MIDI の特徴はその名前の由来通り情報をディジタルであらわしているところにあります。
MIDI が登場するまでのアナログシンセサイザーは「CV」という方法で情報のやりとりをしていました。
CV とは ContorlVolt の略で電圧の大きさで音程などの情報を伝達するものでした。しかし、この CV には次のような欠点がありました。
標準的な MIDIインタフェース回路 |
3種類のMIDIコネクタ (一番左からMIDI THRU、MIDI OUT、MIDI IN) |
A. MIDI OUT/IN 端子
名前から分かるように MIDI OUT端子は外部へ MIDI信号を送り出すための端子で、MIDI IN端子は外部からの MIDI信号を受け取るための端子です。
これら 2つは基本的には対で使いこのような配線をします。このとき信号を送り出す MIDI機器を「マスター」、逆に受け取る側を「スレーブ」と呼びます。つまり、マスターの MIDI OUT端子とスレーブの MIDI IN端子を繋げば、スレーブに対しマスターから情報を送り出すことが出来るようになる、ということです。
MIDI は電気的なトラブルを極力なくす工夫がなされています。例えば、接続方法を間違えてマスターの MIDI OUT端子とスレーブの MIDI OUT端子を繋いでしまっても問題が起きないようになっています。(もちろん情報の送受信もできませんが)
これは MIDI IN端子から内部の重要な心臓部とを「フォトカプラ」という部品で電気的に分離しているからです。なにかの拍子に MIDI INに多大な電圧が加わってしまったりした場合でも、フォトカプラが内部の重要な回路の破損を防いでくれます。
このフォトカプラは信号の伝達に多少の時間的遅延を生じます。これを考慮しながら使わなければなりません。
また、情報のやりとりには「カレントループ」という方式を使って信号が誤って伝わることを極力なくしています。
B. MIDI THRU 端子
MIDI THRU端子は MIDI IN端子に入力された信号をそのまま送り出すための端子です。この端子を利用すれば図のように複数の MIDI機器を直列に接続することができ、1台のマスターで複数台のスレーブを同時にコントロールすることが可能になります。
しかし、このような接続方法は望ましいとは言えません。フォトカプラを通過するするたびに信号の劣化や遅延が大きくなり信号が正しく送られない可能性があるからです。また、配線がスマートだとはいえません。
Thru端子で直列に繋げる場合は最大でも 3台程度にしておくべきでしょう。
4台以上繋げたい場合などは「Thruボックス」とよばれる機器を使って接続します。
Thruボックスには通常 1つの MIDI IN端子に対し 4個や 8個など多数の MIDI OUT端子がついています。MIDI INから入力された情報はそのまま全ての MIDI OUTに出力されます。
結果としてマスターからスレーブへ届く情報はどのスレーブにおいてもスルーボックスのみ通過することになり、情報の劣化や遅延によるばらつきも最小限になります。
5ピン DINコネクタ |