方がいい。なんだかしらないけど店員さんが「写真を撮ってあげる」といいだした。まぁ、記念に…と撮ってもらったのがこの写真→。
  
 夕食を食べた屋台を出てすぐ近くのメガネ屋さんで、おくさんはサングラスを作った。それもまた1時間くらいで出来るという。メガネ屋さんの向いにカットフルーツやさんがあり、メロンを買って食べた。とっても甘くておいしい。新宿アルタの横のカットフルーツ屋さんの2倍はあろうかという大きさで500W。こりゃ安いね。
  
 私のメガネを取りに行こうとして迷った。適当に歩いていたらたどりついて、出来たメガネをかけて視力検査をしてもらった。結局どのくらい視力を矯正できているのかわからないけど、結構下の方まで見えたので良しとしよう。今のメガネよりよく見えるような気がする。
   
 屋台 
 今日の夕食はプルコギを食べようと思っていたんだけど、屋台の誘惑に負けた。南大門の市場の中にはたくさん屋台があって、前を通りかかると「オネーサン、ドーゾ、スワッテ!」「オネーサン、チヂミ、アルヨ!」みたいに声をかけられる。見た感じはどこも一緒なので、適当に座ってみた。目の前にいろんな食材がずらっと並んでいて、どれもおいしそう。ただ、チヂミはもう出来ているのが積んであったので頼まなかった。私たちが注文したのは春雨炒め、太巻き、トッポギ、サービスでムール貝のスープ。春雨炒めは日本の韓国料理屋さんで食べてから大好物♪もちもちした春雨がたまらなくおいしい。太巻きはひとくちサイズの中巻きといった太さで、韓国海苔に巻かれたごはんの中央に野菜なんかが入っていてあっさりしている。トッポギは2・3コ食べれば十分って感じ。やっぱり春雨炒めが一番おいしかった。お会計はふたりで18,000W。高いのか安いのか…。
 
  
 タクシー 
 南大門からホテルへはタクシーで5分くらい、1メーターで1,300Wだった。地下鉄で帰ると2回乗り換えてひとり500Wだからタクシーの方が断然お徳だ。タクシーの運転手はとってもフレンドリーで「何買ったんだ?」「海苔か?」「いくらだった?」「んー、ちょっと高いけど大丈夫。」なんて話しているうちにホテルに着いてしまった。 
  
ソウルのタクシーは観光客用の模範タクシーと普通の一般タクシーとがある。るるぶ韓国1999-2000には「流しのタクシーは少ない」って書いてあるけど、一般タクシーはたくさん走っている。模範タクシーは大きなホテルの前にずらっと並んでいる。ソウル滞在中、私は模範タクシーには一度も乗っていない。初乗りの料金は模範タクシーの方が倍以上するし、何度か乗った一般タクシーの運転手は皆とってもいい人だったから、私は一般タクシーで十分満足している。ソウル市内は横断歩道が少なくて、大きな道路はほとんど地下道でつながっている。地下鉄を降りて目的地まで歩くようなら、なんども地下道を通る階段を下がったり上がったりするからやたら疲れる。そんなに長距離じゃなかったら、タクシーに乗ってしまうことを勧める。
   
 ホテル 
 私たちが泊まったホテルはニュー国際。マップツアーでは下から2番目のランク。地下鉄の市庁駅から徒歩3分くらい。ネット調査では「窓のない部屋がある」なんて書いてあったけど、窓がある普通の部屋だった。フロントは日本語が通じて言葉の面ではまったく不自由がない。ただバスマットがないのは不便だった。
 
 

 
 

旅立つ前

 

2日目