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● 劇症1型糖尿病(Type 1B)とは |
発症原因: 特定のHLA + 特定のウィルス( + 特定の抗体)
(遺伝、遺伝子異常、さまざまな原因、主病、薬物、生活習慣に関わる相対的問題等が一切無く、劇症で短期間で絶対的枯渇となる難病です。) |
劇症1型糖尿病(Type 1B)の発症原因(詳細) |
■遺伝・持病(主病)・妊娠・薬物、生活習慣に関わる問題等の相対的原因は持ちません。 |
■特定のHLAと、特定のウィルスによって、自己膵β(膵島組織のβ)細胞が数日という短期間で枯渇まで破壊され、数日で死に至る難病です。
なぜそうなるのか、予防法、根治法、強化インスリン療法等もいまだ未完成で、解明されていないことが山積しています。
発症したら一刻も早く適切で正しい診断とともに、必要かつ十分量の医療材料と、適切な強化インスリン療法が必要となり、膵島(膵臓)移植が成功しない限り一生外部からのインスリン治療が必須となります。
(ただし、インスリン注射離脱の希望が持てる膵島・膵臓移植、ES細胞、iPS細胞もまだまだ多くの問題が山積しています。)
なお、自己分泌膵島の破壊量は、高感度血中CPR値で確認でき、その程度は枯渇(0.03ng/ml未満の感度以下)に至っています。 |
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;膵島=ランゲルハンス氏島(ランゲルハンスしとう、islets of Langerhans、略してラ氏島と呼ぶこともある。)とは、動物の臓器の一つである膵臓の中にあり、膵臓組織全体の1〜2%程度(ヒトの成人では約1g程度)の膵臓の中で島状に散在し、4種類の内分泌細胞を有している組織の塊である。
形状や大きさは卵型からクローバーの葉型等様々である。
(平均の直径は0.1mm〜0.2mm「100〜200μm」:福岡大学医学部助教授安波洋一による)
この内分泌細胞とは、 |
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血糖値を上昇させるホルモンの
グルカゴンを分泌するα細胞(A細胞):膵島組織の15〜20%、
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血糖量を低下させるホルモンである
インスリンを分泌するβ細胞(B細胞):膵島組織の70〜80%、 |
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さまざまなホルモンの分泌量を調整する働きの
ソマトスタチンを分泌するδ細胞(D細胞):膵島組織の5% |
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および |
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ポリペプチドを分泌するPP細胞:膵島組織の1%以下 |
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の4種の細胞からなる細胞塊である。
別名を膵島(すいとう、pancreatic islet)という。
膵臓組織全体の1〜2%程度で、他は外分泌線である(ジョスリン糖尿病学)。
(日本膵・膵島移植研究会では、膵臓の99%は外分泌細胞で、1%が内分泌細胞の膵島とされます。)
平均体重70kgの健常者において、30万個から150万個の膵島を持つ(ジョスリン糖尿病学)。
※すなわち高感度血中CPR値で0.3ng/ml〜1.5ng/mlは正常値で、2型糖尿病患者の多くはこの数値範囲です。
(日本膵・膵島移植研究会では、成人一人当たり100万個の膵島を持つとされています。)
1型糖尿病は、この中のインスリンを分泌するβ細胞(B細胞)が、数日の短期間で特異的・絶対的に枯渇(0〜3千個未満=高感度血中CPR値で0〜0.03ng/ml未満)まで破壊され、発症します。
厚生労働省高度医療評価会議で「適」と認可された膵島移植(ラ氏島移植)は、一人のドナーの膵臓から得られる分離した膵島(フェーズTでは約30万個/人)を肝臓の門脈に点滴移植しますが、インスリン離脱(1型糖尿病の治癒)までに約100万個の膵島が必要なため(フェーズTの段階では)合計三人のドナーが必要だとされます。
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■血縁に糖尿病疾患や、その遺伝性を持たない父親と母親のHLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)から受け継いだ2つの型が一対となって1つのセット(一個人)を形成します。
それを「HLAハプロタイプ」と呼びますが、何万〜何十万分の1の確率で疾患抗原となるその「特定のHLA」を持つと共に、以下の「特定されたウィルス」によって劇症1型糖尿病を発症します。
なお、HLAは両親からその半分ずつを受け継ぐため、親子や兄弟の間でも一致する確率は大変低く、ましてや非血縁間では数百〜数万分の1の確率でしか一致しないといわれています。 |
HLAと日本人の病気の相関表(一部編集)
(参照) 公益財団法人 HLA研究所 |
疾患 |
特定のHLA |
1型糖尿病(IDDM) |
HLA-B54 |
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HLA-DRB1*04:05 |
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HLA-DQB1*04:01 |
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HLA-DRB1*09:01 |
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現在までに特定されたウィルス(参考) |
欧米からの報告では |
・コクサッキーB・ウィルス
・サイトメガロ・ウィルス
・EB・ウィルス
・ムンプス・ウィルス
・風疹・ウィルス
・ロタ・ウィルス
・ピコルナ・ウィルス
・エコー・ウィルス
・Ljungan(ユンガン)・ウィルス
です。 |
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日本の難病情報センターより
「劇症1型糖尿病のウイルス原因説に関する研究」班の2012/4報告では |
ピコルナウィルス科
・EMC(脳心筋炎)・ウィルス
・コクサッキーB4・ウィルス
・mengo・ウィルス
レオウィルス科
レトロ・ウィルス科
等多くのウィルスとされています。
(マウスの動物実験の段階です。) |
報告書の一部より
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※これらのウィルスは、ほとんどすべての人間が幼少時に感染し、免疫力が付きますが特定のHLAを持った方だけが劇症1型糖尿病=1B型糖尿病を発症します。
中でも、EBウィルスが不死化して、膵ベータ細胞を短期間で「最後の一撃」まで破壊し、「生命維持」に強化インスリン療法が必須になります。
劇症1型糖尿病の患者が、これらのウィルスで発症したとしても他人には感染しません。 |
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■劇症1型糖尿病は、発症時から「生命」維持の難病・障碍となり、1型糖尿病は3年未満で「生命維持」の障碍となります。 |
■必要かつ十分量の医療材料とともに生命の維持に適切な強化インスリン療法が必須となり、正しい理解と前向きな適切な手段の確保が欠かせません。 |
■自己分泌能が回復することはありません。 |
■劇症1型糖尿病は1型糖尿病の発症原因となる「特定の複数の抗体」を同時に抱えることもあります。 |
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劇症1型糖尿病と1型糖尿病の共通点 |
注意喚起 |
再確認 |
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